「指定された人員の保護は終わったぞ!さ、さぁ次は何をすればいい!何をすれば楽園にいける!?」
【お疲れ様でした。では、次はその方達とホームステイし、絆を育んでください】
「はぁ!?彼等と一つ屋根の下で暮らせと言うのか!?」
【勿論理由はあります。あなたがその方達の世話をすることで、あなたは私に恩と盟約を売れる】
「ど、どう言うことだ?」
【無償という反故が確約された関係から一歩前に進むということです。あなたは私の好印象を掴み取り、楽園にて更なる立場が約束されるでしょう】
(それが、良いものか悪いものかは言及はしないけれどね。でも・・・)
「なるほど、なるほど・・・!あいつらを食わせていけばいいんだな!任せてくれ!その程度の食い扶持、いくらでも賄ってやる!」
(不明瞭に提言しておけば、人は自然にみずからの都合のいいように受けとる。――うん。素直でよろしい)
【では、お願いいたしますね。こちらもあなた方を迎え入れる準備を始めなくてはなりませんから。くれぐれも、対応にはお気をつけて】
「解っている!この不死鳥のムジークに任せておけ!・・・早速部屋を手配せねば・・・」
Mr.ダンディ自室
「さてと、皆の家族の部屋の改築プランとムジークの好みを把握しておかなくちゃ。次は部屋の要望も聞いておかなくちゃね」
「そうそう。きちんと労働には御褒美が無くちゃネ。見ず知らずでなければ誘導と指示を任せるのも容易い。ムジーク君には家族の面倒を一手に任せてあげようじゃないか」
「さぁて、次はどんな感じにムジークを動かしましょうか」
「そうだネ・・・いやいや、プランニングは楽しいなぁ!」
流星が弾け飛び、大地が割れる歴史的瞬間を目の当たりにしたぐだぐだ一行
「わしもう二度とアーラシュ先輩馬鹿にせんぞ」
「そうしてください・・・やるたびに流星放たれたら堪ったもんじゃないですから・・・」
(これが国境作りか・・・)
アーラシュ先輩の偉大さをとことんまで痛感した一行を待っていたのは・・・
『アーラシュさんの退去は確認しているわ。安心しなさい、リッカ』
「良かった・・・」
――対軍宝具と表記されていましたが・・・あのエネルギー量、そんな筈は・・・
《範囲による分散を加味した評価よ。広きを薙ぎ払い大地を砕く総エネルギー量・・・あれは対国宝具に匹敵しよう。まぁ是非もあるまい。あの一撃にて、国を分かち国を救ったのだからな》
――アーラシュさん、本当に凄い方なのですね・・・
「――おい。また向こうに何かが見えるぞ」
そこもまた、ぐだぐだの地獄だった――
『MUSERU』
「⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛――――――――!!!!!」
どこぞの平野、どこぞの荒野にてぐだぐだと対峙せしは、三メートルほどの偉容を持ち、無数の不死の軍団を率いる偉大なる王、ペルシャのダレイオス三世その人である
自らも騎乗し、ぐだぐだ一行の道筋を阻むがごとき軍勢を展開し獰猛にこちらを睨み付ける
「なんかめっちゃゴツいのが出てきたのぅ・・・三メートルとかちょっとなにいってるのか分からんのじゃが」
『ほほぅ、ダレイオス三世とな!このような珍妙な成り立ちにて現れるとは!ヤツも遊び心はあるようだのぅ!』
『――・・・うむ』
自らの宿敵の登場にはしゃぐイスカンダル。何か静かに頷くはヘラクレスだ
「どうしたのヘラクレス」
『む、いや。・・・バーサーカーの在り方を懐かしんでいたのさ』
「バーサーカーのぉ?皆うがうが言っとるだけじゃないのかの?」
そうでもない、とヘラクレスは指を振る
『時代と共にバーサーカーも進歩している。はじめは雄叫びしか上げれなかったバーサーカーも少しずつ観点と解釈が増え、『道理や価値観』が狂うと解釈された事により会話が可能となった。ストーリーに組み込みやすくなった事は元祖バーサーカーとして実に喜ばしい。fateで私の役割はもっぱらタイガースタンプを譲渡させにいくものだったからね。今ではマスターの母にまでなれるバーサーカーも生まれた。素晴らしき事だ。ところでこの身を七度滅ぼす刀剣ってどういう原理?』
「この大英雄バーサーカーに拘りがあるんじゃな。常にフルボイスくらいしか印象ないんじゃが」
「ふはは、随分と口が達者になったではないか大英雄。同じ原作出身としてその気持ちは解らんでもない。そこのところは深く気にするな。紡ぐ神も若く、情熱に溢れていたのだ。天の鎖をも砕いた貴様が論理を問うことは今更と言うものだ」
英雄王もまた愉快げに会話に乗っかる。この二人のfateにおける歴史は長い。想いも悲喜こもごもと言うものなのだろう
『最近はアヴェンジャーの私も発見されたらしい。――十中八九間違いなくロクなものではないだろうな』
「うむ。幼児を躊躇いなく狙う外道だろうよ」
『ははは、赦さぬ』
「お、お二方!fate作品メモリアルトークはまたの機会に!今は目の前の敵に!」
「お、マシュマロサーヴァントもいい感じにぐだぐだしてきたのう?よいぞよいぞ・・・ぐだぐだはよいぞ・・・」
「信長さんもしっかりしてくださーい!」
ある意味でぶれない一行に、ダレイオスと・・・
「ようやく来たな、尾張のうつけ。決着をつけると時が来た・・・と、お館様は申しております」
台本片手に棒読みで台詞を放つはこれまた元祖ライダー。今なおソリッドブックが描かれる程の超大人気ものぐさライダー。メドゥーサである
「メドゥーサもいるんだ!youはどんな武将?」
「真田です。真田メドゥーサという名前みたいで・・・」
「真田ぁ?あのくっそやかましい親方サムァの真田か?あれ時代合わんじゃろ。真田は確かにいたが幸村はサルがくたばった後の時代じゃろ?んー、このガバガバ時代考証、他人事の気がしないネ!」
「そちらにもいましたか・・・一応私は翻訳でここにいるのでお気になさらず。そしてこちらは武田ダレイオスとなっております」
「⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛――――!!!」
「我が武田騎馬隊により蹴散らしてやろう、とお館様は申しております」
やる気万端に持ち上げる斧。流石に凄まじい迫力だ。不死の一万騎兵、ダレイオスの生前の軍勢の再現、容易きものの筈がない
が――
「貴様が乗ってるの、どう見ても象なんじゃが・・・」
不死兵団にて構成されし不死の象。ダレイオスが乗り込む凄まじき大きさの偉容なのだが・・・言い訳のしようもなく、象である。どこからみてもぞうさんであり、お鼻が長く、キリンさんより好きな動物である
《概念を付与したまではいいが、本質にまで変容は叶わなかったか。うむ、誰がどう見ても象。騎馬の概念を真っ向から打ち崩す奇抜な軍隊よな》
(スキル発注けちりやがったな。しかし凄いでかさだ。凄い(フォウ並感))
――大きいですねぇ・・・
暢気に見上げるゴージャストリオ。目の前にある異様と、象たる首領の在り方に感嘆を漏らす
「⬛⬛⬛⬛⬛!!」
更に、ダレイオスが何かを伝えるように唸る
「細かいことを気にするな、ハゲるぞ。と、お館様は申しております」
「貴様が言えた事か!!――むぅ、しかし武田かぁ・・・」
武田信玄。戦国時代にて凄まじい人気と知名度を誇りし武将、通称『甲斐の虎』
精強にして屈強な兵備と軍備、中でも戦国最強とすら謳われし武田騎馬隊を自在に操り、天下にその名を轟かせた猛将である。京への上洛を目指したがその最中に病にて没し、その覇道は実を結ぶ事叶わなかった
民を思いやる政治や戦以外の手腕も優れており、信玄堤、『人は城、人は石垣、人は堀』といった言葉は後世になお遺されし珠玉の遺産だ
「正直な話わしも運が良かったんじゃよなぁ・・・挟まれて進退窮まった際にいい感じに病床に伏して死んでいたとは思わなんだ。息子もそれなりに出来たヤツじゃったが、流石に親父ほどの逸材では無かったのう。是非もないよね~」
「なんだ。対処は容易いではないか。長篠の折、貴様がおこなった戦法を再演すればよい」
「三段撃ち!三段撃ちだねノッブ!」
「ぐぬ――」
そう。最強無敵の武田騎馬隊を打ち破ったのは我等がうつけ、織田信長がその人である
『あ?騎馬に槍ぃ?間合いと弾幕に銃で勝てるわけ無いじゃろ!そんな訳で鉄砲じゃ!片っ端から作れ作れぇい!』
火縄の製造元を抑え、100や200かかる生産コストを50に削減しめっちゃ大量生産。後世に伝わる3000丁、最近の考察では1500丁かな?といった数の超大量の鉄砲にて一斉掃射の構えを取ったノッブタクティカルの最高傑作
火縄は単発にて撃つのに時間がかかる事を物量で制した必殺技。まず部隊を三段形式で配置し、前列が銃を放つ。そして後ろに回り次の隊列が撃ち放つ。後列は装填、点火をこなし前列に並ぶまでに準備を整える
これのサイクルにて巻き起こる絶え間ない射撃という矛盾。刀も槍も届かぬ間合いの絶対優位を保ち続け騎馬隊は一掃、惨敗を喫したのだ
これこそ天下布武。古きを殺し新しきを取り入れる織田信長の柔軟さが実を結んだ勝利と言える事象であろう
「苦手な地の文で解説など慣れぬことをしおってからに。まぁ是非もないよね!事実だしね!」
『真名が割れるっつーことは死因やら凋落やらの要因も読まれるってことだ。余程の事がない限りそいつは覆らねぇ。俺のアキレス腱や』
『俺の背中のようにな。・・・すまない。解りやすくてすまない』
弱点の代名詞の二人が陽気と謙虚に補足を加える。沖田さんが元気よく手を上げる
「はいはーい!ここのノッブが使えない今、新撰組が戦場を駆け抜けるとき!これは戦国最強新撰組ワンチャン!」
「アホか。戦が一人の兵で覆るとかゲームのやりすぎじゃ。戦なんぞ始まった時点で下策じゃよ下策。池田屋なんて掘っ建て小屋で暴れただけの癖してよくそこまでイキれるのぅ。頭イキり民か」
「はぁ~~!?折角フォローしたのにその言い種!じゃあやってくださいよやってみてくださいよ三段撃ちほらほらはよ!ノッブはよ!」
「だから力奪われとると言っとるじゃろうが!闘病生活で頭いったか沖田ァ!」
「はい怒った!沖田さん怒りました!明日の朝刊乗りましたからねノッブ赦しませんからね!」
「おうかかってこい!!ワープや瞬間移動で調子こくな沖田!貴様程度の剣士戦国の世には腐るほどおったわァ!!」
ボカスカと殴りあいを始める沖田とノッブをひとまず置いておく一同
「先輩!ここはイスカンダルさんに軍勢との戦いをお任せするというのはどうでしょう!」
「うん!でもねマシュ、私の魂が言ってるんだ!こんなぐだぐだで宿命の決戦を再現しちゃいけないって!」
「先輩!?」
『わはははは!確かに生前の決着をつけるには覇気の練り甲斐がないのぅ!心遣い、かたじけない!』
「となると・・・盾を使った正面突破しか道はねぇ、か」
「ヒッジ基本まっすぐだよね!知ってた!」
「退くな、斬れ、進め、斬れ。退くヤツは斬る。それだけだ」
「これが折れない誠!!」
「で・・・どうするマスター。策はあんのか」
「うむむ、力押しできるサーヴァントはたくさんいてくれるけど、それがぐだぐだ最適解かと言われるともにょる・・・力で制圧ってサーヴァントの威を借るワカメって感じでなんか嫌だし・・・」
ふむぅ、と考え込むリッカ。そんな様子でも微塵も揺らぎなく、英雄王が魂に告げる
《どうだ、直江エア。何か策はあるか?》
――直江!?い、いえそれはともかく・・・勿論ありますよ!
(あるのかい!?)
英雄王の悪ふざけに力強く頷くエア。更に告げる
――勝利の法則は、決まっています!
《ほう、では聞かせよ。どのようなものだ?》
それはですね――
~・・・そして、いざ開戦と相成りし織田VS武田。互いに戦国時代を代表する武将の一角の戦いが幕を開ける!
「――――⬛⬛⬛⬛!!!」
唸りを上げ突撃する一万騎兵、象に率いられた大量の不死の騎馬隊がおぞましき鬨を上げながら邁進し織田を飲み込まんと猛り狂う
地響き、砂煙、轟音、気迫。一帯を揺るがす戦の空気が否応なく死神を招き入れる
「戦いは数だよ、とお館様は申しております」
メドゥーサのやる気の無いトーンが響き渡る
この精強なりし軍勢に、待ったをかけるは――
「それは全ての疵、全ての怨恨を癒す、我等が故郷――」
力強く振るい上げる盾、ぐだぐだ空間に飲まれぬ遥かなる白亜の城――
「顕現せよ!『
マシュの精神を形となしたその城が、武田ダレイオスの進軍を真っ向から受け止める!
「⬛⬛⬛⬛⬛!!!」
「しゃらくさい、このまま踏みつぶ――」
即座にメドゥーサが感付き、離脱しようとする――が
「!!」
その跳躍を、『天の鎖』が阻む。身体中に巻き付かれ墜落するメドゥーサ
「『天の鎖』。メドゥーサさんは女神。ランクダウンしているとはいえ神性がありますので、拘束させていただきます」
左手にて鎖を放ちしは英雄姫エア。メドゥーサの離脱を素早く封じ、一網打尽の姿勢を崩さない
「誰、ですかあの方は・・・新キャラですか?」
「オリジナル出自にて、皆様の世界観に受け入れていただいております。――さぁ、マスター!」
【あいよっ!!】
エアの言葉に江戸っ子風味に応え、円を描き鎧を装着し――
【必殺!!泥だらけ足取り戦法!!】
力の限りに、大地を叩き付ける!
「⬛⬛⬛⬛⬛――!?」
突如底無し沼のように足下に広がりし泥。人類悪と成ったマスター、リッカが自らの泥を魔力とし振るったのだ
サーヴァントを犯し溶かす聖杯の泥――は、ちょっと後輩めいておっかないので、あくまで足を取られるくらいにしておく。――それでも、霊基であるかぎり、この侵食からは逃れられない
「抜かった、マスターと侮った、と、・・・ン、ッ・・・親方様は、申して・・・んんっ・・・」
鎖にて縛られ、締め上げられるメドゥーサ。エアはその様子を見て号令をかける
「信長様!チビノッブの皆!準備はよろしいですか!?」
「おうとも!!そなたの私兵、この信長が預かった!!」
『『『『『『ノーッブ!!!!』』』』』』
「これは――!」
メドゥーサが感嘆の声を上げる。無数に立ち並ぶチビノッブ部隊、三つに重なった列の配置、そしてみな一様に所持するは『火縄銃』――
「うははははははは!!一人はノッブの為に、皆はノッブの為に!!自らが使えぬのなら兵にて勝つ!それが戦の鉄則よ!!」
これこそが、エアの献策――
~
「まず、マシュが一番槍ならぬ一番盾にて宝具を開帳。一瞬でも構いません、あの軍勢を受け止めていただきたいのです」
「せ、責任重大ですね!・・・やります!」
「ありがとう。次にマスターの龍の力で、軍勢を全て足止めしていただけますか?」
「トラップ的な?はいはい!お任せ!」
「頼みますね。その後の〆はワタシ・・・いえ」
『『『『『ノッブ!!』』』』』
「この子達と、信長様。あなた方に決めていただきます」
「そうか!貴様ら火縄銃持っていたのぅ!え、まさか三段撃ちが出来るくらいにいるのか?マジ?」
《王の財宝の総量いるとすれば――うむ、もはや人事問題は考えるまでもない程に貯蓄されていような》
「チビノッブ達を、信長様の思うままに陣形を取らせてあげてください。兵力はいくらでも増員できます。ワタシより、貴女の方が指揮と軍略、三段撃ち戦術の精度は上に決まっていますからね。沖田さんと土方さんは何れ来るサーヴァント個人戦のために、休んでいてください」
「わ、解りました!」
「ここは手並み拝見って訳か。・・・仕方ねぇ。軍の戦いは畑違いだからな。邪魔になるわけにもいかねぇか」
「え、なにこの娘戦術ガチすぎるんじゃが。これマジ?こんな精度とノリで英雄王のケツ叩いてたの?マジで?敵が可哀想とかそんなチャチなレベルじゃないんじゃが」
勝つために、王道に相応しい手段を取る。それ即ち完膚なきまでの勝利
「バーサーカーが主軸なため、複雑な戦法には対処が数瞬遅れるかと。名だたる軍師もいない今、ワタシの拙策は通じると信じています」
(ボクはやらなくても大丈夫だね。本陣でエアを守ろう!)
《ふはは、これが研鑽の果てに得た戦術眼。油断と慢心を取り払う、真剣と用心という名の特効薬よ!》
「では、皆様。始めましょう。――英雄王の名に懸け勝利を!」
『『『『『ノーッブ!!!』』』』』
「「「「おーっ!!」」」」
~
「慢心したな武田の。そちらに山本でもおれば話は違ったんじゃろうが――」
ふわりと浮き上がり軍刀を抜き放つ。連動するかのように金銀チビノブが火縄銃を向け、点火する
「世は是非もなし。機運に見放されたと嘆くが良かろう。――三千世界に屍を晒すがよい」
「⬛⬛⬛⬛――!」
離脱しようにも、転身しようにも叶わぬ。足下の泥は、サーヴァント相手に絶対的な特効を誇るが故に――
「逃れる事は出来ぬ!貴様はちぇすや将棋で言う『詰み』に嵌まったのじゃ!!食らえ、ノッブ必殺!!」
一斉に、戦国風雲児たる信長の射撃が放たれる――!!
「天魔轟臨!!こぉれが魔王の『三段撃ち』じゃぁ!!うははははははは!見せてやろう!ノッブの雷をなぁ!!」
放たれる無数の銃撃。金銀ノッブの完璧に統率された動き、一糸乱れぬ隊列行動
ノッブの戦略による補正、エアの英雄王と共有せしカリスマA+の行動補正により、キリリとしたチビノブは完璧な軍隊として機能し、三段撃ち攻撃を完遂していく
足をとられ、なすすべもないまま被弾していくダレイオスの騎馬隊。蹴散らされ、吹き飛ばされ、蹂躙され、そして――
「⬛⬛⬛⬛――」
無念にも核を穿たれ、消滅せしダレイオス武田
「ペルシアに旗を立てよ、と申しております・・・え、出番終わりですか、やったー・・・」
ヘロヘロになりながら、ガッツポして消えて行くメドゥーサ
此処に勝負あり。僕らのぐだぐだメンバーが戦にて勝ち名乗りを上げるのであった!
「うはははははははぁ!!見たか人斬りサークルどもぉ!!これがノブの戦、麒麟児うつけ殺法じゃ!やっぱ時代は鉄砲!真理だから是非もないよね!!」
大笑する御機嫌ノッブ。大勝利とは気分がよいものである
「調子乗らないでくださいよ!チビノブとか姫からの提供じゃないですか!」
「それじゃ!躊躇いなく自らより能力が勝る人材に任せる奥ゆかしさが実によい!大和撫子かくあるべし!レベル一のわしに信を置いたマスター共々まことういヤツじゃ!どれ、献策の褒美にわし自ら茶を立てて・・・」
『『『『『『ノブブー!!!』』』』』』
「うおわぁあぁあぁ!?」
エアに殺到する大量のチビノブに踏み潰されるノッブ。・・・戦は終わったのだ、是非もないよね
「ノッブの兵じゃなくて姫様の私兵ですからね・・・」
「おのれ、これも戦のサガか・・・」
「よし、次だ」
「シャナー!いえーい!」
「いえーい!お疲れ様!二人とも!」
マシュとリッカにハイタッチし、喜びを分かち合うエア
「私、策が綺麗にはまるとこんなにも戦いやすいだなんて知りませんでした!」
「皆が上手くやってくれたからだよ。これがダメならマルドゥーク神の力や、乖離剣を使う手もあったけど・・・勝つなら皆で勝ちたいからね!」
笑い合い、喜び合う仲間たち
「チビノブたちもお疲れ様!やっぱり王の財宝の不利を埋めてくれるのは皆――」
『『『『『『ノッブノブ――!!』』』』』』
「わぁぁーー!?」
エアはぐるりと取り囲まれ、高く高く胴上げされる
「うひゃあぁ~!?」
《フッ、だから我が焦る必要などないと言ったのだ。お前が在る限り、勝利は確約されているのだからな。堪能するがいい。それが勝利の美酒、と言うヤツよ》
「物凄いふわふわします~!ありがとう皆!お疲れ様~!」
「わしも胴上げされたいぞ貴様ら――!!」
(うんうん、皆と上手くやれていて嬉しいよ。その調子で、皆と絆を深めるんだよ、エア)
満足げに頷くフォウに、チビノブが近寄る
『ノブ!』
(金平糖?くれるのかい?)
『ノブ!』
(よろしくお願いいたします、先輩・・・なんだ、いいヤツじゃないかオマエたち!ありがとう、いただくよ)
『ノッブ!』
激動の戦は、こうして幕を閉じましたとさ
『聞こえるかいリッカ君!マシュ!』
「ドクター?」
『その周りに漂う粒子の正体が解ったよ!スイーツ食べて寝て起きて、すぐにやってみた!』
「生活ゆるっ」
『簡単に言うとだね・・・その粒子を吸うと残念になる!』
「残念に」
「なる」
『はいー。なんとなーくゆるくなって、なんとなーくふにゃふにしゃしてぇ、なんとなーくぐだぐだになりまーす♥』
「え?わしらいつも通りじゃね?」
「私も血を吐くくらいですし・・・」
「俺も沢庵はいつも通りうめぇぞ」
『それは皆がもとから残念だからじゃないかな?』
「「えっ!?」」
「残念、か。我には効果がないようだ。当然だな。我ほどのトップサーヴァントがこのような泥で」
「やぁやぁ私は上杉アルトリア!ごはんください」
「ふはははははははははははは!!」
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