人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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【――・・・・・・・・・・・・】


「あの、おじ様?」

【・・・通れ】

「は、はい・・・」

「・・・しょ、初代、様・・・」

【通れ・・・】

「――は、はいっ。・・・」

「しょ、初代様!?お元気が・・・ない、ような・・・」

【――・・・・・・通れ】

「はっ!」

【・・・・・・・・・】


「オイオイマジかよ!こりゃあチャン【死告天使(アズライール)



「ひっく、ひっく。死ぬかと思った・・・」

「楽園で死ぬな、楽園で。――ところでお主、どこに行こうとしていた?」

【大終末の潮牙】

「うむ、目が離せんなお主は!?」

「面白いわよ絶対!」

「最早目に見える死相が解らんのか!閻魔も裸足で逃げ出すだろうよ!」


「やぁネフェル!久しぶりー!」 

「まぁ!モーセ!あなたも来てくださったのね!」

「これからお世話になるね!いやぁ昔を思いだ――ラーメス?」

『壁に詩を掘っている』

「まぁ、ラーメスったら!」

「あはは!――ん?」

「・・・・・・」

「こんにちは。ファラオ・ニトクリス。僕はモーセ。いつもラーメスをありがとうね」

「はひっ!?お、畏れ多いです!?」


召喚 山のパトラ編

「さて、次は・・・アサシン組か。単純な戦力は充分に整っている以上、ある意味最も有用な手駒になるやもしれぬな」

 

 

二時間の休息の後集まる一同。召喚サークルの前に集い、今か今かと召喚を待っている。次なる新たな同胞を心待ちにしているようだ

 

 

――アサシンとは多彩かつ、便利、有用なクラスですものね。戦闘能力は三騎士や四騎士の中でも低めですが、アビリティのオンリーワンさでは逆にトップを争いますよ!

 

 

(何処かの聖杯戦争ではマスター全員を殺してハサンが圧勝した世界があるとかなんとか。それを教訓としてハサンをガチガチにメタって、ハサンを呼んだら圧勝か惨敗かっていうリスキーなクラスになったりする世界があるらしいよ?)

 

《暗殺者は闇に紛れる虫や鼠ではあるが、同時に王を仕留める定番である。ならば対策の暗器として懐に忍ばせるも良かろう》

 

――ほぇ~・・・アサシン凄い・・・

 

二人の博識さと、アサシンの有能さにぽかんと口をあけ、圧倒されるエア

 

 

――では、呼ばれる新しい仲間も・・・そんな素敵な方達となりますね!

 

キラキラと目を輝かせ、召喚サークルを見つめる。それは箱やプレゼントを見つめる無垢なる子供のような姿だ。プレゼントを用意する側が最も与え甲斐のある好ましい人種である

 

《うむ。要は役に立つかどうかよ。所在を鑑みればこれより先の戦いに必要な人材かも知れぬからな。――さて、始めるとするか》

 

パチン、と右手を鳴らす。同時に召喚サークルが光輝き回りだし、皆がそれを見守る

 

 

「・・・じぃじ、きっと来れないんだろうな。冠位は獣を倒すためのクラスだし・・・」

 

覚悟はしているが、それでも少し寂しさを覚える。――紡いだ絆は、確かに在るが故に

 

「・・・きっと、獣を倒せたら来れるよね!」

 

今が駄目なら、次にきっと。そう信じ、外套を強く握りしめるリッカであった。

 

 

「パターンアサシン!さぁ、来るよ!」

 

 

光が収まり、現れたるは・・・

 

 

「ふ、絨毯にくるまっているとでも思ったかしら!・・・召喚の挨拶なので遠慮しておきました。妾はクレオパトラ七世フィロパトル!私が来たからにはこの楽園の経営や経済を磐石にしてみせてよ!」

 

その手腕にて難民の世話や避難誘導を担当するために呼び込まれた最後のファラオ。アサシン・クレオパトラが降臨したのであった

 

 

――ワタシの知ってるアサシンと違う・・・!?

 

 

(だが、此処に例外が存在する・・・万能の逃げ口上だ、やるねきのこ)

 

驚くエア、ふんすと鼻を鳴らすフォウ

 

 

「ほう、プトレマイオス朝の立役者が現れたか。よいぞ、我がカルデアも更に磐石の体勢が整うと言うもの」

 

「よろしくお願いいたしますクレオパトラさん!」

 

ズビシ、と礼を行うリッカを好ましく思い笑うクレオパトラ

 

「ホホホ、当然です!そしてありがとう!美しさではなく手腕を真っ先に評価していただけるのは才女として誇らしいものです!美しいとか当然かつ当たり前!聞き飽きた美辞麗句ですもの!」

 

「そうか。カルデアに来た貴様とピラミッドにいた貴様は違う。――カエサルの部屋、ファラオの部屋を教えてやろう。直ぐ様向かうがいい」

 

その言葉を聞き、目を輝かせながら自分も輝くクレオパトラ

 

「カエサル様にファラオの皆様――!こ、こうしてはいられないわ!これからよろしくお願いいたします!今向かいますわファラオの皆様カエサル様――!」

 

ダッシュで部屋を後にし、即座にオジマンディアスに捕まり全身全霊の慣例もてなし(国をあげた祭りレベル)により恐縮さに失神し、介抱してあげたカエサルの優しさと変わりように失神するのは先の話である

 

「うむ、誠に――誠に、御しやすきよき女よな・・・くくっ。カエサルめもよい女を手にしたものよ・・・ふはははは!」

 

――良かったですね、クレオパトラさん・・・カエサルさんとお幸せに・・・

 

「ファラオ闘法、ヤコブ聖拳・・・パンクラチオン習得者としてライバルが増えてきたねマリー!」

 

「どうせなら全て教えてもらえばどう?史上最強のマスター、みたいな感じで」

 

軽快に笑い合う二人。それを見てマシュは密かに、サブカルを勉強しようと決意を固めるのだった

 

「さて、酒の肴も手にしたことだ。次に行くぞ。サークルを回せ」

 

サークルを回し、光を満たし、召喚が行われる。その見慣れた様子を固唾を飲んで見守る一同

 

「アサシンめを呼ぶには些か派手な気もしないでもないが・・・いっそ演出を変えてみるというのも面白いかもしれぬな」

 

(ソシャゲにも色々あるからねぇ。シノアリスとか面白いよ?ガチャ画面)

 

――ソシャゲ?イカの別名でしょうか・・・

 

そんな所感をもたらしながら、召喚が果たされる。其処には――

 

「・・・全て、全て、貴方の御心のままに。私は全てを捧げます。この体も、この心も、全て・・・」

 

儚げに憂う毒の華。静謐のハサンが現れたのだった。ちらちらとリッカをみやり、もじもじと身体をくねらせる

 

「(察した)はい、宜しくね!」

 

全てを察した様子のリッカは手を握り、握手し、微笑みかける

 

「ぁ・・・、――・・・・・・・・・永久に、お仕え致します・・・♥」

 

「うん、宜しくね!頼りにしてる!」

 

「はい♥――そ、そして・・・マスター。それは・・・まさか・・・」

 

「うん。じぃじの!」

 

即座に最敬礼し跪く静謐

 

「無礼を、お許しください・・・――」

 

「いやいやいやこれは違うよ!?じぃじが来てくれたならいいなぁみたいな願掛けでね!?」

 

震える静謐をなだめすかし、平静を取り戻させる間、リッカは帰ってこなかったと言う・・・

 

 

(新しい職場にいったら社長イチオシの人材がいたでござるの巻)

 

《中々に難儀なものよな。上下社会など我には馴染みがない。上にしか立たぬのだからな》

 

(だからって街灯切られて地に立っただけでキレんなよどんだけ沸点低いんだよ)

 

《ふはは、叩けば叩くほど埃が出るな別世界の我は。エアも気を付けよ。他の我は我ほど寛容ではなく、また磐石でもない。天の鎖を首に巻き付け地べたを舐めさせてやるがよい》

 

――全力を以て押しきれ、ですものね。初手でエアかエンキを御用意いたします。・・・そして、街灯?

 

(この我を 同じ大地に 立たせるか)

 

《ふははははははははは!唐突に一句を読むでないわ!》

 

三人のトークが弾む中、更なる召喚が行われる

 

「我には次の召喚が読めたぞ?使い方次第で戦わずして勝利が叶うアレだな?」

 

――えっ!?

 

「そんなに素晴らしい方なのですか!?楽しみです!」

 

「英雄王が言うんだ、間違いない!じゃあ行くよ!」

 

回るサークル、輝く光。王の言葉に期待の眼差しを贈る一同

 

(あー、アレだね。原作でまともに戦う気のないやつに使い潰されたやつ)

 

《コトミネはあの時点で己の魂のカタチを理解していなかったからな。見応えと興味で言えばエア以上であった。――己のカタチを知って底が見えてからは、名前で呼ぶのも飽きたがな。伸びしろはエアの足下以下であったわ。諦めの悪さ、生き汚さでは・・・何者も並べぬものを知ってはいるがな》

 

愉快げに笑う英雄王の言葉に、エアは目を輝かせる

 

――いつか、英雄王と共に日々を過ごした人達と出逢ってみたいものですね・・・!

 

《コトミネは止めておけ。性根が捻れている――いや、信仰心では見処があるかもしれんな》

 

(他になんかいたようなー思い出せないなー誰だっけなー)

 

《ふはは、思い出す価値無し、という輩もいるにはいるな。一体何サカ何オミだったか》

 

そして、会話を続ける先に現れたのは・・・

 

 

「――我等影の群れを手にしたからには勝利も必至。ご安心めされよ」

 

専科百般。多彩、器用、人手にて彼等の右に出るものなし

 

 

「フン、これで縁を繋いだ山の翁が揃い踏みか」

 

 

百の貌を持つ、最強の諜報集団――山の翁が現れたのであった・・・

 

「これより先、このカルデアに・・・む!?」

 

そんな中、影の中から『無害な少女』の姿が現れ、英雄王に歩み寄っていく

 

「――・・・」

 

「ほう?拷問用の無知なる人格か。何か我に要望があるのか?」

 

少女はじっと王を見上げ、そして・・・

 

「・・・よろしく、おねがいします」

 

ペコリ、と頭を下げたのだった・・・

 

(嘘だろおい聞いてないぞ!ちびハサン!?ちびハサンがいたのか!?こんな子が王の軍勢にリンチされたって言うのか!?王の♂軍勢♂に!?――優雅殺そ)

 

――落ちついて!?落ちついてフォウ!?

 

《我が魂の無害さを感じ取ったか。でなければ姿など晒すまい。――自らが役目を果たすまいと確信したか、無知の人格よ》

 

「――まさか、最もか弱き人格の信頼を勝ち取るとは・・・」

 

このあと、マシュとオルガマリーの案内で、迷子にならないよう保護されたのであった――

 

 




NG召喚・属性 地


【オーバーロードのキャスター・・・我が此処に足を運んだのは他でもない・・・】

(めっちゃ強そうなの来た――!?)

(魔王!?魔王なのかい!?)

【(え!?何ここ!?何ここ!?なんか旅行のプランとか慰安旅行の計画考えてたらなんだここ?)】

「・・・?」

【(え、英雄王!?英雄王なのか!?fateの!?不味い、不味いぞ!不敬を働いたら殺される!見た!今見てしまった不味い!不味いぞ!気分を損ねたか!?えぇい、ならばいっそ・・・!)】

【――部下慰安、楽園建築のノウハウと、旅行計画のプランニングを監修してほしいのだが・・・内密に】

【(ここみたかぎり凄そうだし・・・!英雄王に知恵を貸してもらうしかない!気合いとハッタリで行けるはずだ!!多分!)】

――いい上司・・・?

「ふはは!凡夫の身で上に立つとは難儀よな!どれ、知恵を貸してやろうではないか」

【感謝する】

【(助かった――!!!あれ凄く機嫌よさそう・・・!?見ても大丈夫なのか!?まぁいいや助かった――!!)】

『カルデアの構成と改築の手段を教授し、お礼に大量の魔力リソースを貰い退去』


「極道のルーラー・・・いや、堅気なんだが・・・何処だ此処は?俺は死んだのか?」

「く、クズじゃないほうのカズマさん・・・!?」

「え?」

『カラオケ熱唱した後に退去。リッカは古牧流の手解きをしてもらった』

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