人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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エボルト「さて、どこから話したもんかねぇ」

フィア『最初から最後までに決まっているでしょう。これほどの迷惑をかけたのですから』

エボルト「マテリアルに書いているのが全部なんだよ〜。勘弁してくれ〜〜」

ニャル【ナイア…モア…無事で、無事で本当に良かった…!!】

ナイア「ふふ、フィアさんやソフィアちゃんにとてもよくされていたんですよ!」
モア「はい!おじさま!てゆーかVip待遇?」

フィア『はぁ……。では妻として、夫の罪を背負わせていただきます。寄り添うなりそめでよければ…』

ニャル【是非!こんな邪悪が何故あなたや彼女の様な美人妻子を!?】

エボルト「お前が言うのかよぉ…」

フィア『ふふ。では、マテリアルでは伝えられなかった事を…』

ソフィア『モア、ナイア〜!だっこ〜!』

ニャル【妻子に罪はない…。罰は貴様だけが受けろ!】

エボルト「甘んじさせていただこうかね…」




エピローグ・1〜慈悲の果てに〜

初めて、彼…エボルトに出会った時。彼は銀河であり、邪悪であり、宇宙の敵そのものでした。宇宙に穿たれた黒き穴。破滅の宇宙。破滅させなくてはならない生命の敵。

 

アンゴル族は宇宙の慈悲。進むことも戻る事も出来なくなった星に、破壊という慈悲を授ける種族。いわば許しのための破壊。いわば赦免の為の破壊。宇宙の意志。その我々が、エボルトを許してはならないとし私を派遣致しました。

 

【穢らわしい宇宙の淀みめ。この私が貴様を跡形もなく滅してくれる!】

 

【へぇ…。やってみるといい。生憎オレに遊んでる暇はないんでなァ!!】

 

宇宙を、星を喰らい尽くすために星を狙うエボルト。宇宙の慈悲を示す為の私達、その中の私。戦いは宇宙を、銀河を巻き込む程のものでした。

 

いくつもの星に慈悲が齎され、いくつもの星が壊される程私達の力は拮抗していた。互いが互いを止めるため、死力を尽くし戦いました。

 

そして、私はかつて無慈悲にして冷酷、残虐なる性質を極めておりました。慈悲の為、邪魔するものや抵抗する星の生命を消し去る事すら躊躇わない、慈悲の断頭台と言われるほどの。

 

そんな彼を、死力を尽くし戦った果ての結末は…相打ち。私はエボルトと壮絶な引き分けを演じたのです。

 

『う、ううっ……』

【目が覚めたか?全くとんでもねぇな、アンゴル族ってのは】

 

……なんと、力を使い果たした私を助けてくれたのはエボルトでした。自身の集めた力を費やし、私を癒していたのです。

 

【お?雰囲気が違うな、それが素か?】

 

最後の戦い、銀河全てに慈悲を齎した戦いの後…私は頭を強く強く打っていたのです。その時、私の性質は変化していました。モアちゃんやソフィアのように、善良な思考回路に転換していた事実を実感したのです。

 

『何故、私を助けたのです…?私達は、不倶戴天だった筈』

 

そう問うたエボルトは、こう答えたのです。

 

【あんたはオレのトラウマになった女だよ。ここまで女に手こずらされたのはベルナージュ以来だ。金輪際敵に回したくない。】

 

恩と借りを押し売ったのさ、と彼は言いました。

 

【お前はオレに恩を売られた。返したかったら二度と向かってくるな。オレにはやらなきゃならんことがあるんだよ】

 

『……』

 

性格や性質の反転。それは私自身を憎む私自身の意志もあったのだと思います。

 

私は、残酷と残虐を極めた自身を疎んでいました。アンゴル族は皆善良かつ寛容、真摯である中、私だけがあまりに苛烈で、異端であった。

 

ずっと自分を変えたかった。そしてそれを彼は変えてくれた。

 

【そういう訳だ。チャオ】

 

それに、私には解ったのです。彼は孤独であると。存在するのは星の力のみ。同胞は殺さなくてはならない兄のみ。二度も滅び、力を得るために何度でも星を喰らわなければならない生物。それ以外しか生き方をしらない生命体。

 

なんて哀れで、なんて悲しく、なんて罪深い生命体。

 

『待ってください!』

 

ならばこそ──

 

『私が、あなたの力となりましょう』

 

そんな生命体にこそ、慈悲とは与えられなくてはならないと。心に住まわせ、そして自身が至った自身は…

 

エボルトと、寄り添う決断を下したのです。

 

 

エボルトは、星を狩ることも喰らうことも無くなりました。私が、彼の伴侶として慈悲と、星の力を束ねる術を授けていったのです。

 

その行程は、生半可なものではありません。星を喰らう、狩ることしかできない生命体の根底を覆すようなものなのですから。

 

【オレは星を狩る一族だ。そんなオレが本当に星を喰らわずに良くなるだなんて本当に思ってるのか?】

 

私は答えました。

 

『思っています。私がそうできるまでずっと支えます』

 

無慈悲なるアンゴル族たる私は、心の底で願っていました。

 

壊さぬ慈悲を。

 

殺さぬ赦免を。

 

そうすることしかできない私が、変わることが出来た。それが偶然であったとしても。

 

『赦されない相手に優しさを。おぞましい生き物に寄り添いを。私が思い描いた慈悲とはそれ。あなたは私を変えてくれたのです』

【大層な事をした覚えはないがねぇ】

 

『誰もが願わぬ奇跡。理想の成就。ならば──』

 

ならば、それは…

 

『奇跡と、それは呼ばれるのではないでしょうか』

 

【ハッ。ロマンチストだねぇ、全く】

 

私は、望んだ自分を図らずとも彼に齎された。ならばそれは、彼に献身し報いなくてはならない事柄であると信じていたのです。

 

【どこまでやれるか…精々頑張ってみろよ】

 

その後も、私はエボルトに寄り添いました。この誰かを傷付ける事しか出来ない生命体が、いつか救われるようにと。

 

そう願い、行動をさせてくれるようにしてくれた彼を、支えるのだと。

 

何年も、何十年も彼に寄り添いました。

 

そうする内に……私達は、お互いがいることが当たり前になっていき。

 

それが、互いに懐く特別な感情だと実感し始めた頃。

 

彼女──ソフィアが、宇宙より現れたのです。

 

 

私達の断罪にて、星が消え去り生まれ変わるときにエネルギーを放出します。それはアンゴル族の行いが、正しい宇宙の輪廻を助ける証明。

 

宇宙の終わり、銀河への裁断を終えた最中、エボルトは告げました。

 

【まさか、星を狩らずとも強くなる手段なんてもんが存在するとはねぇ】

 

エボルトは、参ったと私に告げました。

 

【オレの負けだ。いいや……アンゴル族の慈悲ってやつに感服したといった方が正しいのかねぇ】

 

その言葉の意味。彼は、自身の性や業に折り合いを付ける決心をつけてくれたのです。

 

【星々を滅ぼすのはヤメだ。どうやら、お前が隣にいるだけで十分らしい】

『エボルト……!』

 

【こんなにも連れ合ったんだ。もうお前さんはオレの嫁ってことでいいんじゃないか?】

 

夫婦。心が通じ合った存在を指す言葉。

 

【星狩りのブラッド族エボルトは今日限りで廃業だ。ここからは、オレなりのやり方でお前さんの慈悲ってやつに報いさせてもらおうか】

 

私の気持ちは、とうとうこの方に届いた。

 

それは、救われてはならない生命体も赦され、変わることのできるという証左に。

 

『……はい!』

 

私は嬉しかった。彼には確かに心の感情が育まれ、やがて他人への情動を花開かせてくれた。

 

慈悲を謳いながら、星とその命を奪うアンゴル族の咎と矛盾。それに対する反証も、確かに生まれた瞬間。

 

人は誰も傷つける事なく、人は誰も害することなく解り合える。

 

私は──。少しでもそのきっかけを齎すことができたのだととても嬉しかった。

 

『エボルト。ありがとう…』

 

そして、あの戦いの中で私を変えてくれたのはエボルト。彼がいなかったら、私はこの答えと結論に辿り着く事は叶わなかった。だから……。

 

『あなたを、愛しています…』

 

偽らざる気持ちを伝えたその時───。

 

再びの奇跡は、起きたのです。

 

『これは…!』

 

断罪の最中に巻き起こったエネルギー。宇宙が許された証の魂の奔流。

 

【おいおい、まじかよ…】

 

それが形をなし、姿を持ち、それがやがて…

 

「───ぱぱ、まま!」

 

一つの宇宙が生み出した命となり、私達に齎された子宝となったのです。

 

『エボルト…!』

【俺達の子…で、いいのか?こりゃあ…】

 

エボルトは戸惑っていました。しかし、彼女を否定はしなかった。

 

『この子もまた、私達に齎された奇跡であることは間違いありません』

 

私は、変わることの出来た私と心を、エボルトを護ると改めて授かったこの子に誓いました。

 

【……ソフィア、だ】

『えっ…?』

 

【俺達の子供の名前だよ。今日からこいつは、アンゴル・ソフィアだ】

『…!』

 

【喰らい滅ぼすばかりのオレが、初めて産み出した何かだ。お前さんさえ良けりゃ…採用してはくれないかい?】

 

私に、異論はありませんでした。

 

慈悲を識った、エボルト。

 

宇宙が授けてくれた娘、ソフィア。

 

そして───自身の慈悲をやっと形にできた私。

 

これが、私達家族の全てです。

 

紆余曲折はありました。授かり方も紡ぎ方も不思議です、

 

ですが……

 

夫と娘を。私は心から愛しております。




……一部始終を聞いたニャルラトホテプは、エボルトにこう告げた。

ケジメは私とカルデアに謝罪行脚だ。その後、ケイオス・カルデアに家族皆で力を貸してくれ、と。

エボルトはこれを快諾。ケジメの為1週間、カルデアの皆に頭を下げ倒した。

その後、アンゴル・フィア、エボルト、アンゴル・ソフィアは正式にカルデアに加入。心強い味方となり、一緒に過ごす事となった。

英寿「ロマンチックな話じゃないか。そして……」


ニャルラトホテプは、正式にエキドナに婚約を申請。テュポーン、エキドナ、共にこれを快諾。

ニャルラトホテプ【君達子供達と、エキドナがこれから産むであろう私達の子に一切の差異や優劣はない。君達は皆、授かり方が違っただけの大切な、大切な我が子達だ】

ニャルラトホテプはエキドナと子を作ることを表明。次の排卵日に合わせ準備を家族総出で始めることとなる。

エキドナ『精はつけなよ?死にたくないならね♡』
ニャルラトホテプ【ハイ!!】

エキドナの尻に敷かれまくっている。

保護されたクトゥーラはというと……。

クトゥルフ(ミニ)『必ずや我々支配者が復権するのだ!行くぞ我が娘!』
クトゥーラ【はい!!】

送られてきたミニクトゥルフと共に、地道な布教活動に勤しむ事となった。グルメ、ビラ配り、ボランティアといった信仰復活のおぞましい活動をカルデアにて行う事となる。

協力してくれた仮面ライダー達との交流もカルデアで続くこととなり、戦兎達はカルデア技術班に力を貸すこととなった。

マキリ『収まるべきに収まった、か』
???『我々もカルデアに行く縁はある。どうする?』

マキリ『そうだな……顔を、出してみるか』

全ては、ラブ&ピースに集結した。

───だが。


英寿「リッカ。話があるんだ」

リッカ「?」

英寿「グドーシとカーマも一緒に…ニルヴァーナで話そう」

英寿とリッカの戦いが、まだ残っていた。
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