人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
ギルガメッシュ「願望機たるものは、道筋なき願いを叶えることはない。曖昧なる世界平和などは叶わぬのと同じ様にな」
初華〘─────〙
ギルガメッシュ「だが、貴様はどうだ?聖杯や願望機を超える根源の有り様。貴様もまた、道筋が必要であるのか?」
初華〘─────〙
ギルガメッシュ「迂闊に奇跡を起こすも考えものよな。言葉も告げられぬとは」
初華〘───………〙
ギルガメッシュ「まぁよい。ならば序で一つ学んでおけ」
「叶える者は、何よりも願いを楽しむのだと言うことをな!」
ニミュエ 罪なきもののみ到れる場所
ニミュエ「あら……抽象的だと思っていたけれど、しっかり再現してくれたのね」
ギルガメッシュ「白々しい事を。あえて要望を抽象的にしたのであろう」
ニミュエ「えぇ、勿論よ。だって、そんな場所の指定だなんて無粋な真似はしないわ」
ギルガメッシュ「……一応聞くが、その心はなんだ?」
ニミュエ「私がいる場所と、彼や彼女が存在する場所…。それならば、別にどこでもどんな場所でも構わないのよ」
ギルガメッシュ「─────」
ニミュエ「愉しみだわ。どんな風に素敵な場所にしようかしら。マーリンと、私の素敵な空間……是非とも楽しみにしていてちょうだい。私の願いを叶えてくれたあなた達には見せてあげるわ…」
───ご、ごくり…
フォウ(やめないか!生理的に無理な光景を想像させるのは!)
ギルガメッシュ《自業自得と言う他無いが……奴が夢魔で一安心よ。全く以て心が痛まぬからな……》
フォウ(永久に仲良くな!クソ野郎ども!)
ウタ ナイショの練習スタジオ
ウタ「あ、あ、あ〜〜……ん、ありがとう!カルデアにもしっかり、こういう場所作りたいな〜って思ってた!」
ギルガメッシュ「エレジアの歌姫が随分と殊勝な催しではないか。大コンサート場などでも一向に構わんのだぞ?」
ウタ「ううん。ここで歌うのはなんていうか、エレジアで歌うものとはちょっと違うっていうか…種類が違うものなんだよね」
───違う、ですか?
ウタ「ここでは大切な人の為の歌を練習したいっていうか…あ、ファンの皆が大切じゃないって訳じゃないんだよ?そうじゃなくて…」
フォウ(親愛だよ、親愛!)
「そうそう、ゴードンさんやルシファーとか、もっともっと身近な人や支えてくれた人に向かって歌う歌を練習したいんだ。シャンクスとか、アイツとか…」
ギルガメッシュ「フッ……皆まで言うな。誰に向ける歌なのかは貴様の胸にのみ取っておくのがよかろうよ」
ウタ「ちょ!なんか誤解してない!?他意はないから!無いったないからね!?」
ギルガメッシュ「ふはははははは」
ウタ「なんだその生暖かい笑いはァ!?くっそ頭に来た!思いっきり歌ってやるからねー!!」
───はい!そのための、あなただけの部屋なのですから!
ギルガメッシュ「ふふははははははは」
ウタ「その笑いやめろォ〜〜〜〜!!」
夜刀神十香 楽園カルデア巡回警備スタジオ
十香「うむ!心から感謝するぞ金ピカ王!私はあるばいととして、警備員を始めることにしたのだ!」
ギルガメッシュ「警備員か。たしかにアルバイトとしては王道かつ鉄板だが…」
十香「任せておけ!確か、来たるべき年末には凄い戦いたる大決戦が始まるのだろう?」
ギルガメッシュ「!」
十香「邪悪な大魔王率いる悪の組織、地獄の軍団……!例え楽園であろうと、内部に敵対者の侵入は避けきれないかもしれない!その時は私の出番だ!どんな敵も、私がやっつけてやる!」
ギルガメッシュ「それは意気軒昂な事だ。英霊共が守護の手を必要とするかは知らぬがな」
十香「それは違うぞ!」
ギルガメッシュ「ん?」
十香「守るべきは生命だけではない。お前達が一生懸命作り上げたもの、生活の営み全てだ!敵を倒すために戦うのではない。大切なものを護り抜く為に戦うのだ!」
ギルガメッシュ「ほう……?」
十香「一生懸命戦えるのは、帰るべき場所があるからだ!帰るべき部屋、家、住処があるからだ。美味しいご飯や柔らかいベッドがあるからだ!」
──十香ちゃん……
十香「お前たちは、皆の帰る場所を一生懸命作ってくれたんだろう?ここにいる英雄達が未来を護るために戦うのなら、私は皆の帰る場所を護るために戦うぞ!」
ギルガメッシュ「────悪くない視座だ。流石は精霊と呼ばれる階梯の事だけはある」
十香「ふふん!そうだろうそうだろう!そして、改めて伝えておこう!皆の幸せを作ってくれて、ありがとう!」
───こちらこそです!どうか皆様の、ギルの頑張りを御守りくださいませ!
零三零光 いつか見た楽園の記憶
零光『わぁー!』
サタナエル【感謝する、王たちよ】
ギルガメッシュ「楽園……汎人類史の原罪の始まった場所であるな。だが同時に、ここは貴様らの追憶の場所であったのだな」
サタナエル【無尽無辺の光が、かつての神と対話していた頃に確かにあった楽園…。そこはかつても今も変わらず、追憶の中では輝いているのだ】
フォウ(殺される前の、思い出という事なのかな)
───………
サタナエル【だが、決してそれは悪い事ばかりな事ではない。慈悲と慈愛に満ちた確かに父は存在していた事を、我々は証明する。証明し続けるのだ】
零光『うん!うん!』
サタナエル【改めて、心より感謝する。よくぞ彼女を…よくぞ、唯一神が遺してくれた無限の光を護ってくれた】
ギルガメッシュ「そうではあるまい」
サタナエル【…?】
ギルガメッシュ「我等は貴様らに手を差し伸べたのみ。その娘を守り抜いたのは誰であったか…」
零光『サタナエル!』
サタナエル【!】
零光『ありがとう!』
サタナエル【────】
ギルガメッシュ「よく考えるのがよい。こやつにとっての光とは、いったい何で、どのようなものかをな」
サタナエル【────そうか】
【改めて…感謝する。英雄王よ】
零光『わーい!』
初華〘────〙
〘……───願いを、楽しむ〙
〘──願いを叶える、道筋……〙