人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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キャメロット・玉座

モルガン「キャスター・アルトリア。キュー…いえ、チープ・キャスター・アルトリア」

キャストリア「なんですか陛下ー、急に呼び出しちゃってー」
CCA「なんで言い直した?なんで言い直した?」

モルガン「ギルガメッシュが民のため、改築に精を出しているのは知っていますね?その際、こちらに『島の開拓の舞台』を見つけるよう達しがありました」

キャストリア「ロイヤルのみんながやるんでしょー?バイタリティすごいなー」

モルガン「というわけで、お前達に任命します。張り切ってクラフトできる島を探してくるように」

キャストリア「………え?」
CCA「は?」


改築番外編〜未知と希望のオークニー〜

【ブギィイィイィイィイィイィイァァァァァァ!!!】

 

「「ぎゃあぁぁぁあぁあ!!!」」

 

キャメロット・オークニー。異聞帯から派生し、異聞世界となった『未知の領域』。その領域はブリテン以上に広く広大で、神秘と未知があふれる場所。

 

「CCAさんアレアレ!聖剣魔術でなんとかしてよー!!」

 

「えぇい、切り札の聖剣魔術をこんなところで使う羽目になるとは!あんな野蛮なイノシシごときにぃ!!」

 

モルガンすら把握しきれていないその広大な領域、そこには未知の宝や物質、開拓されていない土地がある。それらを見つけるため、定期的に調査隊が結成されているのだ。

 

一人、キャスターアルトリア。

 

一人、CCA。

 

「くらえ聖剣魔術!エクス………!!」

 

「出るか!CCA必殺の聖剣魔術!」

 

「カリバーーーーーーーーー!!!」

 

【ブモォオォオォァァァァァァ!!?】

 

「それいつもどおりのぶっぱじゃーーーん!!」

「勝てば良かろうなのだァァァーーッ!!」

 

 

以上の少数精鋭の二人による、幻獣魔獣対決からの愉快な開拓により、日々キャメロット・オークニーは拡大と繁栄を続けていたのであった。

 

 

「ん〜!霜降りイノシシとは中々に気が利いてますねぇ!倒した甲斐があったってものです!美味し美味し!」

 

「びっくりしたー!ホントに美味しかったんだもん!野生動物なのに霜降りって!」

 

「仕事柄の役得ってやつですよホントに!姉さんに土産しつつ自慢してやりましょうね!」

 

撃破したイノシシを豪快に食べつつ、CCAは御満悦だ。素早く聖剣魔術にて、寝床を確保する。

 

「さぁ寝ましょう!見つけるの島だし!」

「う、うん!じゃあ失礼して…」

 

テントの中身は全天式ハイテクテントであり、空が寝転がりながら垣間見える。満天の星空を臨む、天然のプラネタリウムだ。

 

「はぁ……姉さんの國は綺麗だなぁ…姉さんの性格はそうでもないかもだけど…いや、素直な時は可愛いのに勿体ないなぁ…」

 

CCAも任命された際は『ヤメロー!シニタクナーイ!』だったものの、やってみれば聖剣エクスカリバーを杖にした聖剣魔術で大抵のエネミーを退けるCCAにくっつき、キャストリア行動を共にする。

 

「CCAは…」

 

「ん?」

 

「モルガンの事、好きなんだね?」

 

「え?そりゃまあ、姉さんですし?」

 

CCAは言うなれば、モルガンを招き円満にブリテンを終わらせたアルトリア。星王ならではの歴史と余裕を、其処に宿らせている。

 

「情け無用で負けず嫌いで容赦が無くて、料理下手だけどそこもまた可愛いっていうか!だめな姉ほど可愛いっていうかー!」

 

「あはは…」

 

それ聞かれたらまた一悶着ありそうだなぁ。曖昧な笑みにはそんな意味が含まれている。

 

「それと、聖剣魔術って何か聞いても良い?エクスカリバーを…杖に、してるの?」

 

CCAが振るう聖剣魔術。どこの世界にも介在しない独自の魔術。魔術触媒にエクスカリバーを使うそれを、CCAに尋ねるキャストリア。

 

「あぁ、これが気になる?そうそう、杖なの!エクスカリバー!エクスカリバーって、星の内海で鍛えられた神造兵器でしょ?要するにこれ、人の願いと想いを刃にしてるわけ!」

 

「それは確かに、理屈としては間違ってないかも…」

 

「要するにその願いと想いを映し取って、願望や魔術を呼び起こす触媒として振るうのがエクスカリバー!どう、この最高の着眼点!姉さんもそれはそれはビックリしたってもんよ!」

 

呆れてたんだろうなぁ…と出てきた言葉を呑み込み、思い返す。

 

キャメロットでもモルガンとCCAは言い争いや競争が絶えないが、それは決して険悪なものではない。

 

キャストリアは、モルガンとは不倶戴天であった。楽園の妖精であり、悪の女王と運命の子。そういった、交わらぬ関係。

 

羨ましい、というわけではない。わけではないのだが…。皮肉なことにその景色が最も『理想の世界』を感じられるものであるとキャストリアは思う。

 

「……できるかな」

 

「?」

 

「私も、ああいうの…この夏で出来るかなぁ?」

 

予言の子、運命の旅路。決められたレールを進んだ道。

 

サーヴァントユニヴァースに拾われてから色々変な事にはなったものの、それでもその道に憧れはある。

 

誰かの為の生き方じゃなくて。

 

自分や、皆のための楽しみを追求するような。

 

そんな、当たり前の生き方を。

 

「そりゃあ出来るでしょ?」

 

CCAはそんな当たり前の悩みを、当たり前のように肯定する。

 

「誰かを幸せに出来る人は、誰よりも自分が幸せな人なんだから。それが皆を幸せにできる王道ってやつですよ!」

 

「…!」

 

満面の笑みの肯定。それはキャストリアの細やかな願いを暖かく、力強く押した。

 

「ていうか幸せになる権利とか誰にでもあって当たり前だし!キャストリア、もう充分誰かの為に生きたでしょ?自分勝手になっても誰も文句言わないって!」

 

「〜……」

 

「なんから星王の私が太鼓判を押してあげましょう!エンジョイ勢のみ、通るがいい!ってね!」

 

その自信に満ちた言動は、まさに姉モルガンとおなじく似通ったもの。

 

「…ふふっ、変なの」

 

話していて、気安い友だちみたいなのに。

 

発する言葉は、王様そのもの。

 

そんなだから、妖精國でもキラキラした輝きだったんだなぁと。キャストリアは思わず笑ってしまう。

 

そんなだから……

 

冬の女王の、春になり得たのだと。

 

「さーて、もう寝ますよ!あの姉の無茶振りに笑顔で応えてあげるのも、出来た妹王の務めでもありますから!」

 

おやすみなさい!そう布団にバタンと倒れ寝息を立て始める愉快な王様に、キャストリアも倣う。

 

「…口では色々言っても、やっぱり…」

 

お互いがお互いのこと、大好きなんだなぁ…。

 

そんな、自分にはいない姉妹の喜びをお裾分けしてもらいながら…

 

彼女もまた眠りにつく。

 

その寝息と寝顔は、とても穏やかなるものであった。

 

 

そして、二人は辿り着く。

 

「聖剣魔術で、雲海を飛ぶこと幾星霜……!」

 

(飛べたんだ、聖剣って…!)

 

そこには、浮遊する島の群れ達。

 

「私達は辿り着いた…辿り着いたんです!!未知なる領域に!」

 

天空の島とも呼ぶべき、未開拓の列島を。

 

「CCA!これ!」

 

「はい!!」

 

「「私達はやったんだーーーー!!」」

 

瓜二つの顔の、夏の為の改築派遣隊。

 

その苦労は今報われ、歓喜の咆哮を上げるのだった。

 

 

「ちなみに、聖剣魔術の本質は『人の領域を切り拓く』でもあるからどこでもいけますよ!」

 

人を斬るだなんて誰にも出来る。

 

命と未来を切り拓く為に、この杖はある。

 

そう、CCAはキャストリアに語る。

 

 

 

 

 




番外編

ナナイロイモムシ(うねうね)

CCA「姉さんへのお土産も兼ねて、ゴクサイチョウのイモムシをプレゼント!くらえーー!」

ツルッ

ベチャ

ウワァァァァァァァァ────!!

顔面に受けたCCAの悲鳴はカルデアのフリー素材になった。


カルデアブティック

キャストリア「これ、似合うかなぁ?こっちがいいかなぁ…?」

キャストリアは、こっそりとファッションショーを開催した。


──そしてロイヤルズ達に、未開の列島が献上されたのは言うまでもなく。

そこが彼女らの、夏の舞台となる未知のエリアであった。
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