人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
リリス【あら……】
メカジブリール〘!〙
リリス【あなた……】
メカジブリール〘─────〙
リリス【……素敵な学び、あるといいわね】
メカジブリール〘─────〙
〘───リリス……〙
バーヴァン・シー 森と一軒家
バーヴァンシー「ハッ、かなり無茶振りだったのに完全再現かよ。流石は楽園の王様ってわけか。おみそれしたぜ」
ギル「フッ。批評の一つも受け取ってやってもよいのだぞ?」
バーヴァンシー「するかよ。何かしてもらうだけで有り難いんだ。余計な欲は出さねぇよ。これで…」
───バーヴァンシーちゃん…?
バーヴァンシー「……トネリコ様を擁した雨の氏族は、滅ぼされたんだよ。クソッタレの悪妖精共の手にかかってな。今じゃもう、雨の氏族は名残しか残ってなかった」
ギル「………」
バーヴァンシー「今更妖精國が恋しいだなんて言うつもりはねぇ。あんな國、滅びて当然だ。せいせいすらしてる」
ギル「……だが、根絶や断絶を望んでいるのではなかろう?」
バーヴァンシー「……あぁ。トネリコ様を始め…ビリィ、ホープ、仲間たち。ウーサー様やケルヌンノス様、巫女さま。素晴らしいものもあった。確かにあった国なんだ」
ギル「………」
バーヴァンシー「だから。……だからせめて、少しくらい。クソみたいな國でも、思い出したくもないような國でも。『在った』って事実だけは、雨の氏族の皆様の魔術や生き方を、私が…」
ギル「よい」
バーヴァンシー「!」
ギル「仲間たちと共に語り、共に笑い、共に生きるがよい。救世主が遺したかの国の宝よ。お前には、その資格がある」
バーヴァンシー「……………うん。ありがとう、王様」
───うん!
ギル「それはそれとして。お礼は真心を込めて、相手に届く様に伝えるのが肝要だぞ?」
バーヴァンシー「あー!もう!サンキューな!!!」
──ヤケクソ感謝です!?
フォウ(従うのが根っからのいい子…!)
ビリィ&ホープ 妖精食堂『本格的☆妖精パレス』
ビリィ「王様、本当に有り難い事です!まさかこの様に、自分の店を持つという夢を叶えてもらえるだなんて…!」
ホープ「あなたは皆を笑顔にする王様だと、皆が言っていました!本当に…本当にありがとうございます!王様!」
ギル「ふはは、存分に頭を垂れよ。感謝など求めてはおらぬが、チップとしては悪くない報酬だ」
ビリィ「妖精國の人間の皆は、その発想力と閃きで沢山の宝物を生み出してくれました。…………」
ホープ「それ……人間の皆が書き寄せた料理本、だよね?」
ビリィ「あぁ。人間の皆が、僕に託してくれたんだ。よく分からないものと捨てられたり、落書きされて消えないようにとね」
ギル「……あの救世主めが庇護した1割の宝。貴様らもそうであったな」
ビリィ「あの国は……愚かとすら形容できない過ちから始まりました。罪の歴史、罰の歴史、苦難の歴史でした」
ホープ「……………」
ビリィ「ですが、無かったことにしては反省できません。過ちを繰り返さないため、そして未来に繋げるため。……あの国はあったのだと、覚えておかなくてはならないのです」
ホープ「うん。私も背負う。ビリィが、皆が生まれたあの国を…目を逸らしたくなるような、罪の国を」
ギル「たわけ」
「「!」」
ギル「辛気臭い顔や心持ちでなんとするか。コックは客を幸福にするが仕事であろう」
──ならばこそ!過去の償いではなく、未来の為に腕を振るってください!
ギル「希望に輝く羽根、鍛え抜かれた質実剛健。下らぬ罪悪感などで曇らせるな。これを、王命と心得よ」
ビリィ「は、はいっ!」
ホープ「頑張りますっ!」
ギル「───さて、少しばかり小腹が空いたな」
「「!」」
「どうする?ここに、満足させれば万バズ間違いなしの最上客がいるわけだが…」
「「───はい!いらっしゃいませ!」」
フォウ(回りくどいやつだよ、全く)
──それが、ギルだから!
オーロラ バイクガレージ
オーロラ「ありがとう、楽園の王様。わざわざ、私の為に…」
ギル「それはよい。良いのだが…これに至った心境を尋ねることが条件よ。如何な理由だ?」
オーロラ「……とある、自由な騎手さんから聞いたの。大地を、世界を、自由に駆けることの楽しさと素晴らしさを」
───リッカちゃんの藤丸フレンドの皆様の、おじさんと呼ばれる方の事でしょうか?
オーロラ「……風の氏族。それはいつしか毒を振りまくようになってしまった悪しき忌み名。でも、そういったものから振り切って、駆け抜けることもできる」
ギル「……」
「それを教えてもらったわ。あなたや、皆様に。だから私も…やってみようと思うの」
ライネック「無論整備士として、オーロラ殿の傍らにはこのライネックが!安心なされよ、御機嫌王!」
ギル「フッ、心配などしておらぬわ。妖精共は皆、かつての罪に下を向く辛気臭い者共ばかりであったが…」
────でも、もう下を向き頭を垂れる贖罪はおしまいです!
ギル「運転するのならば前を見よ。心を変えたくば空を見よ。独りが抱える悩みなど、その雄大さに比べれば些末な些事と知るがいい」
オーロラ「!」
ギル「風の氏族。空を自在に吹き渡るは風の特権であろう?」
オーロラ「────はい。ありがとう。本当にありがとう、王様…」
ライネック(な、なんという殺し文句!!は、発想のスケールで……負けた………!!)
──ら、ライネックさん!?
モース『──────』
フォウ(返事がない。ただのモースのようだ…)
ブライド・アルビオン 妖精國の空
ブライド『これは、まさしく。私が生まれた空。ありがとう、王様』
──永遠の黄昏。あの妖精國の地理を再現しろとは中々な難題でしたね…!
ブライド『青い空も、黄昏の空も。私にとって、大切なものです。改めて、お礼を。王様、お姫様』
ギル「ん?」
ブライド『泥に塗れ、腐り落ちていた私に。手を伸ばしてくれて、ありがとう。綺麗な身体と、素敵な名前を、ありがとう』
───アルビオンちゃん…
ブライド『彼方の空へ、飛び立つのなら。私を呼んでください。遥かな彼方へ。遥かな空へ。あなた達を連れていきます』
ギル「──少しは加減しろよ?我等は兎も角、人間共は脆いのだからな」
ブライド『はい。たくさんたくさん、慈しみます。……もう一つ、お姫様にも、お伝え下さい』
──?
ブライド『あの妖精國で、一番美しいのは。アナタでした』
───………!
ブライド『以上です。飛んできます。ペンドラゴンの分まで』
────………
フォウ(……あっという間に、消えてしまった…)
───………遠く、遠く。
行きなさい。彼方の空へ。
高く、高く……。
あの日に出逢った……
妖精國の、至宝の君。
ティターニア&オベロン ウェールズの森
ティターニア『ふふ、再現してくれるなんて思わなかったわ。またこうして、皆でお茶会ができるだなんて』
ウェールズの虫たち『『『『『『わーい!カルデア大好き!』』』』』』
ティターニア『ね、オベロン?いつか幸せに、全てが報われる日が来たでしょう?』
オベロン「……………─────」
ティターニア『……オベロン?』
オベロン「…………───ごめんよ。僕から言えることは、何もないんだ」
ティターニア『…………………そう』
『『『『『あ……………』』』』』
ティターニア『なら…ねじ曲がらない、素敵な本当の時間を。過ごしましょう?』
オベロン「…………あぁ」
「本当に─────」
────言葉もないよ、呆れるほどにね。