人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
カドック「なんだって!?」
ペペロンチーノ「狂い火の王、だったかしら?信奉者もいるわよね、そりゃあ」
キリシュタリア「リッカ達の邪魔はさせない。私達で迎撃を進言するよカドック!」
カドック「だな。花道は彼女に、僕らは脇道を整備しよう!」
デイビット「………」
オフェリア「デイビット、何か見えたのかしら?」
デイビット「あぁ」
「倒すべきは、狂い火でありアスラではない」
ベリル「なんだぁ?何をいまさら…」
「アスラに狂い火が宿る限り…」
「リッカ達は比類なき苦戦を強いられるだろう」
(感想返信とメッセージは明日以降行います!)
【ウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!】
燃え盛る狂い火の覇王、アスラ。先にラスティが下したミドラーの人はレベルがあまりにも違う。
その炎は瞬く間に世界を包む黄色の業火。瞬時に狭間の地を包み焼き払うに余りある壮絶極まる規模の大火災。ホーラと同格の隔絶とした格を有するアスラを王とした狂い火は、まさに世界に混沌と終焉を世界に齎す覇王。
『マリカ』
『心得ている!』
ラニとマリカが同時に、神たる力にてアスラの業炎に自らの律を以て破壊の業火に抗う。それはかつての月と黄金の合一の再現でもあった。
【オオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!】
『くっ……!』
だが、アスラの有した狂い火の勢いは神すらも焼き尽くす領域にある。マリカとラニ、それらをもってしてもなお押す程の焔の猛威。
『流石は私の王の父たる存在。生半可ではないな』
万象律、夜の律をもってしても互角。世界を焼き溶かす狂い火の猛威はあまりにも強大かつ苛烈。阻もうにも、霊体すら焼き溶かす狂い火にはサーヴァントはやすやすと近付けない。
万事休すかと思われたが、この神々の戦いにて人は意地を見せる。
『────ようやく補正が完了したわ』
「!」
『お待たせしたわね、リッカ!ロマニ、心象風景投写!』
『勿論さ、マリー!』
『固有結界発動!『人理に寄り添う、希望の華』───!!』
瞬間、ローデイルの王座がオルガマリーの固有結界たる豪雪吹き荒ぶ寒々しい光景へと姿を変える。
「この固有結界は!」
「待ってましたのオルガマリー!!」
狭間の地という特殊すぎる環境に調整を行っていたオルガマリーらカルデアのサポートが満を持して披露される。そこは、カルデアに敵対する者を著しく弱体化させる固有結界。
【オオオオオオオオオオオオオオ───────!!】
だがそれでもなお業火の勢いは凄まじく、オルガマリーの固有結界が【世界ごと】燃え落ちていく。テクスチャすら焼き払い燃やし焦がす、対界宝具クラスの規模の威力。
『流石ラスティさんの父君、一筋縄ではいかないわね』
『フッ、だがお前の固有結界はここからであろう』
『えぇ、ラニ様。私の献身はここからよ!』
燃え尽きる寒々しい吹雪の夜空。
【!?】
そして即座に顯れる、晴れ渡りし南極の青空。空には紅く輝く開闢の星が煌めくオルガマリーの真の固有結界の姿。
「力が漲る……!」
「これならば、引けを取るまい」
それらはカルデアとその味方に強力なステータスアップと回復を齎すオルガマリーの心象風景の真の姿。一時的にとはいえ神の領域たる世界の塗り替えにて、アスラの世界の焼却を防いでみせる。
『皆!これで最後よ、油断せずに勝利しなさい!』
「はいっ!」
「オッケー、任せて!!」
マシュとリッカが頷き、最終決戦の構えを取る。アスラは弱体化によろめくも、その炎の勢いは寧ろ燃え盛り、燃え上がる。
【オオオオオオオオオオオオオオアァァアァァアァァアァァッッッ!!!】
「これは……概念武装というやつか」
フリーレンが即座に、アスラが刻みし防護を見破る。
「フリーレン、なにそれ!?」
「物理的じゃない、逸話とかをそのまま武装にした概念だよ、ルゥ。狂い火は全てを焼き溶かす。だから触れるもの、攻撃、それら全てを焼き払うから攻撃が効かないみたいだ」
ふむふむ、とルゥが頷く。
「大変だぁ!?」
「うん、凄く大変だ。何とかしてアスラさんの狂い火を引き剥がせれば……」
フリーレンがその手段を模索せんとした時、頭に声が響き渡る。
『フリーレン!私です、セフィアラです!』
「うわ出た」
セフィアラ。フリーレンを巫女とせし女神。そして、本来の世界のアスラの伴侶。
『私も、皆様のお役に立ちたいです!ので!』
「ので?」
『お身体をお借りしますねー!』
「えっ、ちょっ、うわあああああー」
「なにごとー!?」
問答無用で別次元から干渉せしセフィアラは、フリーレンの身体を別時空より拝借、同期を完了してしまう。隔絶した神格が故の芸当にして荒業。
「拝借完了!むむ、でも千年くらいの若輩エルフの身体ではちんますぎますね…」
「誰!?!?」
『あ、祖龍様ですね!ですが今は積もる話は後に致しましょう!ではまずは!そーれっ!』
セフィアラを宿したフリーレンの、肉体が変化を起こす。
長寿故、変化が乏しいエルフの肉体。故にセフィアラはフリーレンの肉体年齢を引き上げた。
一万年。エルフの中でもほんの一握りしか至れぬグランド・ロイヤル・エルフたる長寿を極めしエルフの姿に。
「何のナイスバディ!?」
当然その肉体も年齢相応のものへ。セフィアラの肉体に極めて近付けた肉体改造(神威)とも言える反則クラスの暴挙。
『まだちょっと窮屈だけど、今はこれで!さぁ皆、私の祝福を受け取ってー!』
フリーレンに宿ったセフィアラが、自らの神威と権能により壮大極まる援護と祝福を齎してみせる。
「これは…」
それは、生命を愛し慈しむ慈悲の顕現。あらゆる悪意、害意、敵意や攻撃から生命と魂を防護する女神の抱擁。
本来ならば近付くだけで焼き尽くされる戦慄の狂い火すら、完全に退ける真なる神が持つ生命遵守の大権能。
「この圧倒的かつ過剰気味な慈愛と祝福は…!」
『ラスティー!素敵な名前を貰えたわねー!』
「母セフィア、フリーレン!?あれっ!?」
『ママに出来るのはこれくらい!皆で別世界だろうと、私達のパパを助けるのよー!解ったー!?』
猛烈に母の面影を残しているフリーレンから母の声音が聞こえてくる様子に困惑をラスティは隠せない。
壮絶なる破天荒の慈愛だが、その権能は反則とも言っていい程の効果を齎す。皆を完全に癒してしまうのは勿論の事……
『あ、ラダーン君は協力者として肉体を一時的に用意したから頑張って!』
【なんと!?】
サインから現れる黄金の霊体ボディ。それはラダーンのものであり、魂のみのラダーンの依代となるものをセフィアラは用意した。
【ありがたい……!!これでリッカの身体を無茶に付き合わせることなく戦える!】
「良かったね、ラダーン!」
【うむ!さあ共に行こう、リッカ!!】
『皆の生命、焼かれないよう守護します!フリーレンの魔術の天才っぷりに驚いてくださーい!』
「うおおおおおおっ!!!」
瞬間、力を取り戻したホーラが吠え滾る。
「お前達…!力のあるものは轡を並べてヤツに挑め!!」
戦士たるホーラ・ルーは吼える。
「奴こそはアスラ・ルー!俺が唯一、対等と認めし戦士よ!」
「言われるまでもない」
ヘラクレスが、ホーラの隣に立つ。
「なんか頭のネジが吹き飛んだフリーレンの応援により、サーヴァントも問題なく戦えるようだ」
【──────!!】
「戦士の理性、その存在こそ挑戦に相応しい…!」
彼は、この場において徹底した挑戦者である。
【戦士ホーラ・ルー!!】
その時、ラダーンとリッカも並び立つ。
【共に戦わせていただく!永劫憧れなる王ゴッドフレイよ!!】
『ラダーン…!あの赤髪の小僧がよくぞ…』
「ラスティ!ラニも!」
「!」
「違う次元とか、並行世界とか関係ない!お父さんに、とびきりの晴れ姿を見せてあげようよ!!」
リッカの言葉に、ラニとラスティは静かに頷く。
『──あの餓鬼がやっていた傀儡ではない。本当の意味での神と王の力を見せてやろう、王よ』
「行こう、ラニ。我が父に、最愛の君を魅せつけてやる!」
ラスティの言葉と共に、ラニとラスティに変化が起きる。
ラスティの背に、ラニがおぶさる形で現れる。それは人形から魂を離し、王たるラスティの神となった本気の形態。
夜の神たるラニの祝福を一身に受けたラスティは、自身の宿痾と祝福を解き放つ。
右手には暗月の大剣。
左手には、狂い火を完全に掌握したが故の暁に輝く大盾。
白金色の鎧───セフィアラが祝福を込めて授けた、聖都筆頭大騎士団長の神鎧に。
『魅せてやろう、我が義父アスラ・ルー』
【──────!!】
愛おしげにラスティの首に手を回し、運命の王と共に戦うラニは告げる。
『ラニと。我が運命の王…ファルトリウス・ラスティ・エングヴィンを』
暗月の剣に誓い、ラスティは強くアスラを見据える。
ラニの愛、セフィアラの祝福により──
運命の王は、狂い火すらも完全に自らのものとしたのだ。
アスラ【グオオオオオオ………!!】
【ガアアアアアアアアアアアアアッッッ!!】
ラスティ『ここにいる皆で、あなたを取り戻してみせる』
『ファルトリウス・エングヴィン。───あなたがくれた名前なのだから!』
アスラ【──────!!】