人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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夏草ラーメン屋

店員「いらっしゃーい!」

謎のヒロインXXX「あ、あの」

『冷やし中華』

「これを、お願いします」

店員「おぉー?あいよ!」



XXX「楽しみです…(わくわく)」

客(なんだあの美人さん…)

客(観光客よね…?)

客「ここの冷やし中華はトッピングもおすすめですよ!」

XXX「あ、ありがとうございます!」

客(夏草でいい思い出いっぱい作ってくれよな…)

客(超美人見れてラッキー!)

騎士王(夏草は優しく暖かくて本当に素晴らしいです…(玉子ポチ~))




夏の始まり〜夏イベントスケジュール〜

「さて、六月もいよいよ終わり、長く暑い夏が始まりますね…。それに合わせ、カルデアにおけるイベント行事も目白押しとなる季節です」

 

カルデアにおける専用執務室。カルデア全体のイベント管理を行い、運用するための全般的業務を担う言わば行事運営と言った様相の部屋に、麗しき美貌の王がペンを走らせる。

 

「ギルが改築を終えた頃合いには夏が始まると考えれば…、多少の業務はこちらで片付けねばならないでしょう」

 

言わずとしれた騎士王アルトリアが、カルデアの全体業務を監査する。楽園は膨大で有るが故に、規律を有さねば立ち行かない。ギルはそれを騎士王に一任していた。

 

『規則正しいキャメロットを運用していた貴様ならば間違いがあるまい。祭りとは言え器物損壊罪は罰せられるという程度の秩序は齎すのだぞ』

 

騎士王、否。王たるもの祭りの大切さは理解している。彼女は二つ返事でこれを引き受けた。

 

「皆の笑顔が満ちる夏。とても楽しみです」

 

解放されし胸を弾ませながら、ペン回しを行うペンドラゴン。騎士王は王たる精神と花の旅路の少女の心を併せ持つ併せ持つのだ。

 

「やはり一番の目玉は『サバフェス』ですね。運用スタッフを入念に精査せねばなりません」

 

サバフェス。有り体に言えば同人誌即売会即ちコミックマーケット。それぞれがサークルを作り、素晴らしい作品を生で売り込むオタクの祭典なる。黒ひげが聖人君子に見える日。

 

「グドーシがカタログ制作を手伝ってくれて助かりました。列の整理や呼び掛けのスタッフを募集しましょう。会場は…」

 

不思議な事に、これは解決している。なんでもBBがニャルラトホテプに声をかけ、ハワイを丸ごと会場にしておいたとの『事後報告』が届いたからだ

 

「銀河警察とXX、ナイアには声をかけておきましたので、最悪は銀河の藻屑と消えてもらいましょう」

 

『ラスボス系後輩』に無慈悲な特効メタを張る油断なき騎士王。XXはナイアのリクエストでスイートホテルをシェアすることになった際には土下座を披露していた。アルトリアであるため恩義に背くことはないとアルトリアは確信していた。

 

「売店のかき氷やソーセージ……あんなに美味しいのは何故なのでしょう…」

 

ちょっと欲が出た騎士王は慌てて首を振り、企画書を読む。そう、イベントをする際には企画書が必要なのだ。無秩序は自由に非ず。規律なくして歓楽はない。

 

「プリンセス達は無人島を丸ごと一から開拓したいと…?ふふっ、スケールがギルに似てきましたね」

 

写真には、ヘルメット作業服と地図を持ち敬礼するエアの姿がある。大方、他の四人に無茶振りをされたのだろうと苦笑する騎士王。

 

「キャスパリーグは心強いでしょうが、プリンセスにも楽しんで貰わなくては意味がない。ウォーターブリッツ辺りにでも誘ってみましょう」

 

浜辺の水遊びは意外と熱中するものです。騎士王は実体験にて確信していた。彼女は浜辺の視察として大抵の夏場遊びは把握済みである。

 

「一汗かいたあとのかき氷焼きそばは本当に最高です…」

 

屋台に思いを馳せながら、さらなる企画書を読み上げる。すると騎士王は、一つの企画に目を留め眉を潜めた。

 

「イシュタル主催、レースイベント。グランドマスターズ親睦グランプリ、コースとマシン部品一部は当女神が負担…?」

 

騎士王は警戒する。イシュタルと言えば散財奔放放蕩なギルの天敵。それがレースで自腹を切るという行動そのものに。

 

「恐らく善意の嵐で皆を巻き込むのでしょうが……神視点の善意故に無下にはできませんね…」

 

エルキドゥ、ケツァル・コアトル辺りに要請を申請し、認可する。何であれ、やらせもせずに疑うはフェアでは決してないからだ。

 

「まぁ、ある意味でギルを最も笑顔にさせられるのは彼女ですし…きっと素敵な催しになるでしょう」

 

そう信じて。彼女も大分緩めな裁定を下すくらいには人の心を有していた。

 

「…そう言えば、ギルは私にもイベント開催権をくれましたね」

 

ふと、思い至る。No.2、秩序・善の王たる働きを評価し、騎士王にイベント開催の裁定権をギルが与えていたことを彼女は思い出す。

 

「そうですね…いっそのこと、我が高機動型大広間エハングウェンを解放し、ラスベガスカジノのような空間を展開するのも面白いかもしれませんね」

 

騎士王が持つ宝具、輝ける大広間。それを改良すれば、夏の海に浮かぶ輝ける水陸両用空間が展開できる。

 

「誰もが笑顔になれるラスベガス…。それを私なりに再現してみるのも良いかもしれません。モルガンやCCAにも声をかけてみましょうか」

 

建築やクラフトであるならば、彼女らの右に出るものはない。騎士王は彼女らの手腕を高く評価していた。

 

「そうだ。モルガンには特異点クラスの運用管理を任せてみるのも良いかもしれません。彼女ならば、誰よりも素晴らしいリゾート空間を作り上げるも夢ではないはず」

 

キャメロット・オークニーという自らの國を手に入れたモルガンは、日夜騎士王の下に赴きそれを自慢しに来るマメさを見せている。キャストリアとCCAは未だ未開拓領域があるオークニーの調査隊を任命し日夜冒険の日々だ。

 

幻想種やら神獣やらが当然のようにいるため『ヤメロー!シニタクナーイ!シニタクナーイ!』と日々叫ぶキャストリアとCCAの、労いにもなるだろう。

 

「それに、妖精騎士も円卓が出来るくらいには増えました。一堂に介すもまた一興でしょう」

 

楽しそうですね、採用。ビリィの料理は妖精の財産ですと鼻歌を歌う騎士王は軽快に印鑑を押す。

 

「そう言えば、赤い外套のアーチャーが言っていましたね。『夏と言えばキャンプ。─────付いてこれるか』と」

 

背中を見せる立ち絵がある別格のサーヴァント、エミヤの企画書。海もいいが山でキャンプし、自然に触れるもまた一興とレポート用紙5枚分の熱量を騎士王は評価する。

 

「昭和という古の時代を知る彼の知見はとても得難いもの。是非皆を導いてもらいましょう」

 

ちなみにこれを聞いたエミヤは「昭和は最近だ…最近だよ…?」と遠い目をしながら曖昧な表情で沈黙した。騎士王は時の流れが分からない。

 

「ひとまずカルデアでの把握業務はこれくらいですが…恐らくきっと、アドリブで増えていくでしょう。計画は、余裕があるくらいがちょうど良いものです」

 

一息付き、騎士王は立ち上がる。長く美しい金の長髪が、鬣の如くたなびく。

 

「私には知らなくてはならないことがあります。騎士王として…誠心誠意、夏に向き合うことと致しましょう」

 

夏における楽しみ。それは泳ぐことや遊ぶことばかりではない。

 

「では……」

 

そして彼女は変化する。ヒロインXの姿を借りた…

 

「夏の始まりを、体感しに行きましょう」

 

ヒロインXXX。幻のサーヴァントたるその姿にて。

 

彼女は一人、とある場所へ向かうのだった。

 




夏草

『冷やし中華はじめました』

騎士王「始まったのですね…」



騎士王「ひ、冷えているのに麺!美味しい!」

店員(どっかのお忍びの王族様か…?)

店員(サービスしてあげようか)

一人、最近ハマっている食べ歩きに精を出すアルトリアであった。
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