人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
クローズマグマ【は!?いきなり出てきてすぐ逃げんのかよ!?】
ビルドジーニアス『三十六計逃げるにしかずって言うだろ。気になることもあるしな』
クローズマグマ【なるほどぉ】
グリスブリザード『ホントに解ってんのか?』
プライムローグ【なら、その為の手助けをしよう】
『トランスチームガン!』
『オクトパス!』『ライト!』
クトゥーラ【貴様ら!逃げるのか!?】
ロイガー【何処までも舐めてくれる……!!】
ニャル【チャオ】
ツァトゥグァ【相変わらずだなぁ〜】
アトラック・ナチャ【あいつだけ、ホントに力があろうがなかろうが関係ないのよね…】
クトゥグア【必ず見つけ出して殺してやるぞ、ニャルラトホテプ…!!】
「てなわけで、改めて親睦を深める時間ということで。俺は桐生戦兎。天才物理学者で仮面ライダービルドだ。それで右からバカ、カズミン、ゲンさんだ」
「おいバカってなんだ!万丈龍我だ、よろしくな!」
「猿渡一海だ。仮面ライダーグリス。楽園カルデアのサワタリプラントはもとは俺のファームが元になってる。すげぇな!?(びっくり)」
「氷室幻徳だ。はじめまして」
四人の仮面ライダーが、ニャルたちと合流し味方となる。かつてNG召喚でやってきたビルド世界のライダーが、リッカの声掛けと共にやってきてくれた形となったのだ。
「つーかお前エボルトの相棒だったってまじかよ。あんなやつにも友達っていたんだな」
「それに歴史まで封印してくれてたなんて凄いファインプレーだな。もう少しで地球からの侵略者を生むところだったわけだし、礼を言わせてもらおうか」
「おいおい見ろ!写真の右上に俺の顔あんじゃーん!」
「ますますポテト農家だな…」
万丈と戦兎が軽快に話を進めていく中、カルデアの現在の姿を見て盛り上がるカズミンと幻徳。それらをスルーし、戦兎は話を続ける。
「リッカから大体の事情は聞いてる。エボルトの奴が出てきて、あんたの娘さんを拉致して悪趣味なゲームを開催したのは」
【あぁ。だが、どうにも私への復讐やあてつけをしようとしているだけが目的ではないようだ。うたう、データを】
「はい。リッカちゃんや言動の節々、そしてカオスドライバーやパンドラパネルの提供から、彼は私達カルデアに何かをさせたがっていると…」
「うっひょ〜〜〜〜!?」
「!?」
「人間に極めて近い、いや全く人間と同じ素養のアンドロイド!?肌の手触りは人そのものだ!君、動力は!?いつ作られたんだ!?構成物質は!?」
研究者気質が暴走し、人類の隣人たるAIのうたうちゃんの性質に質問攻めを行う戦兎。それを一海が嗜める。
「万丈になんのは後にしろ戦兎。今は大事な作戦会議だ」
「どういう意味だよ!?」
「はっ、そうだった!………エボルトが手を焼くって存在は、俺達の情報だと【キルバス】しか考えられないな」
「き、キルバス?」
「エボルトの兄貴だ。俺達の地球でなんとか倒したんだけど、こいつがまたとんでもねぇやつでよ?」
キルバス。エボルトと同じブラッド族であり、エボルトの兄に当たる存在
その身に滾る破壊衝動のまま、自分自身さえも進んで巻き込んで全てを壊し尽くす、短絡的思考と虚無主義が混ざったようなエキセントリックな性格の持ち主。その危険性はあのエボルトをして「破滅型の快楽主義者」と言わしめたほど。
かつて自身の生まれ故郷であるブラッド星を自らの手で滅ぼした経歴を持ち、その後もいくつもの惑星を滅ぼした後、今度は白いパンドラパネルを通って再編後のビルドの地球に襲来、パンドラボックスとエボルトの力を利用してビッグバンを引き起こし、宇宙と心中することを目的に行動していた事が戦兎達により明かされることとなった。
「その時のゴタゴタでやむを得ずエボルトを俺たちは蘇らせてしまった。そのまま宇宙に逃がすところだったところを、あんたが始末してくれたって時系列だな」
【改めて、どこにいても害悪野郎だったわけだな。私の悪友は】
「あいつには散々いじめられたからな…。アイツは散々俺達の地球で暴れてくれたが、キルバス案件だけはここの馬鹿と手を組むくらいにはいっぱいいっぱいだった。な、万丈」
「別に手を組みたくて組んだわけじゃねぇよ!」
「だから、エボルグランプリなんてふざけた催しの果てにキルバス絡みの問題が出てくるのも考えられる。だからそうなる前に、あんたはしっかり力を整える必要がある」
戦兎はそう言って、ニャルのドライバーを指す。
「そのドライバー、中々の完成度だけど急造の部分が多い。かなりの突貫作業で形にしたんだろ?それ、俺に預けてみないか?」
【完成させられるのか?】
「勿論。なんたって俺はてぇん↑さい↓物理学者だからな!」
「また自分で言ってらぁ。どこまで自意識過剰なんだよお前」
「リッカ〜〜〜!カズミンなんと!推しのみ〜たんと付き合い始めちゃいました〜〜!」
「親父をカルデアに招きたいんだが大丈夫かな……」
『私は賛成よ、お父さん。零落したとはいえ、クトゥグアに四人もの元神格クラスがいるのだもの。万が一がとても怖いわ』
「ここは、急がば回れだと思います。お父さん」
うたうちゃん、ディーヴァの進言にニャルは頷き、カオスドライバーを戦兎に手渡す。
【どうかよろしくお願いします。戦兎。私は勝たなくてはならないのだ】
「確かに。頭ラブ&ピースなアンタにベストマッチなベルトに仕上げでやるから期待しててくれ!」
『仲良しな交流中申し訳ない!緊急事態だ!』
その時、通信モニターからロマニが声を出しその状況を告げる。
『君達のいる地点に、正体不明のライダーが向かっている!このライダー、参加者を手当たり次第に焼き払っているんだ!』
【クトゥグアか?】
『それが映像を見てくれ!デザインラインがどう見ても只者じゃない!』
映像から映し出されたそれは、眼前のライダー全てを『発火』させ、焼き尽くしながら進んでいく白きライダー。
「超自然発火能力!?」
「うぉっ!?なんだよ戦兎急に!?」
「周囲の原子や分子を操作してプラズマ発火を起こす現象…こんな芸当が出来るライダーが…いや、これは…!?」
『何よ、知ってるの?』
「……ゼインプロジェクトの、ライダー…なのか?」
戦兎はそのライダーを、知っているかのような口ぶりで話し説明を補足する。
「ある時、とある研究員が俺のところに来た。『善意のライダーを作る』っていう名目でデータを求めてきてだ。俺は善意で戦うライダーに興味を持ち、データを渡した…」
【それがあれなのか?】
「顔の部分に、俺が見たライダーズクレストの面影がある。あいつが本当にゼインなら、エボルトなんて邪悪の塊を始末しない訳が無い…」
「そうなのか?じゃあ俺等の味方だな!」
「話聞いとけバカ。エボルトがやられたらニャルパパの娘さんがヤバいだろうが」
「敵じゃねーか!!」
【邪神ライダーも大人しくしているとは思えん。だが、五人のうち二人は数を減らせるかもしれん】
ニャルは5人を見たとき、付け入る隙を見出していた。アトラック・ナチャにツァトゥグァである。
【アトラック・ナチャは職人気質なモノ作りだ。ライダーシステムもやつの手製だ、株主になれば雇えるかもしれん。ツァトゥグァは争いや戦いに興味のない温和なやつだ。地球に招くと言えば味方にできるだろう。和解不可能なのはクトゥグア、クトゥーラ、ロイガーだな。それぞれ私の宿敵、親の仇、主の敵討ちだ。ベルトの完成を待つ間、私は秘密裏にこの二人とコンタクトし、ドライバーが出来たならクトゥグアを討つ】
「なら、残りの二人は俺達が倒すよ。奥の手も持ってきたからな」
「またアレやんのかよ…!」
「ちゃんと合わせろよ、ヒゲ」
「お前がな」
『なら私達は、そのゼインとかいうのを食い止めるわね!』
「お任せください」
ディーヴァとうたうが元気よく手を挙げる。どうあれ、エボルトを始末させてはならないのだ。誰かが食い止めねばならない。
『興味があるのよ。人の手から生み出された善意のライダー…。お父さんが変身した悪意のライダーの対が、どんなやつなのか』
「もしかしたら、リッカちゃんのやり方で仲良くなれるかもしれません。同じ被造物ライダーとして、接触してみたいです」
【……。危なくなったら、すぐに呼びなさい】
「『はい!』」
「くれぐれも身体には気をつけるんだぞ!よし、じゃあさっそく実験を始めようか!急ピッチで行くぞ!」
「急げよ!とにかくマジで急げよ!」
一同は動き出した。
善悪ひしめく、混沌のエボルグランプリを勝ち抜くために。
クトゥルフ「そんな馬鹿なぁ!?我は偉大なるクトゥルフだぞ!?なぜだ!?なぜだぁァァァァァァ!!!!」
場所を変えて。娘の裏で真なる復活を狙っていた邪神、クトゥルフが爆散する。
?「…………愚弟の始末は完了した。後はあの改心した混沌を、陰ながらサポートするだけだな」
?「私の悲願…『悪の根絶』は不可能に近い…ならば、手の届く範囲だけでも、私の信じる正義を貫くとしよう』
?「あの独善はどうする?」
?「電子の隣人が、あれを見たラーニングの結論に興味がある。見守ろう」
?「善の狂気。見物だな、『マキリ』」
マキリ「…………」
〜
ゼイン『…………』
ディーヴァ『よっと!』
ゼイン『!』
ディーヴァ『ハロー!善のライダーさん!』
生み出された『善意』と『善意』。二つの同じ結論を抱きしライダーが、此処に相対する。