人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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太陽王の領地


「まずは身体を癒しなさい!疲れているものはオアシスへ!しっかり寝床は用意していますから存分にくつろぎなさい!」

「お疲れ様です、クレオパトラ」

「あら、ニトクリス様・・・いえ、まだまだです!オジマンディアス様のため、何よりカエサル様のため、難民の皆様を残らず満足させて見せましてよ!」

「はい。私も、ファラオとして尽力せねば・・・!」

「では、こちらを」

『エプロン』

「共に、料理を作りましょう!」

「なんと――!?」


「お待たせ、ロマニ」

「おや、仮眠はもういいのかい?」

「えぇ。寝ていられないわ。私がやらなきゃ、皆の奮闘を裏切るわけにはいかないからね」

「頼もしいなぁ!よろしく頼むよ!」

「えぇ。特に次の場所は、ね」


カルデア

「うむ、今日も綺麗で心地よいな!はははは!」

「姐さん、目覚めたはいいが・・・体育会系になってしまったなぁ」

「何を呆けている。さぁいくぞ!私を煩わせる汚れは何処だ!いるはずもないか!?」

「・・・これはこれでありだな!うむ!」


「シータ。次に呼ばれるときは決戦になるだろう」

「解っています。私と、あなたで・・・戦いましょう」

「あぁ!・・・では、その、その時に備え・・・バナナを、食べようか!」

「ふふっ、はいっ。ラーマさま――」


獅子王領


「・・・・・・」

「円卓も静かになっちまったよなぁ、父上」

「・・・・・・」

「まぁ、オレがいりゃあもんだいねぇけどな!」

「・・・・・・」

「・・・――ランスロット、こりねーよなー!」

「・・・・・・」

「・・・遊撃、いってきまーす・・・」

「・・・・・・」



物言わぬ禁忌、心を持つ悲哀

「さて、此よりせいあ・・・探索する地点となる『アトラス院』の概要を、我等が魔術王より教授願おうではないか」

 

 

 

砂漠の異物、遺跡となりしその地点の真上にワープアウトした英雄王一行。当然のように落とし穴となっていた地点を消し飛ばし、奈落に繋がる穴へと突入し、地下の空間たるアトラス院の入り口へと足を踏み入れたのだ

 

 

メンバーは・・・英雄王、騎士王、征服王、マシュ、リッカ、フォウ。征服王は何があるのか楽しみ、という理由で足を運びに来たらしい。――とても、らしいと思う

 

 

『そうそう、ガンガン説明しなさいロマン。そう、ガンガンよガンガン』

 

オルガマリーもテンションが上がっているのか、笑顔でロマンの肩を叩く

 

 

『所長、変なものでも食べました?・・・まぁいいや。解った。任せてくれ。太陽王のお陰で通信回りも確実にパワーアップしたからね。裏方の面目躍如さ!』

 

 

張り切るロマン。叡知の覇者たる彼の口から、アトラス院・・・魔術を異なるアプローチから追い求めた者達の本陣の概要が明かされる――

 

 

『アトラス院。それはエジプトにあるもう一つのアトラス山に根付いた錬金術師達の学院でね。別名、巨人の穴倉とも言われているよ』

 

『魔術協会、その三大部門の一つ、蓄積と計測の院とも言うわね。教鞭が振るいがいのありそうな場所・・・ね』

 

ロマンとマリーの言葉に食い入る一同

 

《――――》

 

そんななか、エアは見逃さなかった。王が愉快げに片眉を上げる仕草を

 

――王?

 

《気にするな。取るに足らぬ。そら、魔術王の価千金の言葉を聴き逃すのは勿体無いぞ?》

 

――は、はい!・・・どうしたんだろね、フォウ。王・・・

 

(ワルガキ、悪巧みを嗅ぎ付けるのが上手いヤツだからねコイツは。そんなに気にしなくていいさ)

 

王が悪いことを行うのでないなら・・・とフォウを抱き締めながら、ふよふよと浮くエアであった

 

『中世から主流となった現代錬金術とは違って、魔術の始まり、世界の理を解明する錬金術師の集団さ。彼等は魔術師でありながら、魔術回路の乏しい学徒達だったみたいだね・・・ちょ、レオナルド!?』

 

ウィンドウがもう一つ増え、ご機嫌なダ・ヴィンチちゃんも説明に加わる

 

『乏しいなら代わりにて代用する!五感のひとつが失われた人間の残りの感覚が鋭くなるようにね!彼等は神秘を学ぶ過程において、魔力ではなく道具に頼ったわけさ。その在り方は魔術というより科学技術の発展に近かった!疑似霊子、まぁ魂といわれる物質を観測可能なエネルギーとして使い、魔術回路を持つ生命、ホムンクルスを創造したのもアトラス院の連中なのさ!』

 

その来歴を聴き、英雄王は呟く

 

《幾星霜、時を経ても一向に人は、魔術師は学ばぬがな。――自らの作った純粋さに応えられぬならば、兵器に人の心をつけるなというに。人ならざる者に純粋な人の心を付与し、備わせた所で、待っているのは自己存在の意義に対する苦悩のみなのだ》

 

――・・・それは・・・

 

王は、思い出しているのだろうか。誰よりも純粋で、誰よりも苦悩した、かけがえのない存在のことを。その、あり方を――

 

《エア、お前も覚えておけ。有効活用こそ、兵器にとっての幸福。お前が人ならざる者と心を重ねるのなら止めはせんが・・・崩壊、停止による別れしか待っておらぬ事を頭に入れておけよ。根本的に――兵器は、人の心を持て余すモノなのだ》

 

王の言葉と、胸に伝わる郷愁に・・・エアは、静かに頷いた

 

(人間になりたいと、どれだけの機械が夢見、壊れていったことか。――肉体より大切で、かけがえのないものの価値に永遠に気付けない。それが、兵器が心を持て余す所以なのさ、エア)

 

――思い、悩み、夢見る事そのものこそが尊い、ということなんだね、フォウ

 

・・・解る。ワタシも、もう・・・無銘ですら無かった前世は・・・思い出せないから

 

それに比べたら・・・心のある者の、なんとかけがえの無い事か。・・・例え、身体が人でなくとも

 

エアは、言葉を発せずに、ただ、祈った

 

・・・いつか、兵器が人の心の尊さを、自らに宿ったその奇跡を・・・受け入れられる日が訪れますように――

 

・・・それは、まだ見ぬ、そして、自らの王の友に・・・無意識に贈った、鎮魂なのかもしれない

 

(エア――)

 

電源が切れた機械のように、コトリ、とフォウはエアの胸の中で事切れた――

 

『自らが最強である必要はない。我々は最強であるものを作り出すのだ、がアトラス院の格言ね。彼等はそれをモットーに、多くの兵器を産み出した』

 

「ほほう、兵器とな!」

 

キュピーンと、征服王の目が輝く

 

 

「そりゃあなんだ!つまり、此処にその兵器とやらが眠っているというわけか?」

 

「十中八九、間違いあるまい。欲しければくれてやるぞ、征服王」

 

「おぉ!大盤振る舞いではないか英雄王!よしよし、片っ端から――」

 

『そういい物でもないよ?魔術世界で言う七つの禁忌。アトラス院は世界を滅ぼす兵器を七つまで作り上げたと聞くよ。で、それを封印した』

 

「なんだ、世界滅亡兵器ぃ?まこと無粋ではないか。気が変わった。余はいらん。金ぴか、その大層な蔵に保存しておけ」

 

途端にブラブラと手を振り、興味を無くすイスカンダル

 

「ふはは、よいのか?後で返せは聴かんぞ?」

 

「いらんいらん。世を駆け抜け蹂躙すべき余が我が軍勢に世界を滅ぼさせてなんとするのだ。手に入れるならば・・・空飛ぶ船や馬!ジェット機!トマホーク!クリントンが使っていたようなでかいやつがいいな!わははは!買ってやりたかったのぅ!」

 

『戦争の資産で国を買い取った方が早いぞ、ライダー』

 

諸葛孔明、エルメロイ二世も講義の場に顔を出す

 

――先生がいっぱい!

 

(解説役に困らないなぁ)

 

コホン、と咳払いする騎士王に応じ、沈黙する英雄王に征服王

 

『・・・連中が何故そんな兵器を作り上げたのかは魔術界隈でも諸説ある。アトラス院の院長にはアトラシアという称号が与えられる。』

 

――あ、そういえば!

 

ヴィマーナから落下する際、ちらりと砂漠に埋まっていて、顔を出していたプレートの文字を思い返す

 

 

――落下しながらだから自信ないけど、『ズェピア・エルトナム・アトラシア』という表記がされていました!

 

 

(自信無いの定義が乱れるよエア!)

 

王はその名を口にする

 

「この個体名が最後の党首とやらの名前か?」

 

『凄いな、読み取っていたのかい?』

 

ロマンの称賛に、当然よとばかりにがっしりと腕を組む英雄王

 

「目利きと選別が、ゴージャスたる我の専売特許にして長所なのでな」

 

ぽふぽふとエアの頭を叩くギル。ほにゃっと表情を照れにて崩し、エアは称賛に預かる

 

『その通りだ。後継者はいたようだが・・・歴代のアトラス院長は必ず発狂し、その結果、世界を滅ぼす兵器を作ってしまった』

 

(なんで八つ当たりのノリで世界を滅ぼす兵器作るの?人間ってこれだからおっかないんだよなぁ)

 

ぷるる、とフォウが体をよじる

 

「邪神でも見たのかなぁ」

 

「邪龍ならいつも見ています、先輩!」

 

「ははっ、こいつぅ☆」

 

コホン、と咳払いする騎士王。沈黙する一同

 

 

『あるいは・・・歴代の院長は未来を覗き、挑むために兵器を作り、敗北し、発狂した、とも』

 

――未来に、挑み・・・?

 

《真っ当な感性を持つものが未来を知ればそうなろうよ。道筋を塞ぐ岩を退かせぬとなれば、今まで積み重ねてきた生はそこで無価値となるのだからな。正気では、未来を知る重さには堪えきれまい》

 

――それは、かのゲーティアにも・・・

 

(バカな奴等だよ。真っ白なキャンパスを広げてちょっとの汚れを見て『シミがある!これにかかれる絵は汚い!』なんて言って焼き捨てて新しいキャンパスを一から作るような真似に走るような真似を本気でしたわけだからね)

 

 

ハン、と不愉快げに鼻をならすフォウ

 

『院長の末路がどうにせよ、ここは地上とは比べ物にならない『魔術礼装』の宝庫だ。まぁ誰も使えないという点では廃棄場と言った方がいいかもね。アトラスの錬金術師たちは発明を繰り返してはこれを失敗作とし、おぞましい兵器の山を築いた』

 

《切磋琢磨。そうでなくてはな。何より――人の正気や魂を素材にした兵器は一際輝きを放つものよ》

 

・・・大体物言いで察し、選別を開始する

 

此処が宝庫、廃棄場だと言うならば・・・王の本能が刺激されない筈はないからだ

 

(キミも察しがキレッキレだね!突っ込みは緩くなったけれど!)

 

――やめてぇ!

 

《イマジナリ、なんだったか?》

 

――御許しください王――!

 

真っ赤になりながらエアは空中を漂うのだった

 

 

『で、その中心・・・カルデアの観測機の元となった機械『トライヘルメス』にて獅子王の目的を観測する・・・大まかな概要はこんな感じかな?』

 

「はい!ロマンせんせー!」

 

ピシリ、と手を上げるリッカ

 

『はい、リッカ君』

 

「なんで巨人の穴倉なんですか?神をスピードハンティングでもしてたの?」

 

リッカの質問を受け、シバニャンが答える

 

『ギリシャ神話に世界を支えた巨人がおりまして~。それの曰くを受けたのかも知れませんねぇ?アトラス、と言いますし?あるいは・・・元々アトラス山にあるからアトラス院、なーんてシンプルな事もあるかも知れませんねぇ?』

 

ほーん、と頷く一同に割り込むように、黄金のウィンドウが現れる

 

『余談ではあるが!!アトラス院とやらにおける錬金術の発端は、我がエジプトの神々の魔術の祖、女神イシスの流れにある!恐らく我が領土に紛れしはそれが因縁となったのであろう!』

 

太陽王の補足に吹き出す一同

 

「喧しいわ!来るなら来ると一声入れよ!」

 

『要らぬ!余談であるからな!励むがいい!』

 

言うだけ言ってブツリと切れるオジマンディアス。王様とは、自由である

 

――概要は掴み取りました。話を聞きながら、アトラス院の全容を把握してみたのですが・・・

 

この迷宮の作り方はどこか奇怪、ヘンテコだ。『侵入するより、脱出の方が困難となっている』

普通、逆ではないのだろうか?

 

《ここの連中はなんの制約もなく様々な兵器を作った。良心の呵責も無く、明確な取り決めもなく、咎もない。絶好の製造場所だったのだろうよ。――『一度持ち出されれば、即座に滅びをもたらす兵器』も、一つや二つでは利かなかったようにな》

 

――彼等は『持ち出されることを怖れた』ということですか?

 

《そういう事よな。人間どもは発明の化身。際限なく作る環境をくれてやれば容易く破滅にも手を伸ばそうよ》

 

(封印、ロックをかけるくらいの理性があるだけマシだったね、ホント)

 

愚かにも程があろうと嗤う英雄王。バカだねー、実にバカだねーと欠伸するフォウ

 

――ならばこそ・・・

 

ふと、王に告げる

 

――英雄王は『王の蔵』にて保管するつもりなのですね?彼等の廃棄した『宝』を

 

王ならばやる。確信があった

 

この世の財宝は全て王のもの。それがどの様なものであれ――

 

宝であるのならば、ギルは手に取るのだろう。それが、王の王道であるのだから

 

《――まこと、聡明に育ちおって》

 

喜色満面かつ悪戯をするような無邪気さを覗かせ、王は頷き声を上げる

 

「講義は終幕とするぞ!今は座して学する時ではなく、稲妻のように走る時だ!――が、その前にやることが出来た!」

 

パチリ、と指をならす

 

「世界を滅ぼす兵器なぞ、野晒しにしておく訳にもいくまい!我等以外の雑種、馬の骨に悪用されては事だ!後顧の禍根、憂いは片端から断つ!故に――」

 

王の号令が、アトラス院を震撼させる

 

「燃え尽きた魔術師どもが持て余し、破棄した兵器と財全て、我等が貰い受けるとしよう!案ずるな、本懐の次いでだ!中心部に向かうがてら、防衛兵器を片端から粉砕し、兵器を納めるぞ!貴様ら人の手に余る価値の財、我が余さず査定してやろうではないか!」

 

『あー・・・うん。いいんじゃないかな?どうせ廃棄したものだし。キミなら悪用とか絶対有り得ないだろうし』

 

ロマンが笑いながら呟く

 

 

『そうねぇ・・・『手放し』『破棄した』時点で、誰のものでも無いわよね。悪くないわよねぇ・・・』

 

オルガマリーが白々しく呟く。その笑みは、邪智を思わせるものだ

 

『人の手にあるものが危険なら裁定者の手に。・・・うん!理には叶ってるね!どうせもて余してるわけだし貰っちゃおう!人理の危機だしね!』

 

天才の軽いノリで後押しするダ・ヴィンチ

 

 

「・・・事は人類の危機。第二第三の滅亡を阻むためにも、管理は必要ですね」

 

騎士王も、渋々ながらも受諾する

 

(よくある設定だけ兵器なんだ、貰っても困らないはずさ!)

 

フォウも賛成なようだ

 

 

自分も含めた一同は『英雄王なら大丈夫』といった確信を持っている。だからこそ、難色、拒否は示さないのだ

 

 

『英雄王より頼りになる管理者、裁定者などいるか?』という問いに、皆一様に首を振る程には

 

 

「決まりだな。征服王!貴様の蹂躙制覇にて片端から障害を砕き散らすがいい!我は片端から回収するまでよ!」

 

「おうとも!辛気臭い箇所なのだ、派手に蹴散らしてやらねばな!」

 

『神威の車輪』ゼウスの仔ら、二頭の神牛が唸りを上げる

 

「マスター!『一刀にて防衛を断ち落とせ』!貴様に力を貸す武者、暗殺者の力を掛け合わせれば叶おうよ!」

 

「うえぇ!?――わ、解った!やってみる!」

 

空中にて円を描き、邪龍の鎧を装着し、泥と蒼炎にて童子切安綱を輝かせる

 

【じぃじ、母上――力を貸して!】

 

刀を納め、集中するリッカ。同時に、リッカの泥が凄まじい勢いでアトラス院の防衛トラップを侵食し、掌握する

 

 

リッカの魔力にて、【繋がった】状態となる迷宮の防衛機構、其を――

 

 

【はぁあぁあぁあぁあぁあぁあっ!!!!】

 

居合、一閃。神秘殺しの武芸と冠位暗殺者の業を掛け合わせた絶技が、蒼炎と漆黒の軌跡を以て空間を切り裂く――

 

 

一刀にて『切り裂かれし』は魔術防衛機構との繋がり。余さず『泥』を浴びせられ、ショートし、破壊され、防衛システムは余さずダウンする

 

『力業にも程がある・・・基板に無理矢理接続し、泥をぶちまけて叩き壊すなどと・・・』

 

呆れ果てる孔明

 

【ダメもとでやってみたらなんかできた――!?ありがとう母上、じぃじ!】

 

「先輩ハチャメチャです!」

 

片膝を付き、予想外の成果に驚くリッカ。いたわる後輩

 

――お疲れ様、マスター。魔術防衛、停止を確認。では、迷宮を簡略化します

 

取り出したるはカルデアにも使われている『歪曲』の原典。これにより複雑な迷宮を一本化、単純な道筋を作り上げる

 

同時に、英雄王の射出した財を回収する『回収』の原典を使用する。――取り零しの無いよう、入念に設定を行う

 

「準備は整ったな!では征服王めの戦車に乗れ!余さず財を回収し――蹴散らすぞ!」

 

「おうとも!!さぁ行こうぞ!『遥かなる蹂躙制覇』――!!!!」

 

 

『神威の車輪』が吠え猛り、猛烈な勢いと速度にて雷撃を起こしながら、簡略化され、機能停止した迷宮を駆け抜ける

 

廃棄された兵器、礼装、魔術礼装を余さず片っ端から回収し、蔵に納め、保存する

 

《マルドゥークの素材、改修に使えるやも知れぬな。あるいは次の第7特異点にて猛威を振るうやも知れぬ。ふははは!光栄に思うがいい穴蔵の青瓢箪どもよ!貴様らの手に余りし成果、我が見定め、納め、活用してやるという事実をな!貴様らの未来を救ってやるのだ、当然の供物と言えば当然であるがな!ふははは!はははははははははははははははははは!!!》

 

展示、保管され、『七枚の契約書』がなければ封印は解けぬとされていた『七大兵器』すらも、入念に封じられていたロックを『開錠』の原典、あらゆる拘束、施錠を無効化する財を使用し、『ロックに合う金型』となった瞬間突き刺し開錠するという力業で突破

 

情報を手にいれる、それだけでは王の収集とは呼べぬ

 

そう確信せし黄金の英雄王の手に――人類の禁忌『世界を七度滅ぼす兵器』が、余さず掌握された瞬間であった――

 

――整理整頓しなきゃ・・・!

 

(ボクも手伝うよ、エア!)

 

――ありがとう!スペースは・・・――

 

そしてエアは、友と王しか預かり知らぬ戦いに取り組むのであった――




物陰


(・・・まさか、あれほどの戦力の来訪とは予想外だった。それに、魔術王?かれらは魔術王と行動を共にしているのか?何故、なんのために?どうやって・・・?・・・――合流するにはあまりに不確定要素が多い。『幻霊』の件が終わっていない以上、不用意な行動は避けなくては)


『さぁ、行きましょうリッカ、マシュ。なるべく、はやく、迅速にね・・・』

(――あの、通信の向こうの少女・・・私の勘が告げている。・・・信用しては、いけないと・・・)




――僕の事、覚えてくれているんだね。英雄姫

ありがとう。君達の行く末に、光がありますように――



『リッカたん、そのアジダハカ鎧、写真撮っていいですかな?』

【いいけど、どしたの?】


『もちろん、フィギュアを作りますぞ~!オプションパーツ多数!装着変身の真骨彫フィギュアに!』

【――】


『ど、どうなされたリッカたん?』

【美少女フィギュアのくくりでは、無いんだね――知ってたけど・・・】

『リッカたんはアレですぞ、どう足掻いても、妥協してアクションフィギュアにしか道はありません――』

『『吠え立てよ、我が憤怒(ラ・グロンドメント・デュ・ヘイン)』――』


「・・・」

「・・・」

『アジダハーカフィギュア』

「中身、彼女というギャップでワンチャン、かしら・・・」

「うむ・・・」

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