人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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セフィアラ・フリーレン『まずはラスティ!』

ラスティ「はい!」

『ラニちゃんとの決戦の姿を以て、アスラを…そこに宿る狂い火を徹底的に弱らせなさい!』

ラニ『ほう』

『できるわ。私達の子供と、レナラという傑物が生み、私達の子を夫に迎えた賢明極まるあなたたちなら!』

ラスティ「───了解!」
ラニ『煽てが上手い。私の義母に免じて乗ってやろう。行くぞ、私の王』

ラスティ「あぁ!皆、先んじて待っているよ!」

セフィアラ『頑張ってね…!マリカ、エルデンリングをここに!』

マリカ『アスラの夫だと言うなら、信じよう』

セフィアラ『このエルデンリングは、万象律によりあらゆる事象を内包しているわ。それこそ、生物が紡ぐ愛の全てを!』

フリーレン(あぁ、だから愛)

セフィアラ『愛のエルデンリングに、これまた皆の人生にて溢れる愛をぶつけて!アスラの理性を呼び起こすの!理性が目覚めたあの人は、自分で狂い火を弾き出す!』

ヘラクレス「それほどか」

セフィアラ『でしょ、マリカ?』

マリカ『……あぁ。アスラとは、常に生命の在り方を話した。あやつは、異なるものが生み出す愛こそ奇跡と話していたよ』

セフィアラ『私も同じ!だから、そんな世界ができたなら、狂い火なんてものがいらないって判断してくれる!』

マシュ「成る程!愛には覚えがあります!私達の記憶で良ければ是非!」

ヘラクレス「ヒッポリュテやメガラならば、未だに私は愛している」

ラダーン「我が愛馬への愛なら負けぬ自信がある!!」
ザリア『プルル。フヒン』

フリーレン(別離の愛とかでもいいかな)
セフィアラ『勿論!そしてルゥちゃん様!』

ルゥ『ほい』

『あなたの懐く生命への無限の博愛が、エルデンリングの力を極限まで高めます!』

ルゥ『そ、そう?むふふ、自慢じゃないけど人間への愛なら誰にも負けないよぉ』

フリーレン「エルフは愛されてないんだ…」
ヘラクレス「半神は愛されて無いんだ…」
マシュ「デザインベビーにも愛をください!」

ルゥ『勿論皆大好きだから泣かないでぇ!?』

リッカ「あ、セフィアラ様…ごめんなさいだけど、生まれながらの愛っていうのはその、私は…」
セフィアラ『あるわ、リッカちゃん。あなたを祝福した相手はちゃんといる』

リッカ「えっ…?」
セフィアラ『目を閉じてみて。私には解っちゃうんだから』



産まれてくる子が、健やかに育ちますように。

数多の苦難に負けないように、強く優しく育ちますように。

神の祝福が与えられぬなら、天使の私が。

───ジブリールとして、羽と祝福を込めた言葉が宿りますように。



リッカ「……………!!!」

セフィアラ『まだ受精卵だった頃だから無理もないか。ね?』

リッカ「……ジブリールって天使は、私の生誕を…」

セフィアラ『エルデンリングを叩きつけるのはあなたの役目!今のあなたなら、出来るでしょ?』

リッカ「────はいっ!!」





運命の王、黄金の降臨

【オオオ!!ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!】

 

ホーラに組み付かれ、抑えられしアスラが猛り狂う。

 

「アスラよ、目を覚ませ!お前はそうではない、そうではない筈だ!」

 

背中に乱打を受けながら、焼き尽くされながらホーラは問う。

 

「お前は俺達蛮族を戦士に変えてくれた男だ!理性、矜持、規律!持ち込んだのは、もたらしたのはお前なのだ!」

 

大粒の涙を、ホーラを流す。

 

「そんな大恩あるお前を犠牲にする世界など、俺は認めん!認められんのだ!アスラ!!」

【グオオオオオアアアアアアッ!!!】

 

膝蹴りを腹に突き刺し、アームハンマーでホーラを叩き伏せるアスラ。

 

「ぐぬあああっ…!!」

 

ミケラ、ゴッドウィン。そしてアスラ。連戦を迎えたホーラは限界を迎えつつあった。

 

「諦めん、諦めんぞ、アスラ……!」

【グオオオオオ!!】

 

アスラが首を踏み砕く足を上げる。

 

「マリカの、人たる部分を支えてくれたお前を、断じて…!」

 

【ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!】

 

その一撃が、踏み降ろされんとしたその時。

 

「はぁっ!!」

 

暁の盾が、アスラを押し退けた。

 

「!!」

 

『ゴッドフレイ、人の身ながらよくぞ耐えた』

 

ラニと、その運命の王ラスティが庇い立つ。

 

『あとは、私達に任せろ』

「次代には、あなたも必要なのだから!」

 

「……!」

 

ホーラは確信した。

 

この、アスラの血を引く新たなる王ならば。

 

「────頼む!」

 

大の字に倒れ伏すホーラ。

 

夜の結界を張り、アスラとラスティらは向かい合う。

 

【グウウウゥ………!!】

 

『…………我が母を捨てたラダゴン、ひいては黄金律。マリカを狂わせし大いなる意志。そして挙句の果てには、我が最愛の男の父に宿りし狂い火』

 

ラスティに背負われしラニが、凍てつく。

 

『うんざりだ。いい加減───』

 

ラスティが、武器を構える。

 

『私の愛する者の運命から消えろ……!!』

 

愛にて燃え上がる憤慨をきっかけに、ラスティとアスラは遂に激突する。

 

【ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!】

「!」

 

アスラとラスティは暁の盾を隔て、鍔迫り合いの要領でぶつかり合う。アスラは狂える乱打を、その盾に叩きつける。

 

「無駄だ!」

 

しかし、その暁の盾は狂い火を完全に制御した、真なる狂い火の覇者の証。覇王すら越えるラスティの守護を、アスラは、狂い火は超えられない。

 

【グオオオオオオオオオオオアァア!!】

 

狂い火を、神たるラニの冷気が凍てつかせる。

 

『─────』

 

凄まじい冷気、絶対零度とも呼ぶべきそれは、狂い火の燃焼を燃焼ごと凍てつかせる。チルノの物理法則の極みの凍結とは違う、神威の理。

 

『私の王、ラスティ』

「あぁ!!」

 

ラニが、ラスティの頬に口づける。

 

【ガ、ァ…!】

 

瞬間、二人に異なる変化が起きる。

 

ラスティの行動が目にも留まらぬ程に速くなり。

アスラの行動がみるみるうちに鈍足、停滞していく。

 

【──────!】

 

やがてアスラは、停滞に近い行動の鈍化が起こり。

 

「行くぞ─────!!!」

 

普段の何百倍もの行動速度を誇るラスティの、暗月の大剣の斬撃に切り刻まれる事となった。

 

【───────────………………!!!!!】

 

これぞ、運命の王を得て神となったラニの本領。

 

ラニは神として、『時間』『空間』『物質』の全てを凍結、停滞させる事が出来る。まさに、神の支配する概念を凍らせるのだ。

 

それは神として対象を選択でき、同時に加護を与える。

 

運命の王たるラスティには、氷解の要領で何百倍の行動の速化を。

 

同時に、狂い火を制御し、加速燃料の要領で燃焼したラスティの行動は何百倍も高速化。

 

何百倍もの高速化。何百倍もの鈍足化。相対する速度差は数千倍、数億倍にもなる。

 

それにより生じた行動速度にて、ラスティは暗月の大剣の無尽蔵の光波を通常攻撃の要領で縦横無尽に発射。

 

何千、何万、何億の氷の光波がアスラに巣食う狂い火を凍てつかせ、砕いていく。

 

【グウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!】

 

最早勝負とすら言えぬ程に隔絶した差。

 

これが、運命にて強く結ばれた王と神と、依代として寄生しているに過ぎない狂い火の覇王たる純然たる差。

 

アスラの生命力を燃やして存続しているが、運命の王たるラスティとラニには火の粉一つかすりもしない。

 

そしてやがて、運命は此処に集う。

 

『ラスティーー!ラニーー!エルデンリングの準備が出来たわー!』

 

セフィアラ・フリーレンが声を上げる。

 

『今からリッカちゃんに叩き込んでもらうから!援護してー!』

 

『妥当な判断だ、義母よ。あやつほど数多に愛されし人間を私は知らぬからな』

「導こう。狂い火を払う愛を抱えた彼女を!」

 

ラスティが、リッカの傍に降り立つ。

 

「あの、二人とも!エルデンリングを叩きつける前に、リベンジしていいですか!」

『リベンジ…?』

 

「はい!居合を防がれてしまったままでは、母上に申し訳が立ちません!」

 

ラスティは思い返す。柄を抑えられ放てなかった居合を。

 

『むぅ、母の名誉と言われては私はとやかく言えんな…』

「やらせてあげよう、ラニ。意地があるんだ、女の子には!」

 

「はいっ!!」

 

拳を重ね合わせ、エルデンリングを保護し鎧を纏うリッカ。

 

『アスラさん!あなたのお陰で私は──』

【!!】

 

『まだまだ強くなれる───!!』

 

リッカの、雷位による超加速。ラニの祝福を一時的にカットし、純然たる速度の勝負。

 

【ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!】

 

だが狂い火は、アスラは完全にそれを目で捉え追う。雷が齎すストリーマー。先走る電撃がアスラに居場所を教えていた。

 

『はあああっ!!!』

 

居合の構え。

【ガアアアアアアアアアアアアアア!!】

 

再び抑えるアスラ。

 

しかし。

 

【!!??】

 

鞘に刀身が────

 

無い。

 

『天照神楽────!!』

 

そう。これは居合ではない。

 

【!!!!!】

 

雷位を全身に乗せ、高速で移動。

 

そのまま敵の懐に入り、円環する神へ捧げる神楽の如き二刀流の斬撃。

 

リッカの奥義は、居合のみではない。

 

リッカは決して、習得で満足していない。

 

奥義とは、習得がゴールではないのだから。

 

彼女は磨き上げた。二人の母からの愛を。

 

頼光の護り刀が果たす武。

 

天照皇大御神が授ける神威。

 

そして、日の呼吸を託した剣士の薫陶により──

 

それは、成った。

 

『稲妻舞踊!青天霹靂────!!!』

 

高速縦横無尽による、捕捉不可能の雷速斬撃。

 

【グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!】

 

狂い火を過たず斬り刻む、神威の斬撃に、アスラに宿る狂い火は断末魔を上げる。

 

居合は防がれた。

 

ならば抜き身で、雷速のまま、無限に繋がる舞踊を攻撃に転化する。

 

自身の敗北は、カルデアの…自らを愛してくれた全ての敗北。

 

それ故に、彼女は負けないのだ。

 

人間とは、自分より大切なものを得た時…。

 

『はあああああああああーーーーーーッ!!!!』

 

誰よりも強くなれる生き物なのだから。

 

『ぐっっ!!』

 

だが当然、そんな超越絶技は反動も居合の比ではない。

 

『げほっ────!!』

 

吐血し、足が止まる。

 

【グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!】

 

瞬間、狂い火の覇王が迫りくる。

 

『────!?』

 

しかし、その一撃は──。

 

【!?!?!?】

 

『リッカの背後に生えた、三対の橙色の翅』が、彼女を護るように弾き返し。

 

【ガ──────!!】

 

ラニがアスラの手足を凍結させ。

 

『リッカ!』

「今だ───────!!!」

 

ラスティが彼女を抱き支え。

 

『うおおおおおりゃぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!!!!』

 

渾身の勢いで、エルデンリングを────

 

【ガ────────】

 

アスラの胸に、叩きつけた。

 

 

 




──────この記憶は。

この、数多一人一人が紡ぐ記憶は。

エルデンリングのものか?

そこに宿る、生命のものか。

あぁ、そうか。マリカ。

成ったのだな。貴女の本当の願い。

無限の豊穣と、健やかな生命の繁栄。

生命は、自分でない誰かを愛せるようになった。

ホーラも、その子供たちも。

───運命に出会えた私も、誰かを愛せたのだな。

ならば、私の役割は此処までだ。

狂い火はもう必要ない。

私に宿ったことにより、狂い火は『受肉』した。

打倒できる。

だが、皆は優しい者たちだ。きっと私を助けようと無茶をしているはずだ。

女神の声『そうよ、あなた!』



女神の声『お願い、自己犠牲なんてやめて!異なるあなたで、別人だとしても関係ない!』

この声は……

『あなたが死んでしまうなんて、絶対に嫌よぉ…!』

……聞き覚えがないのに、何故だろう。

とても、愛おしく感じるのは。

神と王『「…………」』

………!

神『帰ろう。我が誇らしき義父よ』
王「最早、犠牲の上に成り立つ世界は古いのですから」

─────あぁ。

どうやら、異なる世界の自分は。

とても、良い伴侶を娶り。

とても、善き子宝に恵まれたらしい。



アスラ「う……」

ホーラ「アスラ!!」
マリカ『アスラ…!!』

アスラ「ホーラ…マリカ……」

マリカ「あぁ、アスラ……!!良かった、良かった…!」
アスラ「マリカ、君の夫の前だ、抱擁は…」

ホーラ「何を言う!俺がそんなケツの穴の小さい男と思うか!」
アスラ「ホーラ…」

ホーラ「心配させやがって、馬鹿者が!」
マリカ「お帰りなさい、アスラ…!」

アスラ「─────」

「ただいま、友たちよ」

狂い火の悪神【グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!】

アスラ「!狂い火、まだ消えぬか」

マリカ「大丈夫よ、アスラ」
ホーラ「あぁ、そうだ」

アスラ「…!?」


勇壮なる声『パニッシャー!!!コネクトォオッ!!!!』

アスラ「────!」


『レガリオンッッッ!!!パニッシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーッッッ!!!』
黄金の英雄神『GAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッッッ!!!』

マリカ「何もかも……もう、大丈夫だから」

アスラ「──────」

アスラは息を呑む。

飛び込んできたのは、黄金樹を焼き払う巨大さの悪神と。

それより何百倍も、何千倍も巨大な拳を掲げる。

白と橙の翅を6枚ずつ、十二枚の翅を生やせし──。

黄金樹よりも眩い、黄金の神の姿であった。



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