人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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――あいたた・・・あたまが・・・いたいです・・・


(二日酔いだ!つらいよね、それ・・・)

《ここまで下戸だとは・・・酒倉の品質を見直さねばならんな》

――すみませ、いつつ・・・むむぅ、おさけ、こわい・・・

「ちょっとー!何してんの金ぴかー!行くわよー!」

《まったく、張り切りおって。――大事ないか、エア。薬蔵に万能薬があろう。服用しておけ。SCP区画だ》

――ありがとうございます・・・フォウ、手伝って・・・?

(もちろん!頼ってくれて嬉しいよ、エア!)

『大丈夫かい?ここに神殿建てておこうか?』

「野暮用だ、すぐに済むであろうよ。拠点は不要であろうさ」

『そっかぁ。じゃあよろしくね!僕らの甘味のためにも!』

(最前線に出る王って一体)

《メタルギア的なアレだろうよ。実働派というやつだ》

――えぇと、あっちがこっちで・・・頭ががんがんするぅ・・・

(おっと。ボクに任せるんだエア!)

――よろしくね、フォウ・・・


カルデア

「何故だ・・・何故、子供ばかりがこのような目に・・・」

『カリュドーンの毛皮』

「私も、更なる力を付けなくてはならないのか・・・」


細かいことは燃やしてから考えます

「む、明かりが灯されているな。伏せろ、マスター、オルタよ。団欒の気配がするぞ」

 

 

団子を探し、歩き続け。何の変哲もない森へと探索を開始した一行は、その異変を察知する

 

 

「む、様子を見てみようか。なんか知ってるかもだし」

 

「そうですか?特異点で団欒なんて図太いことするのなんて、サーヴァントくらいだと思いますが・・・まぁ、偵察は大切ですしね。偵察は」

 

「やはり貴様はオルタよな。ジャンヌであれば真っ先にとりあえず突撃を選んでいただろうよ」

 

「当然です。オリジナルとは違い、私は賢いのです」

 

ふふんとどや顔をかましながら、リッカの隣にいそいそと伏せるじゃんぬ

 

(エア、大丈夫かい?宝物庫から見つけた、あらゆる病状に効く万能薬をお飲みよ。楽になるよ)

 

――ありがと・・・うぅ、あたまいたい・・・

 

お酒の魅力と恐ろしさを頭痛にて理解するエア。彼女は天空神の酒しか最早嗜めぬであろう

 

《ふむ、すまんなエア。戯れが過ぎたわ》

 

――気にしないで下さいギル・・・ワタシがお酒に弱すぎただけですから・・・んくっ、ごくっ

 

SCPな万能薬をごくりと飲み込み、二日酔いのデバフをなんとか打ち消す。そんな一行の耳に、三人の団欒の声が聞こえてくる

 

「この声は・・・。フッ、感じる高貴な空気はこれであったか」

 

王の愉しげな声も、それを定義する

 

 

「――皮肉なものですね」

 

そこにいたのは――

 

 

「はい、デオン。あーん」

 

「お、王妃・・・よろしいのでしょうか?確かに『ご自由に御持ちください』とは書かれていましたが、だからと言って三トンも馬車に入れて運ぶなんて・・・」

 

「もちろん。ご自由に、と書かれていたのだから持てるだけ持っていくのがマナーというものよ?もう、真面目なのだから。こんな時くらい、騎士でなくても良いの。楽しみましょう?このまぁるいお団子と一緒に!」

 

焚き火を囲み、優雅な時間を過ごすはマリー・アントワネット率いるフランス組。マリー、デオン、サンソンの三人による王妃タイムが、フランスの森を華やかに彩っていた

 

念のため注釈しておくと、彼女らはカルデアのサーヴァントではない。何らかの要因で召喚された野良サーヴァントだ

 

優雅に頬張るは、カルデア産のお団子。ジャンヌ・オルタが丹精込めて作り上げたすいーつじゃんぬの傑作団子が、パクパクと食べられて・・・

 

 

(――――!!!!)

(じゃんぬ!じゃんぬスティ!)

 

(リッカに一番最初に食べてもらいたかったのに!!)

 

焔と火炎が吹き出はじめるじゃんぬをなだめる

 

(まぁ待て。もしや我等に返還するために集め、今がその休憩中という線も無きにしも非ずであろう?様子を見ようではないか)

 

あからさまにアウトな発言をあえてスルーし待機を提言する英雄王。笑いを堪えている辺り確信犯だ

 

――ギル、あの、お酒は・・・

 

《案ずるな。天空神の酒よ》

 

――すみません・・・これからも嗜む程度にしておきます・・・

 

ちょっぴり酒が怖くなったエアを無言で労るフォウ。フランス組の優雅な一時が、なお耳に届く

 

「ほら、サンソンも。あなたはもっと大胆になれる筈よ?ギロチンなんてものを作ったのだから!」

 

「え、いえその。僕は・・・というかギロチンが好きなわけでは・・・苦しませないためのものだし、それに、それはサーヴァントが本気で作ったものだ。そんなに食べたら脂肪が・・・」

 

「太りません!女の子は食べた栄養は、全て胸に行くものなのです!」

 

「なんだって・・・!?」

 

(そうなのか・・・それは王妃だけなんだと思うのだけどな・・・)

 

「ねぇ、デオン?あなたなら解ってくれるわよね?ね?」

 

「は、はい。王妃は凄いんだぞ。今の霊基ではない、成長した王妃のスタイルはフランス一なんだ。本当、凄いんだぞ」

 

具体的には、生前のブラジャーのサイズが100を越える程である。2次元伝承顔負けである

 

「詳しく!その辺り詳しく!医学的に大変興味があるからね!」

 

唐突に立ち上がり、断罪の刃を素振り始めるサンソン。そんな様子を微笑ましげにマリーは見つめる

 

「詳しくも何も君は生前出逢って・・・、ッ!」

 

素早く気配を察知し、マリーの傍にて剣を取るデオン。それに続くサンソン

 

「お下がりください王妃!」

 

「団子の匂いに釣られてきたか、野盗め」

 

 

 

「誰が野盗か!!盗人猛々しいにも程があるっての!!」

 

「ひとのものを とったら どろぼう !」

 

がさりと茂みから姿を現すあべんじゃぁと野蛮龍。怒りと殺意が放たれ警戒がより一層高まる

 

「許さないわ!団子を貪っただけでなくリッカを野盗扱いするなんて・・・!細かい話は後!燃えろ!オリジナルのように!!」

 

「竜の魔女・・・!お下がりを王妃!奴は話の通じる相手ではない!」

 

「迷いでたか、贋作め。フランスの借り、此処で返してやる!」

 

「贋作・・・じゃんぬはじゃんぬだ、って言い諭してあげたいけど・・・!」

 

カルデアに参加していないサンソン、デオンの『記録』は、オルレアンのものしかない。カルデアの成長を知らない二人にとって、じゃんぬは魔女でしかないのだ

 

「私の出自なんてどうでもいいわ!リッカ、まずは奴等を黙らせるわ。落ち着かせれば話はしやすいでしょう?」

 

「――うん!よろしくね、じゃんぬ!」

 

「マスターと心を一つにするのがサーヴァント。私に任せなさい!」

 

火花を散らす護衛組とは対称的に・・・

 

「まぁっ!ゴージャス様!ヴィヴ・ラ・フランス!ご機嫌麗しゅう!」

 

英雄王の姿を見据え、駆け寄るマリー。すぐさま熱烈なベーゼを王の頬に捧げる様はまさに王妃の貫禄だ

 

――マリーも召喚されていたのですね!ギル、これは誤解なのだと思います。マリーのちょっと、かなり、天然な感じの!

 

《であろうな。しかし我の事を覚えているとは意外だった。よもや野良ですらも記憶しているとはな》

 

驚くことではない。マリーにとって、座に運ばれる程に鮮烈で、輝かしい記憶であったのだ。邪竜と魔女に立ち向かい、消滅する筈だった自分を。輝かしき船に乗り、助けてくれた王の姿は、それほどに。まさに、強く、優しく、輝かしい王であったがゆえに

 

「フォウさんもこんにちは!そちらの私は元気かしら?」

 

くりくりと頭を撫でられ、御満悦のフォウ。王妃と姫に弱いケモノだから仕方無いのである

 

「フォウ!(もちろんです。ボクの親友と深い親交を結んでくださっておりますとも)」

 

「ふふっ、可愛い。こんな夜更けに、また夜伽を御所望かしら?」

 

「それは得難いが、今は別件だ。実はだな、カルデアにて――」

 

「ふむふむ、ふむふむ・・・」

 

――良かった。絆が悲しい戦いを回避してくれました。オルレアンで過ごした日々は、無駄ではなかった・・・

 

じーん、と感動しているエアたちを横目に、境界一つ跨いで戦いが繰り広げられる

 

 

「ギロチン!騎士!ちゃんちゃら笑わせるわね、どっちも私が嫌いなものよ!」

 

的確に二人のみを焼き払うように指向性を持たせた炎を自在に操るジャンヌオルタ。森に引火しないよう、辺りに被害が及ばぬよう慎重に戦うその姿は、アヴェンジャーらしからぬ気の遣いようだ

 

「遊んでいるつもりか、私達を侮辱する気か!?こんな小火で対抗するなど!」

 

「そう見える?私が手加減なんてできる筈ないでしょうが――!」

 

剣を抜き放ち、『持てる全ての熱量』を刀身に凝縮する

 

「はぁあぁあぁっ!」

 

「舐めんな――!」

 

切りかかるサンソンの剣を受け止める事はせず、『攻撃に攻撃を重ねる』カタチで剣を振り抜く

 

出しうる炎を全て押し込まれ、熱断の刃と化したジャンヌオルタの剣に晒されたサンソンの剣は『真っ二つに焼き切られる』

 

「何ッ――!?」

 

それはマスターであるリッカのリクエストに応えた『無力化するための戦い』。武具を焼き払い、丸腰にするための。辺りを焼き払わぬ、憎悪以外の救いを得た復讐者の決意

 

「寝てろっての!!」

 

素早く懐に潜り込み

 

「ぐふっ――――!!!」

 

筋力Aから放たれる渾身の腹パンにて沈黙無力化されしサンソン。暫く食べ物は喉を通らぬだろう

 

「げほっ、ぐふっ――!腹のダメージは横隔膜その他諸々、臓器が痙攣するため呼吸困難や悶絶に繋がるが、意識だけははっきりしているため地獄の苦しみと呼ばれぐぅうぅうぅうぅぅう・・・・・・!」

 

「意外と余裕そうねあんた・・・まぁいいわ。どう?お話する気にはなりましたかしら?」

 

力の限りサンソンの背中を踏みつけるジャンヌオルタ。殺しはしない。殺し合いの戦いではないからだ

 

「この倒錯者は無力化しました。話し合いを許してあげますが・・・どうしますか?カッコカワイイ騎士ちゃん?」

 

「じゃんぬ挑発よくない!」

 

「大目に見てくださいなリッカ。下手に出て、あなたがナメられるのが一番腸が煮え繰り返るというものですから」

 

ジャンヌオルタの挑発を当然と突っぱねるデオン

 

「白百合の騎士を侮るな。そんな変態の一人や二人を失ったところで・・・!」

 

「酷いよシュヴァリエ・・・」

 

「そう、なら――あなたもお話したいようにしてあげる――!」

 

旗を掲げ、八の字に振り回す。魔力を編み込んだ旗が、灼熱の熱波を展開し打ち付ける。肌が、肺が、臓器が焼ける熱風がデオンを打ち付ける

 

「っ、うぅっ・・・!!」

 

マスターと共に在る事により、数多の知識と戦術、自らの炎を操る術を得たジャンヌ。これもまた、敵を無力化するための、リッカの戦いに合わせた炎の活用法であるのだ

 

近付くことも出来ず、じりじりと焼けていくデオン。マスターと深い絆を結んだトップクラスのサーヴァントと、野良サーヴァントの差が如実に露呈しているのだ

 

「強情ですね。別に取って食ったりはしないのですから、リッカの言葉に耳を傾けなさい」

 

「私たちはお団子を回収しに来たのー!戦いに来たんじゃ無いのー!」

 

片手でバトンのように旗を回し、勢いを増し吹き飛ばす。木に叩き付けられ、息と短い悲鳴を上げるデオン

 

「ああっ――!」

 

闘志は萎えてはいないが、剣を取り落としてしまった。即座に剣を拾おうと――

 

「ぐうぅうっ!!」

 

剣は、拾えなかった。その右手を力の限りにジャンヌオルタが踏みにじったからだ。剣を取られれば戦うしか無くなる。勝敗は決していると主張するために

 

「諦めなさい。ゲームセットです」

 

「――魔女め・・・っ!」

 

「盗人に侮られるとは心外ですね。さて、頭は冷えましたか?まだやるというのなら、腕の一本か足の一本を潰して、不格好なダルマになってもらいますが」

 

「・・・――無念・・・っ」

 

敗北を認め、弛緩するデオン。その様子を見据え、やっと一息つくジャンヌオルタ

 

(私も、こんなに戦えるようになったのですね。あぁ、懐かしい)

 

雑魚に手こずっていたのが懐かしい。今では、戦法を考える余裕がある。マスターの指示に従える余裕がある。リッカの戦いをサポートできる余裕がある

 

(――私は幸運ね。求められただけでなく、こんなにも大事にしてもらえるなんて)

 

「デオン、サンソンさん、大丈夫?治癒するからじっとしててね」

 

「うわあぁあぁあぁあ!?」

 

黒き泥に飲み込まれ治療されていくサンソン。絵面は最悪だが治療である

 

「次はデオンね!」

 

「ま、待って――ひぁあぁあぁあぁあ!?」

 

ずぶずぶと泥に絡め取られていく。治療である。霊基に染み渡る治療である

 

 

(誰かを殺すのではなく、誰かの為に戦う。――悪くないわね)

 

黒き憎悪は、誇りと融合し漆黒の意思へと変わる。悪を為し、命を救う篝火に、道を切り開く猛火へと転じている

 

「――ふふっ」

 

狂気と自棄を孕んだ笑みも、いつしか柔らかい笑みへと変わっている。一人の女子として、柔らかなものに

 

「お疲れさま、じゃんぬ!カッコ良かったよ!」

 

リッカが、マスターが抱きついてくる。全身の感情表現というやつだ。赤面しながら、怪我をしないように受け止めて上げるじゃんぬ

 

「でしょう、そうでしょう。あなただけのサーヴァントなのだから当然です。――ちゃんと」

 

「ん?」

 

「ちゃんと、あなたのサーヴァントに相応しい働きはできていましたか?私は、それだけが気掛かりです」

 

耳まで赤くしながら、視線を泳がせ聞いてみる。それはまるで、大型犬が尻尾を振り、誉めてもらうのを待つように

 

無論――今はかつての擦れ切った狂犬ではなく、主人の命令に忠実に従う、訓練された闘犬なのだが

 

「もちろん!マシュが盾なら、あなたは私の誇りだもん!」

 

「・・・そう、ですか。なら・・・」

 

ぼそぼそと、聞こえるか聞こえないかの声音で

 

「・・・がんばった、甲斐がありました・・・」

 

そっと呟き、見えない尻尾を振るじゃんぬなのであった・・・




「まぁ、これは盗まれたものでしたのね・・・そうとは知らず、ごめんなさい。少しだけ食べてしまったけれど、お許しくださいね・・・」

「赦す。知らぬは罪だが、渋ることなく己が非を認めし殊勝さに免じてな。無垢と憧憬は良いものだからな、うむ」

(オマエもすっかりエアに骨抜きだな)

《ゴージャスたる所以よ、仕方あるまい》

「最初からそう言えば・・・、え、ちょっと何よ全然足りないじゃない!?三トンよ!?その十分の一しか無いじゃない!」

「あぁ、それはね?運ぶ途中に出会った三人連れの方々に、お裾分けとして譲ってあげたの」

「数トンを!?バッッッッッッッカじゃないの!?困るでしょそんなの!?渡す方も渡される方も!?」

――どちらに!どちらに向かったか解りますか!?その、このマリーはワタシの友達のマリーではない王妃なのであえて敬語で!

「たしか、マルセイユの海辺で祈りを捧げると仰っていたわ。まだまだ間に合いますわよ!」

――ギル!フォウ!

《うむ。次なる指針は見えたようだな》

(三人連れかぁ・・・次はどんなオモシロ連中なんだか)

――ありがとうございました、マリー!ワタシと友達になってくれて、ありがとう!

「ふふっ、今のゴージャス様、とても身近に感じますわ。何故かしら?・・・不敬とお怒りになられまして?」

「構わぬ。我とお前の仲ではないか」

「ふふっ、はい♪お元気で、ゴージャス様に素敵なあなた!」

「行くわよリッカ!金ぴか!次もお話死するわ!」

「うめ、うめ」

「つまみ食いしない!レア団子まで我慢よ!我慢!」

「レア団子!?それは楽しみ!さぁいくよ皆!お団子だらけの新天地によぉ!」

「――まぁ待ちたまえ。焦っても良いことはない。うちのバカ二人が迷惑をかけた。お詫びの一曲、いかがかな?」

「!あなたは・・・!」

「ワタシはアマデウス仮面。神にめっちゃ愛されし音楽の超天才さ。最近僕の縁者が実装されたと聞いてちょっとワクワクしている!」

「なんでこのタイミングで出てくるんだお前は!サンソンと三人がかりでかかれば勝てたかもしれないのに!」

「だってどう考えても悪いの君たちだったし。暴力に訴えた君達より話し合いを掲げた彼女らの方が何倍も理性的だったろ?」

「それは、悪かったけど・・・」

「身内の不始末だからね、今回はただで構わないよ。さぁ、一夜を飾るに相応しい曲をリクエストしてくれていいよ?」

「そうさな。・・・ならば、きらきら星とやらを弾くがいい」

「ギル!?」

「まぁ・・・!」

――ギル、なんだか素敵なチョイスを!理由をお聞きしても?

《特別なものになっているのだ。マスターという存在にとってはな》

(――あぁ、そうだね)

「ふむ、良いだろう。リッカ君もいいかい?なんなら俺の尻を舐めろでも・・・」

「私野蛮だけど下品じゃないですぅー!!」

「燃えますか?ねぇ?リッカへの侮辱は火刑ですよ?」

「おっと薮蛇だった。じゃあ、行こうか!『きらきらぼし』!良ければ歌っておくれよ!サンソン以外!」

「誰が歌ってなんかやるもんか!あぁ、くそ!一時の平穏がひどいことに・・・!」

そして始まる、一時の演奏

――きらきらひかる、夜空の星よ・・・

(六分とか尺とらなくていいからね、頭おかしいと思われるから)

「やっぱり音楽ならあなたは一番ね!それ以外はその、控えめに言って酷いけれど!」

「うん、控えめの意味を辞書で引こうマリア!」

「音楽、ね・・・」

「嫌い?じゃんぬ」

「いいえ。・・・先入観は、嫌いですから」

「うん!き~ら~き~ら~ひ~か~るぅ~」

満点の星空に、歌声と演奏が響く

《――やはりな。無駄と切り捨てるには、この文明には多様にして繊細なものばかりよ》

人間が産み出したその形無き宝を、慈しむかのように。王は腕を組み、しかと聞き入った――

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