人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

301 / 2508
エピローグです!ゆるりとお楽しみください!


「いよいよね・・・各員!配置について!聖杯を解析するわ!時間神殿の座標を割り出すわよ!」

「はい!・・・所長」

「大丈夫よ。・・・何が待っていようとも、止まったりしない」

「・・・」

「リッカ達が帰還し、一日の休息の後に――人理を取り戻す、最後の戦いを始めるわよ――!!」


エピローグ ウルクは、いつまでも健在です!

ビーストⅡ、ティアマト神への、訣別、親孝行作戦の完遂――

 

 

ウルクの存亡をかけたその戦いの終幕、人類の勝利を以て、戦いは終わりを告げる

 

 

人類は七つの特異点を越え、この青き星に歴史を広げるに足る種なのだと、原初の母に証明したのである。――この世界の全てを結集し、討伐することによって

 

 

最早、魔神王への、時間神殿への道を阻むものはない。カルデアの戦いは、最後のステージへ移らんとしていた

 

 

・・・だが、その前に。成さねばならぬ事が残っている

 

 

「さぁ!皆歌え!騒げ!思いっきり声を上げろ!」

 

 

喜びの中で、歌い、祝い、宴を行い

 

 

「「「「「祭りだ――っっっ!!!」」」」」

 

幸福の中で・・・別れを告げる儀式こそ、特異点に幕を下ろす最後の儀式である――

 

 

「さぁさぁ!マルドゥーク印の麦酒だ!飲み放題!飲み放題だよー!!」

 

「今じゃバターケーキ大盤振る舞い!この期を逃すてはないよ!」

 

「怖いばかりじゃない!ティアマト様のミニ粘土!可愛らしく出来たぜ!グガランナ、アジダハーカもあるぜ!寄った寄った!」

 

 

「感謝の花、喜びの華もたくさんありまーす!皆で、・・・ぐすっ、皆でこの気持ちを分かち合いましょー!」

 

「市場!市場で大安売りだ!ガンガン騒げ!俺達は、俺達は生きているんだ――!!」

 

 

歓喜と喜びを表しながら、喧騒でごったがえすウルクの民達

 

そう、今のウルクは滅びを乗り越え、戦い抜いた事を称える大感謝祭を実地している。戦闘都市は今、巨大な祭祀都市へと変貌しているのだ

 

喜びを唄い、生存を喜び、未来に感謝する

 

目に涙を浮かべ、肩を組み笑い合い、合唱を巻き起こしながら、ウルクの民は生を謳歌する

 

「ギルガメッシュ王!ばんざーい!!ばんざーい!!」

 

「マルドゥーク神!あぁ、ありがとう、ありがとう・・・!」

 

「ティアマトさま!私達、頑張るから!一生懸命、生きるから!」

 

「アジダハリッカー!カッコよかったよ――!!」

 

「ブイン族の皆――!!またウルクに来いよ!待ってるからな――!!」

 

口々に、感謝と歓喜の言葉が蒼天の空を揺らす

 

全ては、滅びと嘆きを越えし生命の躍動

 

いつまでも、いつまでも・・・喧騒が収まることはなかった

 

 

それは、宇宙にも響けと言わんばかりの大雑踏

 

――それは、『母』にも捧げられし感謝の宴・・・

 

 

 

ジグラットもまた、大いに、賑わっていた。人の声で、歓喜の声で

 

「ギルガメッシュ王!祭祀所より感謝の粘土坂です!」

 

「ギルガメッシュ王!謝肉です!」

 

「ギルガメッシュ王!マルドゥーク神に捧げられし果実です!」

 

「えぇい!思っていた喧騒とは様相が違うではないか!我はもっとこう、酒と果実をかじりながら楽しむものを想定していたのだが!」

 

激務、軽い激務を片手間にこなしながらギルガメッシュ王が愚痴を漏らす。実際のところ、賢王に休みはない。事後処理、幹事、処理などに追われる日々を送っていた

 

「第二次から第四次会も詰まっております。どうか油断なさらず、過労死はなりませんよ」

 

「わかってお・・・二次会だと!?なんだそれは聞いていないぞ!む、これが企画書か。どれどれ・・・」

 

一通り見通したのち、ギルガメッシュが顔を上げる

 

「我の名前が無いではないか!フッ、このうっかりさんめ。さては書き忘れたな?」

 

「王は無理ですよ。仕事が山積みなのですから。それとも、『次』は不参加となされますか?」

 

「それこそ有り得ん!チィ、有能ワンマン経営と言うのも考えものよな!また整体が恋しくなってきたぞ・・・!」

 

「失礼します!ギルガメッシュ王!」

 

「失礼します!ギルガメッシュ王!」

 

「失礼します!ギルガメッシュ王!」

 

「一列に並べ!!もうよい、我が本気の過労、見せてくれるわ――!!」

 

怒鳴る賢王だが、その顔は重荷を下ろした晴れやかさがある

 

シドゥリもまた、笑顔で王を補佐し続ける

 

彼等を、急かすものはもうない

 

・・・ウルクは、此処にあり。遥かな未来にまで続いていくのだ

 

 

明日も、明後日も、未来の果てまで、永遠に――

 

 

 

・・・場所を変え、カルデア大使館

 

 

「ここともお別れですね。何でも屋女将としては、寂しい気もしますが・・・」

 

荷物をまとめ、退去の準備をしながら、巴が感傷に浸る

 

「ははは、我等は仮初めの顧客ですからな。ですがこう思いましょう。『私達は別れを惜しみながら、役目を果たし退去できる』幸せを掴んだのだと」

 

レオニダス王も兜を脱ぎ、掃除に精を出す

 

「それに。最後の仕上げが残っていますぞ。巴殿。私達の時間を、永遠にするという試みが」

 

「ふふっ、そうですね。では――」

 

「トモエ殿!御覧ください!大使館の飾りとして翼竜の首をずらりと!」

 

「はっはっは・・・はっはっは・・・(苦笑い)」

 

「えぇ、返してきなさい。供養を忘れず、丁重に」

 

「そんなぁ・・・ダメですか・・・」

 

「ただいま壁画描写を終え・・・。修羅場ですか」

 

「ははは、言わぬが華ですよ小太郎君」

 

「くはは!吾は機をうかがい、身を潜めていたが残念だ!ついぞ吾が本領を発揮する日は来なかった!原初の母、おそるるに足らず!」

 

「よくほざくものだ。『しゅてんー!しゅてんー!』と泣きわめいていた小鬼ごときが」

 

「愚弄するか源氏!!」

 

「まぁまぁ、争いは何も生みません。これから行われる儀式もあります。生傷を作るのは止めましょう」

 

「その通り。節度を護りなさい。ラ・トモエナーゲをご所望ですか?頼光様を呼びますよ?」

 

「うっ・・・」

「ぬぅ・・・」

 

「ははははは!我が妻もそうでしたが・・・女傑は恐ろしいものですなぁ!」

 

賢王に呼ばれた勇者たちは、カルデア大使館にて笑い合ったのだった・・・

 

 

 

・・・そして、天の丘

 

「行くのね、キングゥ」

 

ゆっくりと歩き出すキングゥを呼び止める、ケツァル・コアトル

 

「・・・あぁ。僕が奪った生命はあまりにも多い。贖罪と、罪滅ぼしのために、冥界へ」

 

「真面目デース。これは生存競争。過度な背負い込みはどうか思うのだけど・・・」

 

「僕はエルキドゥでもなければ、君達の味方でもない。・・・たった一人の、母さんのキングゥだ。馴れ合いやなぁなぁで終わらすつもりはない」

 

振り返らず、歩き出す

 

「――おめでとうと、言っておいてくれ。旧型にしては、誰もかれも・・・素晴らしい性能だったと」

 

「キングゥ!」

 

後ろ姿を、呼び止める

 

「――グラシアス。あなたを使ったチェーン・デスマッチ、とってもスリリングデシタ」

 

「――君の力を忘れはしないよ。翼ある蛇。内にある感情、迸らせない事だ――」

 

その言葉を最後に、キングゥは荒野へと歩いていった

 

果てしない、大地への贖罪へ

 

果てしない、魂の鎮魂へ

 

ただ一人の、新人類

 

そして――

 

「――幸せに。母さん」

 

心を満たす・・・母への愛を抱きながら

 

・・・それより先、キングゥを名乗る新人類を見たものはいない

 

ただ――透き通るような歌声と、ウルクへの供物が、絶え間なく贈られるようになったという――

 

 

城門、近く

 

「・・・」

 

巨大なるゴルゴーンは、静かに佇んでいた

 

 

複合神性が討ち果たされたことにより、カウンターとして召喚されていたアナ・・・メドゥーサに霊子が譲渡され、誕生したゴルゴーン

 

 

だが、これでは・・・町に入れない。いや、入るわけにはいかない

 

皆を怖がらせてしまうから・・・何より

 

「・・・」

 

・・・自らが、再び人間を怖がってしまうから

 

そう感じ、人知れずウルクから立ち去ろうとしたとき・・・

 

「あら、まだやることは残っているわよ、メドゥーサ」

 

「そうよ。どこに行くの?駄メドゥーサ!」

 

聞き慣れた、いとおしい声に振り返る

 

「姉、さん、たち・・・」

 

「気持ちは解るけど、けじめは通しなさい。きちんとお別れは言うものよ」

 

「そうよ!そんな礼儀もわきまえない女神がいるものですか!ぷんすか!」

 

「でも・・・」

 

こんな、姿では・・・

 

「まったく『おばあさま』からも何かいってあげてくださいな」

 

「え・・・?」

 

姉たちの背後から、メドゥーサに抱えられ、花屋のお婆さんが連れられる

 

「――あぁ。見える。見えるよ・・・お嬢ちゃん、お嬢ちゃんなんだろう?」

 

「――目が・・・」

 

「女神だもの。それくらいの祝福はできましてよ?」

 

「はい。姉様はやればできるのです。ダメージさえ入ればアサシン随一の・・・」

 

「何か言った!?駄メドゥーサ!」

 

「いえはいなにも」

 

「・・・お婆さん」

 

「あぁ、立派になった・・・やっぱり・・・」

 

「お婆さん・・・!」

 

「あんたは、街一番の美人だったねぇ・・・」

 

「お婆さん――!」

 

大きな女神と、女神に救われしお婆さんは・・・強く、優しく。互いを抱きしめあった・・・

 

 

一通りの喧騒が収まり、死の安らぎが満ちる冥界・・・

 

「・・・皆、帰ってしまう。あるべき場所へ、あるべき未来へ。・・・そして、私はまた此処に一人、か」

 

エレシュキガルは、槍を編みながら一人こぼす

 

 

・・・思えば、冥界がこんなに騒がしかったのは初めてだ

 

冥界を行ったり来たりする魂。呼んでもないのに来た王様。お腹を抱えて笑った冥界下り。羽虫みたいなイシュタル。本気の戦い・・・

 

「・・・ふふっ」

 

思い出すだけで、頬が緩む。かけがえのない思い出。その輝き

 

「あぁ――楽しかった」

 

本当に、楽しかった。皆で力を合わせて、御母様と戦って、世界を救って

 

「・・・ありがとう。リッカ」

 

あなたを、忘れない。この私が消えるまで。ずっと、ずっと

 

そして――エア。賢王と似たような格好で、寒そうだったから・・・

 

「風邪、引かないでね。レシピは渡したから、麻婆もきっと大丈夫なのだわ」

 

やることは、すべてやった。あとは――

 

『GAAAAAAAAA!』

 

瞬間、静寂を切り裂く咆哮と共に、黄金の英雄神が姿を現す――!

 

「うひゃあぁ!?何事!?・・・おにいさま?」

 

見たところ、操縦者はいない。自律稼働なようだ。何故、こんなところに・・・?

 

『・・・――』

 

エレシュキガルに、ゆっくりと左手を差し出す

 

そこには――

 

「――!」

 

『風邪を引かないでね』と書かれ、編まれた手袋とマフラー

 

『あなたの頑張りに、敬意と感謝を』フォウくんストラップ

 

その二つが、エレシュキガルに向けて渡される・・・

 

「リッカ・・・エア・・・お兄様、わざわざ・・・?」

 

『・・・――』

 

それだけではない、と言うように、マルドゥークは立ち上がり

 

 

『GuuuuuuAAAAAAAAAAAA――――!!!』

 

咆哮と共に、冥界を自らの権能で満たす――!

 

 

「きゃっ!?これは――!?」

 

瞬間――冥界に変化が起きる

 

寒々しい冥界の温度が、柔らかく暖かく上昇し、

 

芽を育てぬ不毛の泥が、肥沃なる豊穣の泥へと変わる・・・

 

「これ・・・!お兄様の二つの権能・・・!?」

 

マルドゥークの側面、『農耕神』と『太陽神』の権能

 

それを今、切り離し――冥界に、彼女に譲渡したのだ

 

「お兄様――うそ、これは・・・」

 

『――妹よ。血色の華よ』

 

「はひっ!?」

 

マルドゥークの真言が、世界を揺らす

 

『我が半身、冥界を担う一助とせよ。それが、兄たる我の願いである』

 

「御兄様――」

 

これなら、芽が育つ。花が咲く

 

魂が凍えることもない。安らぎが・・・暖かいものへと変わる

 

ネルガルから貰いたかった、太陽の権能以上のものが、ここにある――

 

『(サムズアップ)』

 

「お、お、御兄様~~~~!!!」

 

兄の優しき気遣いに、へたりこみ、ただ涙を流し、感謝を示すばかりのエレシュキガルであった・・・

 

 

そして・・・杉の森

 

「終わったよ、フワワ」

 

エルキドゥがそっと、花束を置く

 

「僕たちは、行かなくちゃいけない。・・・元気でね」

 

「フッ、ラフムとやらを惨殺せし兵器の二面性は強烈よな」

 

からかうように笑い英雄王に、無言のひじうちをかますエルキドゥ

 

「ぐふっ――!」

 

「あははっ。今回の難題、君達がいなければどうにもならなかった。本当に、ありがとう。・・・まさか、こんなハッピーエンドが見られるなんて。たまには、当事者になるのもいいね」

 

(クソの役にも立たないオナニーガーデンが役に立ったレアケースだ。誇れよクズ)

 

エアの柔らかな胸に包まれながら、フォウが舌を出す

 

(役目は終わったんださっさと帰れ。そんで孤独死しろバーカ)

 

「辛辣だなオマエは!・・・最後まで、君はそこにいるんだね?」

 

(あぁ。ボクはエアの為、エアのそばで、エアだけの為に生きる。決めたんだ。――キミが、良ければだけど・・・)

 

不安げに見上げるフォウを、強く抱きしめる

 

――もちろん!ずっと、ずっと一緒!ツーリング!約束だもん!

 

(あぁ、エア――!)

 

「・・・ふぅ。まさか彼が個人にこんなになつくなんて。霊長の殺戮者を操る、姫たる陽の存在・・・実質的に、人類はキミに叶わなくなってしまったわけか」

 

「フン、エアと我に敗北などあるものか。獣などマスコットであるかそうでないかよ。お手」

 

(フン)

 

「ははは、エアよ、きちんと躾はしておけよ」

 

――素直じゃないフォウ!好き!

 

(あっ――)

 

黄金の花弁となり、華の冠をエアにかぶせ復活する

 

(久々!・・・――本気の話。キミは、ボクとコイツが護るよ、エア)

 

――ありがとう。最後まで、ずっと一緒だよ。約束・・・

 

(うん。約束だ。・・・あぁ。この気持ち、この温もりが・・・ボクを変えてくれたんだ・・・)

 

うっとりと、目を細め身体を預けるフォウ

 

「いいなぁ、フォウくん・・・ギル、変わってよ」

 

「変わらぬわ。獣であるから許しているのだ。野蛮な男など、相応しき試練を乗り越えねば見ることすら赦さぬ。最低限半裸の我を討ち果たす武勇を見せねばな」

 

「ははは。心配性だなぁ。ウルクにもいるかどうか・・・」

 

「君も随分と穏やかになったね。その奇跡に祝福を。今の君達が、何処までも続くことを願っているよ」

 

ハッ、と鼻を鳴らす英雄王

 

「無論だ。我は不滅よ。――ヤツが、この世界に飽きるまでな」

 

フォウを抱きしめ、楽しげに浮くエアとフォウを、誇らしく、優しげに。英雄王は見つめていた――

 

 

・・・そして、迫るウルク退去の時

 

 

ウルク、ジグラット前に『全ウルク民』が集まり、その瞬間を洗わず

 

「はい寄って、寄って~!カルデアメンバーはぐぐっと寄るニャ!こらそこぉ!見切れんな駄女神ィ!」

 

「うぅうぅう・・・」

 

ギルガメッシュ二人に挟まれ『私は救い様のない駄目な女神です』と書かれた石板を抱くイシュタル

 

「こんな、こんな筈じゃなかったのに・・・全財産は吹っ飛んで、グガランナは駄目になって、神殿も無くなって・・・あはは、あはははは・・・夢?夢よねこれ。私がこんな酷い目に会うはずないもの。夢よね・・・」

 

「たわけ。逃避は赦さぬ。自らの愚行、愚かしさを骨身の髄まで染み込ませ嘆きを謳うがいい」

 

「ふははははははは!!シドゥリ!何か言ってやれ!いかん!水を持て!これはまずい、命がまずい!予想外の醜態に我、腹筋大激痛よふははははははは!!」

 

「・・・」

 

「シドゥリ・・・」

 

「強く生きましょう、イシュタル様」

 

「が―――――ん!!シドゥリにまで、同情・・・」

 

(当たり前だよなぁ?)

 

「ここに砂鉄とイバラ、ラフムの塵を詰めたのがあるんだけどいる?」

 

「いるか――――!!」

 

「まさか、エルキドゥまでいたとはな・・・勝利は必然であったか」

 

「今頃気づいたのか、バカめ。そんなだから暗殺されるのだ」

 

『あのね、それ冤罪だから!!私は知らないのだわ!!』

 

「リッカ!また必ずルチャりましょウ!」

「グラシアス・アミーゴ!ルチャドーラ!」

 

「・・・・・・」

 

「顔をあげなさい、メドゥーサ」

 

「そうよ、影になって邪魔じゃない!」

 

「おやおや。お姉さんに心配かけちゃいけないねぇ?」

 

「・・・はい。ありがとうございます。皆様」

 

「肉!!そして計算!!ウルクの皆様、どうか頭脳をお忘れなきようにッッッ!!!」

 

「「「「ディス・イズ・スパルタァアァア!!!」」」」

 

「弁慶、暑苦しいぞ。少し離れよ」

 

「・・・」

 

「おい貴様、むさ苦しい。離れよ」

 

「・・・」

 

「おやおや、弁慶の立ち往生ならぬ、弁慶の右往左往・・・なんて」

 

「・・・ふっ、ははははははははははっ!」

 

「小太郎殿、笑えたのですね!巴、衝撃です・・・!」

 

「マシュ」

 

「はい、先輩」

 

「――皆、無事で良かったね!」

 

「はいっ!先輩!」

 

マルドゥークの最新撮影モードが、ウルクの総てを映す

 

「では撮るぞ!此度の戦、痛快至極の大勝利!我等の勝利は最早揺るぎなく!残すは元凶の首のみ!――その事実を噛みしめ!渾身の表情にて映るがよい!」

 

『――エア』

 

撮影の刹那、賢王の言葉がエアに届く

 

『お前の生命の輝きこそ、ヤツの全能を越える輝きである。――全ての悲劇を無用と断ぜよ。その先に、未来がある』

 

――はいっ!

 

 

『では、行きますよ~。はい、いちたす、いちは~』

 

ティアマトの声に合わせ――

 

 

『『『『『『『に~~~~~~っ!!!!!』』』』』』』

 

 

誰もが笑顔となる、完全無欠の結末

 

七つの結末が、今綴られる

 

母の愛を噛み締め、子は、進んでいく

 

 

宇宙の彼方より見守る、母の眼差しを受けて――

 

 

『――――Aaaaaa、LAaaaaa~~~~・・・・・・・・・』

 

蒼き星にて、生命は紡がれていく

 

 

生命は出逢い、紡がれ

 

 

歴史を紡ぎ・・・死を越える為に――




次回予告――


《謳え、エア!!王の名の下に!!》


――はいっ!!今こそ、あらゆる憐憫に訣別を!!


【――馬鹿な、その、姿は――】


最終研鑽――

『――今こそ世界に、誇りある我が名を告げる時刻!』

「えぇえ!?」

『な、なんだって――!?』


『我が真名――慚愧より生まれし獣へ、手向けとして名乗りましょう!――ワタシの名は――!!』


至尊英雄姫エア


『英雄姫――ギルガシャナ・ギルガメシア!世界の総てを認め、信じ、遥かな時空の果てまで寄り添う者也――!!』

――近日、執筆予定

どのキャラのイラストを見たい?

  • コンラ
  • 桃太郎(髀)
  • 温羅(異聞帯)
  • 坂上田村麻呂
  • オーディン
  • アマノザコ
  • ビリィ・ヘリント
  • ルゥ・アンセス
  • アイリーン・アドラー
  • 崇徳上皇(和御魂)
  • 平将門公
  • シモ・ヘイヘ
  • ロジェロ
  • パパポポ
  • リリス(汎人類史)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。