人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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改築がクライマックスを迎えた同時刻。

ディーヴァ『はい、リッカ。今日のスケジュール表ね。タイムラインでカルデアの店舗情報も用意したから確認してね』

リッカ「ありがとディーヴァ!ホント、ディーヴァが端末に来てくれてからサクサクスイスイ情報強者だよ〜!」

ディーヴァ『ふふん、そうでしょうそうでしょう?うたうは丁寧すぎて時間かけちゃうのがネックだけど、そこは私、そつがないってヤツよ。ガンガン頼りなさい?』

リッカ「うんっ!これからも…、ん?」

『プレゼントボックス』

リッカ「あれ?これもディーヴァが用意してくれたの?」

ディーヴァ『あら…?おかしいわね、そんなの用意した覚えは…』

プレゼントボックス『はーい♪この度は『ウィルスバスター・インプモンキャンペーン』にご当選、おめでとうございまーす♪』

ディーヴァ『は!?』

インプモン『ハロ〜♪はじめましてかしら?あたしはインプモン!デジタルモンスター縮めてデジモン!のインプモンよ、よろしく♪』

ディーヴァ『デジモン……?』

リッカ「インプモンだーーーーー!!」

ディーヴァ『あ、知ってるの!?』


OK召喚〜電脳世界からのギフト?〜

「改めまして…と。自己紹介はちゃんとね♪あたしはデジタルワールドからこっちの世界にやってきたデジモンの一匹、孤高のウィルスバスター、インプモン!レアな♀のインプモンよ、よろしくね♪」

 

リッカの端末に突如としてやってきた『デジモン』を名乗る生命体、インプモン。飄々さと軽薄さ、淫靡さを感じられる振る舞いで、ディーヴァとリッカへ投げキッスを飛ばす。

 

『デジモンデジモン……検索結果……あ、これね!検索結果を展開して、と…』

 

 

デジモンとは、「デジタルワールド」と呼ばれるコンピュータネットワーク上の電脳空間に生息する生命体の総称。

 

『電脳核』(コア)と呼ばれる核を中心に、電子ワイヤーが輪郭を作る骨組み、テクスチャが表皮となって構成されている。

 

『デジモンテイマーズ』では、他に粒子が擬態した擬似タンパク質や、バラバラな遺伝子構造によって構成されていると説明されている。擬似タンパク質が解かれて粒子に戻ると、現実世界では存在を維持できなくなり、飛散してしまう。

 

元がデータで構成された生命体であるため、周りから吸収する情報量はとてつもなく、それらを用いて現実の生命体が数世代かけて行う『進化』を一代で可能としているのが最大の特徴。体重の単位もその特性に倣い『G(ギガ)』を採用している。

 

精神の成長も早く、赤ん坊のようだったデジモンが僅かな間に鮮明な思考を得ているケースもある。

 

また、デジタルな生命体故か、『アドベンチャー』では現実世界に出現すると電子機器に影響を及ぼしたり、『セイバーズ』では電化製品を媒介にしてリアライズしていた。また、セイバーズでは人間の情念に引き寄せられてリアライズする特性があると語られた。

 

その反動故か寿命が短く、液晶玩具では長く生きる事はないとされている。

 

 

「そうそう♪で、あたしはそんなデジタルワールドから飛び出して、現実世界のカルデアっていう場所のアンタたち相手に売り込みにやってきた先見の明に溢れたインプちゃんってこと!」

 

 

彼女はインプモン。

 

悪魔の子供のような姿をした成長期のデジモン。

悪戯好きで、相手が困る姿を見るのを楽しみにしている。

 

また、インプモンが現れると、電気製品が一時的におかしくなると言われており、電気製品の画像が乱れたり動かなくなるのはインプモンが悪戯をしたためとも言われる。

 

悪さや意地悪が好きなデジモンだが、決して強い者に媚びへつらうことは無く強い態度で立ち向かう。でも、本当は寂しがりやな一面も持っている。得意技は炎と氷のエレメンタルを召喚する『サモン』。必殺技は、暗黒の炎で敵を攻撃する『ナイト・オブ・ファイアー』

 

 

「あたしの始めた事業はね、雇われのウィルスバスター!皆の大切なパソコン、端末を心強く御守り致します、的な職業で社会奉仕を行います、ってね♪勿論、報酬は要相談だけど?損はさせないわよ〜?」

 

すっかりリッカの端末に居着いたインプモンは、データ領域をマイルームに変えて寛いでいる。

 

「インプモンっていうと……ベルゼブモン!?」

 

「げっ…」

 

「ベルゼブモン!ベルゼブモンになれるのインプモン!?メスなのに!?ベルゼブモンになれるの!?」

 

リッカは大興奮のままにインプモンに端末越しに詰め寄る。

 

ベルゼブモンとは七大魔王の『暴食』を司るデジモンであり、リッカはそのビジュアルが大変に好みであるのだ。

 

二丁拳銃、ライダースジャケットにバイク。男のロマンが詰まったその見た目が、リッカの好みど真ん中のビジュアルをしているのである。

 

『で、どうなの?そのベルゼブモンとかにはなれるの?』

 

「なれるわけないでしょ、ベルゼブモンになんか!なるのは別よ、別の姿!」

 

「「別の姿?」」

 

「そう!グラマラスで、魅力的でぇ、スタイリッシュで、華麗で素敵!そんなビジュアルの進化体を、あたしは持ってまーす!」

 

おぉー!とリッカは大興奮するが、ディーヴァは中立的な観点から疑念を崩さない。

 

「それって俗に言う『究極体』ってやつじゃないの?なんでそんな強いあんたが、態々カルデアに来るわけ?」

 

「あー、気になる?気になっちゃう?」

 

「気になる!」

 

「教えなーい♪」

 

コイツぅ!!ゼロワンドライバーを持ち出すディーヴァを宥め、リッカはインプモンに話を乞う。

 

「うそうそ、ちゃんと教えるわ。実は最近、デジタルワールドが揺れてるのよ。災害とかじゃなくて、勢力図的な意味で」

 

「デジタルワールド…」

「勢力図…」

 

 

デジタルワールドとは、ネットワーク上に構築された疑似電脳空間である。

 

現実世界(リアルワールド)と同様海や陸地、大気が存在しネットワークの進歩に伴い現在進行で拡大している。『デジモンフロンティア』では惑星のような形状をしているが、公式設定でも同様。

 

デジタルワールドの全てを司るとされるホストコンピュータ「イグドラシル」の下、ロイヤルナイツや四方を守護する四聖獣によってデジタルワールドの管理が行われている。

 

 

「実は最近、デジタルワールドの『漂白』や『消失』が深刻なレベルになってるわけ」

 

「『!』」

 

世界の漂泊、或いは消失。

 

世界そのものを消し去るものに、リッカ達は心当たりがあった。

 

「そのデータは還元されるわけでも、消滅するわけでもなく。その異常事態を、デジタルワールド勢力それぞれのお偉いさんが対処を考え中なわけ」

 

デジタルワールドの秩序を護る騎士たち、ロイヤルナイツ達は各々の判断で原因の究明を開始。

 

デジタルワールドの演算システムを守護する『三大天使』は、カルデアが本当に、自らたちが善なる組織かを慎重に議論中。

 

 

デジタルワールドのパワーバランスを保つ『四聖獣』は、輪廻の輪にすら戻らないデジタルワールドの『昇華』を食い止める為に全力を投入中。

 

「で、しがない流れ者のあたしはひと足早く有望組織のアンタ達と提携を結ぼうって思い至った訳よ!どう?とっても先見の明があると思わない?」

 

要するにこのインプモンは、どの勢力図にも属さないフリーランスのデジモンであり、個別に取引を持ちかけてきたという事だ。

 

「どうどう?あたしを雇って、端末とデータの安全を確保してみない?」

 

『あんたは勢力争いとかはいいわけ?』

 

「べっつにぃ〜?デジタルワールドとかどうでもいいし。むしろあたし、人間達のリアルワールドに来てみたかったのよね!ここでの活動拠点も欲しかったし、悪い話じゃないと思うんだけどな〜♪」

 

ディーヴァがリッカを見やる。

 

ディーヴァが思案するところ、彼女はお世辞にも包み隠さず真実を告げているとは考えにくい。

 

彼女自体が、カルデアを崩すために送り込まれたウイルスそのもの、という点もありうる。

 

『リッカ、よく考えた方がいいわよ。こいつを雇うか、パートナーにするのかどうか…』

 

ディーヴァの忠告に対し、リッカは当然とばかりに頷き手を差し伸べる。

 

「よろしくね、インプモン!これから!」

 

それは、まずは信じる事から始める。

 

それは当然の、リッカの生き方にして信念であった。

 

「────」

 

『あら、どうしたの?リッカは信じてくれるみたいよ?』

 

差し伸べられた手に、目を白黒させるインプモン。

 

「…これが、信頼ってやつね」

 

「うん!」

 

「いいわ、オッケー!だったらこれからよろしくね、リッカにディーヴァ!一緒に頑張りましょうか!」

 

こうして、リッカとディーヴァに新たな仲間、インプモンが加わった。

 

デジタルワールドからふらりとやってきた彼女が何を齎すかは…

 

「さぁて、たくさん働かせてもらおうかしら♪」

 

未だ、知るものはいない

 




インプモン「いずれ会えるのかしら、このカルデアなら。あたしの…」

「【七人の、ターゲット】に。…お手並み拝見と、行きましょうか♪」

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