人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
モア『はい!モア達がカルデアに、おじさまの家族になるまでの物語です!てゆーか温故知新?』
メシア【裁きを越え、いずれ大きな何かをも掴み取る。そのような生命体に出会った事は初めてです。私達からしても、得るものは多いかと】
ピア「ま、気楽にゆるーくやってこー。思い返すなら、楽しいほうが良さげじゃん?」
モア『はい!ではモア、頑張って振り返ります!』
『モア達はアンゴル族という種族です! 宇宙に点在する星、その悲鳴や嘆きを聞き慈悲を齎す使命を持ちます!』
【【私達はもう楽になりたい】【生命を終えたい】という最大単位の想いを察して、アンゴルの裁きを以て星を眠らせる。それこそが、我々アンゴル族の宇宙の使命。ウルトラ一族ですら、この使命を阻むことは出来ないほどです(星の生命への避難活動は呼びかけていました)。光の星のゾーフィなどとは似て非なります】
「まぁ……滅んじゃったけどね、アンゴル族」
【宇宙遊星ヴェルバー。精神生命体特効を持つヴェルバー02により、アンゴル族は成すすべもなく殲滅されました。その際に、私達アンゴル=モアは流され、宇宙を放浪する事になりました】
『そこでモアはおじさまと、エボルトおじさまに出会いました! そしてそこで、優しくしてもらいました! 地球で再会した時は本当に嬉しかったです!』
「まぁそこではモアもメシアも眠ってて、仮想人格のあたし、ピアが起動したわけね。でも何の因果か、コピーしたのはリッカの母親、イヴだったのは予想外だったけどさ…」
【そこで交流を重ね、邪神だったニャルラトホテプは人間となっており、邪神時代の自分自身の罪に嘆いていましたね】
「神様のやったことを罪だなんて、ホント真面目になったよね。ニャルラトホテプってなんか、邪悪で狡賢くて悪趣味で不定形な神様らしいよ? パパからそんな印象、ないじゃんね」
『モアのおじさまを悪く言わないでください〜!』
「一般イメージの話だから! 一般イメージ! …そんで、さ。オガワハイム挟んで、自分の使命を思い出してさ。それで…じゃあやんなくちゃ、って。果たそうとしたわけ。素敵な人達を、安寧の中で終わらせる幕引きを…って」
『でも、ピアはそれをしないでくれました!』
「しないでくれっていうか、死のうとしてたしね。カルデアの皆に感情移入しすぎたし…それに、どうあれ死ぬ命はあるんだなって、解っちゃったし」
【ですが…それでは何も救われません。ピアの使命不履行に通じて、私が目覚めました。ルシファー・スピアに搭載された、最終黙示録遂行機動人格…今ではアンゴル・メシアと名乗っている私が】
『うぅ、モアはその時眠っていたのでお話できません…!』
【私は黙示録撃の最大行使を以て、裁きを実行しました。ですが…それは決して、カルデアや地球が憎かったからではありません】
「むしろ逆じゃん? 好きだから、苦しんで生きていくなんて辛いことはさせられなかった、的な?」
【……はい。私の裁きは阻まれました。キリシュタリア・ヴォーダイムの理想魔術、大神ゼウスの神代環境適正化、そして……マシュ・キリエライトの対粛清対界防護『此処に在りき理想郷』。……彼等は、宇宙で唯一…アンゴルの裁きを跳ね返した種族となったのです】
『凄いです〜! 流石はおじさまのいるカルデアの皆さんです! てゆーか一騎当千?』
「複雑ではあるけどね。アンゴル族の一撃って、宇宙からしてみたら最後の慈悲なわけだし。それを跳ね除けたら…」
【その生命体の罪は、永遠に赦されないと同義。地球と人間達は、最早誰にも赦されない。罪を背負ったまま、未来永劫苦しみながら生きていかねばならない。その苦難の道程と、辛い道行きを思えば…私は、知らずのうちに涙を流していたのです】
「でもさ、リッカらはそこで終わんなかったよね。私達を助けるんだ〜って、心の内側にまで入ってきてさ! バイタリティやばくない?」
『そこでモアは目覚めました! モアも、フィアも、星の触覚から声を聞いたのです!』
「あぁ、あのタンクトップの変なのかぁ…ホントにあれ地球の触覚だったの?マジに?」
【…キリシュタリアは言っていました。人間は罪深すぎて、アンゴルの裁きですら赦されない。しかし、その重ねた罪の分だけ、素晴らしい功績をいつかきっと遺すのだ、と】
『カッコいいです〜!』
「それと触覚の言葉と、皆の頑張りを受けて裁きは取りやめ…結果的に、モアも目覚めてカルデアに保護。あたし達はまとめてニャルラトホテプパパの娘として在籍…これで、上手く収まったって事で振り返りはオーケーかな?」
『はい! モアもしっかり目覚めさせてくれました! 皆さんには感謝しかありません! てゆーか感謝感激?』
「これからも、あたしちたちなりに付き合っていけたらいいね。人間のみんなの、罪を背負って歩く旅路にさ」
【……はい。そして私はアンゴルのシステムの側面。人間の有するカルマの清算手段計算をしてみたのですが…】
「うわっ、嫌な計算式。人間が何をしたらいいかって指標的な?」
【そうです。一つは【宇宙の闇黒領域開拓】。宇宙にて、光と音の届かぬその向こうにて世界を広げることが、消し去ってきた宇宙の資源の償いとして認められるとルシファースピアは告げています】
『おぉ…! アンゴル族も知らないさらなる向こう! てゆーか前人未到?』
【そして何より、【ビーストΩの討伐】。この存在により、消された銀河は10000を越えているとの事。全宇宙、全次元を支配するこの存在を討ち果たせば、カルマ値は相殺どころか…人類は宇宙を救済した種として高次評価されると、ルシファースピアは告げています】
「……力と規模だけ見たら、ホントとんでもないね。そのクソヤロー…」
【単純な星間航行可能な文明ならばソロネ以下の天使が、銀河航行可能な文明ならばメタトロン、サンダルフォン、セラフィム型の一体で浄化可能な程、その戦力は常軌を逸しています。楽園カルデア時空より遥かに進歩した文明世界が、偽神を討伐する異次元同士の同盟を組み抗ったようですが…】
『ど、どうなったんでしょうか…!?』
【………偽神により、護るべき銀河そのものを消失させられ、そのまま投降し、人間は使徒に改造され、文明は接収されたようです。加速度的に、天使達は強大化していくでしょう。それでも、サタン…ルシファーの劣化でしかないとルシファースピアはシミュレートしていますが】
「滅ぼせば滅ぼすほど強くなってくってこと…!? じゃあ、ここもやばくない!?」
【それは問題ないようです。この次元で、御機嫌王が『全能の聖杯』を確保していますから】
『全能の聖杯…?』
【全次元、全並行存在に一つしかない『真化人類』の遺産の片割れ。『
『全知全能の聖杯…!お父様が言っていたものです!』
【全知の聖杯を、恐らく手にする為に次元侵攻しているのでしょう。極点に向かうための手段は全能、工程は全知がなければ成し得ない。唯一神の力で、全能はどうとでもなると考えているのかは不明ですが…】
「…どの道、何とかしなきゃいけないって訳か」
【はい。偽神を倒せば、偽神の介入した侵略や破壊も、偽神そのものを使って修復できる。全時空、全次元、全世界を巻き込んだ『聖杯戦争』…。それが、この戦いの形なのです】
『その戦いは負けられません! ピア、メシア! モア達も全力で、カルデアと人類、世界を支えましょう! てゆーか八面六臂?』
「言わるまでも無いじゃん。あたし達はただの子羊じゃないって、思い知らせてやるから!」
【………勝ち目は極めて少なくとも、ゼロではない。この世界には、偽神を打ち破る何かがある。それを、見つけるためにも頑張りましょう】
『はい! やるぞー! おー!!』
「【おー!】」
ピア「話してたらめっちゃ喉乾いた…」
メシア【では、カルデアの食堂に行きますか】
モア『はい!スイーツ美味しいです!てゆーか美食耽美?』
ピア「じゃー私達も、罪深き探求に行きますか!」
〜
ニャル【…………ヴェルバー……】
【許しておかんぞ……】