「よーし!新しいお弟子もとったし!早速トータを探しにいくわよ~!って何処行くのモーセー!」
「ここではない何処か、砂漠かな?ラーメスの領地を横断するもよし、スフィンクスと戯れるもよし。世界の果てを覗くも良し。やれることは沢山ある!さぁ行こう!僕は僕の進みたい場所へ行き、楽しいと思ったことをするのさ!何時でも何処でもね!」
「ちょっとー!!あなた、神様に怒られたりしないの~!?」
「何故僕が怒られるんだい?僕はいつだって誰かの笑顔が見たいから動いている。だから人を助けるのさ。僕の行いを、神はいつだって助けてくれる。そうして助けられた人々は神様へ感謝する。そして僕は笑う皆を見れてハッピー。ウィンウィンじゃないか。僕は信じているからね!『道は沢山あるけれど、僕は必ず正しい道を歩むことができる』と!僕の歩みは、天使にだって止められないさ!さぁ行こうお師さん!大丈夫!怪我はさせないよ!離れなければね!頑張って僕についてきてね!」
「ぎゃっでーーーーむ!!こんなに自由な弟子初めてーーー!!トーターーー!!」
「ラーメスに会いに行こうかなぁ?・・・怖いから後でいいかな!~♪~♪」
聖なる罰、虐殺を乗り越え・・・山の民達に受け入れられた英雄王の一行は、穏やかな一時を過ごしていた
彼等は聖地の民。聖都が獅子王に占拠された今尚、信仰を手放さず力を合わせ、慎ましく生きている
彼等には迫害された、という意識すらない。ただ、信ずるもののために今を懸命に生きるのみである
「で、そんなわけだから同じ旅人には優しいって訳だ。よろしくな、カルデアご一行!俺はアーラシュ!ここの守りをやってるアーチャーだ。仲良くやろうや!」
「知ってるー!アーラシュ・カマンガー!いつも御世話になってます!」
深々と頭を下げるリッカに、ルシュドが口を尖らす
「リッカ姉、アーラシュ兄ちゃんは名前が一緒なだけだよー。アーラシュ・カマンガーが此処にいるもんか!」
「おー?そういう疑り深い子にはこうだーっ!」
「きゃー!くすぐったいよアーラシュ兄ちゃーん!」
じゃれあいながら、アーラシュとルシュドは仲良く村を歩いていく
「うんうん・・・なんというか、護れた、って感じする・・・凄く・・・!」
「はい、先輩・・・!」
二人は、護り抜いたものの尊さを深く深く噛み締めながら村の厄介になっていた
そして、村には富以外の全てがあった。信仰、敬虔、思慮。そして寛容
だが――富の欠落は深刻であった。皆の生活は貧しく、また物資もない。食事もまともに摂れず、今日を生きるに精一杯であるが故に、清貧に甘んじていた――
昨日までは、だが
「ふはははははは!!ゴージャスたる我の拠点となる場所が赤貧であるなど認めるものか!我が財の真価!余すことなく噛み締めるがいい!!」
そんな世知辛い日常などゴージャスは指ならし一つで覆す。黄金の波紋から取り出され、一人一人に配られるテーブルクロス、浴室、暖かなベッド、寒暖を蹴散らす衣服。その全てが山の民達に支給される
「わぁ!ギルにいちゃんすげー!」
「これであったかいね!」
「金ぴか上半身裸にいちゃん!ありがとー!」
「ふはははははは!!お前たちはただ見上げるがよい!この世は総て、我の庭!故にこの世の頂点に立つ王の輝きをな!さぁお前たち!食事の時間だぞ!!」
「「「「うわぁーい!!」」」」
配給は子供を最優先。贅沢を覚えぬ程度の量を渡し、民達に行き渡らせる
「地上にあってファラオに不可能なし!万物万象!我が手中にあり!!」
輝ける太陽王が皆を照らし、民達の健康を整え、また癒す
「わはははは!!のめぃうたえい!!無礼講、たまには悦楽を味わわねば始まるまい!!」
征服王が分け隔てなく民達を囲い、食事を行わせ結託を強める
「避難ルートの確認を。はい、資料で構いません。決戦に備え、民達を障害なく逃がすルートを確保しなくては」
「心得た。任されよ」
騎士王は山の翁たるハサンと協力し、速やかかつ迅速な非戦闘民への避難ルートを把握する
『任せてくれ。マッピングは完璧にやらせてもらうよ』
『少しずつ始めましょう。『裁き』がいつ来るか解らないから・・・今のうちに、やれることは総て』
その要請を受け、サポートに尽力するカルデアサポートメンバー
歓待、祝福、支援、準備
思い思いに過ごしながらも共通している事は一つ
――皆、笑顔という事だね!フォウ!
(うん!ボクも、君もね!)
――うん!
異邦なる来訪を、その宴を――
「では貴様ら、グラスを持て!我等の完全無欠の勝利を祝い、祝し!共に酒宴を開くことを赦す!構うな、無礼講よ!」
最古の英雄王にして最新の英雄姫を宿す王、ギルガメッシュが、夜空の月と星に高々と杯を掲げる
「精々楽しみ歓喜するがいい!――宴の幕を上げるは我が号令!では行くぞ!――乾杯!!」
「「「「「かんぱーーーいっ!!!!」」」」」
その夜は、皆の笑いと歓喜が、何処までも響き渡った――
「・・・・・・」
リッカもまた、目を閉じ、木の上にて寝転びながらジュースを楽しむ
月を、星を、そして――耳に響く、穏やかな鐘を味わいながら・・・
『リッカ、あまりハードボイルドに決めてはまた性別リッカと言われてしまいますよ』
通信にて、ジャンヌが心配そうに声をかける
『風邪を引いてしまったなら・・・母を呼んでくださいね?優しく、看病させていただきます』
身を案じてくれる二人に、笑顔を返す
「ありがと、二人とも。――あ、先に二人に言っとくね」
『『?』』
「もしかしたら、皆に内緒で出掛けるかもしれないから・・・その時は、心配しないでね。必ず戻ってくるから」
『・・・約束ですよ』
『はい。何かあったら大声で、この母を呼ぶのですよ』
二人は深く訪ねず、リッカの言葉を信じ、ただ頷く
「ありがと、ジャンヌ。母上。――ふぁあ・・・穏やかで、いいなぁ・・・」
ネメアの獅子皮を纏いながら、リッカは満足げに身体を伸ばす
「ふはははははは!!ふはははははは!!!!」
酒を飲みまくり上機嫌に笑う英雄王
「ファラオにあって地上に不可能なし!万物万象!我が手中にファラオ!!」
同じく上機嫌に笑い、前後不覚に陥るオジマンディアス
「のめのめ!食事にセックス眠りに戦!何事も楽しみ抜いてこそよ!!」
征服王は樽を悉く砕き、蟒蛇のように酒を呑みまくる
「いいねぇ!こいつは楽しい!久し振りの美味い酒だ!というか・・・枝豆うめぇ!こいつはビールにぴったりだなおい!」
ビールを飲みまくり、枝豆を食いまくるアーラシュ
「マシュ、お疲れ様でした。貴女の中のギャラハッドも、誇らしく感じていることでしょう」
「はい!ですが、これは・・・先輩や皆さんで掴みとった勝利です!」
「マシュおねえちゃーん!アルトリアさまー!」
ルシュドを抱き止めるマシュ、穏やかに見守るアルトリア
「良きものですな・・・団欒と言うものは・・・」
涙ぐむハサンの傍らに、サリアが優しく背をなでる
「ルシュド・・・私の
サリアもまた、声を震わせ幸せを噛み締める
――子を想わぬ親などいない。それが『親』であるのなら
『ふぅ・・・私達も、細やかにパーティーでもする?』
『そうだね、マリー。じゃあパーティーグッズ取ってこようかな!』
『実はもうありまぁす♥ロマン様、二人でケーキ入刀しましょ~♥』
『ドクター!信じていたのに!独身仲間として信じていたのに!!』
『ムニエル・・・』
通信の向こうにて、細やかながらも休息の集いを行う(一名血の涙を流す者あり)
一時の間、皆は平和と、平穏を楽しんだのだった・・・
「興が乗った!貴様らに――真なる王の威光を見せてやろう!!」
――ふぁっ!?
「フハハハ!貴様にだけ幅を利かせはせぬぞ黄金の!ファラオの神威を――見るがいい!!」
――ええっ!?
「ほほう、つまり・・・――我等が覇道を示すわけだな!?」
――ちょっ、ええぇえぇ!?
「やれやれ!余興なら大歓迎だぜ!」
「――止めなさい。まだ子もいるのですよ」
騎士王の制止も構わず――
「では行くぞ!!A・U・O――!!」
英雄王が高らかに叫び
「褒美をやろう!光♂無きもの!T・Y・O!!」
太陽王が輝き
「我が覇道!!その目に焼き付けよ!!S・F・O――――!!」
征服王の鬨の声を上げる――!!
「「「キャスト・オフ――!!!!!」」」
――無礼講だからといって羽目を外しすぎるのは良くないです王の皆様――!!!!
「『
――アルトリア待って――!!!
「よーし!じゃあ俺もなんかやらなきゃな!・・・――陽のいと聖なる主よ――」
「アーラシュどの――――!!!!」
(よし、マーリンに全部送っておこう。エア!大丈夫!君の輝きはコイツらにもまったくひけをとらないから!)
――そういう問題じゃなくて――!!!一般的には、公衆の面前で殿方が裸体を晒すのは刺激が強すぎるのです――!!!
羽目を外しまくる王達のはっちゃけぶりに、姫の困惑の悲鳴が木霊した――
そして、宴が終わり、皆が寝静まる頃
「マシュ、リッカ。お休みになる前に、少しよろしいでしょうか」
騎士王が二人を呼び止める
「いいよー、何々?」
「はい、どうしましたか?騎士王?」
二人の是の言葉に安堵する騎士王
「はい。――貴女達に、紹介したい騎士がいるのです。目を醒ましたので、御挨拶をと」
騎士王の言葉に、二人は顔を見合わせる
「もしかして!」
「あの銀色の!」
「はい。――ベディヴィエール。此方へ」
村の外れの一角にて、会合を果たす『忠義の騎士』
王の信頼を勝ち取り、超人、英雄が集う円卓にてただ一人『人の営み』の価値を見ていた彼
隻腕にて、王の最期を看取った剣士
「ベディヴィエール・・・!紛れもない、円卓の騎士――!」
「おおっ!エクストリーム樋口カッターの使い手!」
その伝説の彼が、二人の前へ――
「・・・す、すみません。すみません・・・このような格好で・・・」
両手で顔を覆い、恥ずかしげにカプセルの中で呻くベディヴィエール
「どうしたのです。貴方の忠義と決意は本物だ。どのような姿でも、それは変わらない。胸を張りなさい、ベディヴィエール」
王の不思議そうな声に、喜びと恥ずかしさがない交ぜになった悲鳴を上げるベディヴィエール
「ありがとうございます・・・!ですが、その――!物凄く面妖な状態なことが自覚できてしまって・・・!」
「――?ベディヴィエールの態度はともかく。彼が、私の会わせたかった騎士です。マシュ、マスター」
「は、はい・・・」
「アルトリアって・・・意外と天然・・・?」
困惑する二人に構わず、騎士王は告げる
「マシュ、そしてベディヴィエール。私は、貴女たちに助力を乞いたい。狂い果てた円卓を、獅子王を糺す力として。あなたたちの剣と力を、私に貸してもらいたいのです」
騎士王が告げることの意味、それはつまり
「間違いを糺し、未来を掴みとる『騎士』として――皆の力を借りたいのです。その為に、お互いの不和、不理解を解消するため、コミュニケーションを取りましょう」
――仲良くするために、お互いの事を知ろう、という・・・提案であった
――二人は知ることになるだろう
一人の騎士の、決意の旅路を――
「モーセ!モーセー!!目玉!目玉のオバケがー!!」
「魚と同じで目玉は目にいいのかな?よぉし、引きずり出してみよう!」
モーセは即座にゲイザーを叩き殺し、目玉を引きずり出し食べてみる
「珍味!はい、お師さん」
「い、いらない・・・」
「そう?」
少しいくと・・・
「ヒトデ!ヒトデみたいなのがー!!紫色の壁がー!!モーセー!!!」
「おぉ~。すごい光景だなぁ。よしよし、任せて!」
無造作に放つ拳の一撃が、紫色の壁に拳大の穴を穿つ
そしてそこから光のヒビが入り、まとめて浄化されていく
「はいキャッチ。大丈夫かな?」
「う、うん!ぬるぬるするけど・・・」
「わぁ、ばっちぃ!」
「へぶぁ!」
「身体洗う場所が欲しいなぁ・・・」
キョロキョロとモーセは辺りを見回し
「あの辺りかな?――そー、れ!」
ジャンプし、狙いを付けた場所に拳を叩き込む
「主よ、いい感じにお願いいたします!」
同時に――
「ぎゃてぇえぇえ――!?」
下から吹き出た『水脈』より吹き出た大量の水が、二人を打ち癒す
「恵みの水~!?モーセスゴいじゃない~!御仏もビックリよ~!!」
「ラーメスー!ここオアシスに使えるよ~!」
「聞いてる~!?」
「水筒に水を入れて~。よぉし、どんどん行こう!」
鼻唄混じりに、モーセは軽やかに歩を進めるのだった・・・
「トータ!私、ちょっとは貴方に優しくするからね――!!」
三蔵は、振り回されるがわの苦労を知ったのだった・・・
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