人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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人形『ラスティ様』

ラスティ「やぁ!無事に来れたね!」

人形『円卓の付属品である私にまでこのようなご厚意、誠にありがとうございます。カルデアでは、ルームサービスの職業をいただきました』

レディ「あなたなら出来るわ。よろしくね」

人形『ありがとうございます!英雄の皆様がカルデアの皆様といち早く馴染めるように、努力してまいります!』

ラスティ「頼んだよ。……君も、是非力を貸してあげてくれ。ボック」

針子のボック「はい、我が王!黎明、暗黒などの衣装の仕立ては是非、このボックにお任せください!」

ラニ『これでカルデアへの土産は十分であろうが…』

〜管制室

ラニ『八神はやて。貴様は『夜天の王』だそうだな』

はやて「ヒェッ!?」


夜渡りの戦士達〜後編〜

〜 無頼漢

 

近海から、強敵を求め円卓へとやってきた海の男。それがこの無頼漢である。

 

筋骨隆々の肉体に、兜と鎧も纏わぬ侠気溢れるその姿で、カルデアへとやってきた。

 

無頼漢と名乗ってはいるものの、結束と絆が無くば生き残れぬ海の男であるため頼り甲斐しかない円卓のメンバーにおける精神的支柱でもあった男である。

 

リムベルドにて『白兜』【黒爪】の伝説を有し、真なる強者が鎬を削る『狭間杯』の覇者でもある。

 

「よう。世界を救う為に戦ってる嬢ちゃんってのはお前さんかい?」

 

彼は全ての戦いを終え、夜の嵐と波を乗り越えやってきた。

 

「は、はい!藤丸リッカです!」

 

「おう、そうかそうか。そいつぁ立派なもんだ。こんなちんまく、細っこいナリでそんな戦いに挑んでるとはなぁ」

 

無頼漢はリッカを持ち上げ、軽々と掲げる。

 

「戦力なんぞは有り余ってるだろうが、お前さんを労い、褒めてやる様な輩はきちんといるのかと思ってな。こうして円卓から抜け出して遥々とやってきたってわけよ!」

 

「おぉ〜…!高い…!」

 

「これからはお前さんがデカい波や戦いを乗り越えるたび、俺がこうして褒めて祝ってやるぜ。派手な頑張りには、ご褒美がなくっちゃな!」

 

海の男の豪快さと、繊細さ。そして強さと優しさを兼ね備える男の中の男。

 

「だからお前さんも、頑張って戦った後は必ず帰ってこい。オレがお前を迎える灯台に、迎える港になってやる」

 

「無頼漢さん……!」

 

「まぁ、こんなヒゲモジャの筋肉ダルマに迎えられてもイマドキの嬢ちゃんは嬉しくないか?わっはっは!そこは笑って許してくれや!可愛いには縁が無いもんでよ!」

 

「いえ!そんな事ありません!また一つ、戦いから帰ってこなきゃいけない理由ができました!」

 

「そりゃあ何よりだ。よろしく頼むぜ!力強くなら、何でもオレに任せておけよ!」

 

世に言う。

 

無頼漢とは、無限に頼れる漢の略なのであると。

 

 

〜 鉄の目

 

暗殺組織『施設』より派遣される凄腕の暗殺者であり、各地に派遣される凄腕のエージェント。

 

円卓に参加していたのも施設よりの指令、仕事の一環であり、弓矢の扱いに長けた暗殺と射撃のプロフェッショナル。

 

「夜と星の王…。かつて神マリカは伴侶として王ゴッドフレイを迎え入れたそうだが、神と王の力があれ程とはな」

 

「鉄の目さん、ラスティ達と戦ったんですか!?」

 

「あぁ。───夜と星、月を統べる神と王など、挑まずにいたら未来永劫後悔すると思ったからな」

 

『それで、結果はどうだったのだ?』

 

「惨敗だよ。いや、勝負にすらならなかったか。弓一つとっても追いすがるだけしか出来なかった。心底、敵でなくて良かったと思ったさ」

 

(多分ラスティよりラニが本気出したんだろうなぁ〜…)

 

「せめて文字通り、一矢報いなくては死にきれんのでな。カルデアにて、彼等に挑むがてら…素材集めに励むとしよう」

 

『うむ!あやつは強いぞ、何せ我が妹が惚れ込みきっている美丈夫なのだからな!』

 

「……それに、このカルデアにも興味があってな」

 

「カルデアに、ですか?」

 

「あぁ。このカルデアには古今東西の英雄が集まり、世界の危機が頻発し、その度に戦いが起こるのだろう?」

 

「は、はい。私達が起こしているわけじゃないですよ?」

 

「そうか。そうだな。やはり、そうだったか」

 

(……!)

 

鉄の目の言葉は平静で寡黙である。

 

だが、リッカはその真意を見逃さなかった。

 

「どの様な戦いでも構わないし、どのような苦難でも構わない。いつだろうと、何処だろうと。戦いには呼んでくれ」

 

「はいっ!」

 

「…失礼だが、ラダーン殿。あんたは最強のデミゴッドらしいな?」

 

『私が自ら名乗ったことは無いが、そういう事になっているらしいな!』

 

「……いずれ手合わせを願おうか。リッカ、君もだ」

 

その目には、ただならぬ渇望と…

 

死合を求める、修羅の如き熱望が宿っていることを。

 

『………あやつ、どうやら我等にも狙いを定めたようだな』

 

「ごくり…」

 

彼の夜は終わった。

 

次は、星々にその弓を射るのだろう。

 

 

〜 隠者

 

暗い赤紫色の魔法使いの装いをした、長い銀髪に黒肌の女性。

 

知識人であり、守護者からは「先生」と呼ばれている。

 

「…………………」

 

(お、大人のお姉さんだ…)

 

その風貌は、ミステリアスで知的、冷徹な印象を周囲に与える。

 

椅子に座り、カルデアのパンフレットを読み耽る姿はまるで一つの絵画のようであり、リッカは近寄りあぐねていた。

 

(あいさつはまたの機会にしたほうがいいかな…?)

 

そう、リッカが思案したその時。

 

「あなたが、リッカちゃん?」

 

「ファッ!?サーイエッサー!」

 

いつの間にか、隠者はリッカの目前にて現れ話しかけてきた。思わずリッカは背筋を正し軍人系列返答を放つ。

 

「あなたが、マスター。カルデアの魔術師。世界を救った英雄…」

 

「え、英雄だなんてそんな!世界は皆で──ふぁっ!?」

 

その時、隠者がリッカを抱き寄せた。大きく豊かな二つの叡智の丘が、リッカを優しく包み込む。

 

「よしよし。偉いね。頑張ったね」

「ふぉっ!!!!?」

 

「私、カルデアの魔術開発部門に行くつもり。礼装とか、魔術とか。色々作ってあげるね」

「ふぉっ!!!!?」

 

「よろしくね、リッカ。よしよし」

「ふぉっ!!!!?」

 

怜悧で冷淡な魔法使いの見た目に似合わず、彼女自身はおっとりとした柔らかな物腰の女性であった。

 

「疲れたら、いつでもこうしてあげるからね」

「ふぉっ!!!!?」

 

『………………………』

『ほほう、これはまた。ラニとは正反対な魔女がいたものだな!』

 

この後、ラダーンを素材に入念に作られた氷像オブジェが飾られていたという。

 

 

〜 復讐者 

 

水色の花冠を付けた白髪が特徴的な、外見は可憐な美少女。

 

【おい、ラスティ】

 

「あ、やぁ。カルデアにようこそ。きっと君もここが気に入る筈…」

 

その時、ラスティに彼女は掴みかかる。

 

【あまり我らを侮るなよ。お前とラニがいなくとも、我等は戦いを、夜を、復讐を果たせたのだ】

 

その目には、複雑な感情を渦巻かせていた。

 

【だがまぁ、復讐はお前達の世話もあり存外に早く終わった。手空きになった分は付き合ってやらん事もない】

 

「そ、そうかい?それは良かった、何よりだよ」

 

【だが、図に乗るなよ。私はお前という王にも、ラニという神にも傅く気はない】

 

殺意と闘志に満ちた声音で、彼女は注げる。

 

【私は私だ。くれぐれも部下や眷属だなどと思い上がり接するな。解ったか?】

 

「それは勿論。私達は、仲間だろう?」

 

【………ふん。見下ろすでなく、肩を並べるのなら許してやる】

 

彼女は夜に、大切なものを奪われし人形である。

 

「何処に行くんだい?」

 

【この組織のマスターとやらに会いに行く。腑抜けているようならば、殺すつもりで喝を入れてやるとしよう】

 

その性格と言動は一言で言えば……。

 

【今のは挨拶だ。お前への敵対ではない。だからラニに言うなよ、呼びもするなよ】

 

「解っているさ。行ってらっしゃい」

 

【…………ふん、解っているのならいい】

 

苛烈なる、一昔前のヤンキーである。

 

その後、巨大なる武器を掲げ部屋に乗り込まれしリッカは大層驚いたそうな。

 

そして浜辺に呼び出され、一対四のタイマンを持ちかけられてお互いに実力を認めあった。

 

それはまるで、河原のヤンキーの殴り合いの如くであったと目撃者は語る。

 

 




執行者 〜

妖刀を使う甲冑姿の剣士。


ゴッホ「ハウッ……?」

執行者『…………───』

ゴッホ「え、エヘヘ。見かけませんが、わかり合える筆捌きです…」

執行者『……………───』

ゴッホ「そ、それ、水墨画でしょうか…。素敵なタッチですね…エヘヘ」

執行者『……………────』

絵を描くのが、趣味であった。
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