人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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アジーカ【あけおめ】

アンリマユ【あけおめー。今年もよろしく頼むぜ、アジーカ】

アジーカ【前向きに検討】

アンリマユ【政治家答弁なんてどこで覚えたんだよ…いい子じゃないとお年玉やらないぞー】

アジーカ【!何卒、何卒】

アンリマユ【血相変えやがったなお前ー。まぁいいや。ほーら2023QPだぜー】

アジーカ【やったぜ】

アンリマユ【ほーら、ありがたく受け取れー】

アジーカ【わーい】
ラスプーチン【わーい】

アンリマユ【……………】

アジーカ【?】
ラスプーチン【どうしたのかね?アンリマユ。私達にお年玉プリーズ】

アンリマユ【………】
アジ・ダハーカ【…………】

【【?】】





邪三人集まれば喧しい

「はっはっはっ。まさか問答無用で袋叩きにされてしまうとは。楽園カルデアの中核を担う2大巨頭にしてはやや余裕が足りないのでは?」

 

新年生放送を見て、無事新年を迎えたアンリマユとアジーカ。本編もいい感じに止まっているので優雅極まる寝正月に移行しようと思いアジーカとコタツに入っていたところ、現在絶賛ピックアップ中の大人気キャラクター(当社比)、ラスプーチンの来訪に気づき、とりあえずアーネンエルベに連行し二人で囲んでボコボコにした次第であった。

 

【アンタラスプーチンだよな?新年のめでたい月日にあんな辛気臭い宝具紹介しやがってら、元旦に泥ぶちまけるんじゃねぇや】

 

【あの宝具…アジ・ダハーカ。アルターエゴ。即ちアジ・ダハーカ因子。何様IS肖像権の侵害。しねぇ】

 

「はははははは痛い痛い首がしまっている。鳴り物入りでやってきた新たなるアジ・ダハーカを心優しく受け止める奇跡はないのかな?」

 

【ダ・ヴィンチちゃんへの手刀IS絶許】

 

「随分未来を見ていらっしゃる。大丈夫だアジーカ少女、この場所では起きないというか起こせない」

 

【あー待て待て、とりあえず何をしに来たのかは聞いてやろうぜアジーカ。ステイステイ。本編参加できて良かったなアジーカ】

 

同族嫌悪なのか、ラスプーチン相手に非常に牙を剥き出しにしているアジーカをアンリマユは制する。ラスプーチン自体はアンリマユに対しては非常に慇懃であり、アジーカの牙を剥き出しにしたじゃれつきをラスプーチンは生暖かく見守っている。血は出ているがさしたる問題ではない。

 

【うがー】

 

【で、わざわざ麻婆神父が何をしにやってきたんだ?私達は今絶賛平和な汎人類史で寝正月を過ごすんだ。世界を巻き込んだ生存競争なんざ余所でやってくれねぇか】

 

「コレは手厳しい。そういえば君達は全く別の歴史、別の誰も知らない歴史を歩み始めていたのだった。アンリマユ、大いなる悪神。お逢いできて光栄だ。私も実質、アジーカという事でどうかね?」

 

【どうかね?じゃねーよボケ。麻婆詰まらせて死ぬかコラ】

 

「はは、すっかり嫌われてしまったようで残念ですな。では、端的にここへやってきた理由を告げさせていただきましょう」

 

すみません、コタツに入れていただいても?アジーカと牽制し合いながら、三人の悪神達は炬燵を囲う。リッカは絶賛皆と初詣中、ナイア達はニャル子達と初詣中なので、割と珍しい来客はそれほど邪険に扱うことはない二人であった。

 

「ここに来訪した理由は一重に、我が主がお世話になった事への謝辞を持ってきた次第であらせられます」

 

【あー、リッカがやったフレンド救援の事か】

 

「そういう事です。あの場、あの瞬間であの状況を打開できるのはあなた方の見出した方でなくては不可能でした。お陰様で我が主、お嬢様は常にご機嫌上機嫌、私への当たりも大分改善されました。少し疲れているみたいね、勝手に休んだら?と有り難い言葉をいただく事も叶いました。待遇改善に御協力いただき、感謝の極み」

 

【1ミリも私ら関係無いなそれ…】

【対岸の待遇改善】

 

ミカンをパクパクと喰らうラスプーチンに心からの困惑を贈るアジーカ、アンリマユ。何やら知らないうちにリッカは異世界の見知らぬ誰かと、アジ・ダハーカを助けていたのだ。

 

(またリッカが私の運命だった案件)

(私達に縁があるのって実際どうなんだ?嬉しいのかねソレ?)

 

「どうやらお嬢様はカルデアの首脳部に御礼を告げに参ったそうなので、私はこの身に宿る悪龍の化身たるアジーカ君、並びにとても縁のある推しの神アンリマユにご挨拶を参りに来た次第というのがここに私がいる全容となります」

 

律儀にも、自分からも御礼を告げたいという理由で会いに来たのだという。言峰綺礼といえば、根は紛れもなく聖職者。ラスプーチンなるものを宿せる程度にはその信心は大したものであり、それなりに弁えた振る舞いはできるのだろう。

 

【そりゃあご苦労なこったな。礼なんぞいらねぇよ、頼むからそっちのゴタゴタをこっちに持ち込まないでくれ。サタンとドンパチやった後、偽の神サンと一戦交えなきゃならないんでな】

【敵の敵は味方。藤丸立香はお前の敵。だから味方。お前は敵】

 

「フフフ、それは勿論だとも。そちらの有する英雄機神、アレを振るわれれば万に一つもこちらに勝機はない。単純に、出力が違いすぎるからね」

 

不可侵条約を結ぶ態度を見せるラスプーチン。その物言いに嘘はないことをアジーカは見抜く。如何なる存在でも、アジーカの審美眼を欺く事はできない。

 

【言いたいことは言い終わったか?ならとっとと主の下に帰った方がいいと思うぜ。ヒステリー持ちのオルガマリーだなんて厄介だぜ?】

 

「それは心配ない。何せナウイ・ミクトラン前編が配信されて正直、暇だ。ぶっちゃけ異世界のアジ・ダハーカがどのような存在か非常に気になっていたのでね。一目見た結果非常に満足した。とっても可愛いようで何より。仲良くしようじゃないか。お手」

 

(力の限り噛みつく)

 

「はははははははははははははははははは痛い痛い痛い非常に痛いですよアジーカちゃん。今私は衛宮士郎とエミヤの関係性を魂で理解できている。なるほど自分自身との戦いはいいものではない」

 

アンリマユはため息をつく。まぁ別に止める理由も無いのだが、こいつは基本的に隙だらけの背中はつい反射的に突き刺し貫くタイプの輩であることは確信的なので、放逐するのも大変厄介である。

 

【こらこら、仮にもアジ・ダハーカ同士なんだから仲良くしろよー】

 

【まだ力を使っているだけでアジ・ダハーカではない可能性が微レ存。首が3本あって黒い龍というだけで私という可能性は薄いはず】

 

「ほぼそれはアジ・ダハーカで間違いないのでは?他に心当たりはあるのですかアジーカ嬢」

 

【キングギドラ】

 

「はははははは、どちらかといえばギルガメッシュのような色合いでしょうそれは」

 

【微レ存】

 

【はいはい、別側面別側面。…しょーがねーなぁ。私が色々奢ってやるから、ちょっと付き合えお前ら】

 

【まことか】

「いいのですかアンリマユ。可愛らしい我々アジ・ダハーカに年始の恵みをくださると?」

 

【おーおー、くれてやるくれてやる。だからさっさと支度しろ。混雑してる場所も時間も避けてひっそりとめでたい節目をお祝いしようぜ】

 

「わーい。ではアジーカ嬢、一緒にアンリマユのご厚意に甘えると致しましょう」

【近寄らないでほしい】

 

「はははは、シンプルな罵倒と懺悔はよく似ている。何よりもまっすぐに心に響くからだとも」

 

【光栄に思ったほうがいいぜ?アジーカがそこまで毛嫌いすんのはアンタが初だ】

 

「とても哀しい。まだまだ魂は無垢な反抗期の只中のようだ」

 

そんなこんなで、頼まれもしないでやってきた来客の対応に二人は奔走することとなる。

 

【同情するぜ。こんな奴等とシノギ削ってる向こうのカルデアにはよ…】

 

「アジーカ嬢。私からのお年玉などはいかがでしょうか」

 

【パパ活親父】

 

「はははははははは。信じられれん敵意と罵倒のレパートリーだ。私、そろそろさめざめと泣きたくなってきた」

 

異星の神。そう呼ばれる輩とその連中のキャラクターの激烈さに、アンリマユは他人事ながらも同情せずにはいられませんでしたとさ──。

 

 




食堂


ラスプーチン「これは…!絶妙な辛さ、熱さ、量。あまりにも、あまりにも素晴らしい逸品だ…!」

アジーカ【(ドン引き)】

アンリマユ【解るやつにはわかる辛さなのか、ソレ…】

〜カルデア神田明神

ラスプーチン「FGOプレイヤーが、ラスプーチンピックアップガチャで存分に散財しますように」

アジーカ【彼を消す方法】

アンリマユ【何をお願いしてんだお前ら…】

アンリマユらはそれなりに、年末年始をまったり楽しんだとさ。

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