人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「家族のリストはこんなところね。よし、じゃあ早速・・・」


「待ちたまえオルガマリー君。私達が直接手を下してはいけないよ」

「え?」

「まぁ心配は無いだろうが習慣としてネ。『カルデア関係者の家族が突如消えた』などと不自然にすぎるだろう?簡単に糸が手繰り寄せられてしまう。流通の下請けのように、『保護させる人材』にやってもらおうじゃないか」

「・・・カルデア関係者のパーティー、等の名目にて一堂に介させるという訳ですね」

「そう、そして『拉致』などでこちらに招くのが好ましい。『カルデアの家族たちは、不幸な事故に巻き込まれたのだ』と、牽制にもうってつけだ。加害者や中立から被害者に認識をずらしてしまえば疑う物好きは少ないだろう。――まぁ、そんな物好きは・・・」

「『不幸な事故』にでも逢わないことを祈りましょう、ね」

「ははははははは!嫌だなぁオルガマリー君!現代社会にそんな怖い事故あるわけないじゃないか!・・・ねぇ?」

「ねぇ?・・・適格な人材、いますねぇ」

「カルデアを買い取れるくらいな財産だ。大丈夫だろう。よーし、張り切って経路プラン練っちゃおっかなー」

「――・・・(ニヤリ)」

『ゴルドルフ・ムジーク』


~ムジーク家


【このような形での対面を御許しください。Mr.ムジーク】

「な、なんだ貴様は!?」

【私は・・・フリージアとでも名乗りましょうか】

「ふ、フリージア・・・?」

【あなたのたぐいまれなバイタリティと幸運、不死鳥のムジークとまで呼ばれた人間力を評価し、あなたと友好的な関係を築きたいと考えています】

「・・・私個人に、か?」

【えぇ。私は、あなたを必要としているのです】

「ほっ!いいだろう!話くらいは聞いてやろう!それで、君は何を望むのだね?」

【はい。――とある面子を、あなたの屋敷に揃えてほしいのです。あなたの名家の名を永遠とするための、第一歩として】

「・・・!」

【事が上手くいけば・・・あなたを『楽園』へと招待いたしましょう。この世の全てに勝る、至高の楽園へ】

「至高の、楽園・・・」

【単純な作業をこなすだけで・・・あなたと、あなたの家の名は永遠となるのです。あなたを馬鹿にするものも、蔑むものもない。・・・さぁ、ゴルドルフ・ムジーク】

「――・・・」

【お願いいたします。迷う余地などないでしょう?・・・――ね?】

「・・・解った・・・任せてくれ・・・」

【おって指示を出します。では、よろしくお願いいたしますね】

「・・・私にも、チャンスが巡ってきたのか・・・?」




改装・改造・フル強化

カルデア、王のマイルーム。栄華を極める楽園にて、最も輝かしくゴージャスなる場所

 

 

 

――~♪♪

 

 

その水上楽園と言っても差し支えない浴場にて、王の傍らにてエアは歌う。魂ながら、喜びを表しているのだ

 

 

《上機嫌ではないか。まぁ詮無き事よな。あれほど歓待されたのならば、頬の一つも緩むというもの》

 

姫の宴には些か物足りなかったが、と笑うは英雄王。天空神の酒を煽りながら、上機嫌に湯に浸かる。まぁ、上機嫌でない時などないのだが

 

(楽しかったかい?エア)

 

犬かきを披露しながらフォウも入浴を楽しむ。こくこくと頷き、肯定を表すエア

 

 

――仲間たちと、思う存分語り合えました!本当に楽しく、嬉しかったです!

 

昨日は夜通し騒ぎ、歌い、楽しみ抜いた。今までの分、語り合ったのだ

 

旅で何を感じたか、一人一人どんな思いを以て戦ってきたか。今はどんな気分か。カルデアに来れて、良かったか

 

一人一人に訪ね、語り、絆を確かめ合う。その有意義なる時間を、エアは慈しみ誇りとした

 

 

――また、皆と触れあう事ができる・・・そう考えるだけで、胸が高鳴ります!ギル、フォウ!ワタシは今、とても幸せです!

 

エアの笑みは絶えない。魂の感じた事が、余さず前面に出るためだ。言葉の触れあい、互いを認識することの素晴らしさ。それがかけがえのない素敵な事だと、何度も痛感し、反芻した

 

笑い合い、羽目を外す。なんと楽しく、嬉しいことか。そんな様子で、ますます上機嫌となる

 

――式ちゃん達にも伝えたいです!ワタシは、皆のお陰でこんなにも幸せだと!

 

(うんうん。キミが幸せなら、ボクも幸せさ。ずっと幸せでいてね、エア)

 

――ありがとう!フォウも、ずっと傍にいてね!そうすればワタシは、ずっと幸せだから!

 

ぱしゃぱしゃとじゃれあう二人を、愉快げに見守る英雄王。・・・これこそが、英雄王の狙いでもあった

 

共に戦う者と笑い合い、語り合う。そうすることによって、互いを近くに感じ合う

 

結束や絆といったものを育み、仕事や連携の効率を高める。形のないものをエアが尊み、形ある実益をギルが生かす。その結果、王の業務は更に磐石となる

 

何も、エアを見せびらかすために顔合わせを果たしたのではない。いや、大半は見せびらかすためではあるが。それだけで終わらせないのが英雄王のゴージャスたる所以だ

 

エアはますます張り切り、マスターどもを生かし、尊重し、助けるために尽力するだろう。これより先、激化するであろう戦いがやりやすくなるというものだ。エアの調子は財の選別、射撃の精度に直結する。無下にしていいものではない

 

《思うがままに歓ぶがいい、エア。お前が歓喜すればするほど、我が戦いは磐石となるのだからな》

 

王として、ゴージャスとして。エアを贔屓し、尊重する事はメリットしかない。個人的な感情も含め、至宝を慈しむのは至極当然

 

故に――エアの笑顔を見る度、王の頬が弛むは道理というものだ

 

――これから改装ですね!さぁ、頑張っていきましょう!油断や慢心は、ワタシ達には有り得ませんからね!

 

フォウをなでなでしながら、ふんすふんすと鼻息荒く王に詰め寄るエア

 

《わかったわかった。全く、覇気が満ちるのはよいがそう急かすでないわ。ゆるりと一時を過ごすもまた、風流と言うものだぞ》

 

――な、なるほど・・・常に余裕を以てゴージャスたれの精神ですね!

 

(言ってることは間違ってないのに笑いが起きるのは間違いじゃないよね?)

 

《無様に屍に成り果てる者の有り難い言葉だ。せめて使ってやるが礼儀というものよ》

 

ふはは、と笑い、酒を飲み干す

 

《この酒を飲み終えた後、業務を始めるとするか。エア、酌をせよ。お前に注がせれば、酒も味わいを増すというものだ》

 

――はい!喜んで!

 

(うんうん。こんな日が、ずっとずっと続くといいな・・・)

 

始まりの三人は、なんの憂いもなく笑い合い、互いの時を重ね合った――

 

 

――はふぅ~・・・

 

(わぁ!大丈夫かいエア!?)

 

《うむ、些か長湯が過ぎたか・・・?丹田に力を入れよ。魂の尾を巻き戻すのだ》

 

――はひぃ・・・はれ?ふぉうとぎるがいっぱいらぁ・・・エヘヘ、しあわせぇ・・・

 

テンション上がりすぎたエアはちょっとのぼせた。王とフォウが、うちわにて扇ぎ続けた光景が脱衣場にて繰り広げられたという

 

《ギャグ時空にも対応は容易いな。よし、存分に羽目を外すか》

 

(しっかり~!)

 

 

目下のところ、未来の戦いにて主軸となるはマルドゥークである。移動、戦闘、拠点をまるごとこなせる超々々弩級戦艦。これはこれからの戦いに不可欠な要素だ。拠点となるカルデアから離れた作戦行動を、さらに磐石とする要素が必要となる

 

――単独レイシフト機能や、単純な装備の拡張、スペックアップ・・・プランはこのようなものでしょうか?

 

復活したエアがコンソールをいじり、モニターを展開する。それを眺め、ふむと考え込む

 

《カルデアスがあるとはいえ、可及的速やかなレイシフト帰還が求められる場面も出てこような。基本、こちらは後手に回らざるを得ぬ。侵略をせぬのならば当然だが・・・故に、あらゆる状況に対応できねばな》

 

よし、と玉座より立つ。フォウは即座に肩に乗り、エアはいそいそとモニター等を片付ける

 

《単独レイシフトの手段のアテはある。が、ノウハウを突き詰めることは不可欠よ。では、我等が所長に意見を仰ぎに行くとするか》

 

――オルガマリーちゃんにですか?異論はありませんが・・・

 

流石に難題なのではないでしょうか?とエアは考える。こう、『単独レイシフトの技術は無いか?』と無茶ぶりされて応えられるかどうか――

 

 

「単独レイシフト?似た技術なら勿論あります。こちらをどうぞ」

 

あった。あっさりと受諾し所長室から『とあるもの』を持ってくる

 

「『ペーパームーン』。シバやトリスメギストスの完成の祝いに譲り受けたもので、虚数空間に潜り込む事を主軸とした『平面の月』。マルドゥークに組み込んでいただければ、こちらのレイシフトと合わせてかの戦艦をどこでもレイシフトが可能になると思います」

 

そのあまりの手際のよさに舌を巻くエア。オルガマリー・・・恐ろしい子!

 

「ふむ。まこと見事な仕事の早さよ。次なる事態、すでに読んでいるか?」

 

「まさか。ただ――『私達は、対応する自由がある』と、Mr.ダンディや師匠、メディア女史に言われていますから。常に起こり得る可能性を日々想定して動いているのです。その中に――」

 

オルガマリーが窓より空を眺める

 

「『私達の世界から、誰かの世界に攻め入る』といった状況推測もあったもので・・・その対応に、それはきっと役に立つ筈です。カルデアは既にあなたのものですから、あなたに託すことになんの不満もありません。活用していただければ幸いです」

 

本当は、戦う前に勝つのが理想なのですが・・・と、恥ずかしげに笑うオルガマリーに感嘆する

 

――リアル・・・シドゥリさん・・・!

 

(有能すぎなんだよなぁ・・・ゴルドルフとはなんだったのだろうか・・・)

 

「――フッ」

 

そのあまりの敏腕ぶりに、英雄王は大変満足し、一日の休暇とスイーツ食べ放題の栄誉を許したという

 

オルガマリーは笑いながら、マシュやリッカと共にその栄誉を噛み締め、更に鋭気を養いましたとさ

 

~そして、また明くる日

 

《せっかくなのだ。改装の案を奴等に振ってみるのも悪くはあるまい。基礎スペックに不満はない。拡張案ならば、それと同じだけ思想やコンセプトも問うべきであろう》

 

己を第一としあらゆる意見を聞き届けぬ暴君の面影を微塵も感じさせないゴージャススタイルにより、マルドゥークの追加装甲案を皆に訪ねることとなった

 

「やっぱり強襲タイプ!突っ込んで暴れて戦うタイプが王道だよね!臨機応変に戦って、倒して帰艦する!暴れん坊将軍みたいな突撃装備がカッコいいと思うな!」

 

「ちょ、マスター動いちゃダメだし!ネイルアート狂っちゃうし!」

 

「髪も傷んでしまいますよ。テンションが上がるのは分かりますが、落ち着きなさい」

 

ジャンヌオルタと鈴鹿御前にて女子力ムーブを授かりながらリッカが元気よく告げる

 

――アサルトライフルや刀剣、各種フレームの柔軟性、レーダーの強化でしょうか?

 

《離脱と強襲を行うブースターも不可欠であろうな。やはり真正面からの蹂躙こそ華というもの》

 

「マルドゥーク改装するの!?楽しみにしてるね!」

 

「うむ。更なる輝き、期待して待つがよい!む、待て。アイラインの陰影を強調するにはだな」

 

――王もお化粧できるのですね!?

 

《エルキドゥ相手に嗜んだのでな。我にかかればアイドルの階段なぞ全力疾走よ》

 

(ヒールへし折れそう)

 

「ギルもシャレオツムーブ完璧だったか・・・!私も頑張らなくちゃなぁ・・・!」

 

愉快で楽しい女子力アップは、なお続いた・・・

 

 

――場所を変え、スイーツジャンぬ

 

「やっぱり機動力かなぁ。時間神殿みたいにリッカ君達を抱えて離脱できる速さは絶対必要になってくると思う。これからの戦いを想定すると、どうしてもね」

 

「大盤振る舞いのコスト度外視とか、ロマンですねぇ~♥無駄撃ち、無駄遣い・・・抗いがたい誘惑です・・・♥」

 

ロマンとシバにゃんがまんじゅうを食べながら英雄王に意見を上申する。いつも以上にのんびりした様子で微笑ましい

 

――ワープ、制動ブースター、予測コンピューター。大量の重火器装備が検討されますね

 

「ギルは働き者だなぁ。一日くらいなにもしなくてもバチは当たらないと思うよ?」

 

「日頃の積み重ねにて人は強くも弱くもなる。凡俗はそれでもよいが我は違う。無駄にしてよい時間など一時も無い。気遣いは受け取ってやるが、我が惰眠を貪る理由は無い」

 

――か、カッコいいです王・・・!

 

王の揺るぎない人生観にエアの眼がキラキラと輝く。見えない尻尾がパタパタと振られるのを幻視するフォウ

 

(ボクは逆だなぁ。原っぱでのんびりしたい。エアと一緒に)

 

机でへにゃりと脱力するフォウにちょっかいをかけるエアとシバにゃん

 

(うわぁ~)

 

「それはそれとしてだ。頭を動かすにも糖分はいる。まんじゅうを我にも寄越せ。――ふむ。悪くない銘柄よな。金箔は塗らぬのか?」

 

「流石にそんな成金全開のまんじゅうは無いんじゃないかなぁ・・・あ、シバ、ギル。おはぎ食べるかい?僕のとっておき、特別に見せちゃおうかな!」

 

「ドクター!四人分!四人分用意することを推奨します!」

 

シミュレーションから帰還したマシュが素早く挙手し意見申請する

 

「いつの間に!?解ったよ、待っててくれ。・・・あぁ、幸せだなぁ・・・」

 

幸福に背中を押されながら、ロマンは自分だけの時間を噛み締めた――

 

 

~そして、また明くる日

 

「完成~!アトラス院の兵器を改良やらなんやらして完成したマルドゥーク追加装甲『万能の人(ウォモ・ウニヴェルサーレ)』!ふふふ、てぇん↑さい↓サーヴァントの私に不可能はないのさ!」

 

出来た案と設計図を全てダ・ヴィンチに任せ、ラピスラズリで頬をひっぱたき(痛そう)完成した多目的アーマー。基本的にはマルドゥークの支援機として援護を行うが、状況に応じて形状を変えマルドゥークに装着される優れものだ

 

まず、レイシフトモード。ビーストのスキル、単独顕現を軸に、カルデアスのサポート、ペーパームーンを結集し、あらゆる時空に完璧に赴く作用を発生させる霊子変換形態

 

(ティアマト、やっとボクたちの出番だね)

 

『はい。レイシフトはお任せください』

 

フォウとティアマトを核とし、単独顕現を再現する形態である。神代の神や獣にはどうということのない芸当である

 

そして、強襲形態。ブースターと刀剣『リットゥ』を振るい、軽装にて艦隊や基地を単独壊滅させることに特化させた形態だ。主砲や副砲は発動できないが、その分各種駆動性や剛性を徹底的に強化しているため、速い、強い!を突き詰めたリッカモードでもある

 

更に射撃形態。こちらは逆に機動性や接近戦を度外視し、外界から要塞を殲滅する事に特化した形態である。アトラス院から接収したあらゆる兵器を吟味し、小型化させたりアップサイジングしたり色々盛ったり盛らなかったりイデオンガンしたりレールガンしたりてんこ盛りとした火力全振り機体だ

 

理論上で言えば――宇宙航行に到達していない文明レベルなら単独で制圧可能というシミュレーション結果が出ている

 

「アトラスの連中はどう思うのかなぁ。君達の兵器が有効活用されてるよ!なんて知ったら」

 

「本望であろうよ。有効活用こそ、兵器にとっての幸福だ」

 

なお、神秘の存在には触れられぬ『ブラックバレル』のオリジナルはリッカやマリーに譲渡される手筈となっている。リッカは銃はイマイチという理由でオルガマリーに使用権を譲渡しているが・・・聖杯にて身体を作るオルガマリーが使えるかは怪しいところではある。まぁ使いたいと言ったなら何とかするのがゴージャススタイルだが

 

そして、機動性。武具を使用不可とし、量子化やワープ、座標感知などに特化した航行優先形態。極めて戦闘力は低くなるが、離脱や移動に関してこれに勝る形態はない

 

――ロマンらしい、生き延びられるよいカスタマイズです!

 

(チキンともいう)

 

《それで構わぬ。戦場で生き延びるは真理を謳う王者、覇を示す強者、そして逃げ出す弱者よ。分不相応の勇者は死ぬが道理なのだからな》

 

見ていて面白いがな、と付け加え笑う英雄王。二人は顔を見合わせ、やっぱり笑いあう

 

「これを形にするのはちょーっと大変だったけどね。アトラス院の神秘だ、随分と楽しかった!これからきっと役に立つよん」

 

天才だからね!とウィンクを飛ばすダ・ヴィンチに愉快げにラピスラズリを渡す

 

「御苦労。やはり手先が器用な輩は重宝するな。天才である以外にこなせる理由がいらぬ」

 

「そうだろうそうだろう。前線に立つ他に大切な仕事はたくさんある。天才の創造は、前線の兵士になんら劣ることのない『戦果』なのさ」

 

――天才って・・・凄い!

 

ね、フォウ!とフォウに目をやると、彼はダ・ヴィンチちゃんを見つめていた

 

(――このカルデアのまま、新たな戦いに挑めることを幸せに思おう。・・・あまりにも、大きい落とし物だった)

 

静かに。何かを悼むように

 

「・・・フォウ」

 

一言だけ、声をあげる獣。ダ・ヴィンチちゃんがそれに気付き頭を撫でる

 

「どうかしたかい?シャナと喧嘩でもしたかい?」

 

(するか!真っ先にボクが謝るわ!)

 

「あいたっ!噛むことないじゃないか!?」

 

――フォウと喧嘩・・・?うぅん・・・、・・・どんな理由で喧嘩するんだろう・・・?

 

《そうさな・・・互いに預かり知らぬ事で生命を懸けていた、などはどうだ?》

 

――それは怒るよ!

 

(なんで相談してくれなかったんだ!ってね!)

 

――ぷっ

 

(ふふっ・・・)

 

意見の一致に、キョトンとした後、笑い合う二人

 

――あはははっ!

(はははっ!結局、自分のためには怒れないんだねボク達は!)

 

《それでよい。憎しみに繋がらぬならば怒りは力となる。呑まれぬように気を遣い接してやれ。液体燃料のようなものだからな》

 

そんな二人を眺めながら、王は天才と打ち合わせを続ける

 

「カルデアスが攻められると仮定しよう。管制室をマルドゥークに移すことは可能か?」

 

「出来なくはないが時間がかかるね。カルデアの施設が不要になった際の最終手段としよう。職員のシェルター増設、始めちゃっていいかい?」

 

「構わぬ、資金が要りようになれば言え。いくらでも用意してやる。一人辺りの世帯を考慮したシェルターを製作せよ。保護はオルガマリーに一任している故――」

 

転ばぬ先の杖。備えあれば憂いなし

 

誰よりも偉大であり、誰よりも至高でありながら――誰よりも勤勉かつ、誰よりも真摯に楽園に取り組む英雄王であった

 

その全ては――王自身の愉しみの為に

 

《――・・・》

 

『宇宙用装備計画書』

 

――マルドゥーク、大丈夫でしょうか?武装、気に入ってくれるかな・・・?

 

(重かったりしないかな?)

 

『KAMAHEN、KAMAHEN』

 

傍らに在る、財達の為に

 

倦怠と慢心に別れを告げ。英雄王は磐石を築き上げ続ける――




次回――


「うっはっはっはぁ!待たせたの!こっから先は!儂の天下じゃぁ!!」

楽園に、ぐだぐだの嵐が吹き荒れる!!


「ノブノブー!」

「な、何事ですか!?」

「ノブノ――(射殺)」

「なんだ、御用改めか?」

「土方さん!」

「この、ぐだぐだな兵士・・・これは!」

「そう!儂じゃ!!いやゴメン、カルデアに遊びに来ようとしたらなんかミスった」

戦国の風雲児、来たる!


「というか慢心しない金ぴかとかチートなんじゃが!?」

「今更かたわけ。震えて眠れ、我にかかれば鬱フラグなどエヌマ・エリシュよ」

「私達は古株ですー!ノッブと違って!ノッブと違って!」

「黙れ沖田ァ!!」

小説初の、ギャグイベ!

「此処のマスター業背負いすぎなんじゃが・・・」

「ノッブアバター多すぎ問題」

とりあえず、ギャグイベといったら経験値!

「未知の粒子を吸ったら残念になるぞ!気を付けてくれ!!」

(あぁ~エア尊いんじゃぁ~・・・)

――あんまりフォウは変わっていないような!?

ある意味見切り発車な試みに震えて眠れ!

「やぁやぁ!私は上杉アルトリア!ご飯ください」

「ふはははははははははははははははははははははははは!!!」

イベント特異点!『ぐだぐだゴージャス本能寺!』

「多分出来の悪さをぐだぐだのせいにする気ですよ絶対」

「是非もないネ!!」

あんまり期待することなく待っててほしい!


「来るがいい、英雄姫!この日輪そのものたる我を越えてみよ!」

「分かりました!全力で行きます――!」

そのうち執筆予定!

「誰もそのうちとか信じとらんじゃろ」

「嘘ついてばっかりですからね」

「沢庵うめぇ」

そのうち!執筆予定!

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