人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
オフェリア「ベリル!?」
ベリル「目があちいいいいいいい!!クッソいてええええ!!」
デイビット「狂い火による発狂が起きたか。鎮静が必要だ」
チルノ「よし!ちんせーだ!!」
ベリル『』
チルノ「よし!!」
ぐっちゃん「凍ったけど……これでいいのかしら」
キリシュタリア「なんだかベリル、不憫な目に遭うのが多いようだね!」
ゼウス『私と違って上司の神がアレだから不運なんじゃないかな』
カドック「それにしても数が多い!マリカの治世はどこまでも力付くだったんだな…!」
デイビット「………!」
アイリスフィール「どうかしたかしら、デイビット!?」
デイビット「あぁ」
「どうやら、結実の時が来たようだ」
狂い火の信徒達が押し寄せる、ローデイルの王座。
彼等は、狂い火の病に侵され、正気を失い発狂したもの。
狂い火は目に宿り、狂い果てるほどの痛みを伴い発狂をもたらす。
それは、狂える三本指によってもたらされた。更に遡れば、異教を信じていた旅団が弾圧を受け、それらの絶望の呪詛により産み出された。
かつて生命は一つであり、差異なく混ざり合っていた。
やがてそれが分かたれ、増えることで生命となった。
そしてそれこそが誤りであると、狂える三本指は告げる。
それこそが、大いなる苦しみの始まり。
人は分かたれた事で、迷い、苦しみ、嘆くようになった。
大いなる意志は、それらの在り方を誤ってしまったのだと。
だから、狂い火を司りし三本指は示す。
全てを焼き溶かさなくてはならない。
迷いを、嘆きを、苦しみを。それら全てを等しく焼き溶かさなくてはならない。
過ちによって分かたれた生命を、狂い火によって糾し、戻さなくてはならない。
迷える境を、全ての隔てを焼き溶かす。それにより、大いなる過ちを糾す。
全ての生命を、大いなる一つに。それが、絶望の呪詛により招かれた狂い火の、信じる者達の理念。
狂い火を信じるもの、宿したものの心は等しく同じ願いを抱えている。
誰も、生まれてきたくなどなかった。
苦しいだけの生など、欲しくはなかった。
故に彼等は望んだのだ。全てを焼き溶かす、狂い火の王を。
故にアスラを望み、アスラを信じ、アスラに集う。
彼こそが、狂い火を御せし覇王であるが故に。
それこそが、狂い火の辿り着いた答えであるのだと。
苦しみの世から、それらの全てを焼き尽くす為に集いし信徒。
……しかし。彼等が破滅の果てによる合一を果たすというのなら。
彼等の敵は、尊重と多様を極めた『多数』であった。
〜
『カーリアの女王、レナラが告げる。契約と盟約に従い…同胞たちよ、来たれ!』
ローデイルへと、理路整然と歩む者達がある。
それらは、青き鎧とローブに身を包みし騎士に魔術師。否、それだけではない。
そこにはトロルが在り、ドラゴンが在り、狼たちが在る。
それらは、号令をかけるカーリアの女王率いる、満月の軍勢。
『ラニ。私達も一緒に戦うわ』
完全に正気を取り戻したレナラが、リエーニエ地方を再び統一し編成した、かつてラダゴンと戦いし蒼き軍。
『さぁ、トープス。あなたも』
「わ、私が魔術指揮官など恐れ多いが…!女王の期待に応え、我が永遠の先達、フリーレンを救うためにも…!」
そこには、楽園を救わんとする縁があった。
「我が父祖ゴッドフレイよ!我等はいよいよ帰ってきた!この黄金の麓に…!」
「口はいい、手を動かせゴドリック」
「おぉ、カルデアの者らよ!いまこそケネス・ハイト並びに私が見いだした王、ネフェリ・ルーが参るぞ!」
リムグレイブの軍勢達。ゴドリック…否、ネフェリ・ルーを新王に迎えし新生ゴドリック軍が加勢に現れる。そこには、かつて始まりに出会ったケネス・ハイトの姿もあった。
「もはやこれは冒涜の戦いではない。我等の尊厳を侮辱した黄金に仇なし、大恩在る彼女らに報いるための戦いだ」
ゲルミア火山館。冒涜の道を行くはずだったライカードの軍勢も姿を現す。指揮するは、タニス。ライカードの妻。
「人助けのやり甲斐のある世界!壊させる訳にはイカンな!」
「最後に挑む相手が、世界を滅ぼす炎か。…悪くない。」
大羊のトラゴス、そしてベルナール。
「こんな鉄火場は、本来御免なんだが…」
「頑張ってください、パッチさん!」
「しょうがねぇ、死なない程度に頑張りますかね!」
ラーヤ、パッチを始めとした冒涜の道を行く背律者達もまた参ずる。
「我等が赤獅子、ラダーンは蘇った!!再び彼と共に、苛烈なる戦に身を投じる時である!!」
「「「「「「「「うおおおおおーーーーーっっ!!!!」」」」」」」」
覇気漲る、ラダーンの赤獅子軍。ジェーレン率いる真紅の獅子たちが唸りを上げ。
「「「「「「我等貴腐騎士!マレニア様の為、今こそ刃を捧げん!!」」」」」」
マレニアを信じ、付き従う貴腐騎士もこの戦場に来たる。
彼等はかつて破砕戦争で壮絶なる死闘を繰り広げた者達。
不倶戴天なれど、彼等はリッカ達に力を貸すという共通の目的の下に一つとなったのだ。
「全て、敵か」
「はい。アンスバッハ氏も既に参戦している様です」
「狂える火………諸共に切り捨ててみせようぞ」
血の君主、モーグ。その王朝に所属する者たちもまた、モーグの命により集いし、修羅の翁。並びに、竜騎士エレオノーラ。
「怯むな!黄金樹の加護と守護を担うものとして戦えーっ!!」
マシュと最初に出会った、ツリーガード率いる近衛部隊。
『─────』
そして復活せし、誰にも姿を見せず、誰にも語らぬ祝福王、モーゴット。
彼は報われる事も望まず、祝福されることも望まない。
ただ、ひたすらに愛する黄金樹とそこに生きる者達の為に殉ずるのみであった。
狭間の地における勢力が、戦力が、垣根を越えて一堂に集結する。
だが、力を貸す者達は狭間の地のみには決して留まらなかった。
「メスメル、大丈夫?」
「あぁ。レラーナ。……忌むべき炎を宿せしこの身なれど、今はただ黄金樹と…母の為に」
メスメル。禁断の火と蛇を宿せしかつての宵の女王から生まれしマリカの子。彼と有翼の蛇を現すメスメル軍も、影の地より加勢に現れる。
『兄さん。来てくれたのね』
そこに現れしは、メリナ。同じく、メスメルの妹たる存在。
「メリナ。……君の使命は…」
『いいの。世界は変わる。私達も、新たなる生き方を見出さなくてはならないのだから』
言葉少なく頷き、メスメルはレラーナらと共にその炎を振るう。
彼にとっての今成すべき事は、全てを焼き尽くす聖戦ではない。
自らは確かに、母の愛の中にいたことを伝えた者達へ報いる為。その為の戦いを、成し遂げんとしているのだ。
「皆も、頼んだぞ」
メスメルの号令と共に、影が如き軍団が跪き、頷く。
【【【【【【はっ!!】】】】】】
その者らは、かつて影の城にて治療されていた巫子達。
治療は成功し、黒き刃の部隊としてメスメルに従軍することとなった者達。
この場、この期に及んで。全ての勢力が続々と集い、介し、大いなる戦いに打ち勝たんとしてこの地へとやってきた。
本来ならば決して交わることなく、そして殺し合う他なかった者達。
それが今、手を取り合わんが為にローデイルへと集っていく。
それは、エルデンリングの導きでは決してない。
それは、リッカ達の奮闘してきた軌跡の証明。
遥かなる旅であり、ゴールはあまりにも遠かった。
しかし、リッカ達はやり遂げ、今や世界に現れた混沌の火種すらも左右する存在である。
そうであるが故に、彼等はやってきた。
紡いだ絆に報いるために、やってきたのだ。
事実、彼等混成軍はあまりにも突然で、しかし共に戦う事において迷いは持たない。
歪で不揃いな混成。しかし、それは決して綻びはない。
旅の軌跡にて、紡がれた絆という糸。
それこそが、此処にいる者達を強くする。
混沌と破滅の単一。
秩序と再生の多様。
エルデンリングを巡る旅路の総決算たる決戦。
長く、或いは短かったその旅の成果は。
今、ここに大きく結実した。
そして、マリカの願いにより始まったこの旅は今終わる。
全ては焼き溶かされるか。
はたまた、万象を表す虹が包むか。
リッカ達と、狂い火の覇王アスラの戦い。
狭間の地、そして世界の全てを懸けた戦い。
それらは……
終極へと、向かわんとしていた。
ホーラ『ぬううううううううう!!!』
アスラ【オオオオオオオオオオオオオオ!!!】
マリカ「ホーラ…アスラ……」
───マリカ……
マリカ「────エア。あなたに、そしてあなたの王に願い奉ります」
──!
マリカ「私に、少しでも神たる資格と力があるのであれば、どうかその御威光を」
ギル《ほう?》
「全ての神たる、究極にして至高。原典にして頂点を極めし神の力の一端を、この狭間に」
フォウ(それってつまり…!)
───英雄神、マルドゥーク…!!