人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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やぁ、ハーメルンの皆、レムレムしてるかな?


僕はキャスター。うん、楽園のキャスターと言って真名は伏せておこう。親の声より聞いた声だろうからね。王の話はまた今度

故あって僕は暇潰しというグランドオーダーを果たすためネットブログをやっている

そう、マギ☆マリ。僕は素敵なネットアイドル、ネカマは禁句だよ?

こうやって外界に触れるのはいい刺激になる。まぁ僕はグランドキャスター候補である眼があるんだけどそこはそれ、察してほしい

そういえば、僕が美しいものを見ておいでといって突き落とした獣、キャスパリーグは元気かな?

おぞましい獣になっていないかな?そうなっていたら御愁傷様。人間の皆様、本当に申し訳ない

おや、マギ☆マリに新しい書き込み?嬉しいな。書き手は感想をいただける事より嬉しいものはないんだ。読者の皆様ありがとう、本当にね

さて、目を通そうかな、どれどれ

『ほんとのあいはここにある』

画像もあるぞ?

『マスターとマシュとオルガマリーと戯れダブルピースしてるフォウくん』


・・・・・・・・・

『オマエまだそんな楽園(笑)にひきこもってるの?(笑)』


キャスパリーーーーーグッ!!


召喚

あるものは運動を楽しみ

 

 

「マシュ、いくよー!必殺サーブ!」

 

「はい!宝具、展開します!」

 

 

あるものは甘味を味わい

 

「いやぁ、幸せだなぁ。嬉しいなぁ、こんなの誰だって訣別するよ……未練なんてないもん……」

 

あるものは発明に勤しむ

 

 

「そうだ!一括スイッチにしてみよう!管理がますます楽だ!」

 

 

あるものはブログで煽る

 

「プキュー、クスクス(マーリンざまぁ)」

 

 

悠々自適の生活を送る山頂の楽園、カルデア

 

 

 

だが、その平穏は号令によって切り裂かれる

 

 

 

「――――我が声を聴け!全職員!!集合ッ!!!」

 

 

 

 

王の号令によって召集されたカルデア全メンバー

 

 

自分もうつらうつらしていたところを器にたたき起こされ今に至る

 

 

「呼んだ?ギル。あ、マリーもいる」

 

「召集をかけたのはギルだけど、用があるのは私よ」

 

「どぅひまふぃふぁ?」

 

「呑み込んでから話さぬかドルオタ」

 

「ひどうぃ!」

 

「何かのミッションでしょうか、所長?」

 

「リッカにとっての大事な話よ」

 

 

改まり向き直るオルガマリー

 

「これより、英霊召喚を行います!」

 

 

 

――どうやらカルデアの投資と戦闘をこなすギルガメッシュの負担を減らすと同時に、カルデアの戦力の増強を図るため、更に英雄を召喚する儀式を行うらしい

 

「我は構わんと言ったのだがな。ははは、こやつが涙目で、『貴方がいなくなったらカルデアが沈没するの!』と言われては断れまい。可愛いやつめ、だが我とのフラグは立たんぞ?」

 

「ちーがーいーまーす!!」

 

どうやら器のオルガマリーへの認識もまた『我の財』らしい。まぁ自分の聖杯をあげたのだから無理からぬ話か。完全におちょくる歳の離れた兄ちゃんだが、どちらも不快に思ってはいないようだから止めない。アットホームなのは良いことだ

 

「これから召喚するサーヴァントは基本的にカルデアにて待機してもらい、戦闘時に必要に応じて呼び出します。まだまだ未熟なリッカは、ギルガメッシュとマシュの指示に専念して。手助けとしてサーヴァントを呼び出しなさい」

 

「フッ、我もメインサーヴァントに昇格か?難易度=チートは伊達ではないぞ?」

 

愉快に笑う英雄王。自分はこの自信に中身を持たせるのが仕事だ。頑張らなくては

 

「どういうわけかギルガメッシュだけは常に使役できるんだよねぇ。霊基が特別強靭だからかな?」

 

 

――もしかしたら、自分の存在のせいかもしれない。当事者たれ、と言われているのか。作用しているのかは分からない

 

分からないことだらけだから足掻けということなのか。何にせよ、マシュとマスターといられるのは嬉しい

 

「我に不可能なぞ無い」

 

がっしりと腕を組むギルガメッシュ。この器、頼もしい

 

「凄い説得力です、先輩」

 

「うぅん……怖いなぁ、私なんかに力かしてくれる人がいるのかな」

 

「どうした、しおらしいな」

 

「うん、現状把握できたら、今更不安になって……」

 

……大丈夫だ。きっと君の道を手助けしてくれる英雄がくる

 

こんな頼りない魂だって、君を助けたいんだから

 

「案ずるな、前を向け。我のマスターたるもの、天を睨まぬか」

 

「でも……」

 

「頼りにされて機嫌を損ねる者はいまい。万が一には我とマシュがいる。気楽に凡英霊を使ってやれ」

 

ポン、と頭を撫でる

 

「やる前から諦めるな。不敬になるぞ」

 

「……解った、やってみる」

 

「それでよい。――あぁ、メソポタミアの連中は如何なる理由があろうと呼ぶな、殺す」

 

「ヒェッ」 

 

 

「ではまず、召喚の触媒を私が用意するわ」

 

 

「え?どうやるの?」

 

「私の――聖杯を使うのよ」

 

オルガマリーが目を閉じると、胸から形を成した聖杯が現れたのだ

 

マグカップから、グラスほどの形に変わっている。黄金からオレンジ色と白のカラーに変化している

 

まるで、オルガマリーの魂の具現のようだった。そこから汲み上げられた何かを手に取る

 

「師匠に教わったの。君の生きたいという願いは解釈によっては呼び水になるっていうこと」

 

「私の聖杯に、縁を注いで形をなす。助けてほしいという願いのもと、人理を救う手助けをなす英雄を呼ぶ」

 

 

「形を為す、縁の符……呼符といったところかしら」

 

 

「凄いぞマリー!もう聖杯の使い方を定めたんだ!」

 

「才も回路も一流なのだ、当然よな。下らぬしがらみが無くなれば魂の本質が顕れるのは自明の理よ」

 

オルガマリーは考えていたのだ、自分なりの貢献の力を、その、方法

 

 

「フォウ!(星4確定チケットかぁ~。流石聖杯。マスター垂涎ものだね)」

 

「連発はするな、疲労が溜まるぞ」

 

 

「っ、はぁ……はぁ……これを使って、貴方が呼び出すのよ」

 

生まれた符をリッカに手渡す

 

「あなたを助ける、あなたの英雄を。……期待しているわ、リッカ」

 

「……はい!」

 

 

 

「サモンプログラム、スタート。英雄召喚、開始します」

 

 

マシュの宝具を置いて、召喚が始まる

 

 

――こちらとしても楽しみだ。かつてのキャスター、クー・フーリンのような、本物の英雄と、会話をすることができるのは、きっといい刺激になると思う

 

あのとき、夢で語ってくれた英雄王のように、生の声を聞く機会はあるに越したことはない

 

 

「よいか、少女騎士だ、少女騎士をなんとしても呼び出すのだぞマスター」

 

「アーサー?」

 

「そうだ。頼むぞ神よ……!描く方の神よ!」

 

何を神に祈ってるのか!?神に滅べと言ったのに、滅ぼしたのに!?

 

「我には特別に信じている神がいる。紡ぐ神と描く神だ。特に描く神はよい、最高だ。増やしすぎな気がするがな。紡ぐ方は腕は確かだが虚言癖がな……」

 

「霊基固定!召喚します!」

 

 

光が走り、満たされ、やがて収まる

 

 

「どうだ!金髪か!剣士か!?」

 

 

現れたのは――

 

 

「我が名はタマモナインの一画、タマモキャット!よろしくナ、御主人」

 

「アルコではないか!!!!!」

 

だぁんと机を叩くギルガメッシュ、ビクッとするオルガマリー

 

「働け描く神!!」

 

「ま、まぁまぁ。始まったばかりだし……」

 

 

「オマエが御主人か?では首輪をもて、ネコ缶を所望するぞ」

 

「……か」

 

 

「蚊?」

 

「かわいぃいいぃい!!!」

 

「おぅ、キャットは主人に好印象か。嬉しいぞ、籍を入れるか?ん?」

 

「おめでとうございます先輩!」

 

「……クラスはなんだ」

 

「バーサーカーだね」

 

確かに可愛い。本物かな、あの尻尾。もふらせてもらいたいなぁ

 

あとで要望を聞かなくちゃ。サバ缶かな

 

「次!セイバー、セイバーだぞ!」

 

「フォウ(避けられてるんじゃない?)」 

 

「霊基パターン!セイバー!」

 

「勝ったぞ!勝ったぞロマン!!」

 

「座って座って!」

 

光が収まる。現れたのは

 

「どもどもー!新撰組のセイバー!新撰組のセイバーでーす!病弱でぇ、脚が速いといえばそう!謎の」

 

「沖田総司、新撰組一番隊隊長ね」

 

「こふっ!?やだーぐだぐだいべまで真名隠すんじゃないんですかー!?」

 

「TAKEUCHIィ!!」

 

ガァアン!と机を砕くギルガメッシュ

 

沖田総司?新撰組に女性なんかいたっけ?

 

「ドル箱ヒロインを描き分けられぬとは腕が鈍ったか!なぜラーメンを所望する客にソバを出す!似て非なるわたわけ!!チェンジだ!!」

 

「酷い言い様です!うわーん!」

 

「可愛い!採用!」

 

「次いこう!次!」

 

――

 

「⬛⬛⬛⬛⬛⬛――!!!」

 

「サーヴァント、ヘラクレスね。ギリシャの大英雄よ!凄いわ!」

 

「肉達磨など呼んでないのだが……」

 

 

「これ大丈夫?リッカくん大丈夫?」

 

「逞しい……採用!」

 

「次!ラストだ!」

 

ギルガメッシュが拳を握る

 

「今度こそ、今度こそだぞ……手に入らなくても美しいものはあるがそれはそれとしてだ・・・!」

 

「来ます!」

 

光が起こり、やがて集束する

 

「セイバー――――!!!」

 

「サーヴァント・アーチャー。召喚に応じ参上した」

 

 

「……」

「……」

 

器が言葉を失っている。代わりに話そう

 

「こんにちは」

「ご丁寧に」

 

 

「マッチョ!採用!」

 

召喚は終了した。そうそうたる面々だ

 

 

「ここは楽園か!?エデンか竜宮城か、ラピュタはここにあったのか!?」

 

「最高の施設じゃないですか!ヤッター!!ずっといていいんですか!ヤッター!!」

 

「⬛⬛⬛⬛……」

 

「……信じられん……何かの間違いではないのか?英雄王が、協力的だと……!?いかな呪いをかけた!?だまされていないか!?」

 

「死ね贋作者」

 

あのとき戦ったアーチャーか。腕前は知っている。筋力も凄そうだ……筋力Bはありそう

 

「戦力は整ったわね!じゃあいよいよ」

 

 

「まだ終わってはおらぬわ……!」

 

忌々しげに呟き、波紋に手を突っ込む

 

そこには虹色に輝く符が……あっ

 

 

「呼んで来ぬなら引きずるまで!我の秘宝『星5確定チケット』!これを使う!!」

 

「フォウ!ファー!!(FGOプレイヤーを敵に回すぞ!)」

 

「待って!そんなに出しても育成が!」

 

「黙れ黙れ!!我が満足せねば、目当てが出ねば爆死なのだ!!――こい!セイバァー!!」

 

 

召喚サークルに虹色の符を叩き付ける。召喚が開始される

 

……本気で悔しがってるし、好きにしてもらう。夢はことごとく醒めて消えるが道理と知って散ってもらおう

 

「私があんなに頑張って作ったのにー!?」

 

ごめん、マリー。代わりに謝る

 

「セイバー!!テイクアウトはお前だァ!!」

 

 

虹色の光が起こり、収まる

 

 

「サーヴァント・ルーラー!お逢いできて、本当によかった!」

 

 

「――――――――」

 

――――英雄王

 

――見果てぬ夢の結末を知るがいい……これは、貴方が示した理だ

 

 

無銘の宣告。カルデアにて、英雄王は遂に、膝を屈した――

 

 

 

 

所望するもの

 

 

 

ジャンヌ 藁のベッドと礼拝堂

 

エミヤ 第二厨房(テーブルクロスと差別化お袋の味を知りたい方に向ける手作り料亭)

 

沖田 出番!

 

タマモキャット 野性

 

……野性?

 

 

 

迅速に叶えられる個室と要望

 

器は――ちょっと泣いていた




次回

「AUO!クラスチェンジ!!出でよ『怠惰を極めし王の鉄馬』――!」


「ジャンヌ!旗と盾で護られた鉄馬がこの城に!」


「はァ!?」


「凄いわ!素敵ね!ヴィマーナというの?思いきり歌っていいのね?」


「サーヴァントは全て把握しているわ。勉強したもの」


「自重してくれ王さま――!!?」


「来い、数多の竜よ。お前たちの宿敵――ジークフリートはここにいる」

「神よお救いください神よお救いください神よお救いください神よお救いください神よお救いください神よお救いください神よお救いください」

「ジャンヌさん気を確かに!!」

「ギールーーーー!!!」

「何故我がライダーなのかだと!決まっていよう!」

「我が最も――玉座に乗った王だからだ――!!!」


――願いが、ある。大切なものがある

英雄も、それは誰にでも

自分には――あるのだろうか。生まれるのだろうか


大切なものが――



第一研鑽、竜吼えるオルレアン

近日、投稿。ご期待ください



「ねぇねぇ!皆で写真とろうよ!」

「我がセンターだ!」









a、a・・・・・・

――――Aaaaaaaa――――

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