人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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クー・フーリン伝説


「「「「「うぉおぉおぉお――!!!!」」」」」

「ありったけの楽器をならせ!男は全員鬨をあげろ!!」

「叫べ!腹から声を出せ!!」

「そんなんでは――」

「くかー・・・かー・・・」

「クー・フーリンは決して起きないぞ――!!!」

一度寝たクー・フーリンは、屈強な男子30人がかりでもけして起きない


「死刑囚をよべ!!」


「嘗められたもんだぜ、この勇士たる俺に甘い言葉をささやけってかぁ?」

「いいからやれ!」

「オラ、とっとと起き――」

「死刑囚が!?頭蓋骨を砕かれ凹まされている!」

起きるより起こしにきた輩の頭をカチ割る方が速い。故に、クー・フーリンを起こすのは死刑囚か勇士のみ


「一体どうすれば・・・!」

「敵襲!敵襲!」

「――なんだよお前ら!おこせっつったろうが!!」

但し、敵襲とあらば即座に跳ね起きる

「しゃあ!朝イチの運動でもしますかね!」


――そして、単騎駆けで全滅など日常茶飯事

「んだよ!雑魚ごときで起こすんじゃねえよ!俺は寝るからな!起こせよ!」

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「く、クー・フーリンは凄いなぁ・・・!あんなの、キャスターの僕にはとてもできないよ・・・」

「いや、多分だれにも無理よ、ロマニ」

「あ、その・・・女王様も、ああいったタイプが好み、ですか・・・?」

「クー・フーリン、素晴らしいと思います~♪伝説を編纂すれば、さぞやベストセラーになりましょうねぇ♪」

「だ、だよね・・・そう、だよね・・・」

「でも――私にとっての最高のタイプは、『ロマニ・アーキマン』みたいな方でーす♥」

「あ、あわっ、ありが、ありがとうございます!はいっ!」

「うふふ~♥さぁさぁ、お仕事お仕事~♥」

「あぁ、コーヒーが甘いわね・・・」

「所長、それブラックですよ」

「黙りなさいムニエル!この状況が甘くてしかたないのよ!なんで、なんでギルみたいにうまくゆえつ?できないのよ~!」


『と言うわけで、私は大丈夫!私の留守をお願いね、オルタ!』

「はい。お気をつけて、リッカ」

『ばいばーい!』

「まぁ・・・とても仲良しになられたのですね、オルタ様」

「ま、まぁ?マブダチ、大親友と自負してはいますよ?えぇ」

「それはそれは・・・では」

『ドアロック』

「色々なお話を、聞かせていただければと・・・」

「ヒェッ――」


「アニメですか?正座までして何を見ているのです、ヘラクレス」

「先生・・・いえ、リッカに『私だけのナインライブズを編み出したい!』と言われまして」

「ほう。彼女なら大抵の技は出来そうですが・・・参考にしているのですか?」

「参考というか、リクエストというか・・・その、具体的な案を言われまして」

「具体的・・・?」

「・・・キン肉マンの超人、『悪魔将軍』の『地獄の九所封じ』を、私のナインライブズにしたいと・・・」

「――そ、そう、ですか・・・」

「やっぱワンパンマンじゃね!?やっぱワンパンマンだろ!!」

「アキレウス、あなたまで・・・」

「気合いと本気を込めた一撃でワンパンすんだよぉ!!」

「・・・成る程、これは理にかなっている攻撃だ・・・」


「聖杯に呪いあれなランサー!?聖杯に呪いあれなランサーがいたのですか!?良かったですね!聖杯呪われてましたよ!私の願望災いまみれでしたよ!誰も救われませんでしたよ!良かったですね聖杯に呪いあれなランサー!麗しのランサーではなく呪詛と恨み言のランサーと改名しては如何でしょう!嫉妬と老醜の王と呪詛と逆恨みの騎士!いいですよねフィオナ騎士団!私好きですよ!セイバーで無かったのが残念です!」

「アルトリア!止めるんだアルトリア!」

「父上!ステイだぜ父上!ステイだぜ!!」


「ホクロァアァアァアァア!!!」


「・・・全く、あれも私の一側面なのですか・・・」


「これを見てみろよコールタール女」

『100万回死んだボク』

「エアの尊みにて倒されたその死亡シーンを集めた本を作ってみようと思うんだ!エアの100万パターンの尊さとボク!100万回倒されたボク!個人的大ベストセラーだよ!あっ、思いだし尊み(レインボークリスタル化)」

「最近比較しないね、フォウ先輩」

「比較の獣なんかとっくの昔に死んでるからね!ここにいるのは唯一無二の尊さに寄り添うもの、例えるならプレシャス・スタンドかな?(ドヤッ)」

『100万回抜いたねこれ』

「こゆこと?先輩」

「未来永劫殺し続けんぞ」

「は、はいっ!ごめんなさい!」

「まったく・・・エアはね、ただ一緒にいるだけでいいんだ。それが真理なんだよ――」


第六特異点

『・・・・・・・・・』

「あらゆる各地にて、謎の存在が召喚され聖抜を阻んでいます、王よ」

『・・・そうか』

「対処は、如何なさいますか」

『好きにさせておけ。騎士達に、戯れの相手を担わせろ。――アレは彼等の、燃え尽きる前の最後の輝きだ。消す無粋はすまい』

「はい」

『――お前たちの健闘を、輝きを。私は誇りに思う。だからこそ――永遠に、残さねばならない・・・』


「ファラオ!!何かもう、何かもう――!ファラオ――!!」

「許す!!総て許す!!奴等と奴等が救った難民を受け入れる準備を始めよ!我が神域、我が領土!特別に解放を許す!!」

「なな、ファラオ!?」

「急げ!!勇者どもの奮闘を無に還すは、太陽たる余の名を汚す愚行と知れ!!」

「は、はいっ!!」

第七特異点


「都市の解体、城塞建築はどうなっているか!」

「順調です。あと数ヵ月で形になるかと」

「ヤツめ、知ってか知らずか援軍など寄越しおって!余分を当てにするな!我等は我等の全力を尽くすのみだ!それはそれとして然り気無く奴等に食料を送れ!そしてウルクにて見掛けたさいには然り気無く見逃せ!然り気無くだ!」

「はい、ギルガメッシュ王――」


「とは言え――ウルクの総てを結集したとして、結果は――」

「・・・?」

「――よい、忘れよ!早くウルクに足を踏み入れるがよい、英雄姫!完全勝利の鍵は、貴様に他ならぬのだからな――!」


ゴージャス視察&クー・フーリンの対談

ディルムッドとフィン・マックールと縁を結び、意気揚々と帰還を果たしたクー・フーリン、そしてリッカ

 

 

「おぉ、クー・フーリン!帰ってきたか!随分と早い、いや速いお帰りだな!」

 

 

難民キャンプに戻ってみれば、負傷者は残らず完治、ないし治療が施され

 

 

「皆様に、おじいさっ・・・大神ルーの御加護あれかし!」

 

「あ、ありがとうございました・・・!」

 

 

マシュとコンラを囲み肩を組み、涙を流して拍手を送っていた

 

 

「なんの騒ぎだこりゃあ」

 

目を白黒させるクー・フーリンの肩を豪快にフェルディアが叩き笑う

 

「あぁ、お前とリッカ殿が偵察に出ている間、コンラとマシュ殿が歌い続けてな。俺もロイグも興が乗って演奏し続けていたら・・・」

 

「全員がお前の息子と、雪花の娘に首ったけという訳だ。・・・人気者で親冥利に尽きるな、セタンタ」

 

クックッと、楽しそうに笑うロイグ。笑い方は暗いが、嫌味や蔑みは無い。これは彼なりの称賛なのだ

 

「・・・オイフェや親父が見てたら混乱すっかねぇ・・・オレの息子がこんなに可愛いはずはねぇってヤツか」

 

「知っているぞ、現代知識の・・・らのべ、とかいうやつか」

 

「マスターと海賊どもが騒いでるのをチラチラ聞いてな。・・・つか、なんで知ってんだよ」

 

「御者をしていると、文学に励みたくなるのさ」

 

そう言い残したきり、ロイグは戦車の調整のためマハとセングレンの待機場所へ引っ込んでいってしまった

 

 

「・・・マスターも次の方針を決めるってんで金ぴかと行っちまったしな」

 

「「「アンコール!アンコール!アンコール!」」」

 

 

 

「ありがとうございます!コンラ、頑張ります!さぁ、マシュさん!頑張りましょう!」

 

「声帯を鍛え、腹式呼吸をマスターする為の訓練・・・はい!やります!コンラさん!」

 

「はい!では皆さんご一緒に~!」

 

「「「「レッツ☆サイクルー!」」」」

 

「ハハハハハ!ノリノリじゃねぇかコンラ!やれやれ!オメーには、出来なかった事が多すぎたんだからよ!」

 

満面の笑みで、クルージーンをサイリウム代わりに振り回すクー・フーリン

 

「うぉおぉおおぉお!!」

 

隣で突如涙を流し男泣くフェルディア

 

「うるせぇ!なんだいきなり!」

 

「良かったなぁコンラ!良かったなぁクー・フーリン!友として、男として!俺はお前たちの幸せに喜ばず、涙を流さぬ訳にはいかん!いかんぞぉ!」

 

「解った、解ったから泣くんじゃねぇよみっともねぇ・・・」

 

「うむ!うむ!さっさとメイヴちゃんを押し倒してお付き合い♂♀して、皆で宴をしようなぁ!うぉおぉお!レッツ!サイクルー!!」

 

「お前はフェルグスとは別ベクトルでテメェに正直だよな・・・くぁ」

 

言い終わらぬ内に、クー・フーリンはあくびを上げ、近くの木陰にて座り込み目を閉じる

 

「少し寝る。出立の時には起こせよ」

 

「いやいや、待て待て!お前の寝付きの良さと寝相の悪さはケルトに住むもの皆知っていて」

 

「かー・・・・・・」

 

コンラの声を聞き、沈み行く夕陽に優しく包まれながら、ディルムッドとフィンを倒した秒数と同じ時間で、クー・フーリンは微睡み・・・眠りに落ちていった

 

 

「いやぁ・・・はは、これは、うん」

 

苦笑と汗を浮かべながら

 

「これは、死を覚悟せねばならんかな?」

 

フェルディアが、爽やかに呟いた・・・

 

 

一方、テントの一角

 

 

「さてと!」

 

 

ギル、ナイチンゲール、そしてリッカの三人が、次に向かうべき場所を検討するために話し合っていた

 

 

「次はどこにいこうか?」

 

 

『そうね・・・また追撃を受けてしまう前に、そこは離れた方が良いものね』

 

ふむ、と通信の向こうにて悩むオルガマリー

 

 

『まぁ戦力というか、自衛は万全だからね。どこに行っても大丈夫だとは思うよ?流石にケルトに殴り込みに行く!は危険すぎるから止めさせてもらうけどさ』

 

「とは言え、行く場所など限られよう。ケルトに仇なす勢力を害しに赴くか、反抗勢力を踏み潰すか。クー・フーリンを最上の敵として認める以上、我等の戦力を補強するというならこれらの首魁、頭領に話をつけるが定石だと進言しておこう」

 

《此方としては、西のケルトに歯向かう王を名乗るものに一端の興味があるがな。大量生産と発展を良しとする下らぬ信条を掲げ奮闘する王。一目面を拝んでみたいものよ》

 

――王を名乗る以上、英雄王の査定は免れませんからね。となれば、ホワイト・・・プレジデントハウスに王は赴きたいのですね

 

《個人的な所感はな。まぁ、余りにも貧弱かつ頼り無くはあるが、レジスタンスどもに肩入れするという道も面白かろうよ。だが我は別にどうでも良い。どの道であろうが、必ずやクー・フーリンは討ち取らねばならぬというのは避けられはせぬ命題なのだからな》

 

――結局のところ、王はどの場所に赴こうと構わないらしい

 

・・・此方としても助かる。今は『解呪』と『転写』の原典を探している最中、なるべく戦いにはならないでほしいから、話し合いを選択しては欲しいが・・・

 

まぁその時は、財の選別を果たしながら二つの原典をやれば良いだけの話なのだが

 

《エアよ、それが出来ているのなら悩む必要は何処にもないのだぞ?》

 

――?

 

(当たり前のように左手で電卓打ちながら右手でキーボード打てばいいと豪語するエア。ふふっ、中々自信に溢れてきたね!)

 

――それくらいの無茶くらいはこなさなきゃ、英雄王の輝きに寄り添うなんて・・・ううん

 

(?)

 

 

フォウや皆を守り抜くなんて、到底できないからね!無茶の一つや二つ、へーきへーき!だからフォウも、大船に乗ったつもりでワタシと英雄王を信じてね!えへん!・・・なんて、ね

 

見栄を切ったは良いものの、照れ臭くなって。ちょっと赤くなりながらフォウを撫でる

 

――と、とにかく。フォウは皆が、私が護るからね。それはほんとの、ホント!

 

(あっ――エア・・・いっぱいちゅき・・・)

 

虹色の雷に打たれ、七色の灰になるフォウ

 

――フォウ!?

 

《さて、獣の討伐数は旅を終えるまでどれ程伸びることやら》

 

ふははははは、と上機嫌に笑う魂。この三人は、何処でもけして変わらないのだ

 

「ドクター・リッカ。上申させてください」

 

 

ピシリ、と姿勢を正しナイチンゲールが口を開く

 

「どうぞ!」

 

「医者であるあなたは、世界を脅かす病、戦争を広げている病巣、病原体の概要を知るべきであると提案します」

 

『?医者?リッカ君医者だったの?』

 

『ロマニ、黙っていなさい』

 

「ケルトと呼ばれる悪性の腫瘍は排除を確約すべきではありますが・・・こちらの兵士、正規なる軍にはまだ、対話、治療の余地があると私は考えます」

 

――?

 

「成る程成る程、つまり西側の戦力には話し合いの余地があるから、そのトップと御話し出来るならすべき、とナイチンゲールは言いたいんだね」

 

「その通りです、ドクター。是非は無くとも、まずは病気の種類、状態、対処法を身につけ把握しなくては、世界を治癒することは叶わないでしょう」

 

『あ、そういう意味だったんだ!?え!?解ったのリッカ君!?』

 

『統一言語ならぬ医療言語・・・ふふふ、上手いこといっちゃいましたかぁ?なんて♥』

 

ミドラーシュのキャスターが、いたずらっぽく笑う

 

『そうだね、医療言語だね!コミュニケーションで使われるとは思わなかったけどさぁ!』

 

『・・・位置は割り出してあるわ。ヴィマーナ、戦車の速さならすぐに辿り着けると思う』

 

「ありがとう!じゃあ――アメリカのトップに会いに行こうか!」

 

「此方としても都合がよい。王と言う概念は我の専売特許。無断で借用する輩には、ゴージャスにて法外な特許料をせしめてやらねばな!」

 

――な、成る程!言われてみれば当然の帰結です!王という単語を確立させたのは、紛れもない王なのですから!

 

《然り!そうさな、プレジデントハウスとやらをゴージャスハウスにしてやるのも悪くはないか!さすれば瞬く間にケルトなど押し返せよう!ふははははは!生半可な存在では我が請求、賄う事叶わぬと知るのだな!》

 

 

――よーし!裁判に持ち込もう!王の威信をかけて徹底交戦だー!

 

(ソイツの事になるとはしゃぐよねぇ、キミは・・・ああ、尊い・・・キミはそれでいいんだよ。キミは生まれたばかり、コンラくんちゃんと同じくらいの精神を持つ、無垢なる魂を宿したプレシャスボディを持つ唯一無二の存在なのだから・・・)

 

一陣の風になるフォウ

 

――フォウーっ!?

 

 

「行くのかい、嬢ちゃんたち」

 

名残惜しそうに呟くのは、かつて負傷者だった兵士達だ

 

「はい!コンラとマシュマシュは、行かなくてはなりません!」

 

「・・・すまねぇな。こんなちっちゃい子に戦争なんか見せちまってよ・・・」

 

「情けねぇ大人を許してくれ、俺達は本当は、平和な世界しか子に見せちゃならねぇってのに」

 

「いいえ!コンラは誇らしく思います!人でありながら、雄々しく誇り高く戦う皆様を!」

 

「コンラさん・・・!」

 

「どうか、戦い抜いてください!あなたたちの大切ななにかを護るために!私は皆様の道筋を祝福し、心から応援いたします!ぶ↑いん↓様からの物資も置いていきますから、どうかお達者で!」

 

ぺこり、と水色の長髪を揺らし、頭を下げるコンラ

 

「皆様に、偉大なる大神ルーの御加護がありますように!レッツ・サイクル!」

 

 

「「「「「レッツ・サイクルーーーー!!!」」」」」

 

「うひゃあ~!?」

 

感極まった兵士たちに、高く高く胴上げされるコンラ

 

「皆様!皆様!コンラは、コンラは行かねばならないのですってば~!」

 

照れ臭そうに、嬉しそうになされるがままのコンラを、フェルディアはいとおしそうに眺める

 

 

「うむうむ、まさにレッツ・サイクル!であるな!そら!クー・フーリン!起きよ!クー・フーリン!」

 

「かー・・・・・・・・・・・・・・・」

 

フェルディアが身体を揺するも、全く起きる気配のないクー・フーリン

 

「むぅう、やはり30人の男を用意し騒がねばならんか・・・?」

 

「兄貴兄貴!お待たせ!時間だよ!行くよ!」

 

「お父様~!コンラたちはしゅったついたしますよ!いたしますよ~!」

 

二人の少女の声に

 

「おう!じゃあ行くとしますかね!」

 

瞬間的に飛び起きるクー・フーリン

 

 

「あ?何してんだフェルディアオメー」

 

目をぱちくりさせるクー・フーリンを見て

 

「は――はははははは!!いい!いいなクー・フーリン!羨ましいぞ!娘と少女に起こされるなど大変羨ましい!俺も優しく起こされたいものだ!さぁ逝くぞ!出陣だ!」

 

豪快に笑い飛ばすフェルディア

 

「ぁー、そういや昼寝してたんだったか。方針は決まったかい?」

 

「うん!プレジデントハウスに、トップの顔を見に行くよ!」

 

「おう!じゃあ、行きますかねぇ!」

 

「おとうさまー!コンラ、胴上げが気持ちいいとは知りませんでしたー!」

 

「どういう状況だよ!?」

 

「時にクー・フーリンよ。如何な理由があったは知らんが今のコンラはうら若き少女の身。いつまでも水色のタイツではあまりに忍びない、いや、未成熟なボディラインが浮き出て素晴らしいと言えば応!!なのだがな?」

 

爽やかに、真顔で呟くフェルディア

 

「ケツの穴からゲイ・ボルクブッ刺して内臓串刺しにすんぞ」

 

笑いながら、生前のフェルディアの死因を飛ばすクー・フーリン

 

「いやいや最後まで聞け。ほら、コンラは余りにも若すぎるし?これからだし?」

 

「あぁ、どこぞの若作りと違ってな」

 

「スパッツ、とか・・・健康的な衣装が似合う筈だ。息子や娘の衣装の一つや二つ、何とかしてやれんか、クー・フーリン?」

 

「随分と気を遣うじゃねぇか、フェルディア」

 

からかうように言うクー・フーリンに、朗らかに胸を叩くフェルディア

 

「そりゃあ遣うとも!親友の息子だぞ?遣いまくるとも!今は女になったしな!うん!」

 

「ケッ、フェルグスには間違っても見せらんねーな。わーったわーった。ルーンで何とかするわ」

 

「そうしろそうしろ!ははは!では行くぞ!ロイグがおまちかねだ!」

 

「ギルー!マシュとナイチンゲール、ヴィマーナに乗ったよー!」

 

「よし!クー・フーリン!コンラ!フェルディア!何をしている、さっさと乗り込まぬか!」

 

 

「へいへい、わーったよ!そらコンラ!置いてくぞ!」

 

「ま、まってぇ!皆様!おろしてぇ!」

 

「「「「レッツ・サイクル――!」」」」

 

「うわぁーん!止まれない~!」

 

 

このあと、クー・フーリンのデコピンで全員昏倒した

 

 

 

「さぁ行くぞ!!ヴィマーナ!!発進!!」

 

 

天空を駆ける玉座、ヴィマーナがアメリカの空を飛翔し

 

 

「いけいけー!ヴィマーナとマハ、セングレンはこの世で三番と二番目に速いんだー!」

 

部員に送られた兄貴の活躍を目の当たりに喜色満面の笑みを浮かべるコンラ

 

ケルトタイツから、スパッツ、短いスカート、水色の上装束に変え、腰ほどの長い髪は、ポニーテールに結ばれている

 

――はからずもそれは、かつてクー・フーリンが出逢い、いい女と認めた少女の装いの水色バージョンでもあった

 

 

鏖殺せし鎌戦車が、勇士たちを乗せて大地を疾走する

 

「どうしたロイグ、何を泣く?」

 

「クラナドは人生」

 

カルデアのライブラリにどっぷりはまり、文学に励むロイグが呟く

 

「ブルルゥアァウ!!(はしる!はしる!おれーたーち!)」

「ヒィーン(はしるぞー)」

 

そしてその先にいるのは――

 

 

「おらおら!置いてくぜお前ら!シャンとしやがれシャンと!」

 

アルスターを代表する、最高の戦士クー・フーリン!

 

 

「ワープはだめー!だめですよ!ギル様ー!」

 

 

「ふははははは!!解っている!ゴージャスプレイは自重してやろう!さぁ走れ走れ!我等が戦いは始まったばかりよ――!」

 

――いつか、こんな広い大地をバイクで駆け抜けようね、フォウ!王に見守られながら、二人で!

 

 

(うん!(あえて消滅しない))

 

 

「兄貴もヴィマーナもすっごくはやーい!!」

 

「急患を運ぶに最適ですね・・・」

 

プレジデントハウスに、王が率いる猛犬一団が殴り込む――!

 

 

 

 

・・・場所を変えて、プレジデントハウス

 

 

 

「カルナ君!夫人!頼むぞ!直流の威信をかけて頼むぞ!何としても、何としてもギルガメッシュ王、輝けるクー・フーリンを敵に回さないよう説得してくれ!」

 

筋肉を小動物のように震わせている謎の男

 

「はいはい、怖がらないの。ディルムッドとフィン・マックールを倒したのだもの。それも、難民と負傷者を護って。これはマハトマもニッコリの活躍だわ!」

 

それをなだめる、小柄な少女

 

「誠意と信念を持てば、必ず対立は避けられるだろう。・・・オレの見立ては、アテにはならないだろうが・・・」

 

謙虚に呟く、白髪の青年

 

「そ、そうだな!そうだとも!うむ!彼等はけしてサイコ交流糞野郎交流の手先ではないのだ!必ずきっと!解り合えるとも!プレジデント的に!!」

 

「――それは、今のお前では容易では無いだろうが・・・決裂を避けられるよう、尽力しよう」

 

「よぅし!では夫人!カルナ君!早速彼等の説得に・・・!!」

 

 

「テリブル!プレジデント、報告いたします!」

 

 

機械兵が慌ただしくやってくる

 

「どうした!?」

 

 

「ほ、報告にあったギルガメッシュと、クー・フーリンが・・・!!」

 

 

「なに、どうしたの?」

 

 

「ま――真っ直ぐ!このプレジデントハウスにやって来ます!!」

 

 

「――」

絶句する青年

 

「はい――!?」

驚愕する少女

 

「GAAAAAAAAAAAA!!!?」

 

絶叫する・・・人、みたいなの

 

 

刹那――

 

 

「こんにちはー!!!」

 

漆黒の泥を駆使し、壁とガラスを粉砕しミニマムアジダハーカアーマーを纏ったリッカがエントリーし

 

「私は藤丸リッカ!好きなものはコミュニケーションとサブカルチャー全般!嫌いなものは先入観と理不尽に未来を奪うもの!座右の銘は『意志があるなら、神様とだって仲良くなる』です!」

 

盾と毛皮と泥を身につけ快活に笑う、人類最後の希望、リッカ

 

「――いい名乗りだ」

 

ニヤリ、と笑う青年

 

「ふははははははははははは!!控えよ!!王の御前である!!」

 

プレジデントハウスに、英雄の中の英雄王。ギルガメッシュが厳かに降臨し

 

「ま、マハトマをも退かせる輝き――!?」

 

目を見開く少女

 

そして――

 

「よっと!」

 

勢いと衝撃を殺しつくし、穏やかに着地するは・・・

 

「く、クー・フーリン――!!!」

 

もはや断末魔に近い声音で絶叫する

 

「おう!心配すんな、取って食いはしねぇよ!ちょいと、話し合いでもしようや!あ、武器向けてきた兵士は半殺しにしといたからわりぃな」

 

快活に笑うはクランの猛犬、クー・フーリン

 

 

このアメリカの行く末を握る、最大最強の戦力が今、プレジデントライオンと対話する――!!




NEWクー・フーリン伝説

自分は昼寝するから起こせと声をかけられた親友でありコノートを代表する勇士が決死の覚悟を抱いた

アメリカを担う大統王がクー・フーリン一人に本気で震え上がった。ギルガメッシュの事は認識を拒否

説得しようと数百キロ離れたキャンプに大使を送ろうとしたら向こうから来た。空を飛翔せし玉座、地を駆け抜けし巨大戦車、徒歩で

フェアな話し合いをするために武器を起き、素手で要塞の戦力を総てあらかじめ半殺しにしておき、平和な交渉テーブルをセッティングする小粋さを発揮する。これを『クー・フーリンの対談』という



「・・・うどんすすって転た寝して、目を覚ましてみれば見知らぬ広大な大地・・・」


「噴!!はぁっ!!!」

「そして目の前には神槍を体現したお方が――仏様!!荒唐無稽にも程があるでしょ!!何よここ――――――!!!!!」


「クー・フーリン。余談だが、先の未来、マスターはコトミネに巡り会うぞ?」

「マジかよ。聖杯使った時から決めてたが・・・人理修復後も残るとするわ。番犬としてよ」

「よし、ではそのイヤリングに契約を移す。耳を貸せ」

「いででででで!!ひっぱんじゃねぇ!!取れんだろが!!」

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