人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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エレジア

ウタ「ねーねー、ルシファー」

ルシファー『どうしたの?』

ウタ「トットムジカが教えてくれたんだけどさ、あたしの能力で眠らせた人の身体は操れるんだって」

ルシファー『えっ』

ウタ「確か、ウタワールドに来るのはルシファーの仲間たちとルシファーだったよね?大丈夫?」

ルシファー『………大丈夫…』

ウタ「さっすがぁ!」

ルシファー『じゃないかも…』

「えぇ!?」


ブルアカアフター&ワンピースプロローグ

「リッカ、ごめんね。わざわざ呼び出したりなんかして」

 

トリニティ、正義実現委員会のデスクにて、タッパーに詰まった揚げ物を食べながら招き入れたリッカに向けてヤマトが礼をする。

 

「いいよいいよ、気にしないで!私は人と関わると元気になるタイプだから!」

 

「ふふ…ありがとう。これは正義実現委員会の誰にも…アスカにも内緒にしていることなんだけれどね」

 

デスクに向かい合うヤマトのモニターをリッカが覗き込む。そこに記されていたのは、並列に記録された監視カメラの映像だ。

 

「摘発の時、私は監視カメラの映像を一斉に編纂して証拠にした。その時に…一つだけ、皆に見せなかったデータがあるんだ」

 

「それが、内緒にしてること?」

 

「うん。……アダム先生に報告するかは、リッカに任せるよ」

 

ヤマトが意を決し、一つのモニターの映像を拡大化させリッカに見せるように展開する。

 

そこに映っていたのは、イジメを摘発され焦っていたであろうトリニティの加害者が、一人の生徒を詰っている様子だ。

 

「この娘…アスカの友達の!」

 

「うん。尾張メイ。イジメの傍観者として、密告を疑われていた娘なんだけど…問題はここからなんだ」

 

ヤマトがそう言い、見せた映像にリッカは衝撃を受けることとなる。

 

「!」

 

なんと映像の向こうにて、メイが自分を取り囲んでいた加害者達を瞬く間に鎮圧、無力化させたのだ。いつの間にか抜き放っていた拳銃があることから、早撃ちで鎮圧させたものとヤマトは推測する。

 

「これ…」

 

そして、更に。

 

『…今見た事は、秘密にしていてください』

 

「!!」

 

なんと彼女は、一部始終を見ていたであろうヤマトに警告すら放ったのだ。その不可解さに、リッカは半歩ほど後ずさる。

 

「アスカには、今ヘイローが展開されてる。それはどういう訳か、今のところアスカにしか発現していない。彼女だけを取り巻く要因は…」

 

「アスカと、彼女が友達…?」

 

「そうなんだ。彼女、イジメを見過ごした…という理由で自首した形だけど、どうにも私には普通の存在とは思えなくなってきてる。アスカに力を託したのが彼女だとするなら、悪人だとは思いたくないけれど…」

 

故にこそ、アダムへと話すのはリッカの判断に委ねる…という事であるのだろう。それは、ヤマトにとって一つの結論を導いたからだ。

 

「尾張メイ。彼女はもしかしたら…トリニティに波瀾を呼び込む存在かもしれないから」

 

「…………」

 

リッカは静かに、カメラ越しから見つめるメイと視線を交わしていた───。

 

 

同時刻、ティーパーティートップ茶会場。

 

「ナギサ。これは一体どういう事だ…!?」

 

正義実現委員会、石田サラ。先のトリニティ摘発にてヒフミと共にトリニティトップ勢力たる桐藤ナギサの命を受けて活動していた彼女が、今はなんとナギサ本人に剣呑に問い詰めていた。

 

「何か難しい決定がありましたか?『成績不振者四人を補習部として編入、しかる後にテスト不合格の場合即座に退学させる』…文面に難しい事はないはずですが?」

 

そう、それはヒフミがサラに示した指令。『点在しているであろう裏切り者を見つけ出し、排除せよ』というもの。その四人は、ナギサが目星をつけた『裏切り者』候補である。それを認可できないサラはナギサを問い詰めたのだ。

 

「限界まで譲歩して、成績不振者を退学させるのは良しとしよう…!だが、何故この中にヒフミが入っている!?」

 

そう、その四人の中にはサラを影に日向にサポートしたヒフミが含まれていたのだ。彼女はナギサの為、アカペロロの為に働いた。そこに他意など無いとサラは確信していたのだ。

 

「疑わしきは罰せよ、との言葉があります。彼女は無断でトリニティから抜け出し、そしてあなたとブラックマーケット内で知り合ったそうではないですか。素行不良の何者でもありません」

 

「それは彼女の嗜好品がブラックマーケットでしか手に入らないものだったからだ!断じてトリニティへの背信行為ではない!」

 

「先のミカさんのトリニティ一斉摘発により、トリニティ自体に余談は許されません。不穏分子は即座に排除せねばならないのです」

 

「正気か、ナギサ!ヒフミは君を信じ私に力を貸してくれた!君の役に立つためにだ!そんな信頼を、君が一方的に裏切るというのか!」

 

「裏切りませんよ。彼女が加害者達のような【ゴミ】で無いのなら」

 

「!───桐藤ナギサ!!」

 

サラがナギサの胸ぐらを掴み、激する。

 

「ただ疑いを持ち、そうと決めつけて一方的に排斥する事が君の友誼なのか!?そんな事では、本当にかけがえのないものを失う事になるんだぞ!」

 

「解っています。ですが私には他人がどのような心を抱えているかは解りません」

 

「何…!?」

 

「上に立った経験があなたにありますか?信じていた学友が、まさかアリウスや悪辣な大人に繋がっていた衝撃と絶望があなたに理解できるというのですか?」

 

「…!」

 

「永年の確執を越え、ゲヘナとトリニティは手を結ぼうとしているのです。それの成就の為ならば…友人一人を失うなど、どうということではありませんよ」

 

サラとナギサは向かい合い、そして長い時間の末にサラは手を離し、背を向け歩き出す。

 

「どちらに?」

 

「決まっている、補習部に集められた者達の無実を証明する」

 

「出来るとお思いですか?」

 

「出来る。言っておくが今の君は通常の精神状態じゃない。強いストレスと錯綜した情報により、疑心暗鬼の状態なんだ」

 

サラは一度強く振り返り、揺るぎない意志によって告げる。

 

「疑心暗鬼によって身も心も崩してしまった存在を、カルデアや私は知っている。君が大切なものを、四人が大切な時間を喪ってしまう前に私は私として動かせてもらう!」

 

「そうですか。無駄なあがきにならないことを応援しております」

 

「…重ねて忠告しておく。今の君は普通じゃない。その異常性を把握し向き合わなくては、本当に大切なものを失う事になるぞ」

 

「………覚えておきましょう。石田サラさん」

 

サラはナギサと別れ、ヒフミと合流。事の顛末を説明する。

 

「あはは…無理もありません。ナギサ様はトップとして、何もかもを信じて鵜呑みにする訳にはいかないんです」

 

「だからといって、退学処分は明らかに一生徒の権限を越えている。学生が、同じ学生の未来を閉ざしていい筈がないんだ。それはアスカが立ち向かった、理不尽そのものなんだから」

 

「サラさん……」

 

「残念だが、補習部の設立はもう避けられない。君はテストにて規定点を取る必要がある。辛いだろうが…」

 

「大丈夫です」

 

サラの言葉を遮り、ヒフミが強く頷く。

 

「私、やってみせます!サラさんの信頼に、アカペロロ様のお導きに応えてみようと思います!」

 

「ヒフミ……」

 

「大丈夫です!二人で一緒にアリウスの大人と向き合ったことを思い出せば全然へっちゃらですから!きっと…アダム先生も力を貸してくれるはずですし!」

 

ヒフミは気丈に答える。サラを心配させまいという気持ちも、多分にあるのだろう。

 

「ですから、サラさんもどうか気負いすぎないでください。助けてほしい時には、ちゃんと助けてって言いますから!無理をし過ぎないよう、私と約束してくれますか?」

 

心配しているはずが、逆にヒフミに心配されている関係に苦笑しながらサラは返す。どのみち、ヒフミは一度決めたら決して譲らない生徒と言うことはコンビを組んで理解しているからだ。

 

「…解った。そちらも頑張ることを怠るなよ、ヒフミ。恐らく彼女は本気で君を退学にさせるぞ」

 

「はい!アカペロロ様の導きを信じて、一生懸命頑張ります!サラさん、また一緒にブラックマーケットに行きましょうね!」

 

公に行くような場所じゃないぞ、とサラは思い、目をつけられるのもある程度納得だなと加えて思わざるを得ないのであった──

 

 

 

 

 




更生局 面会室

アスカ「じゃーん!鈴村アスカを助ける会のモモトークを、『鈴村アスカの復学支援救護グループ』に変えてみたんだ!」

メイ「わぁ…!」

アスカ「まだまだ学校が怖かったり、心に傷を受けてる子は多い。私が率先して、そういう心の傷を救護する為に動こうと思ってるんだ。救護騎士団として、ヤマトさんやサラに負けられないからね!」

メイ「何から何まで、本当にありがとう…。私達への理不尽に、怒ってくれて」

アスカが「礼なんていいよ。一緒に過ごす学友なんだ、当たり前じゃないか!」

メイ「アスカ…」

更生局員「アスカ様、御時間です」

アスカ「うぅ……あ!勉強が遅れない為のリモートデータも送るから、復習くらいはしておいてね!待ってるから!」

更生局員「アスカ様」

アスカ「学園で待ってるよ〜!私のブランドもよろしくね〜!」

メイ「………アスカ。ありがとう…あなたは私に、勇気をくれた」

メイは感謝を告げるように、頭を下げる。

「…私も、傍観者の席から立たなくちゃ。全ての奇跡の導き手たる、アダム先生の力となるために」

やがて、顔をあげ前髪に隠れていた瞳には…

「アダム先生、並びに善き人々に…『自尊』の真理が在りますように」

──上下反転した、Ωのマークが刻まれ。同時にヘイローの形が一般的なものから変化していくのであった。

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