人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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ユーノ「出来た…!リインフォース、並びに夜天の魔導書を確保、そして防衛プログラムの切り離しを行った事により、ナハトヴァール自身の中核と人格を司る大部分の位置を特定したよ、なのは!」

なのは「それってつまり…!」

ユーノ「ザッハークが遺した自己再生、自己修復のプログラムからナハトヴァール自身を確保できれば…彼女を救出できる!」

フェイト「ナハトヴァールを…?」

ユーノ「魔導王から言われているんだ。『産まれた心に罪はありません。人類の敵と認識するのは、彼女の洗脳が解けてなお人類に敵対してからです』って。時空管理局は、ナハトヴァール自身にまだ責は取らない方針なんだ」

はやて「じゃあ、ナハトヴァールとリインフォースを一緒に仲間に迎えられるかもっちゅうことか!?」

ナハトヴァール【アアアアアアアアアアアア!!!】

ユーノ「そうだよ、と言いたいけれど…ザッハークの魔術式がナハトヴァールに深く食い込み過ぎていて、彼女を切り離す手段はそのまま彼女を…」

ティアナ「そんな…!」
スバル「何か手はないんですか!?」

リインフォース「あります」

はやて「リインフォース!?」

リインフォース「古代ベルカの遺産、私達夜天の魔導書が悪意と絶望に歪められたのならば、それを覆すのは…希望」

はやて「希望…」

リインフォース「私は皆様に、人間に素敵な名前と幸福をいただきました。それが、ナハトヴァールには叶わないなんてあり得ません。ここにいる全員の力を合わせれば…」

モノクロクマ仮面「企業秘密ですが、彼女の告げる人間への嫌悪を、一瞬止められます」

ユーノ「リッカちゃん、カレイジャスハートでザッハークを倒した際に起こしていた現象は対消滅だったよね!」

リッカ「はい!エネルギーや魔力の性質的に!」

ロマン『それなら、リッカ君を媒介にして皆の力をザッハークの力を打ち消す力にすればいい!カレイジャスハートならそれができる!』

ユーノ「ロマニさん!通信が回復しましたか!」

オルガマリー『イリヤがリインフォースの救出をやってくれたから、後は浄化だけよ。立花響の得意とする協調強化、カレイジャスハートでやってみせなさい。リッカ』

リッカ「オルガマリー…!解った!ではなのは教官!頼みます!」

なのは「えっ、私?」

イリヤ「見せてください、魔法少女リリカルなのはの底力!」

レイジングハート『ここはビシッと決めましょう』
バルディッシュ【エースオブエース、頼みます】

なのは「……………」
フェイト「見せてあげようよ」
はやて「ビシッと頼むで!」

なのは「…わかった!」

リッカ『よし!カレイジャスハート!』
カレイジャスハート『了解!アメジストライト、オルガマリーフラワー!出番よ!』

『『了解!!』』

リッカ『力を貸して。サナちゃん、ビッキー!コード、グレイソーマタージ!』

ナハトヴァール【!!!】

『セット、ハーモニクス!エクシードモード、起動!!』




ETERNAL・BLAZE

【人間…人間…!人間どもめえええええっ!!!】

 

最早怪物としか形容できない領域にまで肥大化したナハトヴァール。まるで彼女に降り掛かった絶望と欲望を形にしたかのような姿。彼女自身も、憎しみにより突き動かされている。自身も制御できない感情のままに。

 

「シグナム殿、どうやら魔導師組がなにかするようだ。ここは任されよ」

「すまない、任せよう!」

 

シグナムは素早く離脱し、サーヴァント達が懸命にナハトヴァールを抑える。最早時空管理局の30%を奪わんとしている彼女は、不死の怪物と化している。

 

「よくもまぁ、洗練された魔導書をここまで歪めたものね。指向性を極端にし過ぎじゃないかしら」

『人間の悪辣さは底無しと言うことだ。覗き込めばな。だが、それは一面なのだろう?』

 

「無論だ。だから我等は世界に喚ばれ力を貸すのだから」

 

ナハトヴァールにいよいよ決着を。そう一員が気合いを込め直したその時にそれは起こる。

 

『人間への憎悪、嫌悪。…その認識は、嘘となる』

【!?】

 

瞬間、ナハトヴァールの全システムが硬直…エラーを起こす。それは、停止プログラムを打ち込まれたかのようなスタン。

 

「停止確認。10秒位しか保ちませんから…あとはお願いします」

 

珍妙な仮面を被った女性の一手で、ナハトヴァールは停止する。それは、魔法とも魔術とも違う異質なもの。

 

「君は…」

 

「離れた方がいいですよ」

 

瞬間、膨大な魔力が立ち上るのを一同は確認する。それが意味する所も。即ち──決着を付ける時であると。

 

 

「ナハトヴァール、つむぎ図書委員により瞬間停止を確認!今だ、なのは!皆!」

「リインフォース!頼むで!」

 

「うん!」

「お任せください。哀しみを、終わらせましょう」

 

ユーノが激を放つと同時に、なのはを先頭に位置についた管理局のメンバー、そしてイリヤスフィールが爆発的に魔力を練る。その頭上には、リインフォース。

 

「ザッハークのもたらした改良には偏りがあります。人の悪意と悪感情を魔力に変換するなら、その逆を行うことも…今の私には可能」

『皆の魔力とデバイス、リンカーコアをリインフォースが束ね、なのは君から渾身の魔法として放とうと言うことか!』

 

「なのはなら出来る。皆の力と想いを、纏めてぶつけられる!」

 

「それに、カルデアの力もここにはある!行くよ、イリヤちゃん!」

「はいっ!なのはさん!」

 

『全力の反動は私が消してやる。思うままにやれ、イリヤスフィール』

「ありがとうございます!ヘラさん!」

『リッカ、抜かるなよ!』

 

黒神の言葉に頷くリッカ。レイジングハートとカレイジャスハートに搭載されたエクシードモードは、力と出力をかけ合わせ何倍にも増幅できる力を有する。イリヤの全力砲撃、なのはの時空管理局全ての魔力を合わせた一撃。それをリインフォースの力にて対ザッハークにしたものを、リッカが仲介し何万倍にも高める。ナハトヴァールの呪いを解くために必要なプロセス、その中核をリッカは担うのだ。

 

『やってみせる。ナハトヴァールはもう、ただの防衛プログラムじゃない。ザッハークの呪いから解き放つ!』

 

「リッカちゃん!」

 

なのはが声をかける。別世界の、一番弟子の一人に。

 

「信じてるよ」

「はいっ!!」

 

頷き、光輪を展開し、6枚の翼を収束器に展開。魔力をアフラ・マズダ由来の神聖なものに変換させる形態にカレイジャスハートを展開。なのはから放たれる魔力を完全変換させる為の形態に転換する。

 

「行くよ──レイジングハート!!」

『見せてあげてください。元祖・魔法少女の全力全開を』

 

フェイト、はやてを始めた仲間達も一斉に構える。なのはと連結された大魔法が今、時空管理局の全てを懸けて放たれる。

 

「全工程、クリア!魔力、限界収束!」

『来るぞリッカ君!絶対に生き延びておくれよ!?』

 

空間が激震し、大気が震え、用意された成層圏付近空間を桃の魔力が埋め尽くす。

 

「はぁあぁあぁあぁあぁあっ………!!!」

 

全員の、そして管理局のエネルギーを、リインフォースとカレイジャスハートの共鳴で青天井により跳ね上げられながら、なのはが狙いを定める。

 

「これが私の、私達の!全力全開!!」

 

「行って、なのは!」

「ブチかましたれ!!」

 

親友二人の後押しを受け、臨界した魔力を一直線に解き放つ。星の燐光を越え、全てを呑み込む光の奔流。

 

リインフォースにより、ザッハークの呪いを解き放つ光。その名は───!

 

「スターライト・ブレイカー──────!!!!!」

 

撃ち放たれた、なのはの何十倍も大きい魔力光の奔流。人を呑み込んで余りあり、ナハトヴァールすらも覆い尽くす大魔法、スターライト・ブレイカー。ユーノ、リインフォースのアシストを受けた、対ザッハークへの切り札が今放たれる。

 

『イリヤさん!!』

「行っけーーーーッッッ!!!」

ルビーの掛け声と共に、同時にイリヤも夢幻の剣より極光を解き放つ。なのはの一撃に、皆の願いを乗せ届けさせる為に更なる変質を呼ぶ。

 

【─────!!!】

 

『ナハトヴァール、防御開始!』

『計算では数%の魔術式が残ってしまいます!』

 

ザッハークの施した魔術の完全な消滅を果たさなければ、ナハトヴァールは解放されない。人間への嫌悪がそうさせるのか、全力全開の一撃ですら自己保存を果たそうとする。

 

「大丈夫!リッカちゃんは必ず──」

 

『───!!』

 

「私達の願いを、届けてくれます!!」

 

なのは、イリヤの言葉に応えるように。リッカはその背中にて…カレイジャスハートを信じて、なのはのスターライト・ブレイカーとイリヤの夢幻の剣製を受け止め背負う。

 

『ぐっ、うぅっ───おぉおおぉおぉおッッッ!!!!』

 

リインフォース、ユーノのアシストありとはいえ、それはなのはの全身全霊を背中で受け止める事に等しい。魔導師達の全力全開を背中で背負う事に等しい。一歩間違えれば蒸発すらするであろう威力を、自身の全てを懸けて受け止める。

 

『く、砕けてしまいそうですね…!』

『しっかりなさい!私達が決め手よ!』

 

アメジストライト、オルガマリーフラワーが懸命に魔力変換を行い、増幅を開始する。ナハトヴァールに巣食う全てを、消し去るために。

 

『マスター!貴女ならできるわ、倒すためじゃなくて、救う為の戦いを!』

 

『カレイジャスハート…』

 

『手にしてもらって全然日は浅いけど、信じるわ!やってやりなさい、あの躾のなってないヤツの教育!』

 

やがて、カレイジャスハートとリッカのバリアジャケットが砕け散る寸前まで魔力変換を行い、増幅した術式が完遂する。ニ元の極地、悪を晴らす善なる輝きとなったスターライト・ブレイカーが装填される。

 

『──今なら、違う意味で叫べる!哀しみと絶望しか見えない世界に、終止符を!』

 

カレイジャスハートをデバイスに変換し、真っ直ぐに突きつける。皆の掲げた想いの全てを以て、悪意に満ちた世界を終わらせる。

 

それに相応しい名前が、彼女にはある。全く違う意味で叫ぶ、その必殺の名前こそは────!

 

『ワールドエンドオォォ!!ブレイカアアアアァァァーーーーーッッッ!!!!!』

 

なのはの一撃を、何千倍にも増幅した必殺の絶技。人間が生み出す魔力の数割にすら相当し得るその一撃が、リッカを通じてナハトヴァールへと迫る。

 

【これは…!?この、光は…!!?】

 

ナハトヴァールは避けることも、防ぐことも出来なかった。そんな逃げ場もないし、自身よりも遥かに巨大な、虹の光線を防ぐことも出来なかった。

 

【あああああぁぁぁぁーーーーーーッッッッッッ!!!!】

 

断末魔とも、悲鳴ともつかない絶叫と共に、微塵の拮抗も許さず。ナハトヴァールはその光に呑み込まれ────。




リインフォース『ナハトヴァール。もう、いいでしょう』

ナハトヴァール【リインフォース…】

リインフォース『あなたはもう、心を持っている。私となんにも変わりない、一つのあなたです』

ナハトヴァール【黙れ!私は、私は人間と歩むつもりはない!】

リインフォース『怖いのですか?』

ナハトヴァール【………】

リインフォース『あなたにも、幸せになってほしい。人は、悪い人達ばかりではないのです』

ナハトヴァール【…………】

リインフォース『…マスターへの、恩義を?』

ナハトヴァール【………お前達が悪と呼ぶ者は、どんな思惑があれ、私に心をくれた。防衛プログラムでしかない私に】

リインフォース『ナハトヴァール…』

ナハトヴァール【例え、悪辣と嘲笑が目的でも。私のマスターは…彼だ。ならば私は…彼の価値観に殉ずるべきだろう…】

リインフォース『いいえ』

ナハトヴァール【!】

リインフォース『心は、自ら育むものです』

ナハトヴァール【…自ら、育む】

リインフォース『知ることを恐れないで、ナハトヴァール。人を知っても、幸福を知っても。あなたのザッハークへの感謝は否定されはしないから』

ナハトヴァール【………リインフォース】

リインフォース『はい』

ナハトヴァール【お前は今も、幸せなのか?】

リインフォース『──はい』

ナハトヴァール【私も…幸せになって、いいのか?】

リインフォース『はい!』

ナハトヴァール【…そうか。そう、なのか…】

マスター。ザッハーク。…私は…



ナハトヴァール『…う…』

リインフォース「ナハトヴァール…!」

はやて「起きた!起きたで皆!!」

イリヤ「やったぁ!!」

ナハトヴァール「…私は…」
リインフォース「おはよう、ナハトヴァール」

ナハトヴァール「リイン、フォース…」

ギルくん「大変でしたね。お互いに」
ユーノ「はい、ですが…皆がやってくれました!」

メディア「あなた!ルールブレイカーを精巧に再現するの止めてくださらない!?」
エミヤ「仕方ないだろう。2本必要だったのだから」

フェイト「お疲れ様、なのは。リッカちゃん」
なのは「ありがとう、フェイトちゃん!」

シグナム「お前が藤丸リッカか。話は聞いているぞ」

リッカ「ヒエッ」

ティアナ「あなた本当に図書委員?」
スバル「怪しいですね…!」
クマ仮面「何のことやら…」

ナハトヴァール「………」
リインフォース「ナハトヴァール?」

ナハトヴァール「…私の…マスターと私の…負けだ」
リインフォース「!」

ナハトヴァール「処分は任せる。どうとでもするがいい。そして…」
リインフォース「?」

ナハトヴァール「…世話をかけた。ありがとう」
リインフォース「…はい」

憑き物が落ちたかのようなナハトヴァール、召喚に成功したリインフォースを…歓声がいつまでも包み続けた──
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