人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ギル「さて、魔王の目論見もいよいよ大詰め。傲慢の大魔王の研鑽が何処へ向かうか、しかと見定めるとしよう」

──ワタシ達も、全力を尽くします!行きましょう、ギル!


ギル《フッ。大盤振る舞いの準備は出来ているぞルシファー!さぁ、幕を開けよ!死した方が良い世界、その絶望を切り裂く夜明けの刻だ──!!》


クライマックス・マーチ

「皆、集まっているわね。ブリーフィングを始めるわよ。重大な決戦…各自聞き漏らすことの無いようにして頂戴」

 

オルガマリーの号令の下、グランドマスターズが管制室に集う。そう──トットムジカ鎮静戦の作戦が、今始まろうとしているが為に。その作戦会議が、厳かな様子で執り行われているのである。

 

「皆も知っての通り、エレジアは天竜人や魔王達の尽力で復興を成し遂げた。その為に、かつて起きてしまったトットムジカの暴走の憂いを無くすことが今回の概要。成功の暁には、エレジアは私達カルデアの新しい活動拠点かつ同盟国になる。戦力増強という点でも決して無下にはできないわ。頑張りましょう」

 

「トットムジカ自体は悪意ある存在じゃない。ウタと仲良くしている点から…僕らの目的は、トットムジカという存在に集められた憎しみや負の感情との相対だな?」

 

カドックの言葉にオルガマリーは即座にモニターを展開しながら頷く。

 

「かつてのトットムジカは、その時代のウタウタの実の能力者に招かれ、悪意と負の感情を捧げられ魔王とされてきた。これを放置していては、遠い未来にまたエレジアはかつての悲劇を再演しかねない。それを、カルデアと同盟たるルシファー勢力の力を合わせて阻止するのよ。ロマニ!」

 

「はい、所長!作戦は仮称『ウタワールド』と現実世界の両方でトットムジカと戦う二面作戦になる。トットムジカの性質は、ウタワールドの彼と現実世界の彼を、全く同じタイミングでおなじ場所を攻撃しないとダメージすら通らないという性質を持っているんだ」

 

「呆れた防御性能ね…火力だけじゃどうにもならない、か」

 

オフェリアの言う通り、綿密で緻密な攻撃と、押し止める防衛力が求められる。エレジアの被害も、抑えねばならない戦いだ。

 

「これに対し、カルデアは在住サーヴァントの大半を注ぎ込む総力戦の体を取る。少しでも七大魔王の有する火力に追従し、ダメージという浄化行動を完遂しなくてはならないからね。その為にカルデアは生活ライフラインを一時的に省電力に切り替え、少しでも攻撃できるように取り計らう。そしてリッカ君!」

 

「はいっ!」

 

「君にはカルデアと共に、全サーヴァントへの魔力供給と指揮を行ってもらいたいんだ。やっぱり、サーヴァントの皆は君がいてくれると気合いの入り方が違うからね」

 

「それは勿論!でも流石に皆をリアルタイム指示しつつ魔力を回すのは…」

 

「心配ご無用ですよリッカさん。アダム先生から多様ツール『シッテム』をお預かりしていますし、アジーカさんにキラナさん、アンリマユさんの力を合わせた決戦形態ならば、一ヶ月は全力戦闘ができる魔力を賄えるとの結果をトリスメギストスや大賢者は導き出しましたからね!」

 

シオンの言葉に、リッカが一番驚愕を顕にする。少し時間をおけば即座に対処できるのがこの組織、楽園カルデアというものである。

 

「それに、麦わら海賊団にも連絡は送っているんだろう?噂ではワノ国…とやらで四皇の一角を落としたらしいじゃないか。援軍に対しても不安はないね、キミィ」

 

「あまり楽観視しない方が良い、ゴルドルフ副所長。対処すべき問題は、トットムジカだけではないのだから」

 

ホームズが言うように、敵対の際の最大の懸念は報告にあった『魔王の肉体がトットムジカの制御下に置かれる』事への危惧である。

 

「記録の観点から、七大魔王の実力はトップサーヴァントクラスなことは当然として、霊基の格はグランドの資格を十分に備えていると言えるだろう。つまり、グランドサーヴァントクラスの存在が作戦遂行に立ちはだかるということでもある」

 

「頼もしさも恐ろしさも良く知っているところだ…当然、対処手段はあるんだろ?」

 

「えぇ。選抜した魔王対処メンバーで、彼等の攻撃を対処しつつ鎮圧するわ。それに加え、魔王側もサーヴァントを招いて戦力にするとの報告が来ている。手を拱くばかりではない…という事ね」

 

「どうよ、デイビット。賞賛と勝ち筋の程は」

 

「…意志が無いからこその脅威と、意志が無い故の弱体。これを上手く捌いていく他ない。ベルフェゴール自体は変わらない。ベルゼブブとレヴィアタンが鬼門だな。下手をすればエレジアが沈む。アスモデウスに大量範囲破壊攻撃はない」

 

「…ルシファーは?」

 

「…固有結界の用意を推奨する。マルドゥーク神ならばサタンも込みで完封できるが、代わりに肉体が滅びる結末になるだろう」

 

「…私の固有結界の出番と言うわけね」

 

「大丈夫かよ所長。アンタの結界、割れてナンボになってねぇ?」

 

「本当はギルの乖離剣のためのものだけれど…その性質がインフレーションに対応できる塞翁が馬になるのはわからないものね」

 

デイビットの冷静な分析に次々と対処を示すオルガマリー。デイビット…小さな一日の名を冠する彼は、最適で的確な判断を示す。

 

「ちなみに、どこまで行ったら勝利なわけ?」

 

「最終楽章においてトットムジカは全力を出すとのデータが示されているわ。つまりトットムジカを最終楽章まで育て、憎しみの根源を取り除く必要がある」

 

「どうあれ全力は避けられないのねェ。個人で挑まなくて良かったわ、ホントに。ね?リッカ?」

 

「そうだね、ぺぺさん。ちょっと戦力が足りなくなっちゃってたか、コラテラル・ダメージを容認しなきゃいけなかったかも」

 

「ONE PIECEの大ボスに挑むとか、いよいよメルヘンじみてきましたねー。いや、今更かぁ」

 

『こちらキャメロット・オークニー。女王モルガンです。エレジアが保たないと判断したなら、こちらにトットムジカとやらを跳ばしなさい』

 

「モルガン!?」

 

『我が妻、同盟関係は魔王とやらだけではないことを忘れないように。妖精一同、カルデアに協力は惜しみません』

『星王だってやってやりますからねー!』

 

『こちらプリズマコーズ管理者、ギルくんです。魔法少女達もやる気ですので手数に是非。ワンピースファンが多いんですよ』

 

『魔力の補佐ならお任せを!毎度おなじみ肝心な時には八面六臂のイザナミおばばです!』

 

『魔王の皆がどうしようもなくなっても大丈夫。私も出るから安心してねぇ〜』

 

『シャーレの七神リンです。キヴォトスにおいて、総力戦の形で大型エネミーのノウハウは重ねています。サポートはお任せください』

 

バックアップ候補の存在は数多存在する。それは、楽園が紡ぎ続けてきた成果と結果にほかならない。

 

 

「皆…!うん!やってやろうよ!トットムジカとだって、仲良くなって皆で宴しよう!」

 

「ルフィ達は間に合うと思うかい?リッカ」

 

「絶対来るよキリシュタリア!船長は、絶対にクルーを…宝物を奪わせたりはしないから!」

 

そして確信するリッカの言葉を締めくくりに、オルガマリーが総括する。

 

「作戦開始はエレジア時空で数日後、私達には数時間後よ。各員最終調整!配置について!」

 

「まずはルシファー達がウタワールドに行くんだよね!?」

 

「そうよ。エレジアで復興記念ライブをウタが執り行う。そこに魔王勢力が参列しそのままという形ね」

 

「ウタワールドの性質上、僕達は見れないな…」

 

「大丈夫!勝った後は、また皆で歌えばいいんだから!!」

 

リッカの言葉に、一同は頷く。長いようで短かった、ワンピースの特異点の大詰めが待つ。

 

「やろう!皆!きっとこれは…あの世界における大事な役割を持つと思うから!」

 

「はい!先輩!マシュ・キリエライト、全力でやります!」

 

「全員で───魔王とだって仲良くなろう!!」

 

「「「「「「了解!!」」」」」」

 

復興のクライマックスが、幕を開ける。

 

エレジアの一番長い一日が、始まろうとしていた。

 




控室

ウタ「ど、どう?似合ってる?」

ルシファー『勿論。エレジアに伝わる歌聖姫の衣装…バッチリだよ』

ウタ「ありがと、ルシファー。…うん。これなら行けそう。バッチリ歌える。復興ライブできる!」

ルシファー『その調子だよ。トットムジカもいいかい?』

トットムジカ『おう!ウタは絶対護るからな!』

ルシファー『よし!』

ウタ「ねぇ、ルシファー」

ルシファー『?』

ウタ「…ありがとう。あなたがいてくれたから、私はあのどうしようもない絶望からここまでこれた。あなたが私を、導いてくれた」

ルシファー『ウタ…』

ウタ「今だから言える。…本当にありがとう、ルシファー。あなたは、ルフィとは違うけど、同じ位に特別な…私の星だよ」

ルシファー『〜。光栄だよ、ウタ。でもね…』

ウタ「?」

ルシファー『君のすべてはこれからさ。だから…これからもずっと、君を見ていさせておくれよ?』

ウタ「勿論!あなたは私の、最初のファンだからね!」

…エレジアの最も華やかな一日が、始まろうとしていた。

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