人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
真名:マリア・キュリー(ラジウムガールズ、オッペンハイマー)
クラス:アルターエゴ
属性:秩序 悪
出身:ポーランド
筋力 E 耐久E 敏捷E 魔力EX 幸運E 宝具 EX
クラススキル
陣地作成:C
魔術師にとって有利な陣形を作り出すスキル。
研究者であるキュリー夫人は自身の研究場所である研究室を作り出せる。
道具作成:D
魔力の込められた道具を作り出せるスキルではあるが、彼女の場合は自身の研究に便利な道具を作れるに留まっている。
復活の権能:EX
キュリー夫人の霊基に組み込まれた不死鳥フェニックスと死と再生の蛇ウロボロスの保有する権能。
自身の肉体、霊基が損壊しても瞬時に復元、再生させる。
これは自分の意志ではなく強制的に発動するものであり、彼女が望まざる場合であろうとも彼女が消滅しようとも発動して彼女を再生させてしまう。
善意の祝福ではなく死という安息すらも奪い去る悪意によって与えられた不死の呪いである。
固有スキル
魔力放出(放射線):A+
全身から常時高濃度の放射線を放出している。
その影響は彼女自身にも出ており、重度の放射能被爆によって髪はすべて抜け落ち、歯もすべて失い、目は白濁に濁り、全身は重度のやけどに覆われ、対外体内問わず大量の悪性腫瘍が発生しているという、常人どころか半神や英雄ですらもすでに死んでいるであろう超重病人である。いまだに生存している理由は前述の不死の呪いで無理矢理生かされているからである(なお普段は幻術でごまかしており、生前の彼女を再現した姿に見せている)。
高濃度の放射線はサーヴァントにも重大な悪影響をもたらし、人間のマスターならば範囲内にいたならば確実に即死してしまう。(ちなみにFGO主人公の毒無効スキルすらも貫通してしまうため確実に死ぬ)
星の開拓者:EX→E
人類史のターニングポイントになった英雄に与えられるスキル。
キュリー夫人は現代の人類史に良くも悪くも影響を与えることとなった放射線を初めて発見、解析した人物であり、彼女の霊基に複合されたオッペンハイマーは人類で初めて原子爆弾を造り出した人物であるため、本来は高いランクであるはずなのだが、現在の彼女は絶望と悲嘆のあまり自身の為した功績を全て否定しているためにここまでランクが下がってしまっている。
怨嗟の絶叫:EX
彼女の霊基に複合されている無数の亡霊、ラジウムガールがあげる苦悶の叫び
ラジウムによる放射線被ばくによって理不尽に命を奪われた少女たちの苦悶と怨嗟の叫びは、そのまま発見者であるキュリー夫人へとむけられる。
その怨嗟は常にやむことなく、体に刻まれた被爆の傷と共に彼女の心と体を蝕み続けている。
宝具
炉心爆発・人界崩壊(アトミック・ワールドエンド)
ランクEX 対国宝具
レンジ10000以上 最大補足10000以上
キュリー夫人が発見した放射能、そして彼女に組み込まれた霊基の一つであるオッペンハイマーが発明した原子爆弾の再現であり、その後の世界を大きく変えてしまうこととなった世界を滅ぼしかねない核の炎。
キュリー夫人自身の肉体を核爆弾として、自身諸共周囲の全てを焼き尽くす。
その破壊力は文字通り原子爆弾そのものであり、おおよそこの世に耐えうるものは英霊を含めてもほぼいないといっていい。最大規模の出力ならば特異点そのものや異聞帯すらも破壊、消滅させかねないレベル。
さらに宝具発動後は爆心地から半径数キロ圏内が重篤な放射能で汚染されるため最低数年は生命が住めない死の土地と化してしまう。
文字通り自身を原子爆弾とする自爆宝具であるため発動したキュリー夫人も本来は消滅してしまうのだが、自身の霊基に組み込まれたフェニックスとウロボロスの権能によって強制的に再生するため彼女は消滅することはない。
また、この宝具は他者からの干渉、すなわち攻撃、魔術による干渉を受けた場合自動発動してしまい、その時の威力は本来より抑えられるもののそれでも半径数百メートルの物体を吹き飛ばし、汚染しつくす尋常ではない被害をもたらす。
さらに一定期間発動しなかった場合も強制的に発動してしまい、その場合は発動しなかった期間分威力が増幅され、文字通り都市どころか国一つを消し飛ばす破壊をもたらしてしまう。
彼女の功績の影の部分、多くの人命を奪いつくした彼女にとって忌むべき力の再現である。
人物
マリア・スクウォドフォスカ・キュリー。
通称キュリー夫人の名前で名高いポーランド出身の女性物理学者にして科学者。
放射性物質、放射能の研究とラジウム、ポロジウムの発見という業績を成し遂げ、ノーベル物理学賞、ノーベル科学賞の二つのノーベル賞を受賞している。
女性初のノーベル賞受賞、さらにノーベル賞を二つ受賞というのは世界初の功績であり、放射能という名称も彼女が発案したものである。
このように人類史に残る偉業、そしてある意味人類にとって手に余る放射能という力を見つけ出した、文字通り人類史に大きな変革を齎した偉人なのだが、このアルターエゴで召喚されたキュリー夫人はそんな己の、ひいては自身の愛する夫であったはずのピエール・キュリーの業績であるはずのそれらを徹底的に否定、拒絶しており「何もかも間違いだった」「あんなものは発見するべきでも研究するべきでもなかった」等と陰気につぶやき、その願いも自身の研究成果である放射能、放射線をこの世から完全に消し去りたい、それができないなら、自身と夫の研究を全てなかったことにしたいという自分の偉業全てを否定するネガティブなものとなっている。
また、度々誰にも聞こえない声が聞こえるようなそぶりを見せ、何かに怯えていたり、恐怖のあまり叫びだすなど一見すると奇行にしか見えない姿も見せる。
とてもではないが正常な英霊とはいいがたいその姿、彼女の正体とは……。
その正体はザッハーク=アジ・ダハーカが英霊マリア・キュリーをベースに複数の英霊、幻獣を組み込んで改造、完成させた改造英霊、通称『芸術作品』の一つである。
ザッハーク=アジ・ダハーカは異星の神が生み出した異星の使徒、そしてその一体であるアルターエゴ・リンボこと蘆屋道満が造り出した英霊剣豪、そして並行世界において月の聖杯戦争でBBが生み出したサクラファイブに目をつけ、それらを解析、分析したうえで自分の手で新たな改造サーヴァントを生み出そうと考えた。
元々冠位に比肩しうる魔術の腕を持ち、千の魔術を操るザッハークにとって、サーヴァントを召喚、改造することなど造作もない。
だが、ただ改造するだけでは面白くない。ただ強い戦力などまったくもってもったいない。
どうせならば英霊の誇りも、矜持も、なにもかもズタズタに引き裂かれて絶望した姿を見てみたい。どこまでも壊れ切った、美しい“芸術作品”を生み出してみたい。
そんな悪意に満ちた欲望の基に生み出されたのがこのアルターエゴのサーヴァントである。
彼女に組み込まれた霊基は合計5つ、世界で初めて原子爆弾を造り出し、広島、長崎において膨大な破壊と犠牲者を生み出すこととなった科学者、ロバート・オッペンハイマー、死を迎えた後に炎からよみがえる伝承を持つ不死鳥フェニックス、無と無限、死と再生を象徴する蛇ウロボロス、そして、彼女が発見したラジウムの放射線の被害を受け、若い命を苦痛と苦悶の中で閉じることとなった少女たち、通称ラジウム・ガールズ達の亡霊である。
ラジウム・ガールズとは1920年代のアメリカで、ラジウム塗料を時計の文字盤に塗るという作業に従事した結果、重度の放射能被爆を受けた女性労働者たちの通称であり、その被害者数は最低でも112人以上、最少年齢は11歳であったとされている。
当時はラジウムは無害でありむしろ健康にいいという間違った考えが浸透していたこと、そしてラジウム塗料を塗る際に筆先を唇で整えるという手段を推奨した結果、大量の放射性物質を体内に取り込むこととなって、結果的に被害者を増加させることとなってしまった。
彼女たちは武勇も何も持たない亡霊であり、ただの歴史の被害者でしかないために、英霊どころか幻霊にすらなりえない。仮に霊基に組み込んだとしても英霊の強化にはつながらず、むしろラジウム発見者であるキュリー夫人にとっては、延々と怨嗟と苦痛の叫び、そしてラジウム・ガールズの生前味わった放射能中毒の苦痛を味わい続ける羽目になるというどう考えても戦力強化どころかデメリット以外の何物でもない影響しか与えていない。
何故何のメリットも持たない亡霊の集団をよりによってキュリー夫人に組み込んだのか、それは簡単。
己の為した所業が生み出した被害者達の苦悶と苦痛を味わい、直視させることで、極限の苦痛と絶望を味わい、徹底的に堕としたいというザッハーク=アジ・ダハーカの欲望によるものである。
延々と続く致死の苦痛、己の研究が結果的に生み出してしまった被害者達の苦痛の声、自身の宝具によって結果的に多くの罪何人々を、街を、世界を滅ぼしてしまうという悲劇を幾つも創りあげ、己の死により償うという行為すらも不死の呪いで行えず、彼女の精神は完全に摩耗し崩壊、その結果として一つの結論にたどり着くこととなった。
自分たちの研究は間違っていた、こんなものは発見するべきではなかった、自分は結果的に後の世で多くの犠牲者を出すことになってしまった最低最悪の殺戮者だ、と。
この結果、本来は放射線、放射能を人類にとってより安全なものとしたい、放射能被爆の完全なる治療法を作り上げたいという願いは完全に変質、自分と夫の為した偉業を憎み、呪い、否定し、完全にこの世から、歴史からも抹消したいという願いを抱くこととなってしまった。それが、自身の犯した過ちへの最大の償いと信じているがゆえに……。
ザッハーク=アジ・ダハーカ本人はこの『芸術作品』の出来には中々満足しており、邪魔になった、あるいは不要となった特異点や異聞帯を『掃除』する役割としても優秀で、その高潔な精神がボロボロに砕け、腐り落ち、己の全てを否定するようになる様は最高に腹のよじれる喜劇であったと絶賛していた。
楽園カルデアに関する彼女が抱く感想は二つ、頼むから自分と出会わないでほしい、あなたたちを殺したくないから。
そしてもう一つは、彼らなら己をこの苦痛から解き放ってくれるのではないか、すなわち、己を完全に殺してくれるのではないかという、あまりにも後ろ向きな希望である。
ちなみにこのサーヴァントは英霊剣豪同様に英霊の座に登録されないため、たとえ楽園カルデアでも召喚されない。もし縁によってキュリー夫人が召喚される場合は『芸術作品』ではなくちゃんとしたサーヴァントとして召喚されるため安心してほしい。
ちなみに『芸術作品』はまだある設定です。まあ英霊剣豪やら八将神みたいなエネミー限定サーヴァントってことで。
天秤座の暗黒聖闘士さん、ありがとうございました!
そして残業のため、水曜日と土曜日は本編投稿が正午付近となります!