人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
リムベルド 隠された円卓
巫女『夜を渡るため、頼れる仲間がやってきた』
ラスティ「こんにちは。ラスティと言います」
ラニ『暗月のラニだ。私の王を差し置いて夜の王を名乗る不届き者を一匹残らず潰すため、力を貸してやろう』
巫女『……とのことだ。力を合わせ、目的を果たそう』
こうなったのは別次元においての出来事に遡る……。
ラダーン 豪華な馬舎
レナード・サリア『プルルッ』
ラダーン『感謝する!誠に感謝する王に姫よ!!俺は夢見ていた…!世界一豪華な馬舎に!我が愛馬を招き入れる事をッ!その夢が今、叶ったのだァァァァァ!!!』
フォウ(今までで一番テンション高いんじゃないかこの人)
──ラダーン様は、愛馬のサリアさんとずっと共に在る為に重力魔法をお極めなさったとか。それほど、サリアさんを大切にしておられるのですね!
ラダーン『そうなのだ…だが我はデカ過ぎなくらいでかくなってしまってな……だがどうしても幼少より共にあったこのサリアと在りたいと考えた我は、自身がとびきり軽くなればよいと考えたのだ!』
ギルガメッシュ「成る程、頭の良い馬鹿であったか」
ラダーン『星砕きだの英雄だの、成り行きで呼び名は増えに増えた。しかし俺はいつであろうと、この一頭の相棒に命を預け、支え合う為に奮闘したに過ぎぬのよ』
サリア『プルルッ』
ラダーン『真に強き者は、自身よりも大切な何かを持つものである。我が義弟ラスティも、我が半身リッカも、あのマレニアもそうであった。大切なものへの想いが、いつだって限界を超えさせてくれるのよ!』
───自分より、大切なもの……成る程…!
ラダーン『英雄王ともなれば孤高を極めたのだろうが、なんのなんの!最後に勝つのは意外にも泥臭い友情だったりするものだぞ!』
ギルガメッシュ「フッ。そのどちらが正しいかを示すには今暫し時が足らぬ。雌雄を決したいのであれば、愛馬の手入れに精を出しておけよ」
ラダーン『勿論そうするとも!では早速走り回るとするか!!』
サリア『ヒヒン!』
フォウ(良い関係性じゃないか。ボク達も見習っていきたいね、エア!)
───うん!
ライカード 法務部門事務所
ライカード「何か諍い、不和が起きた際にはここに寄るがいい。元ローデイルの法務官として、活路のいくつかを示してやろう」
(凄い圧力だ…!伊達に法務官を名乗ってないな、こいつ!)
───あ、あの…
ライカード「何かな?」
───何故、ライカード様は…黄金樹へと弓引く道を…?
「その事か。我等の尊厳の為だ」
──尊厳……
「エルデンリングは大ルーンとなって砕け、親子異母兄弟に分配され、奪い合う浅ましい生き方を許容される事となった」
肉親同士で浅ましく争い、奪い合い、殺し合うことが望みだと?
何もかもに媚び、王を擁するために血を分けた者同士ですら争えだと?
「私はそれを、納得できぬと判断した。力を浅ましく求め、獣に堕する前に、我等は尊厳を以てマリカを擁する黄金樹に反旗を翻さんとしたのだ…」
───尊厳の、為に…
ライカード「戦いとは、己が誇りのために行うものだ。大なり小なりはあれど、そこは大抵の場合変わらないもの。どうかこれより先において、忘れることなくあってほしい。……とはいえ、蛇に堕した私が言っても、説得力は薄いかもしれないが」
〘─────〙
───いえ、そんなことはありません。貴重な先人の御言葉、謹んで受け取る所存です。
気高いレナラ様の子が一人、ライカード様。本当にお疲れ様でした!
「……ありがとう。そう言ってもらえると、私も幾許か…救われた気分になるというものだ………」
ラニ 星降る夜を臨む丘
ラニ『感謝しよう。部屋は私の王と共通でもあるが故、個人的な趣味にも走らせてもらった』
ギルガメッシュ「暗い月……貴様を象徴するものであったな」
ラニ『そうだ。美しい満月はわが母レナラのもの。私を象徴する月はあの、暗く冷たい暗月といったところだ』
──暗月……
ラニ『かつて、私は母レナラに手を引かれこの丘であれを見たのだ。美しい月、暗き月、双つの月。様々な月の姿をな』
「ほう…」
ラニ『かつて女王たる前の母は星見の者だった。月を見上げ、ずっとずっとその身と足で旅をした。そして満月と出会い、女王となった。この地はその縁のある場所だ』
ギルガメッシュ「どこまでも感傷的なものよ。母との記憶を重んじる乙女と言ったところか」
ラニ『む。……別によかろう。母との思い出は、色褪せぬ貴重なもの。重んじて何が悪いというのだ』
──勿論素晴らしいです!是非ともいつでも、月をご覧になってください!
ラニ『うむ。………しかし、遠いところまで来たものだ。全てを捨てる旅と覚悟をしていたが、まさか末路がこの様に愉快なものになっていようとは』
ギルガメッシュ「旅というものは読めぬが故に愉快たり得るものよ。予想はしてなかったが故に、愉快かつ痛快であろう?」
『…あぁ。その通りだ。私としても、この流れ着いた場所は決して嫌いではない』
───ラニさん…
ラニ『これからもよろしく頼むよ、お前たち。私の王共々、な。存分に当てにし、頼ってもらって構わないぞ』
──はい!是非ともその力と絆、頼りにさせていただきますね!
『ふふ。………さて、私はもう満足した。私の王の要望も、叶えてやってほしい』
「勿論だ。我らも叶える願いはあれば有るほどよいのだからな」
〘────〙
ラニ『全能、根源とやらに繋がった娘か。…酔狂な助言を贈るとすれば…』
〘────〙
ラニ『使命や願いなどは、生きる枷になるようならば背を向けても構わん。己が願いや生き様を、捨て去ることなく歩むが良い』
〘────〙
ラニ『忘れるな。己の生き方を定めたならば、それを護るためになら神であろうと抗うがいい』
〘────(こくり)〙
ラスティ 一軒家
ラスティ「ありがとう、王に姫よ!ところで……」
ラニ(ラニラニラニラニ)
ラスティ「ど、どうしたのかなラニ…?」
ラニ『これを見ろ、私の王』
ラスティ「え?………リムベルドにて、夜の王を殺せ…?」
ラニ『私の王を差し置いて夜の王を僭称する輩が現れたばかりか、よりによって夜の王を殺せときたか。私の前でよくぞそのような言葉をほざいたものだ…』
ラスティ「いやラニ、これは多分別の世界の狭間だと思うんだけど…」
ラニ『だとしても、私の目に留まったのが運の尽きだ。行くぞ私の王。支度しろ』
ラスティ「えっ、支度ってまさか…」
ラニ『我々の手で、全ての夜の王を始末する。私にとって夜の王とはお前一人。その事実を全ての次元に示さねば私の気がすまぬ』
ラスティ「な、成る程…!?」
ラニ『見せつけてやるぞ、私の王。真なる夜の覇者が誰であるのかを……!』
ラスティ「───解った。とことんまで付き合わせてもらおうかな!」
こうしてラニとラスティは、リムベルドの隠された円卓へと向かい。
『夜渡り』と呼ばれる者たちと、夜の王ぶちのめしツアーを始めるのであった。