人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「――行くのかい?」


「はい。今こそ、あの愉快な王に返礼を行う時です」


「はい、これ」

『界聖杯』

「君達に返すよ。中々楽しかった。ありがとう」

「ふっ、わざわざ強化用具を返却するとは。奥ゆかしい兵器もあったものよ」

「僕にはもう、望みは無いからね」

――エルキドゥさん・・・

「僕の事も、エルって呼んでいいんだよ?」

――ええっ!?

「ふふ。待ってるからね」



集え、一騎当千・古今無双の輝き達よ。我等は生命を抱き、進むものである

「最終局面だからと言って、気負う必要はない。いつも通り始め、いつも通り戦おう」

 

 

のんびりと、余裕をもってロマンが告げる。その顔に、疲労は見られない

 

 

「余裕ができたな。妻を持ち精神に余裕ができたか?」

 

「まぁね。ぶっちゃけ終わった後の方が大変だからさ」

 

「はいっ♥ふふっ、負けるわけにはいきませんねぇ♥」

 

顔を見合わせ、笑い合う二人

 

「クソァ!クソァ!!」

 

「ムニエル、落ち着きなさい・・・」

 

「落ち着いてます!ドクターに関しては全く責められないから憤っているんです!幸せになってくださいコンチクショー!」

 

ムニエルに生暖かい視線を送りながらも、オルガマリーが場を引き締める

 

 

「・・・今回のレイシフトは少し様相が違うわ。上陸、電撃作戦の形となります」

 

「何か違うの?」

 

「かいつまんで言えば、こっちの基地が殴り込みをかけて、あっちの基地を攻め落とす戦いになるということさ。今までは元凶を倒すことがメインだったけど、今回は城攻め、ゲーティアの討伐、そして、帰還が一セット。遺跡攻略みたいなものだと思ってくれていいよん」

 

ダ・ヴィンチちゃんの補足と見せかけた概要の説明に一同が頷く

 

「ふはは、抜かしおるわ!つまるところゲーティア討伐は前座。帰還こそが主軸と宣うわけだな?これは哀れなものよ!もはや主軸にも添えられぬとはな!」

 

大笑する英雄王。正直な話、彼はゲーティアを大した脅威には見ていない。ただの腐肉に集ったウジ程度の認識なのだ

 

――つまり、今回はマスター、マシュの帰還もミッションの一つ。倒したのちに、帰還すると言うわけですね

 

(そういう事だね。誰も失わない戦い・・・なんだ、何時も通りじゃないか)

 

フォウが自慢気に笑う

 

(そーいう戦いを、ボクたちずっとやってきた。だろ?)

 

――うん!

 

「観測の概要を伝えると、言うなれば宇宙の極小スケールといった固有結界が展開されている。ソロモンの肉体の魔術回路を使用し、組み上げられた世界――時間神殿ソロモンと呼称されし世界だ。玉座に繋がる出入口、そしていくつかの拠点。玉座への道は閉ざされているのだけど・・・」

 

「拠点の蹂躙、玉座への到達の道筋は我に任せよ。我が財宝の9割、ここで開帳し総ての拠点を同時に攻め立て、陥落させる」

 

王が告げる。君臨と蹂躙を是とした王道の攻略を

 

 

「そして一瞬の間、玉座への防衛を寸断する。そうなればこちらのものよ。マルドゥークの主砲を使い、玉座へ至る道筋を抉じ開け、突入する。――あとは貴様の仕事だぞ、マスター」

 

「・・・解ってる。任せて」

 

簡潔に告げるリッカの眼には、決意と・・・燃えたぎる怒りが宿っている

 

総ての未来を奪い、総ての世界を焼き払った獣、ゲーティアに。自らの想いを叩き付けるその瞬間を思い・・・静かに、意識を高めていた

 

――王の財宝の9割を解放ときましたか!これは大がかりです!全てに回収マークをつけねばなりませんね!

 

《うむ。回収できれば問題ないが、回収出来ずとも構わぬ》

 

――えっ?

 

王の言葉に面食らい硬直するエア

 

――財宝ですよ?いっぱい撃つのなら・・・

 

《お前が、こやつらがいるのなら構わぬ。至宝を守護する王道を是とするならば、ここは私財の総てを擲つ局面なのだ、エアよ》

 

その王の言葉に、総てを納得したとばかりに頷く

 

――はい!マスターやマシュ、皆を護るため、ですね!

 

(そういう事ならボクも本気を出すとしようかな?エアの傍には、ボクがいて護ってあげなきゃ)

 

ふんす、と鼻息を荒くするフォウ。エアはいとおしげにフォウを抱きしめる

 

「位相はマルドゥークに偽装している。マルドゥークを倒さねば、ゲーティアはカルデアの位置を掴むことが出来ず、カルデアを落とす拠点攻略は不可能である。・・・その優位性、存分に生かさねばなるまい」

 

聖杯を即座にカルデアに贈らなかったのはこれが主要な意味だ。こちらはあちらの座標を知ったが、あちらはマルドゥークが上陸した瞬間、カルデアを見失うことになる。マルドゥークに、最後の聖杯が留められているからだ

 

「援軍の当てはあるが、不確定要素が多い。他力本願など愚行。――この戦い、我一人で圧倒する気概を持たねばならぬからな。油断、慢心は手向けとして深淵に投げ捨て、此度の戦に全霊を尽くそう」

 

王は、毅然と口にした。次なる戦いは、必勝を期すと

 

「巨神にのったつもりで任せておくがいい。高々72柱の魔神など、菓子感覚で根絶やしにしてくれよう」

 

――一人で、総てを圧倒するその威光!やっぱり英雄王は凄いのだ!

 

ふふん、と我が事のように胸を張るエア。英雄王の偉業は、威光は。エアにとっても誇りである

 

「ははは、頼もしすぎて何も言えないな!・・・なら僕は、ゲーティアについて補足しておこう」

 

ロマンがモニターにゲーティアと、光帯をかかげる

 

「ゲーティアの持つ宝具『誕生の時来たれり、基は全てを修めるもの(アルス・アルマデル・サロモニス)』。・・・結論から言って、これはマシュにだけ防御が叶う宝具だ」

 

「私、ですか?」

 

あぁ。とロマンが画面を広げる

 

「これは人類の全てを熱量として放つものだ。今の地球上に、これを防げる物質は存在しない」

 

――『現在(いま)』の地球上に・・・

 

エアが、ロマンの言葉の真意を捉える

 

「これを防げるのは、何者も侵せぬ精神の守り。マシュ、君の宝具だけが。あの熱量に対抗できる守護となりうるんだ」

 

マシュを、真っ直ぐと見つめるロマン

 

「君が・・・君の生命が、ゲーティアの誤算、突破口となるんだ。いいかい?君の想いこそが・・・かの積年の慚愧の偉業を覆す城となる」

 

「私が・・・」

 

「あぁ。君の歩みは、此処に至り、計画を覆すまでに至ったんだよ。・・・でも、君だけじゃあ、犠牲は避けられない」

 

哀しげに、ロマンは言う

 

「盾は焼かれなくとも、侵されなくとも。君の肉体はその熱量に耐えられない。・・・マシュが皆を護るなら、君を誰かが護らなければならない」

 

そう言って、リッカの肩を叩く

 

「君だよ、リッカ君。君の人類悪の力で・・・マシュを守護、防護してあげてほしい」

 

「――!」

 

頷き合う二人

 

――そうか!その手が・・・!

 

「マシュに絶え間なく振りかかる熱量を、君の力で守護するんだ。直接的な熱量はマシュが防ぐから、君は二人の生命を護るだけでいい。――そうすれば、ゲーティアの底は見える」

 

倒せる。隙を衝いて、ゲーティアを打倒できると。ロマンははっきりと口にする

 

「そのあとは、リッカ君。君の番だ。悲観的な我が使い魔たちをフルボッコにしてやってくれ。君なら、それが叶う。ヤツはネガ・サモンといって、召喚されたものに耐性を持つ。つまり、今を生きる人間にしか、ゲーティアは倒せないのだから」

 

――今を生きる、人間にしか・・・

 

『君の特典は『今を生きる生命』そのものだ。君の生命こそが、君の望む結末に必要なものだ』

 

アカシックの言葉が、胸に溶けていく

 

《――・・・・・・》

 

「――解った!私に任せて!色々、言いたいこともあるしね!」

 

「頼んだよ。その後、帰還の面倒はギル、君に任せるよ。君がいるなら、カルデアへの帰還は、なんの心配もない」

 

ロマンが、信頼に満ちた言葉を紡ぐ

 

「この二人を、必ず無事に。・・・頼んだよ、王様」

 

「任せるがいい。我が戦いに、犠牲など無用なのだからな」

 

固く頷き合う二人

 

・・・此処に、全ての要素は整った。これより始まるは、総ての未来を取り戻す物語

 

「では――私達の最後の戦い。グランドオーダーの最後の戦いを始めましょう」

 

総ての準備が整った、開幕の合図をオルガマリーが告げる

 

「紀元前、ソロモンの没した日から綿密に練り上げられた霊長の殺害計画。誰もが知らないうちに、ゲーティアに殺されていた。――その全てを、此処に奪還します」

 

グランドオーダー。その結実が、目前に迫ることを高らかに告げる

 

「ゲーティアを倒し、私達は再び未来を掴みます!私達の明日を、必ずこの手に!机上の空論は、誰にも見られることなく燃え尽きるのみと、叩きつけてやりましょう!――さぁ、行くわよ皆!止まらずに、私達の未来へ!!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

「では、皆、コフィンへ。・・・待っているよ。再び顔を合わせて、笑うその時をね」

 

「うん!藤丸リッカ、行きます!」

 

空中に安綱にて円を描き、邪龍の鎧を纏うリッカ

 

「マシュ・キリエライト!未来を取り戻します!」

 

決意を露に、リッカに続くマシュ

 

そして――

 

「気を付けて、ギル!どうか、必ず無事で!」

 

オルガマリーの懇願に、頭を撫でて応える

 

「我が盟約を違えるなどあり得ぬ。――任せておけ。お前はコーヒーでも嗜んでおればよい」

 

「ギル・・・」

 

「そう不安そうな顔をするな。――我に敗北はあり得ぬ。何故ならば・・・」

 

「クラス・ゴージャス・・・御機嫌王だから・・・でしょ?」

 

満足げに頷き、笑う

 

「そういう事よ。――貴様らの旅の終わり、完全無欠の結末としてやろうではないか!」

 

――はい!行こう、フォウ!

 

(誰も死なせないさ。その為のボクたちだ!)

 

 

コフィンに入り、レイシフトが始まる!

 

 

「英雄王ギルガメッシュ!蹂躙するぞ!我が道を阻むもの、抉り、穿ち、完膚なきまでに蹂躙してくれるわ――!」

 

総ての未来を、奪還するために――!




時間神殿ソロモン


「っっっ!レイシフト、成功しました!」


【此処が――時間神殿ソロモン・・・】

宇宙の極小スケール。単細胞にて為る、獣の居城


「目が覚めたな?それはよい。心置きなく、戦いを始められると言うものだ」

「・・・・・・・・・」

二人の傍らには王が立つ。おぞましき獣の領域を、下らぬと笑い飛ばし黄金に輝けし英雄王が笑う

その前にいるのは、苦々しくこちらを睨む・・・

『レフ・・・いいえ、フラウロス!』

「――・・・」

「久方ぶりよな、節穴。だが――今更交わす言葉はない」

レフを嘲笑い。ゆっくりと、右手を掲げる

「我等の目的は貴様らの玉座に座る蛆虫の駆除であり、奪われた未来の奪還であり――我が庭を荒らした貴様らの断罪である」

「――!!!」

レフが姿を変え、魔神柱となり襲い掛かるも――

「やぁあぁっ!!」

マシュが食い止め、阻み

【ぜやぁあぁあぁぁっ!!】

斬艦刀にて、魔神柱を真っ二つに両断する――

「愚行を悔やめ。地に伏し、頭を垂れよ。貴様らの慚愧と憎しみ・・・いま此処に霧散する時だ」

始まりの合図とばかりに、涼やかに王の指が鳴らされる――

瞬間――

――わぁ・・・!


黄金の、煌めくがごとき波紋が空間に浮かび上がっていく

漆黒のソラを、眩しき綺羅星の海が覆い尽くしていく

「神々と決別を果たし、人と言う種は文明を栄えさせ、繁栄を謳い上げた。あらゆるモノを発明し、あらゆる可能性を実現させ、あらゆる未来を見続けてきた。――その総ての雛形は、我が宝物庫に確かに納められ、確かな価値を示している」

一、十、百、千、万、億、兆――無限に増え続けていく英雄王の蔵に繋がる空間の波紋が、この空間全てに展開されていく

「ゲーティアよ。慚愧を食み、愛を知らぬ哀れな獣よ。――貴様が無意味と、無価値と断じた紋様。人間の織り成す可能性を、此処に見せてやろう」

王の高らかな号令と共に――

「鬨の声を上げよ!我等が未来を取り戻す戦の開幕だ!!憐憫の獣よ!この至上の決戦――骨の髄まで味わうがいい!!」

今、無量大数に届かんばかりの財が、総ての空間に叩き付けられる――!!

「さぁ――!!死に物狂いで謳え、雑念――!!!!!」

最古の発明、最新の可能性

未来の果てまで、積み重ねられし人々の発明の雛形、人類の総資産が今、ゲーティアとその末端全てに牙を剥く――!!

『全魔神柱、一斉に討伐開始!――凄いぞ!一方的だ!この空間にいる全てに、無数の攻撃が加えられている!何てことだ!魔神柱が手も足も出ず消えていくぞ!』

ロマンの声の通り、英雄王の財の質量は圧倒的であった

七つの拠点、いくつもの部屋とされる空間の全てに叩き付けられる財

人が開発してきた兵器の原典、その最新型

人が発明してきた機器の原典、その最終型

人が夢想してきた希望の原典、その完成形

過去、現在、未来。その全てが、黄金の威光となりて魔神柱を滅多撃つ

「ぐぉおぉおぉおぉおぉお!!!ギルガメッシュ、貴様ァアァア――!!」

復活した瞬間に消滅するフラウロス。いや、消滅しているのはフラウロスだけではない――

「東部末端神経、壊滅。第一から第八柱、正常値を維持できない英雄王の攻勢、留まらず」

「西部自律神経、壊滅。第ニ十六から三十三柱、正常値を維持できず。英雄王の放ちし砲門、尚も増大中」

「左右基底骨郭、粉砕。英雄王の砲撃、無限に増大。――我、この宙域からの――」

次々と英雄王の財に狩り尽くされ、消滅していく魔神柱達。正常値を維持できず、消滅と新生を繰り返す

「撤退を推奨。撤退を――」

《いや、それは不可能よ。此方に、エアが在る限り。そして――『小さな鍵(レメゲトン)』が有る限りな》

――!

魔神達は、致命的な失策を犯した

無銘であったエアに、自らの参列を願い、ゲーティアと並ぶ名を、真名を、因果を与えてしまった

その名、レメゲトン。ソロモン王の小さな鍵

この名は証明となり、魔神達を強く縛り付ける

この名を持つ魂が有る限り、魔神は只の一柱も離脱が叶わない

あらゆる手を尽くそうと、この空間から撤退は出来ない

――ゲーティアが与えた、小さな鍵が・・・今、自らを拘束する絶対的な王律鍵となり、魔神に未来を確定させる――!

「どういうことか。何故我等が圧し負ける?たかが英雄一人に・・・何故我等が害されているのか――!」

――たかが、ではありません。魔神たちよ

エアが、確信を以て告げる

――ここに在りしは、絶対にして始まりの王!英雄の中の英雄王、ギルガメッシュ!!総ての英雄達の起源にして、頂点!ワタシの、ワタシの――

収まらぬ財の掃討。穿たれ続ける魔神達。繰り返される死と新生

――ワタシが、世界で一番大好きな!愉快で、素敵で、格好いい!最も偉大な王様だ――っっっ!!

《ふははははははははははははははははははは!!そう褒めるな!これ以上我を本気にさせては奴等が哀れであろうが!》

砲台、更に二乗。勢いが更に倍増され、無数に、徹底的に、間断無く、容赦なく、輝かしく――魔神達を滅ぼしていく――!

『これが・・・これが、英雄王の本領――』

【綺麗!すげぇ!やべぇ!!】

「私達を導いてくれた、偉大なりし王・・・!」

(あぁ、馬鹿な魔神どもだ。物量と質量で、コイツに勝てる輩がこの世界にいるものか!)

魔神の空域、その総てが戦闘中

いや――たかだか三千年程度の研鑽と活動を振るう魔神達に、この断罪に敵う道理はない

総てがただ、為すがままに蹂躙されていく

反撃など叶わぬ。100の砲門を潰そうと、1000もの砲台が追加される

復活を上回り、押し留め、蹂躙し、消滅させていくその力

それらを阻む術は、最早英雄王を消し去るしかない

その難問、最早攻略は不可能である――!

《更にダメ押しをくれてやる!エア!マルドゥークを呼べ!蹴散らしながら、玉座への道を切り開いてくれる!》

――はい!英雄神マルドゥーク!どうかこの戦いに、完全無欠の勝利を!!

『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!』

戦艦が彼方から飛来し、変型し、降臨し、君臨する

『準備はいつでも大丈夫なのだわ!』

『全システム、オールグリーン』

『今こそ、子供たちの未来を取り戻す為に。行きましょう。マルドゥーク』

『GAAAAAAAAAOOOOOOOOO!!!!』

暴れまわるマルドゥーク。星斬剣が星を薙ぎ、光速ミサイルが魔神達を消し飛ばし汚い花火を紡ぎ、グガランナ、イルカルラにて昇華し、貫通し、吠え猛る


溶鉱炉が沸騰し、

情報室が激震し

観測所が脅かされ

管制塔が吹き飛ばされ

兵装舎が鳴動し

視覚星が明滅し

生命院が境をさまよう

廃棄口にすらも・・・使い捨ての宝具が叩き込まれていく――!

「ふふはははははははははははは!!理解したか!蹂躙するとはこう言うことよ!!貴様らが最も忌避し、恐れた言葉を告げてやる!!」

ギルギルマシンを展開しながら、マシュとリッカを乗せ、一直線に駆けていく!

「終わりだ!!貴様らの目論見、偉業とやらは此処に終焉を迎える!貴様らの勝ち筋、僅かな望み!マスターを討ち果たす事すら叶わぬだろうよ!何故ならばこやつもまた、人類悪なのだからな!ふははははは!!ははははははははははははははは!!!」

【ゲーティア・・・!貴方の敗因はたった一つだってこと、教えてあげるから!!】

駆け抜けていく、黄金のギルギルマシン

「援護の手筈は整えておいた!部員どもよ、好きに暴れよ!我等が愉悦の絆、浅はかな魔神達に見せつけてやるがいい!!」

左手にて、あらゆる平行世界への入り口を繋ぐ。あらゆる次元は、この宙域へと繋がる

「人類の命運を懸けた戦い、これを決戦と言う!我等の道を切り開くために戦うがいい!我等が戦いは、この瞬間に至るためにこそあったのだ!!」

油断なく――英雄王は徹底的に魔神達を打ちのめす

・・・更に、奇跡は紡がれる

「――霊長の世が始まり、栄えて数千年。神代は終わり、西暦を経て人類は地上で最も栄えた種となった。我等は星の行く末を定め、星に碑文を刻むもの。その為に多くの資源を作り、多くの生命を流転させた」

流星のごとく降り注ぐ召喚式、次々と現れる英雄達

「人類をより永く、より確かに、より強く繁栄させる理。――人類の航海図」

無限の星の煌めきの如く、増え続け、魔神と戦い始める勇者達――

「これを魔術世界では人理と呼び、彼等カルデアはこれを尊命として護り続けた」

『召喚術式、展開!触媒も召喚者も無しで、ただ一度の縁を手繰って自発的に!これは夢か!?計器の故障か!?』

疾走するギルギルマシンから、その光景を垣間見る

――ギル!あれは・・・!

黄金の星空に、流星が煌めいていくその神秘的な光景を――

《フン!この空間に至ると言う意味を知りながら参ずるか!その無謀、誉めてやらねばなるまいな!》

【――来てくれたんだ!皆――!】

「今こそ、約束されし勝利を。騎士の誓いに基づき、あらゆる絶望を切り拓くために、聖剣を振るう事を此処に誓う」

青き姿の、麗しき聖剣の担い手が――

「聞け、人の歴史に刻まれし、輝かしき英霊達よ!我等が誇りを胸に、背を預け、信を預け、生命を預けよ!我等が契約者の道を開くため、その輝きを今此処に!」

高らかに、手にする輝きを掲げる――!


「我が真名、アルトリア・ペンドラゴン!!騎士王の名のもとに、今、輝ける勝利を――!!」


――ギ、ギル!きしおっ、きしおう!アルトリアさ、えぇえ!?

《――勿体ぶりおって!これは徹底的に問い詰めねばなるまいよ――!!》

総ての星は、此処に集う


――此は、未来を取り戻す戦いである!!

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