人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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《全く。下らぬことで頭を悩ませおって。人類悪であろうがなんであろうが、我の財であることに変わりはあるまい》


――マスター。いや、リッカ・・・


――気付いて欲しい。あなたのその決意は、とても辛く、哀しい願いだということに

どうか、忘れないで


『この世界に、幸せになってはいけない存在』なんて――唯の一つもないということを



――無銘の、頼りの無い魂だったワタシが、今・・・幸福と至福に満たされているように

強く、気高いアナタにも、揺るぎない未来と幸福が、きっと――


「――クー・フーリン」

「なんだ、ばれてんのかよ」

「当たり前だ。――少し、運動に付き合うがいい」

「いいぜ。前哨戦にはもってこいだ――!」


空を駆ける、黄金の太陽

アメリカの広大な夜空を、黄金の太陽が駆けていた

 

 

八つの焔翼を開き、身体中を余すところなく黄金の鎧で覆い、魔力を紅蓮の焔に変換しながら輝き、マッハを遥かに上回る速度で一直線に駆けていた

 

 

「――感謝する。英雄王」

 

 

寒空を切り裂き、夜明け近くの最も深い闇を蹴散らしながら飛び立つカルナは感謝を口にする

 

 

・・・そう、今の彼は英雄王の財、聖杯を賜り『生前』に限り無く近い姿に転生を果たしていた

 

 

身体中は、黄金の鎧

 

右手に手にするは、神殺しの絶槍

 

そして背後には、八つの炎翼

 

 

甚大な魔力消費を賄う、令呪10画と、真エーテル塊50個

 

 

――本来ならけして両立しない、有り得ぬカルナの完全武装。これは英雄王の蔵の事情が関係している

 

 

 

 

「何処ぞで話したかもしれぬが・・・我が蔵にお前の槍と鎧は無い、いや、槍はある。だが・・・貴様の槍は秘中の秘。唯の一度も振るわれておらぬ。誰も目の当たりにしておらぬものは、我が蔵の槍の原典の何に該当するのか解らぬからな」

 

――ノーヒントで海の中から針を探せという難行・・・今のワタシではだめでした・・・がくっ

 

(エア、疲れたろう?ボクをもふるんだ、さぁさぁ)

 

――フォウ~・・・次はもっと頑張るからね・・・

 

《気を落とすな、今回ばかりは特例よ。我ですら御手上げなのだからな。むしろ、道理をねじ曲げぬお前の有り様は好ましいぞ?出来ぬものに出来ぬ事をやれなど、酒も回ってはおらぬからな》

 

――寛大なお言葉、ありがとうございます・・・うぅ・・・悔しい・・・

 

 

「いや、充分だ。この身に満ちる魔力を賄ってもらっただけで、オレはオレの力を全力で振るうことができる。これ以上は高望みというものだろう。――少し、出掛けてくる」

 

 

「フッ、そう逸るな。財に無くとも、全霊を出させる方法はあるのだぞ?」

 

「――何?」

 

王がグラスを揺らす

 

「ヤツめの狂犬と同じ理論よ。雑種どもの『貴様の全力を目の当たりにしたい』という願いを聖杯に汲み取らせ、貴様の在り方を都合良く歪めればよいのだ」

 

その言葉に、カルナは目を見開く

 

「――――可能なのか。そんな事が」

 

「当然よ。我に不可能はない。我はゴージャス。唯一無二にして、天下泰平の御機嫌王なのだからな。――そして、我も気になるのでな。マハーバーラタにて打倒される側の英雄の本懐というヤツを目の当たりにするのも面白かろう」

 

「英雄王・・・」

 

「さぁ来るがいい。案ずるな、我は相応しき者には出費は惜しまぬ」

 

――材料の選別はお任せください!汚名を返上します!さぁ、なんでもかかってこーい!

 

(君はホントにわんこ属性だなぁ・・・――)

 

ゆっくりと陽炎になるフォウ

 

――フォウ~!?

 

「――知己に逢うのだ。そのみすぼらしさでは叶うまい。・・・第一印象にて人となりは変わる。コーディネートは任せるがよい」

 

「――重ね重ね、感謝する。完全無欠のはっぴぃえんどのため、オレも力を尽くすと誓おう」

 

深く頭を下げるカルナに、笑顔を飛ばす英雄王

 

「ハッ。施しの英雄が乞うなどという稀少な体験を味わわせたのだ。我が財を賜すには十分すぎる理由よ――」

 

 

 

――そうして、カルナは生まれ変わった

 

 

衆生の『全力全開、本領を発揮したカルナを見たい』という願いにて転生したカルナは、黄金の鎧と、神殺しの槍を同時に所持するという、原典通りでありながらifの姿を手に入れたのだ

 

無論、呪いのケアにも抜かりはない。『絶体絶命の際、奥義を忘れる』という呪いと、『土壇場にて搭乗する乗り物に不調が起きる』という呪いは纏めてイシュタル人形に転写されたのだ

 

 

――サーヴァントは本来生前より強くなることはけしてない。その法則に則れば、今のカルナはカルナであってカルナではない

 

 

メイド・イン・カルデア。ゴージャスプロデュース。クラス『赤き翼を背負いし漆黒の太陽(レッドウィング・シュバルツ)』カルナなのである。・・・この名称は、月に現れし聖人に与えられた渾名である

 

その――長いのでカルナ・オリジンと呼称するが。カルナはひたすらに空を駆けていた

 

 

「どこだ、何処にいる――」

 

 

彼には、確信があった

 

この時代にはカルナ、自分が召喚されている

 

ならば――いる筈だ。万が一の可能性であろうとも、あらゆる要素が不安定になる今ならば

 

 

 

「あぁ、お前に一つ耳よりな情報をくれてやろう。――女王の傍には、ヘラクレスの射撃を無力化できる腕前のアーチャーがいる。――探してみてはどうだ?もしや、知己かも知れんぞ?」

 

 

『知己かもしれない』と言いながら『身嗜みを整えよ』と言う辺り、確信してはいるのだろうが・・・今は英雄王の慈悲がありがたい

 

アメリカの広大な天空を、星が見えなくなるほど眩しく輝きながら飛翔し、下界の総てを見透していく施しの英雄

 

 

――やがて、その眼が放浪する人影を捉える

 

 

 

「――いたな」

 

急転直下、反転し最高速を維持し瞬時に大地に降臨する灼熱の太陽

 

 

「かのギリシャの大英雄の射撃を捌くアーチャーなど、貴様しかいるまい。――やはりオレは、サーヴァント界屈指の幸運を誇るな」

 

薄く笑いながら、大陸に着地し、辺りの広野に転がる総ての物質を蒸発させてしまうカルナ

 

 

「――ようやく見えたな。我が生涯の確執よ」

 

目の前に捉えしは、白き装束、炎神に賜りし白き弓

 

「――貴様・・・!?」

 

黒き肌、黒髪。――涼やかな美貌を誇る、カルナの終生の宿敵、マハーバーラタの大英雄

 

 

 

「へいよーかるでらっくす。――放浪とは、随分と余裕な事だ。流石だな、アルジュナよ」

 

 

授かりの英雄――アルジュナであった

 

 

「カルナ――!!」

 

眼にも映らぬ速さにて矢を構え、ミサイルにも勝る威力の矢を連続でカルナ目掛け放つアルジュナ

 

 

「落ち着け、アルジュナ」

 

それをカルナの肉体はまるで意に介さなかった。カルナの肉体に宿る『黄金の鎧』が総ての弓矢を蒸発、無力化させたのだ

 

――太陽神スーリヤ、カルナの父が与えた肉体と一体化せし黄金の鎧。これが有る限り、カルナへのダメージは概念・物理問わず9割カットされる

 

インドラが姑息な策に奪い取った鎧を纏ったカルナを傷つける手段を、アルジュナは・・・いや、あらゆる英雄は持っていないのだ

 

 

「オレはお前と戦いに来たのではない。この装いは、あくまで先の決戦のための――いや」

 

「・・・!?」

 

カルナはかぶりを振り、告げる

 

 

「お前との後の決戦、そして魔神達との戦いのためのものだ。弓を下ろせ、我等の激突は今ではない」

 

「――・・・・・・」

 

「我等が私闘にてぶつかり合うには、喪うものが余りにも多い。それは互いに、望む結末ではない筈だ」

 

「・・・知ったような口を」

 

ゆっくりと、アルジュナは弓を下ろす

 

 

「――感謝する。流石、オレが知る限り最も高潔な英雄だな」

 

フッ、とカルナは笑みをこぼす。――かつて母が伝えた、自慢の兄弟の姿勢に

 

「世辞はいい。本題を述べろ、カルナ」

 

殺意を隠さず、アルジュナは告げる

 

「我等の間には殺意の確執しか有り得ぬ筈。その姿は、私を殺すためのものではないのか?」

 

「違う。――お前とは、縁を紡ぎに来たのだ」

 

「縁、だと?」

 

 

何を馬鹿な、というアルジュナに構わずカルナは告げる

 

「あぁ。絢爛なりしマハーバーラタの英雄アルジュナよ――世界を救う為に力を貸してほしい」

 

それを告げ頭を下げる。

 

「――何を、言っている?」

 

目の前の状況が理解できぬとばかりに呟くアルジュナ

 

「言葉通りだ。お前の武芸、授かった財宝の数々。――唯の一度でも構わない。今回の決戦に助力を乞いたい。お前の力があれば、こちらの勝利は揺るぎないものとなる」

 

「我等が、手を取り合うことなど出来るものか!」

 

叫ぶアルジュナ

 

 

「手を取り合うことが出来ずとも、共に戦うことは出来る筈だ。互いに並び立つことが出来ず、互いに背を向け合う関係しか我等には有り得ぬとしても――背中を合わせ、互いを競い、共に勝利を抱く事は叶う筈だ」

 

顔を上げ、アルジュナを見つめる

 

「例え、互いの道は交わらぬものだとしても・・・尊きものを護り、導く事は出来る筈だ」

 

「そんなもの――」

 

「出来る。――そしてそれは、我が母が望んだ光景、因果なのだ、アルジュナよ」

 

カルナの言葉は穏やかだが、苛烈なる確信が満ちていた。燃えたぎる太陽の様だ。

 

嘘も、虚飾も、彼の前には焼き尽くされる。それほどの自信に満ちた言葉が、彼の口から発せられている

 

 

「――何故、そこまで私に拘る。今のお前なら、容易く万事を成し遂げられる筈だ」

 

その静かなる剣幕に圧倒されながら、アルジュナは問い掛ける

 

「万全ならば、三界を制覇されるとまで謳われた姿に、辿り着いた今の貴様ならば・・・」

 

「決まっている。我等の望む結末に至るには、オレごときの力だけでは到底足りぬからだ」

 

・・・彼は本心から口にしていたのだ

 

オレの力ではまだ足りない

 

望む結末にはたどり着けない

 

だから、力を貸してくれ、と

 

 

「――お前の望む結末とはなんだ、カルナ」

 

口をついてでた疑問だった。アルジュナの、不意に出た質問であった

 

 

「――聞いて驚くがいい」

 

誇らしげに、カルナは口にした

 

「我等が目指すは『完全無欠のはっぴぃえんど』。誰も欠けず、誰も喪わず、栄光と未来を掴む結末に至るのが、オレの――我等の目標だ」

 

――アルジュナの目は白黒に見開かれる

 

 

「信じられないか?そうだな。荒唐無稽に過ぎるかもしれんな。だが――今のカルデアにはそれが出来る力が集っている。それを成せる者達が集まっている。――オレなどという端役をここまで重用してもらえた、理想の楽園なのだぞ、アルジュナ」

 

笑みをこぼしながら、彼は語った

 

「英雄王が治める至上の楽園だ。そこには古今東西の英雄達が第二の生を謳歌している。オレが知る中で二大のマスターに名を連ねる少女を筆頭に、善き者達が日々過ごしている。異世界から現れし者達とも交流できる。オレは清掃部のリーダーを任されていてな。誇りを以て行うに相応しい大役だ。――毎日が、とても充実している」

 

 

楽しげに語るカルナ。アルジュナの頭に?マークが浮いているのに気付かない

 

 

「信じられないか?ならば・・・今のカルデアには、ラーマーヤナに名高きラーマと、その妻シータが再会を果たした」

 

「――馬鹿な!?彼等には離別の・・・!」

 

 

「出来たのだ、そう。ゴージャスの威光によってな」

 

胸を張る。その輝きは雄弁に語っていた

 

――彼に、出来ない事などないと

 

「あの楽園に、義務や誇りは必要ない。あるのはただ、意志だけだ。自らの我欲を掴みとる意志。――お前の、あらゆる願いが赦される場所なのだ、アルジュナよ」

 

「私の――願い・・・」

 

呆然と、目の前にいる宿敵を見やる

 

 

・・・彼は笑っていた。自らを謀殺した宿敵を前にしながら、自分を限り無く尊重し、敬意を払いながら、言葉を紡いでいたのだ

 

 

「神の確執すらかの王は容易く踏み越える。――オレも、お前も、あらゆるしがらみに囚われ、ついぞ思うままに振るうことはなかった者であることは否めまい。――オレに悔いは、残らなかったがな」

 

「――っ」

 

「授かりの英雄、アルジュナよ。――お前が望み、渇望する胸中の願いを遂げるため、我等が決着を果たすことを至上とするお前の願いを果たすため。――今は、我等の為にその弓を振るってほしい」

 

カルナの、誠実な嘆願

 

 

「必ず、マスターにお前を召喚してもらう事を誓う。その為の縁を、オレはなんとしても紡ぎたい。――それが母の、父の願いに、――お前がお前である事を肯定するためのかけがえのない一歩になることを信じて、オレはお前に乞おう」

 

 

 

――そう。カルナはけして、刃を向けに財を借りたわけでも、我欲のために本領を発揮することを望んだわけではない

 

 

ただ――彼の全力と願いに応えられる力を欲した

 

迫り来る決戦に、間に合う速さと強さを欲した

 

 

彼は、最初から最後まで――誰かのために走る英雄

 

何一つ求めたものは手に入らずとも、あらゆる物事を良しとする『施しの英雄』

 

 

悲運なれど、誇り高き――マハーバーラタの大英雄、カルナなのである

 

「それに――世界を救う等の行為は、オレよりお前の方が余程上手い。そういった意味でも、お前の助力は適任だと感じたからな」

 

――そして、彼が自分の胸に眠る聖杯に託した願いは

 

『自らの一言少なさを何とかする』の一点だった。――今のカルナは、ようやく手にしたのだ

 

 

誤解なき、相互理解の手段を

 

――忌憚なく、自らの願いを告げる言葉を

 

 

なればこそ――今のカルナは、カルナではない

 

『一言が完璧に足りたカルナ』など・・・いれば、マハーバーラタの結末は変わってしまっているからだ

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いくら時が経とうとも、私とお前が真の意味で解り合うなど有り得ない」

 

アルジュナの言葉は、剣呑であった

 

 

「――だが、唯の一矢、唯の一射だけ。私が悔やみ、禍根を抱いたものがある」

 

だが――

 

「故に。ただの一度だけ・・・――お前が庇護し、目指すものの為に、助力することを誓おう」

 

――対立を確約しながら、授かりの英雄は、終生の確執に、その想いを告げたのだった

 

「――心より感謝する、アルジュナ。では――」

 

「一つだけ、誓え。――この特異点が修復を果たした際、なんのしがらみも無くなった果てに――その姿で、私と雌雄を決すると」

 

 

カルナに、アルジュナは自らの願いを告げた

 

「私と――決着をつける、と」

 

それが――確執を懐きながらも助力することを選んだ、アルジュナの意地であった

 

 

「――我が父、我が肉体に誓ってその願いを受諾しよう。――あまりに珍妙な言葉を放つが」

 

真っ直ぐと、アルジュナを見つめ返す

 

 

「――その時は、宜しく頼む」

 

それだけを告げ、満足したと言わんばかりに、灼熱の翼を展開する

 

 

「もはや我等に敗北はない。――我が終生の宿敵の援軍は、必ずや会心の一手に成りうるだろう」

 

「・・・あまり浮かれないことだ、その先にある、我等の運命を忘れるな」

 

「承知している。――また逢おう。アルジュナよ」

 

それだけを告げ、彼は再び太陽となりてプレジデントハウスに駆け抜けていった

 

――静かな朝焼けが大地を照らしていく。白んでいく空を彩る、灼熱の太陽の輝き、黄金の炎鳥

 

 

「――腹立たしいことこの上ない。サーヴァントになりながら、生前に手に入らなかった総てを手に入れるとは」

 

 

その真紅の残光を眩しげに見つめ

 

 

「――あぁ、やはり・・・『俺』は。お前がねたましいよ。カルナ――」

 

――終生の苦難を抱えた授かりの英雄は、誰に聞かせるまでもなく、そっと呟いた――

 

 

 

・・・決戦の時は近い

 

 

――あらゆる命運を決する戦いは、すぐそこまで迫っていた――




「お帰り!カルナさん!」


「マスター・・・」


「どこ言ってたの?あれ?なんかキラキラしてない!?」

「――そうだな。言葉にしてやらねば、伝わるまい」

「え?」


「――お前の居場所は、既にある。自らが孤独だなどと気に病む必要は何処にもない」

「・・・!!」


「王に頼れ。友を信じろ。仲間に背を預け、前を向け。――お前を愛するものを知りながら、悲壮を懐き孤独を貫くは独善と知るがいい」

「カルナ・・・さん・・・」

「――オレが胸に懐き、かつてオケアノスにて言った言葉を、改めて伝えよう」


『――生きるがいい、マスター。必ず誰かが、誰でもないお前を待っている』

「――うん!ありがとう!カルナさん!部員の皆にも、ギルや皆にもとっっっっっ――――ても怒られたから!もう二度と、そんな勘違いしないよ!」


「――・・・」


「『私の居場所はカルデアにあって』!『私の幸せを願ってくれる皆がいる』!私はもう『幸せ』なんだよね!」

「――そうだ。お前に必要なものは『自覚』のみだ。マスター」

「ありがとう!カルナさん!さぁ、あと一日の時間!悔いのないように過ごそうよ!お母さんとジャンヌが色々作ってくれるから、皆でお食事会やろうって!」

「――オレでよければ、同伴しよう」

「皆で!さぁ!行こうよ!あ、カルナさんがよく言うマスターの話も教えてね!」

「ジナコか。――あぁ。オレは本当に、マスター運に恵まれているサーヴァントだ――」



「へへっ、言ったろ?勝手に立ち直るってよ」

「呆れた頑丈ぶりよ。――決戦の憂いは無いようだな」

「あぁ。後は出たとこ勝負だな」

「――クー・フーリン」

「皆まで言うな。オレは嬢ちゃんにくっついていくぜ。きっちり面倒見てやるから心配すんな」

「フッ。心配などするものか。――我に下らぬ結末を垣間見せるなよ」

「任せとけ。もうランサーが死んだなんぞ言わせねぇ」

――マスターは、幸せになっていいんだよ。ううん

――忘れないで。この世の総ての生命は祝福と幸福を産まれた瞬間から懐き、宿している

ワタシがそうだったように。――アナタもまた、世界に満ち溢れる輝きの一つ

王の庭たる世界は、――アナタを必ず受け入れてくれる

――だから、ワタシは祈ります


人類最後のマスターよ。アナタが――

――有らん限りの祝福と、輝かんばかりの未来を、掴みとる事が出来ます様に――


(護りたい世界に、居場所・・・か)


(・・・――新人類。頭の悪い下種ども。覚悟しておけよ。――王の庭と、彼女の抱く世界。そして彼女の臨む世界に――お前たちの存在を赦すつもりは無いからな。――霊長の殺戮者の本領、余すことなく見せてやるから楽しみにしとくんだね――)

――フォウ?

(エア~。もふってー。ボクをもふって~)

――甘えん坊だね、フォウ。お部屋で、ね?

《あざとい獣よ。エアでなければ胸焼けがするわ》

(うっせ。ボクはエア専用なんだよ)

《ふはは、――ウルクの奮闘、期待しているぞ》

(ボクの本気に、惚れるなよ?)

――もうワタシ、フォウの可愛さに心奪われてるけど・・・

(エア――――――――――――!!!(国境成立))

フォウ――!?


《何度死ねば気が済むのだ貴様は!多芸を極めおって!ふはははははは!!》

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