人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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アダム「────あれか!」

ヒカリ「眼下数十メートルー」
ノゾミ「アダム先生、運転席!あそこだよ!」

アダム「グリフォン!」

グリフォン『はいはーい!アダム先生、いつから幼児引率になったの?』

アダム「彼女らは高校生だ。あそこへ!」

アオバ「ひゃぁあ!!化け物ー!?」

グリフォン『まぁ!失礼しちゃうわ!アダム先生、口の利き方ちゃんと教えてよね!』

アダム「勿論だ。今は頼む!」

グリフォン『せー!の!』

アオバ「ひゃあぁあぁぁあぁぁあ!?」

列車運転席

ノゾミ「とうちゃーく!」
ヒカリ「アダム先生、あとでもっかいやってー」

アダム「仕事の後にいくらでも、な。アオバは無事か?」

アオバ「死んでませんか…?」

アダム「生きている。大丈夫だ、問題ない」

アオバ「ふぁぁぁぁ…………」


デスファンミーティング

「よーし!色々あったけど追いついた!」

 

アダムの跳躍とファームのグリフォンの活躍により、遂に列車へと辿り着いたアダム達。こうなれば、ノゾミとヒカリの独壇場だ。

 

「あとはかっとばしてー、スピードの向こう側ー」

「……なんだけど、なんか嫌な予感がするんだよねー」

 

それは天性の車掌の直感か、紡がれた第六感か。ノゾミの予感は的中することとなる。

 

「いたぞ!あそこだ!!」

「かこめ!取り囲め!!」

 

悪路でありながら疾走する、暴走族カスタムを受けたバイクの走り屋達。即座に列車は包囲される。

 

「その積み荷はうちらのもんだ!積み荷を奪い私達が配達する…!私達、キヴォトス・トランスポーター連盟!略してブロロロ連合がな!」

「連盟なのか連合なのかどっちなんですか総長!」

 

「細かいことはいい!大事なのは今なんだからな!そしてこの社会は実績が全て………ん!?」

 

連合のボスが、上空の異音に顔を上げる。

 

「ありゃあヘリか!?」

 

「確か報道部の…!!」

 

「チャンネルをご覧の皆さん!見えておりますでしょうか!事態は混迷を極めております!走る列車!追う群衆!果たしてあの列車の向かう先は天国が地獄か!」

 

そこには、事態を観察…否、アジテートするクロノス報道部のヘリ。

 

「レポートはクロノス、このシノンがお送りいたします!最後まで瞬き厳禁ですよ!!」

 

当然ながら地上波放送。常に列車の位置を中継することとなる。

 

「ヒャッハー!!待ってたぜェ!この瞬間をよォ!!」

「その積み荷はうちらのもんだ!!まるっとあるだけ!置いていきなぁ!!」

 

それに釣られ、やってくるはヘルメット団。騒ぎを聞きつけたチンピラ。事態は加速度的に悪化していく。

 

「ボス!なんだよあいつら!?」

「クソッ!あの積み荷はうちらのだぞ!?」

 

そして空を駆ける、白き軌跡のロケット弾。

 

「あれ?何か飛んできてない?……ロケット弾?」

 

「皆さん!見えますでしょうか!?今ロケット弾がこのヘリに向かって─────このヘリ!?

 

爆散、そして着弾。あわれ爆散するクロノス報道部のヘリ。

 

「ぎゃあぁあぁぁぁぁぁ!!」

「げ、言論弾圧だぁぁぁぁあ!?」

 

「コン!グリフォン!」

 

吹き飛んだ二人を、素早くアダムの眷属たちが回収する。

 

『マスゴミの報いよ、おバカ!』

『これに懲りたら、野次馬はおやめなさいな』

 

「フッ、これ以上ライバルを増やされたら面倒だからな」

 

装甲車にのり、ロケットランチャーを放てしはブラックマーケットの商人。

 

「キヴォトスの勢力図を変える兵器…。アビドス復興を主導するアダム先生との取引材料としてなんとしても手に入れる!」

 

「やるじゃねぇかどわぁぁああぁぁ!?」

 

当然ながらチンピラもライバルな為にブラックマーケットは射撃を行う。ここには敵と、敵の敵しか存在しない。

 

 

「総長まずいぞ!?仲間がどんどんやられてる!!」

「クソッ!ウチは配達業者なんだぞ!?」

 

「どけー!!宝はあたしらのもんだー!!」

 

「我々の取引材料の邪魔はさせん!」

 

三つ巴にも四つ巴にも入り組んだ戦況、その渦中にあるのはアダム達の列車。

 

「パヒャヒャ!いいねいいね、盛り上がってきたねー!」

「れっつぱーりー、いぇー」

 

「言っている場合ですか!?狙われてるのこの列車なんですよ!?」

 

「まぁ落ち着くんだアオバ。トリニティのトップから貰った紅茶でもどうだ?」

 

「アダム先生は落ち着きすぎです!?も、もうすぐゲヘナ自治区に入ってしまいますし…」

 

「ゲヘナ自治区?─────そうか」

 

「も、もしこれに加えゲヘナの生徒まで参加したら……。も、もう荷物は捨てて脱出しませんか………?」

 

「それはダメ。最後まで仕事はやりきるよ」

「仕事も青春もー、途中下車禁止ー」

 

「そ、そんな事言っても……!」

 

「アオバ」

 

その時、ティータイムを終えたアダムが立ち上がる。

 

「この状況を、私は何とかできると言ったなら……君は信じるか?」

 

「え、ええっ……!?」

 

「私は先生だ。生徒は必ず助ける。しかし決して神ではない。故に大人は『助けを求める生徒』しか助けられない。未熟な事にな」

 

アダムは、アオバに背中で問う。

 

「君は諦観を、絶望を、怨恨を超えて───私という『他人』を信じることが出来るか?助けを求める事が出来るか?」

 

「助け、を………」

 

「それは自身の命運を他者に預けるということ。君は…私という『大人』を、信じられるか?」

 

「……………」

 

アオバは俯く。それは全てを見抜いていたからだ。

 

アオバはとうに生きることに楽しみを見出すことをやめている。

 

誰も責任を取ってくれない。誰も褒めてなんてくれない。

 

友達もいない。誇れるものもない。

 

一生を、なんでもない自分で過ごすから。誰も愛さず、誰にも愛されず死んでいくんだと。

 

…………アダム先生に、出会うまでは。

 

「あ、あっ……」

 

 

君の理想という駅に向かって進み出すか否か。

 

決めるのはいつだって、君自身だ。

 

 

この人は………

 

この人は、違うんじゃないか?

 

当たり前の事を『素晴らしい』と褒めてくれて。

 

頑張った事を『誇らしい』と思ってくれる。

 

そんな、いてほしいと思った『素敵な人』なんじゃないか?

 

「わ、私は………」

 

信じたい。

 

裏切られるかも?

 

信じたい。

 

見捨てられるかも?

 

「私は……!」

 

「「私はー?」」

 

変わりたい。

 

変わりたい。変わりたい。変わりたい!

 

「私はっ………!」

 

私だって、この人みたいに…!

 

背筋を伸ばして、胸を張って生きてみたい!

 

「私は!信じたいですっ!『大人』を!アダム先生を!だから────!」

 

その思いは、怨恨や諦観ではない。

 

 

「助けてくださいっ!アダム先生───!!」

 

情熱を以て。アダムが伸ばした手を取った。

 

「────あぁ、勿論だ!」

 

そして、生徒の声を、願いを受け取ったアダムは即ち。

 

「君達の未来を、行き止まりで終わらせはしない!」

 

無敵にして、神をも凌駕する『先を生きる王』となる!

 

「「おおーっ!!」」

 

「見せてやろう。向こう1カ月ラーメン禁止と引き換えに魅せる奥義の一つを!」

 

『アダム!忘れ物だっポよ!』

 

素早く飛来せしは、万物の父たるパパポポ。ミカに預けていたシッテムの箱をキャッチするアダム。

 

『すみません!ロールケーキを食べていたら遅れました!』

 

「アロナ!青輝石12000消費!列車・ミレニアムスペシャル・エンチャント!」

『はいっ!青輝石12000消費!因果掌握、テクスチャー変形!発動!ミレニアム・スペシャル・トレイン───!!』

 

アダムがアロナの力を得て発動せしは、列車の最新形態変形転換。

 

摂理を掌握する青輝石を触媒にすることにより、貨物列車の速度や損害はそのままに、最新防衛機器とフォルムにチェンジしたミレニアム製列車へと姿を変える!

 

「パヒャヒャー!すごーい!!」

「最新機種ー。ガラケーならぬガラトレインー」

 

 

「なな、なんじゃこりゃあぁあぁあぁあ!?」

「オンボロ列車が最新機種!?」

「のぞみかひかりかどっちなんだよぉ!?」

 

『全武装掌握展開!迎撃開始しますね!アダム先生!』

「もしこれが私の『取引材料』だった場合、私は生命を懸けてこれを護る」

 

全ての武装が、周囲に向けられる。

 

「そして!私は生命を懸け、ヒカリとノゾミとアオバの青春を明日へと繋ぐ!」

 

「「おお〜〜〜〜っ!!」」

「アダム…先生……!」

 

「さぁ行くぞ愛しき生徒達!私の愛と決意とラーメン断食の哀しみを込めた清掃列車・ミレニアム・トレイン仮称『ユウカ』!」

 

全てはダイヤと、生徒の未来を守る為に。

 

「全砲門!!一斉射─────!!」

 

ミレニアム・トレインの反撃が始まる…!

 

 

 

 

 

 

 




そして、その頃。

?「行ってくるわ」

?「委員長!?」

?「あそこにはアダム先生が…。私の大切な宝物がいるのだから」

?「委員長ーー!?ああもう!」



『指揮官!緊急事態です!今すぐ鎧を付けて委員長の援護を!』

『何ごと!?』

『ゲヘナの自治区に侵入した愚か者を震え上がらせてください!早く!今すぐ!急いで!!』

『は、はいアコちゃんー!』

『『指揮官』ではなく!【執行官】モードですよ!』

『ヨロコンデー!!』 

列車は……

ゲヘナ自治区に差し掛かろうとしていた。
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