人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
現実は辛くしんどいことばかりですが、この小説を完遂するまでは生き抜いてみせます…!
そして自分や皆様のプレゼントとして、完成したアダム先生のイラストを提供いたします!本編と共にお楽しみください!
【挿絵表示】
追加でネタ表情も発注しているので、お楽しみに!
夏草マイティモール・屋上
リッカ「うたうちゃん、ここなの?」
うたうちゃん「はい。マスターの携帯端末からの着信を受けた直後、生体反応が消えてしまって…」
リッカ「ナイちゃんも夏草で待ち合わせって言ってたけど姿は見えないし…これはもしかして何かあったんじゃないかな。ディーヴァ、カーマとグドーシに連絡できる?」
ディーヴァ『オッケー。端末自体は…あ、そこよ!』
『ニャルの端末』
うたうちゃん「…マスター、今どこに……」
リッカ「どれどれ…」
『EVOL』
リッカ「───!!うたうちゃん、すぐに戦闘準備を!」
うたうちゃん「は、はい!」
リッカ「ここからは──最悪の事態と断定して動く!ナイちゃんとモアちゃん達にも連絡を!」
『リッカ!アクセスグランテッド!!』
リッカ「持っててよかった、理屈抜きの超パワー!!」
『なのは ストライカー!』『早苗!』『響 エクスドライブ!』
【この世界は、いや全宇宙は今大騒ぎだ。今更私やお前の出る幕はない…!】
パンドラ空間の中にて相対するニャル、そしてエボルト。旧来の間柄ではあるが、再び元のさやに収まるという関係は有り得ない。即座にニャルはエボルトリガーを手にせんと構えるが……
【甘いねぇ。随分と脇が甘くなった】
それを見越したエボルトが波動を飛ばし、エボルトリガーをニャルの手から奪い去ってしまう。痛恨にもニャルは、仮面ライダーエボルとしての最強フォームを封じられた形となってしまった。
【昔のお前なら、喋る暇があれば即座に変身していたぜ?】
【それがどうした…!】
『コブラ!ライダーシステム!エボリューション!!アーユーレディ?』
【変身!】
それでもニャルは素早くフェーズ1のエボルコブラに変身しエボルトとの激しい肉弾戦を開始する。お互い同じ規格のライダーシステム、その外見は極めて酷似したもの。互いの気質の近さを現すように。
【ますますらしくない。オレとお前の力の差の歴然も測れなくなったか?】
【モアを護るためだ、怯んでなどいられん…!】
【フハハハハハハ!聞けば聞くほど立派なパパさんだなァッ!】
しかし、力量の差はすぐさま現れた。何回攻撃しようとエボルトはまるで揺らがず、雑に放たれた拳でニャルは激しく吹き飛ばされる。
【ぐぅうっ!!】
【今のオレはいうなればエボルXだ。数多の時間を経て進化したこのオレに、おさがりのそのまた劣化品如きで勝てるわけがないだろう?】
【それがどうしたと、言っている…!!】
『ドラゴン!ドラゴン!!エボルドラゴン!!』
変身シークエンスを踏み倒し、エボルフェーズ2へと移行するニャル。エボルトのパンチに合わせ、素早いカウンターを叩き込んでいく。
【勝ち目があるのか無いのかなどどうでもいい!人間はその摂理を覆し、奇跡を起こしてきたのだ!】
【今のお前ならそれが出来ると?人間如きに成り下がったお前がか?】
【お互い、その人間に敗れた者同士だろう!】
【違いないねぇ。だが気合いと根性でどうにかさせてやるほど】
瞬間、ニャルの周りが瞬時に無重力となる。ふわりと浮かび、投げ出されるニャルの身体。
【!!】
【オレは優しくないんでなァッ!!】
そのまま抵抗すらできないニャルに、渾身の拳が突き刺さる。凄まじい直撃に、モアの足元にまで叩きつけられるニャル。
「おじさま!!」
【だい、じょうぶだ……!お父さんを、信じなさい…モア】
涙を浮かべるモアを抱き寄せ、庇い立つように二本のフルボトルを手に取る。
『ラビット!ライダーシステム!エボリューション!アー・ユー・レディ?』
【それでも私は……一人のパパである自分自身から逃げはしない……!!】
【〜〜……】
【私が心から尊敬する人々が教えてくれた、人の強さを知る限り……!変身!】
『ラビット!ラビット!!エボルラビットォ!!フッハァッハッハッハ!!』
立ち上がり、フェーズ3たるエボルラビットに変身するニャル。ダメージは甚大だが、それでも彼の気迫は微塵も翳りが見られない。
【護るもの、護りたいもの。ラブ&ピースってやつか?相棒】
【私にそれを口にする資格はない。だが、それでもそう在りたいと憧れる想いを捨てはしない!】
【ますますもって腑抜けたもんだ。お前には圧倒的な力と、何も喪うようなモノがない無敵の人であるが故に混沌の邪神足り得たのに】
再び激しい肉弾戦の中、憐れみとも哀しみともつかない口調でかつての相棒を測るエボルト。
【神でありながら信仰を全く必要としないのが外宇宙のお前たち神格連中だ。それ故にお前たちはこの宇宙における絶対的な恐怖足り得た訳だからなァ。そんなお前だから、宇宙の総てを顔色一つ変えずに玩べていたんだろう?】
【あぁそうだ!神として行っていた全ての愚行、神の座を降りたからと見ぬふりをするつもりはない!】
【なら、自分が護るべきものを持つとは、大切なものの価値を知るのはどういう意味かも理解しているわけだよな?お前の大切にしている今の家族は、お前が無感情に滅ぼしてきた家族と同じ意味合いを持つんだぞ?】
【……!】
そう、ニャルは神から人の座へ下り、そして心を得た。それにより、ムシケラ程度だった人間達の心を知った。
【散々世界を、星を、宇宙を滅ぼしてきたお前が人並みの幸せを得ようなんざ…虫が良すぎる話だとは思わないのか?】
嘲笑うエボルトの言葉に、ニャルの仮面の下の顔は痛恨に歪む。
【───あぁ、思わんね!】
しかしそれでも、ニャルはエボルトを押し返した。
【例え開き直り、どの面と言われようと。私は家族と、仲間たちと、その皆が生きる世界を諦めるつもりはない!】
【ほう…】
【罪は消えない。償いきれる大きさでも数でもない。ならばせめて全てを背負って生きるのだ。数えきれない罪を一つ一つ数え、大切な娘達を私のようにさせないために正しく育てる事で罪を私で終わらせる…!】
赦されぬのは覚悟の上。恥知らずと言われるのも、鬼畜外道と言われるのも覚悟の上。
【罪人の子は罪人ではなく、罪人の妻もまた然りだ!私の愛する全てが光溢れる世界で生きれるように、私はこの世全ての闇で在り続ける!】
【それがお前の、仮面ライダーエボルってヤツか?】
【そうだとも!お前を殺した罪もまた、仮面に変えて永劫被り続けてみせる…!】
ひとしきり、ニャルの言葉を聞いていたエボルト。
【それじゃあますます、そんなお下がりじゃあ役不足だろうな】
【どっちの意味だ。私の決意には大きすぎると言う意味か?】
【違うね。借り物じゃもう役に立たないって意味だよ!】
瞬間、エボルトの身体から溢れ出るブラッド族の波動。その高まりは、常軌を超えて上昇するエボルトのハザードレベルの奔流に等しい。
【ぐうっ!!】
エボルX。新たなる力と姿を得たエボルトの力とは、瞬間移動すら可能とする。瞬間、ニャルの首を軽々と掴み締め上げる。
【コイツは返してやるよ。いくらなんでも今のお前にそんなみすぼらしい姿は似合わない】
素早くニャルに手渡しのは、エボルトリガー。エボルの力を完全解放するための先に奪われたツール。
【骨の髄まで人間に染まったお前に、今一度面白いものを見せてやるよ。思えば、俺達の旅路も面白いものを観るための旅路だったよなぁ?】
【……人に散々言う割に、お前は何も変わっていないな…。傲慢なまでに他者を見下すその性根は…】
【そうかな?こいつを見てもそんな態度を言えたら…褒めてやるよ】
エボルトは懐から、それを取り出す。
「あれは……新しいボトルというものなのでしょうか?」
それは黒と白色、そして赤いLEDのついた巨大なフルボトル。
【お前に対してのとっておきだ。有り難く思えよ?】
『ナイア・ハンティングタイム!!』
【!?】
巨大なボトルをベルトにセットし、レバーを回す。旧支配者のキャロルのオーケストラアレンジが流れ、ニャルの回りに巨大なステンドグラスと棺桶を有する教会が現れる。
『Are you ready?』
【変、身……!】
掛け声と同時に、触手の形となった黒き闇がエボルト殺到し、その闇を封じ込めるような光が溢れ出し、白が差し色となった漆黒にして赤目のエボルが現れる。
【宇宙を駆ける最恐の狩人‼ 仮面ライダーエボル!ナイアフォーム!!フッハッハッハッハッハッハ!!】
【フェーズ3.5ってところか…。さぁ、楽しもうぜ?相棒】
【───今……なんと言った?】
エボルトが取り出したそのボトル、そして変身したライダーの名は。
──ニャルの運命。最愛の愛娘の名を冠しており。その面影を宿していた。
───善を成せ。
我が威光を知らぬ無知蒙昧なる者共に、洗礼と浄化を。
全ての悪を滅ぼし……
完全なる善たる王国を創り出さん。
『ゼインライズ!』
『ジャスティス!ジャッジメント!セイギ!ゼイン!
『Salvation of humankind』