人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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エターナル『終わりだ。名も無き亡者共』

『エターナル!!マキシマムドライブ!!』


【【【【【【【ぐぎゃあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ!!!】】】】】】】

エターナル『…………』

オーマジオウ【感謝するぞ。大道克己】

エターナル『王様、何故俺だった?』

【何?】

エターナル『地獄の死神なんぞより、快く手を貸す奴等はいくらでもいた筈だ。どうして俺を選んだ?』

オーマジオウ【お前が、望まれたからだ】

エターナル『!』

【お前がこの戦いの何処かでいてほしいと願った者がいた。時代が望む時に、仮面ライダーは蘇るのだから】

エターナル『俺を…』

オーマジオウ【褒美をやろう、大道克己】



『確かに克己は許されないことをした!それは解ってる!解ってるけど!それだけじゃ無かったの…!』

克己『ミーナ…!生きていたのか……』



翔太郎『大道克己ィ!!お前は、どこか一つでも歯車が違っていたら。俺達と一緒に街を護る仮面ライダーだった…!そんな男だよな……』

フィリップ『君はこの街を深く傷つけた。その罪はけして赦されることはない。だからせめて…花を贈ろう』



オーマジオウ【お前は既に、世界に己の存在を刻みつけたのだ。永遠にな】

克己「……………」

克己は、背中を見せ静かにサムズダウンを返す。

「俺を求めた全ての愚か者に伝えてほしい」

オーマジオウ【!】

「死に神なんぞを心待ちにしていると…。碌な死に方ができないぞ、とな」

消え去る刹那、サムズダウンは力強いサムズアップに変わり。

『エターナルライドウォッチ』

オーマジオウ【…確かに、伝えよう】

大道克己は、地獄へと還っていった。


完全勝利プレシャス

『エボルト!その姿ァ…!いよいよお前も神に至るまでに成ったようだなぁ!!』

 

エボルトの全ての力を取り込み生まれた、禁断と混沌の最終形態ニャルラトエボル。黒き装甲に赤きライン、鋭利極まるエボルのシルエットを混ぜ込んだその姿はまさに宇宙を滅ぼす邪神が如し。

 

『舞台は整ったァ!なら始めようか!勝ったほうが世界を好きにできる最終決戦……!!宇宙の命運と命を懸けた戦いって奴をなァ!!』

 

だが、そんなニャルラトエボルにも微塵もキルバスは恐れず狂気と共に襲いかかる。彼の狂気は己以外の何者も省みない。いや、己すらも。

 

『はぁあぁぁあぁ!!』

『アザトース・フィニッシュ!!』

 

再びアザトースの力を凝縮し、変身能力ごと夢として消し去らんと目論むキルバス。

 

「そいつに当たるとやべぇぞ!!」

「変身能力が失われる!」

 

一海と幻徳の叫びに応えるかのように、ニャルラトエボルはその真価の一端を発揮する。

 

『!?』

 

瞬間、キルバスは見た。ニャルラトエボルから『宇宙』が現れ、辺りの空間を覆い尽くしていくのを。蒼銀の黒、輝ける…或いは、物言わぬ星々。

 

【星辰の運行は今、全て我が手にある】

 

ニャルラトホテプがそう口にした瞬間──。

 

【ニャルラトサイド!!】

 

『ぐぅうぉおぉおぉおぉぉぉ!?』

 

ボトルからコールが起き、展開された宇宙から無数の流星群や隕石、惑星直列による神秘のエネルギーが一斉にキルバスを襲う。

 

『こ、これはぁぁあ…!!?』

 

【貴様らブラッド族が滅ぼしてきた、星の運行の力を識れ】

 

プロミネンス、宇宙線、真空空間、グレート・アトラクター。宇宙における現象を、ニャルラトエボルは再現し自在に行使実現を行っているのだ。

 

『邪神…!!かつて全宇宙を自らの玩弄の場としていたニャルラトホテプの神格の真髄と言うわけかァ!!』

 

【エボルサイド!!】

 

エボルのコールが成されたその時、握りしめた右手になんと展開した全宇宙が凝縮されていく。それらは新聞を百度折りたたむなどという次元を遥かに越えた、全宇宙を掌に収めるかのような偉業。

 

【圧壊するがいい】

 

当然、起きる現象は超重力力場ブラックホールの形成。全宇宙が握り拳大に収まることによる不可解レベルの超絶圧縮力場が、そのままニャルラトエボル渾身のライダーパンチとして放たれる。

 

【ニャルラトエボルフィニィイィイィイッシュ!!】

 

『うぅうぉおぉお!?』

 

逃げることは叶わない。何故ならば重力崩壊力場は光すら逃さぬ吸引を以て対象を完全に捉えるからだ。そしてその一撃は──。

 

『ぐわぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあッッッ!!!』

 

対象を絶え間なく圧殺破壊する超銀河ブラックホールの顕現として完膚なきまでにダメージを与える。不可逆クラスの、完全なる破壊を目的としたダメージを。

 

『ぐぅうぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉお…………!!!』

 

しかし、おぞましい事にそれはただの技の一つでしか無かった。必殺技であり、宇宙の終末の運命に見立てた最大の必殺技のパススキル。

 

【ニャルラトサイド!!】

 

レバーを回すコールにより、再びニャルラトエボルより無限の宇宙が展開を果たす。それは、ニャルラトホテプの星辰の力。

 

【エボルサイド!!】

 

そして、エボルサイドの力を利用した瞬間。宇宙に漂う全てが光に包まれ、次々に大爆発を起こし灼熱と紅蓮に辺りを包みこんでいく。

 

「なんだよこれ!?何が起きてんだよ!?説明しろよ戦兎!?」

 

「ライダーパンチが、光も逃さないブラックホール……宇宙における大爆発…」

 

「あん!?」

 

「ブラックホール・ライダーパンチ……なら次は…宇宙を終わりにして始まり…!」

 

戦兎の言葉と予測は正しいものであった。星々が爆発で砕け散り、宇宙が紅蓮に染まっていく中、厳かに浮遊していくニャルラトエボル。

 

【ビッグ・バン・サイド!!】

 

その宇宙に巻き起こる究極の現象のコールと共に、宇宙の全てが大爆発を巻き起こす。

 

【私は護り続ける。愛する家族と、善き人々が息付くこの素晴らしき世界と歴史を。その為に──】

 

『ぐうぅうっ……!?』

 

【私は、忌むべき神たる私自身と逃げることなく向き合おう!! 】

 

自身は、自身であることから逃げてはならない。ニャルラトホテプが何よりも愛し愛読する叙事詩の主人公の言葉にして信念。

 

【己の罪の重さに、二度と屈しはしない!!】

 

そして取る、無貌の混沌たる邪神に在るまじき…完璧かつ王道を貫く片足のライダーキックを撃ち放つ。

 

【ニャルラトエボルフィニッシュ!!】

 

右足に集められたビッグバンのエネルギーを、そのまま相手に叩き付ける星辰を極めしライダーキック。その究極の一撃が、キルバスの胸の中心に叩き込まれる──!!

 

『ぐぅうぉおぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあ!!!アッハハハハハハハハハハハハハァ!!!』

 

ビッグバン、宇宙新生の爆発の熱量に余すことなく焼き尽くされるキルバス。その苦痛は最早想像すら出来ぬ程のものでありながら、キルバスは笑っていた。

 

『宇宙を破壊し!星々を弄んだ!!そんなオレの末路が大宇宙そのものに滅ぼされるとは最高に皮肉が効いてるじゃないかァ!!』

 

【────!!】

 

『これが人と神の力を手にしたブラッド族の力ァ!!歴史の終末は見れなかったがァ、それ以上に良いものを見せてもらったぜェ〜〜〜〜〜!!』

 

ブラックホール・ライダーパンチによる重力崩壊。ビッグバン・ライダーキックによる大熱量消滅。二つの究極物理現象の極致によりキルバスは滅び去る。

 

『宇宙に滅び去させられるのはきっとオレが初めてさぁあ!!辿り着いてやったぜぇ!最高の刺激と終末になァァァァァァ!!アッハハハハハハハハハ──────!!』

 

その想像すらできぬ苦痛と喪失の中で、キルバスは狂喜乱舞し続けた。己の破滅すらも愛する、最高の快楽破滅主義者たるブラッド族ならではの狂気に満ちた最後であり──。

 

【───さらばだ、ブラッド族】

 

ニャルラトエボルの着地と共に、大爆発という形で幕を下ろした。狂気に満ちたキルバスは、大宇宙と共に滅び去ったのである。

 

星狩りが、宇宙の全てに殺害される。それは至極単純な理論の帰結と言えるだろう。これにて、ブラッド族は本当に滅んだと言えるだろう。

 

【アザトースの神性、そのままにはできん】

 

ニャルは素早くボトルを使い、キルバスが利用していたアザトースの神性を回収、確保する。これは世界のテクスチャに穴を空ける特級の危険物。

 

【私の神格を回収したのは結果的に良かったのかもしれんな…】

 

最早封印では秘匿や管理としては生ぬるい。アザトースすらも利用される以上、この宇宙に完全なる秘匿は存在しないのであろう。

 

【人として、おぞましい邪神たる自身も背負っていかなくてはならないな】

 

それもまた罰と償いの一貫であろう。罪と業に塗れたおぞましい邪神の力をと威容。それを以て、全てを護らねばならない。

 

【なんと……難しいことだな。自分であることから逃げないというのは】

 

直視し、受け入れ、認めなくてはならない。あらゆる罪を、あらゆる穢れを。それを出来たものだけが誰かを助けることができる。

 

何故なら、痛みに苦しむ辛さと悲しさを自身が知っているから。他者の痛みに寄り添える事。それが、誰かを護るための絶対条件なのだと。

 

【やり遂げてみせよう。私はもう……決して一人などでは、無いのだから】

 

神を降り、人を愛し、罪に苦しみ、それでも尚愛を諦めずに守り抜く。

 

そこに憂いや、他者をあざ笑うような悪徳は何処にもなく。

 

【ありがとう、仮面ライダー達。心から、感謝するよ!】

 

頭どころか、魂にまでプレシャスに染まった…。

 

一人の人間の姿が、其処にあった。




ニャル【……先に彼等にはカルデアに戻ってもらった】

『ニャルラトエボルフルボトル』

ニャル【出てこい。生きているだろう。貴様は】

エボルト「……フハハ。流石にお見通しか、相棒」

ニャル【万を超える罪状がある。貴様と私は全ての罪を断罪せねばならない……!】

義憤と共に、トラペゾヘドロントリガーをかかげた──

その時。

?『あ、開いた〜!』

エボルトの背後に浮かぶ、ブラックホール。身を乗り出すは、なんと『アンゴル族』。

ニャルラトホテプ【何…!?】

モアではない。何故だ、と疑惑を浮かべた瞬間。

エボルト「おいおい、出てきちゃ駄目だろ『ソフィア』〜」

まるで、娘をあやすような態度で少女を抱き上げるエボルト。

ニャル【は?】 

?『───すみません、ニャルラトホテプ様。私の夫がとんだ御無礼を』

更に現れたのは──。

モア『おじさま〜〜〜〜!』
ナイア「お父さん!大丈夫でしたか!?」

最愛の、二人の娘と。

ニャルラト【お前…………】

エボルト「紹介がまだだったな。こっちはモアの従姉でオレの嫁のフィア」

フィア『私の夫が大変なる御無礼を…』

【そんでこっちが…】

ソフィア『くそやろーのパパが、御迷惑をおかけしました!』

エボルト『オレの娘の、アンゴル=ソフィアだ。俺に似て、プリティだろ?』
ソフィア『ちゃお!にゃるおじ!』

ニャル【ウッソだろお前──────!!!??】

投入されたレムリアインパクト・アイン・ソフ・オウル並の衝撃に、ニャルラトホテプはひたすら叫ぶ事しか出来なかったのであった。
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