人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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アダム先生のイラストが完成したので改めて御紹介させていただきます!



【挿絵表示】


ステータスカンストしている方は最低でも三人いる。

ヘラクレスと、ラニの王ラスティと、アダム先生です。


それでは、本編をどうぞ!メッセージは日曜日までには返信します!


いざ、学院へ

「大分駆けずり回ったねぇ」

 

「うんうん、そうだねぇ」

 

リッカ達はリムグレイブを巡りに巡り、人を探し、出会い、助け、狭間の地の何たるかを把握することとなった。

 

まず、まともな人間は数えるほどしかいない。市民も壊れたエルデンリングに殉じ狂い果てており、会話できる存在、というだけな貴重であるほどだ。

 

太陽は黄金樹に翳り、まともに姿を見ることは出来ない。褪せ人は世界に嫌われた存在であり、姿を見られれば問答無用の殺し合いが始まるほどである。

 

「皆と一緒にいて如何に自分が人権のない存在かを理解できました」

 

と、ラニの小さな人形を抱えながらさめざめとラスティは語ったと言う。

 

ヘラクレスとマシュはこの狭間の地でなんら問題なくその力を振るい、リッカを強く助け、支えている。

 

 

「ここは崖だね。下に見える場所には遠回りで…」

 

「マシュ!着地任せた!」

 

「えぇっ!?」

 

高所からの落下ケアでラスティの常識を破壊し…

 

「足場が不安定だね、慎重に…」

 

「ヘラクレス!着地任せた!」

 

「オッケィ!」

 

「嘘ぉ…!」

 

ラスティの旅路が如何に険しいものかをカルデアの皆は示し続けた。

 

 

「出来た〜!生肉団子!こっちが…カニ玉!そしてこっちが勇者の肉塊!」

 

ルゥは付きの龍としてだけでなく、クラフト係としても奮闘を重ねていた。消費アイテムを合成、制作し、強く旅路を支えている。とても楽しんでいるのだ。

 

「はいトレント、ロアレーズン。美味しいよ〜」

『プルル(もしゃもしゃ)』

 

「ふふ…まさかこんなに楽しい王の旅があるだなんて思いもしなかったよ」

 

ラスティもまた、楽しんでいる側の存在。皆の愉快な奮闘をその圧倒的な力にて支え、また自身もマリカの下へと歩みを進める。永遠の伴侶たるラニと共に。

 

『これならば私も、小さい姿に宿り続けるのだった。失敗したな…』

「いいんだ。ここでしか出来ない旅路を楽しもう。皆と共に」

『…うむ』

 

「この感覚はいいな。敵を倒し進む以外何も考えずとも良いシンプルな旅路。十二の無茶振りがない旅路のなんと軽やかな事か」

 

いきいきと勇者の肉塊に食らいつくヘラクレスもまた、この狭間の地の旅路を歓迎している。力こそが王の故。それにおいて、ヘラクレスは存分に力を示す側であるが故に。

 

「女王マリカ…。神と敬遠していたが、是非一度その美貌とエルデンリングを砕いた豪胆さを拝みたいものだ」

 

素が出ている彼は若干ゼウス風味が漏れていたりもするが、彼は人間の忍耐の究極たる不撓不屈の化身なので間違いは起こり得ないだろう。大英雄とは、人理最強の頂点の故なのだ。

 

「このままの調子で、皆で進んでいけたらいいね」

 

「あ、レン!」

 

「寝る前に、ルーンを力にしよう。さ、手を出して」

 

そして、指巫女の役目を果たすレンがリッカに蓄えられたルーンを魔術回路に変換する。オルガマリーから受け継いだ魔術回路に更に後天的に魔術師の才能を追加する無法の極みの強化。

 

敵を倒せば倒すほど、リッカは魔術師の才能溢れるマスターとなる。この旅路は、リッカのマスターとしての質を高めるものともなった。

 

「うん、問題ないね。これなら君達の世界の魔術を使う魔力を潤滑に賄えるようになる。頑張って数を増やしていこう」

 

レンは掴みどころがなく、物静かだが変人というのが一同の認識だ。特に知的探究心と知的好奇心の迸りは目を見張るものがある。

 

「レンも、祝福が見えたからここに来たの?」

 

リッカはなんとなしに、レンに彼女の旅の動機を尋ねる。彼女は王を目指す旅路において、誰も知らない来賓である。知らなければ、誰も知らぬままであろうと。

 

「そう、だね。私は戦士の末裔でない、狭間の地にいないエルフだから、本当はここにいること自体がおかしく、変なんだろうね」

 

レンは苦笑しながら、リッカの問に頷く。

 

「私には記憶がない。でも、とある感情が私の今を動かしている。その感情は、きっとずっと私の原動力だ」

 

「その、感情って…?」

 

「『人を知りたい』。『もっと知ろうとすれば良かった』。どうしてそう思うのか、どうしてそう感じたのかは全く解らないままだけれど…。間違いなく、私の心と気持ちはこの想いを真実だと思っている」

 

だからこそ、とレンは付け加えた。

 

「そんな私に祝福が齎されたのは、この願いを果たし、また助ける役割を与えられたからなんだろうね。果たして人は王になれるのか。人は世界を救えるのか。人は、果たして神に見えた時何を思うのか」

 

リッカの手を握り、目を見つめレンは笑う。

 

「君達なら、その可能性を纏めて見せてくれるんだろうという確信を、今の私は持っている」

 

「レン…」

 

「だから私は、君達を助けよう。この願い以外全てを知らない私でも、きっと君達の道筋を助ける何かは出来るはずさ。…多分ね」

 

全てを失い、忘れながらも。決して忘れられない願いと想いがある。

 

それは、ラスティが歩んだであろう遥かなる王への旅路と同じ使命であるのだろう。故に彼女は選ばれたのだ。

 

指巫女のレン。神へ至る人を見守る、静かなるエルフとして。

 

「最後まで見せてもらうよ、リッカや皆。君達が成し遂げられる旅の果て。人間の成し遂げる可能性を」

 

「勿論!しっかりこれからも支えてね!」

 

「当然だよ。早速魔術を会得したんだ。星明かりに輝石の礫とか、夜の彗星とか…」

 

そうして和気藹々と祝福即席ギルガメッシュホテルにて過ごしていたところ、一同に来賓が現れる。

 

『旅人達よ。人と交わり、確かなる交流を成し遂げたようだな』

 

「!」

 

それは忌み鬼、マルギット。杖を構えた荘厳なる風格に、今は敵意を孕んでいない。

 

『確かに見届けたぞ。ゴドリックの諌めも見事だった』

 

「わざわざ褒めに来てくれるなんてやさし〜」

 

『祝福は、正しく齎されねばならぬが故だ。祝福王よりの報酬を持ってきた。受け取るがいい』

 

リッカにマルギットが手渡したのは、御守袋。手製にて編み込まれた黄金の御守ともいうべきもの。

 

 

『行き先を決めかねているならば、リエーニエの魔術学院レアルカリアへと足を運ぶがよい。あの地には知と、大ルーン…そして裏切り者のデミゴッドの一人、『月の王女ラニ』が姿を隠していると聞く』

 

『…目敏いな。忌み鬼にするには勿体ない』

 

『得られる魔術も豊富であろう。東の朽ち果てきったケイリッドにもいずれ向かうのであれば、学院で知恵と力を得るがいい』

 

それだけを告げ、マルギットは静かに姿を消す。忠告と助言、指針を指し示すその有り様は、まるで道を指し示す祝福が如きに。

 

「なんだかんだで本当にずっと見ていてくれてるんだね、マルギットさん」

 

「彼が示した祝福王とはどんな存在なのでしょうか…!気になります!」

 

「魔術学院…貴重な魔術とかたくさんあるんだろうなぁ。楽しみだなぁ」

 

「魔術と宝箱を見ると度し難い程に知能が低下するのはどうしてなんだろう…」

 

「魔術学院…か。私には縁遠いかもしれんな。キャスタークラスだけ私には無いし。キャスタークラスだけ私には無いし」

 

(二回言った…)

(気になさっているんですね、ヘラクレスさん…)

 

『心配するな、大英雄。お前のようなむくつけき筋肉の化身が学ぶハイマの魔術というものがある』

「大鎚を振り回す魔術、砲丸を投げつける魔術…。きっと貴方にピッタリマッチすると思いますよ、ヘラクレスさん」

 

「おぉ…。!さりげなく夢見ていたキャスターデビューが待っていると言うのだな…!」

 

「そんな夢あったんだ!?」

 

「私も魔術を覚えたらパワーアップする筈だよ。行こうよ行こうよ、リエーニエに行こうよー」

 

「うん!じゃあ決まり!次の行き先は、リエーニエだ!」

 

「「「おーっ!!」」」

 

 

こうしてリムグレイブから、次の行き先をレアルカリア魔術学院に定めた一行。

 

『…。母よ』

「ラニ…」

 

そしてそれはラニにとって…、

 

母、レナラと向き合うことを意味していた。




レアルカリア魔術学院

ラニ『便利なものだな、空を飛ぶというのは』

ラスティ「なんというスムーズ極まる旅路…。なんというスピーディーさんなんだろう…」

マシュ(ラスティさんがまた遠い目をしています…)

ヘラクレス「ギルガメッシュ達は引き続きマリカの足跡を追っている。成果を祈ろう」

ロマン『魔術学院かぁ〜。どんな場所なんだろうね』

リッカ「あっ」

ラニ『…失念していたな。レアルカリアは破砕戦争不干渉の意志を示し学院を閉ざしている。魔術の輝石鍵がなければ中には…』

ロマン『あ、そうなんだ?もう開けちゃったけど…』

ラニ『は?』

リッカ「ごめんラニ様、そのポニーテールおじさんはレナラママクラスの人なの…」

ロマン『えっ、だめだった?まずかったかい?』

ヘラクレス「関係ない、行く」

レン「うっひょ~!魔術学院だ〜!」
ルゥ「危ないよ〜。また死にかけるよ〜」

ラニ『…私の王よ』
ラスティ「うん」

ラニ『改めて、観点が破壊されるお前の気持ちが解ったよ』
ラスティ「びっくりだよね…」

静かに、気持ちを共有する二人であった。
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