人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

2574 / 3000
オーマジオウ【ほう。エボルトが口にしていた狸親父に化け狐…】

英寿「そいつは、俺達の事だな」

リッカ「やっぱり。口を滑らせた…って感じだったけど、もしかしたらと思って」

英寿「あいつの今回の件、俺達は黙認した」

リッカ「ニャル様に必要な事だったから?」

オーマジオウ【うむ。ヤツの迷いと悩みは、真の絆と家族関係の構成の妨げになっている。そこを、偽神が責めぬはずがないからな】

英寿「弁解はしない。どうあれ、モアやナイアを危険に晒した。罰なら受ける覚悟はある」

リッカ「罰?なんで?」

英寿「え?」

リッカ「罰があるかをきめるのは、ギルだけの権利だよ。私達人間に、神や魔王様を裁く資格なんてあるわけない。だって二人は、仲間を想って泥を被ってくれたんだから。罰なんて筋違いだよ」

オーマジオウ【────】

リッカ「そりゃあ、スパルタもスパルタな荒療治だけど。二人が信じた事を、私もとことん信じてみせる。カルデアが一緒なら大丈夫!って信じてくれたことを!」

英寿「リッカ……」

リッカ「隠さないで話してくれてありがと!カルデアではちゃんと今も変わらず、我等が魔王と優しい神様だから安心して!皆にも私から伝えておくから!」

リッカは笑顔で駆ける。

英寿「──待った。マスター」

リッカ「?」

英寿「こいつを持っていけ」

『ギーツ・マークIXライドウォッチ』

オーマジオウ【私からも、餞別を送ろう】

【ゼロツーライドウォッチ】

英寿「御守だ。ご利益を期待しとけ」
オーマジオウ【ディーヴァを…我が孫娘を頼んだぞ】

リッカ「───うん!!」

リッカは手を振る。

優しき神と、我等が魔王に。

ギルガメッシュ「フ。ああ言われては片無しよな?」

英寿「参ったな。カルデアの皆が首ったけになるわけだ」

オーマジオウ【善き娘だ。改めて痛感する】

──一緒に頑張ろうね、リッカちゃん!

フォウ『ブースト課金開始ィ!!』

運命は、動き出そうとしていた。

(明日から残業でマテリアル不定期になるかもです)


決意のサイエンス

エボルトの邂逅から半刻。戻ったニャルは即座に報告書をカルデアに提出。エボルトという地球を脅かす対象を、第1級危険存在であると提唱。

 

それをカルデアは全面的に受理し、行方不明のナイア、並びに攫われたモアの奪還の為の作戦行動を全面的に開始する運びとなった。カルデアにおいての最高の宝とは人材そのもの。ナイア、並びにモアというニャルを人理側に繋ぎ止める絆を見捨てるなど、オルガマリーが選択することは無かったのだ。

 

【オレを信じてはくれないか。確かにアイツはそう言ったんだね、リッカちゃん】

 

場所はケイオスカルデア。ナイチンゲールらにメンタル面含めた看護を受けたニャルはすっかり回復し、カレイジャスハートに転送されたデータを元に【あるもの】を制作していた。そこにリッカ、うたうちゃん、エキドナが付き添い、端末を通してニャルの作業をアロナ、大賢者、ディーヴァがカルデア技術部の情報処理をしている形となる。

 

「うん。嘘を言ってはいなかった。少なくとも私はそう思う」

 

【信じよう。君の世界を救ったコミュニケーション力がそう感じたならそれは不変の真実だ。となると、アイツにも私やカルデアに泣きつかなくてはならない抜き差しならない理由があったようだ】

 

ニャルは完全に持ち直していた。先に娘二人を奪われたことによる狂乱が予測されていたが、彼は娘達を取り戻す事に燃えている。

 

【安心したよ。娘を奪われてウジウジしてたらぶん殴ってやるところだった】

 

【邪神に声援を送る懐の深い人間達のお陰だよ。困難かつキツい時こそ前のめり。私を討ち果たした人間は大抵そんな輩だった事を思い出せた】

 

エキドナの懸念に笑顔を返す。その本気は凄まじく、本来想定された制作期間の1週間を数時間までに短縮してしまった。

 

【出来た…。これは要するにアイツが私の為に拵えた専用のドライバー。名をカオスドライバーとでもしておくか。これを使って戦いに赴けという事なのだろうな】

 

ニャルの手に収まる黒と赤の禍々しいドライバー。脈打つ血管の様な意匠が、人間が扱えない規格であることを示している。

 

 

【トリガーの方は石化中だ、復元は間に合わないだろう。後はボトルだが……】

 

「私達の因子吸う?」

 

【気持ちを有り難く戴いておこう。各方面から袋叩きにされそうだから…な!】

 

そうして素早く、ニャルは躊躇わずフルボトルを自分へと突き刺し自分から因子を吸い上げる。

 

【バカ!あんた何やってんのさ!?】

 

【自分の娘を助けるのだ…骨身を削らねばやっていられん…!!】

 

引き抜き、完成せしは【ニャルラトホテプフルボトル】。借り物やお下がりでない、正真正銘の自身の存在を懸けたライダーシステム。

 

【アイツの掌で踊るつもりはない…。なんにせよ決着をつけ、死んだほうがマシの力で横っ面をしばき倒してやらねば気が済まん】

 

「そうだよ!出し抜かれた分、私もリベンジ手伝うから!」

 

【ありがとう。ケジメはしっかりとつけるからね。……最後のパネルは、カルデアの解析待ちか……】

 

信頼はおいている。しかし物が物であるため間に合う可能性はやや低い。最悪、今のままでも行かなくては──。

 

『先輩!マシュです!カルデアに、オーバー通信が!』

 

「すぐにこっちに回して!」

 

そこに伝わるオーバー通信。そこに映っていたのは、先に激闘を繰り広げた件の存在。

 

【エボルト………】

 

画面の向こうで、彼は驚くべき事を告げていたのだ──。

 

 

 

『宇宙に生きる下等生物の諸君!チャオ〜♪オレはエボルト。いい声しているブラッド族のイケてる生き残りだ。今日は皆に、とびきりのサプライズ情報を届けに来た!』

 

『お前達、アンゴル族は知ってるかい?そう、かつて宇宙の慈悲を担っていた希少種族だ。巷じゃとっくに絶滅しているってのが通説だったが、なんと!』

 

カメラが切り替わる。そこにはアンゴルストーンに囚われ眠りについているモアが映し出されていたのだ。

 

『なんとこのオレが独自のルートでその生き残りを捕まえることに成功した!プレミアムだろう?何せ銀河オークションでもアンゴル族は星が十個買える値段でも釣り合わない希少品だ。ワォ!』

 

『そんな希少品を、オレは平等に皆に手にするチャンスを与えようと思ってなぁ。そう!今回の目玉情報はこれだ!』

 

背後のモニターに【エボルグランプリ】と書かれたロゴが映し出される。彼が手掛けた、林檎とヘビのマーク。

 

『宇宙中の存在が、ライダーシステムに扮しコイツを奪い合う究極のデスサバイバルゲーム!ルールはシンプル、全員の敵を仕留めたやつがこの銀河プレミアムの少女を手にする栄冠を獲る!分かりやすいだろう?欲しいものは奪い取るのがこの宇宙の摂理だ!』

 

エボルトは自分にカメラを映し、締めへと入る。

 

『参加資格は至ってシンプル!それぞれのライダーシステムを使って、このブラッド星に降り立つだけ!その瞬間から、最高の殺戮エンターテイナーショーの始まりって訳だ!』

 

エボルトは謳い、笑う。

 

『欲深き諸君の参加を待ってるぜぇ?売るも飼うも、お愉しみも好きにしなァ!以上、ブラッド星からエボルトでした。チャ~オ〜♪』

 

道化のような挨拶と共に、通信は幕を下ろした──。

 

 

【あのクソ野郎、ブッ殺してやる!!!】

 

怒れるエキドナを素早くリッカとうたうちゃんが抑える。エキドナはモア達をとても可愛がっている。母親として娘をオークションに出されたなど容認できるはずも無かった。

 

【これはヤツの挑発だ。アンゴルストーンは決して壊れない。ヤツはカルデアの、アイツを討ち果たせる存在の介入を待っている】

 

「このボトルやパネルは、そういう意図で……」

 

【どのような意図があろうと、野放しにする気はない。全ての存在がヤツに感じた怒り、殺意。百倍にして叩き込んでやろう】

 

〈丁度、私に送られたデータに座標があるわ。レイシフトで来い、という事なのかしら〉

 

【特異点としても弄っているようだな…。ますます以てカルデアへの必死なラブコールと見える】

 

即座にフルボトルとドライバーを持ち、ニャルは赴く決意を固める。

 

【リッカちゃん。あのクソゲーには私がまず参加する。君達カルデアはサポートとして私を尖兵にしつつ、適時作戦を展開してくれ】

 

「うん!じゃあ早速うたうちゃんとディーヴァを連れて行って!」

 

【あぁ。頼むぞ、オーマジオウ様御墨付の仮面ライダー、私の娘よ】

 

「はい…!私は必ず、モアさんにナイアさんを取り戻してみせます」

『御爺様が出ちゃったらエボルト如き涙目だもんね〜。ここは名代として情けをかけてあげますか!』

 

【気を付けていくんだよ。あたしの怒りと殺意全部ぶつけておいてもらおうか!】

 

【勿論だ、エキドナ。ピアやないある、皆を頼む】

 

エキドナに帰る場所を託し──

 

【帰ってきたら、話があるんだ】

 

【!】

 

【新しい家族の事、しっかり話し合おう。エキドナ】

 

【………あぁ。赤飯用意しておくからね】

 

「じゃあ私!皆に話を付けてくるね!」

 

【あぁ!先に行って暴れておくよ、リッカちゃん!】

 

ニャルと拳をぶつけ合い、いよいよ突入を開始する。

 

(これはいつか私が向き合わなくてはならない過去と罪。罪があるならそれは私にのみだ)

 

ニャルはゲートを開き、一息に突入を開始する。

 

(待っていてくれ、ナイア、モア…!お父さんと頼もしい仲間たちが、君たちを必ず助けるからな…!)

 

ドライバー、トリガー、フルボトルを有し飛び出す彼の表情には、最早迷いは微塵も無く。

 

最愛の家族を守る為に戦う父、その決意を仮面にて隠す【仮面ライダー】の姿のみがそこにあった。

 




ブラッド星


エボルト【……見てくれを再現しただけで、一人ぼっちの空っぽな星なわけだ】

モア『───』

【まぁ……すぐに賑やかになるさ。さぁ、人間はオレを討ち果たしたぞ?ガッツを見せてくれ。相棒?】



千年王国〜祭壇〜

ゼイン『悪意の渦巻く星を感知』

『正義の名の下に抹消する』


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。