人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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ミレニアムサイエンススクール 中央都市部分 モノレール駅出口

リッカ「うわぁー!!私の考えた最先端科学都市だぁー!!」

パパポポ『校風からして、最新を追い求めるスクールだっポ。開拓した都市部はいつ来ても圧巻…まぁトリニティと比べて居心地悪めだっポよ私』

リッカ「あ、そうなんだぁ…」

アロナ『ゲームショップや音楽ショップなども充実しています!行ってみましょう、アダム先生!』

アダム「……あぁ」

リッカ「あれ?あまり元気がない感じ?」

アダム「いや、そういう訳じゃないんだ。…ただ…懸念がな…」 

リッカ「懸念…?」

売店エリア

アダム「うっ……!!」

リッカ「アダム先生!?」

アダム「はぁ…はぁ…くっ、やはりか…!」

パパポポ『まさか、偽神の呪いか…!?』

リッカ「そんな、どうして今…!?」

アダム「あ、あれを…あれを見てくれ…」

リッカ「あれ…!?…プラモデルショップ?」

『超合金カイテンジャーロボ ミレニアムフィニッシュエディション 120000クレジット』

アダム「わ、私は……『限定品を見ると無性に買いたくなる衝動』に晒されている…っ!このままでは私はすぐにアレを購入に走ってしまうだろう…!」

リッカ「先生なんか加速度的に趣味が露呈してない!?神秘性は!?」

パパポポ『あー、これには理由があるッポ…後で説明するっポよ…』

リッカ「理由!?」

アロナ『非常事態です!リッカさん!モモトークで『早瀬ユウカ』の欄を出してメッセージを!』

リッカ「え、私が操作できるの?」

アロナ『親子ですので!』

リッカ「(じーん…)で、では!早瀬ユウカ…えい!」

…5分後

聡明そうな少女「はぁ、はぁ…!先生〜!アダム先生〜っ!」

リッカ「おぉ、来た!生徒!」

ユウカ「はぁ、はぁ、また、無駄遣い、はぁ、ぜぇ、ぜぇ…」

リッカ「アダム先生!来てくれたよ生徒さん!」

アダム「プレミアム…数量限定…今だけ…」

ユウカ「アロナちゃん、やらなきゃだめよね…?」

アロナ『はい!是非耳元で!』

ユウカ「う、うぅ…アダム先生…(ぼそ)」

アダム「!」

ユウカ「(私と、限定品…どちらが大切ですか…?)」

アダム「───ユウカだ…!」

ユウカ「〜〜〜〜も、もう。自制を覚えてください…!…はっ!」

リッカ「おっほっほっほ〜…………?」
パパポポ『ポッポッポ〜』

ユウカ「あ、いえ!これは、その!あの…!」

アダム「ありがとうユウカ。私の財布は護られた…!」

ユウカ「ち、違うんです!違わないけど!違うんです〜っ!!」



ミレニアムの算術使い

ミレニアムサイエンススクール……──

 

科学技術に力を入れている新興の学園であり、「千年難題」という今の技術では解けない7つの難題に立ち向かう研究者達の集まりを端緒とし、千年難題に取り組む実験や検証の過程で研究機関が増えてきた結果誕生した。

 

キヴォトスにおいて「最先端」「最新鋭」と呼称されるものの多くはここミレニアムで開発されたものであり、その多くがキヴォトスに広く普及している。そのため、歴史が浅いにもかかわらず、ゲヘナ学園やトリニティ総合学園などの巨大な古参校にひけを取らない影響力を持ち、キヴォトス三大学園の一角を担う。

 

学園の興りを知らない生徒も今は多いが、理念は変わらずそこで行われる研究は7つの難題の解決に繋がる過程であり手段とされている。

 

その一方、思索と研究を奨励する校風の反動からか、体力が低く他人と交わることを嫌う生徒が多く、一部の部活を除いてはあまりスポーツは積極的に行われていない。また、最先端技術を追求する校風の為、レトロ好きは変り種。

 

 

研究機関としての側面を持つことからかなり出費は嵩んでいるらしく、学園の会計を担当する生徒は頭痛に悩まされている。

ゆえに部活には規定が定められており、実質的な特務機関である特異現象捜査部以外はどの部活も4人以上が所属しているか、ある程度の実績をあげるかの、最低でもどちらかが必要。

 

学園はかなり広く、主要施設間をモノレールで移動。中央にはミレニアムタワーと呼ばれる超高層ビルがそびえ立っており、敷地内にはフィットネスセンターや発電所まで存在する。

 

都市化された中心は最先端技術が使われた建物の多いが他はそうでもなく、未開発地区があり、東アルプスの東丈山ではキャンプ等に適した自然の多くある地域となっている。

 

自治区内の郊外には無人兵器が徘徊している「廃墟」と呼ばれるエリアがある。危険を理由に連邦生徒会により立ち入りが禁じられているが、理由について不透明な点がある模様。

 

そしてリッカ達は──妙ちきりんなアダムの発作を止めた生徒『早瀬ユウカ』に、ミレニアムタワーの最重要応接室へと通されていた。

 

「それでは改めまして。ミレニアムサイエンススクール、セミナー所属二年。会計の早瀬ユウカです。アダム先生から話は聞いています。藤丸リッカさん…ですね?」

 

「私も二年だからタメ口でいいよ〜!」

 

「そ、そう?じゃあリッカ、よろしくね。…先程の光景はその、特殊な状況と言うか…」

 

「ほう……また新しいゲームとハードが出るのか。財布が薄くなるな…」

 

「…せ〜〜ん〜〜〜せ〜〜い〜〜!仮にも引率なんですから!いつものようにキリッとした毅然で、カッコいい、素敵な先生でいてください!」

 

「あっ!私のカタログ…!ユウカ、慈悲を…慈悲を…!」

 

「ダメですってば!もう、これからミレニアムのどこに行くかを話すんですから大人しくしていてください!いいですね!はい、復唱!」

「はい…アダム借りた猫になります…」

 

「ふーくーしょーう!」

 

「アダム大人しくなります!」

 

「(唖然)」

 

ラーメンにかかりきりなアダムも大概だったが、ユウカという生徒と絡んでいるアダムのテンションは輪をかけて自由であった。なんかこう、先生と生徒というよりは年の離れた兄妹のようである。ダメな兄としっかりものの妹的なサムシングにリッカはあんぐりと口を開ける。

 

「もう…。あ、ごめんなさい!アダム先生、ミレニアムに来ると限定品やゲームにばかり目が行くようになってしまって、あんなふうに限定フィギュアなんて見つけたらもう大変で。僭越ながら、私が個人的にアダム先生の財布の紐を握る役割を担ってるの。勿論先生公認でね」

 

「限定品のプレミアム感は素晴らしいが、ユウカ程ではないなと踏みとどまる。そしてユウカと食事会がいつもの流れ」

 

「もう、どこにいても呼ばれる身にもなってくださいってば。本当にアダム先生には私がいないと、危なっかしくて…」

 

「ところでユウカ、このゲーム二人プレイなのだ。シャーレでやらないか?」

 

「あっ、そうなんですか?では早速在庫を…じゃーなーくーてー!今私は!皆様のミレニアム案内の話をしています!アダム先生はカタログ見学禁止!禁止です!」

 

「そんな!ミレニアムはゲーム・プラモデル市場じゃなかったのか…!?」

「ちーがーいーまーすー!!」

 

「何この……微笑ましすぎる二人の触れ合い…」

 

「ふふ…。ユウカちゃんは最初期に先生と触れ合った生徒の一人なので、アダム先生も特別に信頼しているんですよ。羨ましいくらいに…」

 

『ポ!』

「ファッ!?」

 

いつの間にか背後に立っていた、白髪の透明感溢れる少女。にこりと笑い、自己紹介に至る。

 

「はじめまして。同じくミレニアムサイエンススクール二年、セミナーの書記担当、生塩ノアです。ユウカちゃん共々、よろしくお願いしますね。リッカさん、ハトさん?」

 

「は、はい!…うわぁ、理知的な女の子だぁ…頭良さそう…」

 

「リッカ!?私にはその感想懐かなかったの!?」

「無理だな…ユウカはとりあえず可愛いが来るから…」

 

「な、なっ……」

 

「同感です、アダム先生♪」

 

「もう!またそうやって…!…で、でも…嬉しいから、いいですけど…」

 

『…リッカちゃん。アダムは生徒と触れ合うたび、問題を解決するたびに趣味や嗜好が増えていくのだ。アビドスではラーメン、サイクリング。ミレニアムではゲーム、特撮、プラモデル…』

 

「それって…関わった生徒や学校から影響を受けてる、とか?」

 

『うん。アダムは此処に来るまで、自分のための趣味嗜好は何も持っていなかった。エデンの王としての、生体システムだったのだ。だから今の彼は、生徒達から貰っているのだよ。自分自身の趣味嗜好を…人生の彩りを…』

 

 

絶対性、王としての威風や気風ではなく、人として当たり前の趣味嗜好や存在の意味を。どうやら生徒から学んでいるのもまた、

アダム先生の先生たる所以らしい。

 

「ノアもいることだし、皆でお食事会にでもしないか?リオもコユキもいないのは残念だが…」

 

「で、ですから今はスクール案内の方針を…!」

 

「賛成です♪私はアダム先生やリッカさんとご飯を食べるけど…ユウカちゃんは?」

 

「〜〜〜〜〜食べ、ます!食べるに決まってるじゃないですか!アダム先生と!皆で!」

 

「決まりだな。実はミレニアムに来る前に作っておいたのだ。さぁリッカ、飯の時間だ」

 

「そっかぁ!インテリもお腹減るもんね!」

 

そんな訳で、ミレニアムタワー方針会議は和やかな食事会へと姿を変えた。

 

「はいユウカ、あーん」

 

「あー…い、いえ。私はクールな計算女子。そんな幼児みたいな真似は…」

 

「はいノア、あーん」

「あーん♪おいひぃれふ♪」

 

「はいリッカ、あーん」

「あーん!美味い!!」

 

「偉大なる主よ、口に恵みを放り込みたまえ」

『神は万物を創造し、七日目にタコさんウインナーを頬張った。あーん』

 

「ぁ、ぅあ……あ…(涙目)」

 

「…ユウカ、あーん」

「あーん!(もぐもぐ)おいひぃれふ!!」

 

(早瀬ユウカ…おもしれー女…!)

 

 

『まずは圧倒的な賢さを見せつける登場で他の学園や生徒達に印象面で差をつけるわ!かんぺきー☆』などとほざいていた算術の魔術師は初手アダム介護で無事にアダム先生大好き生徒とリッカにインプット。

 

「アダム先生の軌跡を巡る…では、ゲーム開発部に行くのは如何でしょう。あそことアダム先生とは深い関係がありますからね」

 

「成る程!聡明なノアさんがそういうなら!」

 

「ふふ…かんぺきー☆ですよ♪」

 

「ユウカ、リンゴもあるぞ。あーんするのだ」

「あーん…おいひぃれふね…けいさんがいれふ…」

 

そういうイメージを全てノアに持っていかれたユウカは…

 

幸せそうに、アダムの弁当を頬張っていた。

 

 




リッカ「という訳でゲーム開発部付近に来たわけだけど!」

ユウカ「あの子達、ちゃんと部活動しているのかしら。来るとは言ってないから抜き打ちの形になったわね…」

パパポポ『あぁ、アトラ・ハシースの箱舟系列の娘がいるところか』

アダム「?」

?「ダダァァァァン!!フェスティバァァァァル!!!」

リッカ「!?」

アダム「これはまさか!『デデデンリング』か!モモイ!ハマっているのだな!」

リッカ「なんて!?」

ユウカ「…彼女達はゲーム開発部。部とはいうけど…」

ノア「愉快な同好会、でしょうか…」

?「うるさァァァァい!!!ミシェラの刃は聞き飽きたァァァァァァ!!」

ユウカ「真面目な部活動は…望むべくもなさそうね…」

苦労人だな彼女…リッカはユウカの背中をそっと撫でたという。
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