人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
『デビルメイクライ4』
「ブースターの習得に必要な要素はこれで大体解ると先輩が!流石先輩です!私も、空を駆け抜ける後輩として頑張らなくちゃ!」
『アーマードコア』
「「では早速文化の集いで・・・」」
「・・・マシュ」
「マリー所長!?」
文化の集い
「何を吹かしまくっとるのじゃ!オバヒゲージ真っ赤ではないか!田舎の武将かマシュマロ!えぇいワシに貸せぃ!尾張の爆散ゲージ管理を見せてやるのじゃ!」
「散っては意味がないです信長さん!駄目です信長さん!」
「へぇ・・・ダンテが使う拳は、ギルガメスと言うのね。いい名前」
「私おすすめの武器ですよ!ライジングドラゴン、リアルインパクトの際は悪魔化で多段ヒットさせましょう!パンドラゲージが貯まったら雑魚敵はオーメンで処理しましょう!」
「ジャンヌ、あなたはそれでいいの・・・?」
「アイス作ってきましたよー!沖田さんと食べる人この指とーまれ!」
「沢庵アイスか」
「糞マズなゲテモノじゃあありませんよーだ!あ、私厠掃除があるのでまた!」
「お、マシュマロこのミッション羽振りがよいぞ。ミッション内容はよくわからんがうまいミッションじゃろ。受けるのじゃ。わしの勘を信じよ!」
「はい!」
「ロイヤルガードのジャスガを活用しましょう!こまったらパンドラ!パンドラです!」
「すっかり染まったのね・・・」
天元の華、極みの誓い
剣の道、それはけして容易に非ず。遥かなる研鑽と修練の果てに辿り着く、『位』にして極み、極致と呼ばれし境地。数多の武者や侍、全ての兵法者が目指す『無二』の境地。そこにたどり着く事こそ、剣を手に取るものの究極の『一』
其処にたどり着くためにあらゆるものを斬り、捨て、目指し、歩み、学び、在り、重ね、その果てにこそ想いを馳せる。それ故に、あらゆる者を打ち捨てようとも、あらゆる犠牲を払おうとも。その頂きに至らんがため、武者も侍も人生を費やし死山血河を築き上げる
其処に至るはあらゆる修練
其処に至るはあらゆる収斂
究極の『一』に至るため、全ては研鑽を惜しまない
・・・だが、其処では満足できぬ者がいるとしたら?一ではなく、その先。『零』へと至らんとするものがいるとすれば?
其処に在りしはあらゆる可能性を廃した故の先。あらゆる『一』を廃した先にある『空』の座。誰も到達せぬ極点の剣、無念無想を断ち切る『無』の観念
──無限の概念に仇をなす『有限』の境地。其処に至ることこそ。二天一流の悲願にして最後の到達点
だが、其処に至るには何れ程の修練がいるのか?何れ程の研鑽がいるのか?何れ程の道筋が、未来が、果てを目指して進めば良いのか?
その行き先、五里霧中にして暗中模索の道筋なり。その空への座、照らす道筋は非ず
・・・されど、如何なる闇であろうとも。何れ程遠く、果てしない道筋であろうとも
天元の華、ありのままに咲き誇る。その傍らに・・・邪悪なりし龍を侍らせ、共に歩む
・・・これは、屍山血河の仕合舞台に至る前の前日譚
空の座を目座せし者の、微々たる歩みの記録──
~
楽園、カルデア。最早説明不要のこの世の楽園。この世の全てを背負いし王が定めし地上の楽園
あるがままにあり、全てを悦楽を許されし場所。南の果てに在りし人類未踏の至高の座。その場所にて自らを磨きし者が在る
豪奢な絹の装いに身を包みし、太刀を四本携えし女武者。太刀を両手に握りしめ、自らの城の庭にて気を練り上げる華がごとき者が一人
「すぅうぅ──っ」
両手に確かに握りし両の太刀、身体に覇気をみなぎらせ。目の前に置かれし自らの背丈を越える巨岩へ剥けて高らかに腕を上げ、刹那の瞬きのその先にて──
「ぜぇえいっ!!」
振り下ろす。たぎりし気合いと覇気の乗った豪断一閃が岩に叩き込まれ、真っ二つに斬り割れる。その断面は荒々しく、人など無惨に打ち捨てられるだろうその偉容を雄弁に語る
女の細身と侮るなかれ。その膂力は容易く刀を振るい、その泰然自若とした姿に無為な力はなく、その腕前は天下に轟く二天の剣
「すぅうぅ・・・っ」
残心と共に刃を納め、静かに息吐き呼吸を整える
かの剣の使い手こそ、世界にその名を轟かせし大剣豪。齢十にして人を斬り、乱世にて無敗の逸話を打ち立てし天下無双の大剣豪・・・
「──はいだめー!!奥義になんて程遠いー!力任せで岩を斬るのが関の山とか酷くない!?包丁もかくやのなまくらっぷり!あー!開眼にはまだ程遠いです!つらいっ!」
宮本武蔵・・・で、あるのだが・・・?
「あー!今日は奥義の日では無いそうです!リッカさーん!休憩!休憩しましょう!切実に!」
「はいよー!・・・ふっ!」
大の字に寝ころがった武蔵の言葉に答えるは藤丸リッカ。スパッツ、スポーツブラの装いにて剣・・・では無く。朱色の『槍』を振るいて修練をこなす人類最悪のマスター
「ふんっ──はぁあぁっ!!」
空を穿ち、大気を突き刺す一撃を見舞い、身体を起こし呼吸を整える
「・・・うぅん。刀と弓は母上とアルテミスの助けもあって熟練だけど、槍はなんというかまだまだだなぁ。振り回す以上の意味を得られていないっていうか・・・」
朱色の槍を見据え空を見上げる。リッカは自ら自身の腕前に、まだまだ納得がいかないようだ。日々此精進。今日は槍にて修行である
「とりあえず今日は此処までにして、うどんとお団子といきましょう!腹が減っては戦は出来ぬ!腹拵えは全ての基本と観音様も申しておられますからね!」
武蔵ちゃんのぐいっとなジェスチャーに頷き、脚で槍を蹴り、泥にしまいこみ身体を伸ばす
「そだねー。根を詰めるのは身体に毒。美味しいご飯にしよっか!」
「さっすがー!リッカさんは話が解るゥ!ささ、私の奢りでいただきましょう!リッカさんとうどん、おうどん!」
リッカの背中をぐいぐいと押し、二人は備えの茶屋にて羽根を伸ばし休息を取らんと足取り軽やかに歩みを進めるのであった
「うわっ、リッカさんホント身体逞しい!身体中に無駄な贅肉と脂肪が一つもない!あ、胸とお尻は除外ね!」
「ケイローン塾の賜物だよ!うん、鍛えすぎてお腹がうっすら割れています」
「・・・リッカさんが美少年だったら危なかったかも・・・」
「?」
「なんでもないなんでもない!ささ、おうどん、おうどん!」
「おだんごおだんご!」
色気より食い気。煩悩まみれの華より団子な二人の少女剣士にマスターなのであった。女子としては、互いにたおやかさと艶やかさはまだまだである
~
「我が身、未だ空には至らず。しかして空を見上げ食べるうどんはいと美味し・・・」
100石なる倶利伽羅武蔵城。日本有数の城にすら連なることが叶うその巨大な城の天守閣の縁にて、再現された空を見上げ二人の少女がうどんをすする
「何それ」
「乙女の切ない心を即興で詠ってみたのですよリッカさん。採点おいくらでしょう?」
「うーん。75点」
「やった意外と高い!お捻り期待しちゃう!」
騒がしくうどんを食べる武蔵に苦笑しながら、リッカもまた空を見上げる。首にかけた将門勾玉が淡く光り、火照った身体を癒してくれる
食べるうどんは讃岐うどん。卵と塩豚肉を盛大にうどんにぶっかけて作る塩豚温玉ぶっかけだ。卵がスープと混ざり合い、そして麺と歯応えのある塩豚肉をすすり、かっこみ、喉に流し込む。手が止まらぬ食べやすさとがっつり腹に染み込む肉、卵、麺。特訓にて空いたお腹をしっかり満たしてくれる御気に入りのメニューだ
騒がしくも楽しい二人だけの食事を終え、手を合わせる。腹が満たされた体で、ぼんやりと空を見上げ、うららかな時を過ごす
「武蔵ちゃんはさ、どうして奥義にたどり着きたいの?」
暖かで、穏やかな気風に目を細目ながらリッカは武蔵ちゃんに尋ねる。その極みに至る想いと意欲はどこから来るのかと。なんとなく気になったがゆえの疑問だった。気も、緩んでいたのかもしれない
「ん~。まぁ武芸者として生きるなら当然目指すは極み、頂ですし?こんな立派なお城もいただけた恩返しの気質もありますし?」
何より・・・武蔵ちゃんがごろりとねっころがり空を見上げる
「何より・・・糞親父を見返してやりたいって想いが、原点にありまして。その幼稚な意地の一念を、こうして今も貫いているわけです。恥ずかしながら」
「お父さんと何かあったの?」
その質問を聞いた武蔵ちゃんは、なんでもないように答える
「捨てられたの、私。産まれてすぐ、女だからって理由でね」
「──」
目を見開くリッカに気付かず、武蔵は空をぼんやり見上げながら。雲を見上げながら自らのマスターに素性を告げる
「私の親父はそりゃあ強くてですね。新免無二斎なんて名乗りやがりまして。これはつまるところNo.1にしてオンリーワン。私より強い人間はいないぞ、なんていう自負のようなものでね。それを名乗るだけの実力もちゃんとあった親父は、これ以上ない『一』の剣を身に付けていた。究極の一。誰もたどり着けぬ無双の剣。・・・でも、私はそれを越えようと思った」
捨てられようと、封殺されようと絶縁されようと。家ノ前に小屋をおったて、食らいつくかのように対抗し、剣の道を歩んだと言う
「そんな糞親父を越えるのは、無限や無二を越えた『零』の剣。無念無想を断ち切る有限の剣の境地。空の概念に至る事により無二斎の剣を越えると自負し、定義した訳です。まぁ要するに親父殿への反骨心が多分に含まれているわけで!剣禅一如とかツバメを斬りたいとか誰かを斬って誰かを生かすとか、そういう志はないと言うわけね!我欲まみれ!広い世界を見渡しても、私のような破天荒な侍はいないでしょう!・・・でも」
我欲と意地にまみれているからこそ、この道は止まれぬ、引き返せぬと武蔵は言う。これは自らが歩むと決めた、自らのみの武者の道と
「だからこそ、私はこの道を半端に終えることはできないのです。事の起こりはしょうもなくても、目指す場所は崇高なものだと信じているから、私は剣を振るい旅を続け、空の座へと手を伸ばし続けているのです」
それは決意であり、武蔵の剣にかける矜持。自らが始めたことを、自らが投げ捨てるわけにはいかないと。そんな半端は出来ないと自らに定めたと武蔵はいう
「とはいっても、まだまだ未熟で指先もかからぬ浪人武士。一城の主には似つかわしくない貧相さなのですよ、お恥ずかしながら。だから・・・」
身体を起こし、空を見上げる。その先にあるものを、真っ直ぐ射ぬくように、手を伸ばし、握る
「生きていく上で、必ず至りたい場所。其処に人生の道筋を繋げ歩む。それが、私の旅なのです。寄り道したり迷ったりばかりの珍道中ですが、歩みを止めることはしない。それが私の決めた武士道なのだから、って感じ?参考になっちゃった?どう?」
その言葉を受けたリッカは静かに笑い、縁に顔を置く。そしておどけたように言葉を紡ぎ、からかうように笑顔を浮かべる
「武蔵ちゃん私より苦労してるー。私なんかましだったよ家庭状況」
「有り得ないよね!女だから捨てるとか!男尊女卑も大概にしろっつーの糞親父!!」
「昨今のフェミで話題になってるねそれ・・・まぁそれはともかく」
リッカは思う。その道筋は、きっと必ず成就すると。遠くても、彼方でも。歩み続ける限り必ず行きたい場所にはたどり着ける。そんな従者、決意を持ったサーヴァント(生身だけど)にマスターが伝えられる言葉は一つだ
「じゃあ、私が傍で見ててあげるよ。武蔵ちゃんが奥義に至るところ。その瞬間の立会人として、私は武蔵ちゃんの傍にいる」
たどり着く場所は武蔵ちゃんだけのものでも、そこに至るまでの道筋は共に歩む事はできる。肩を並べて一緒に歩むことは、出来るのだ
それがマスターの役目で、乙女の甲斐性と言うやつであるが故に。最後まで傍で、武蔵ちゃんの歩みを見ることを、他ならぬ彼女に誓う。そして・・・
「それで、奥義に至ることが出来たら・・・その時は正式に、私と勝負しよう」
そして、その先に私は待つ。奥義に達した武蔵ちゃんを待ち受ける一人の友として、武蔵ちゃんに立ちはだかる
奥義に達した武蔵ちゃんは、きっと目的を見失ってしまうだろう。全てを捧げ歩んできたものを極めると言うことはそう言うことだ。其処に至った瞬間、何もなくなってしまうかもしれない
何も、やりたいことが・・・やるべき事がなくなってしまうかもしれない。そうならないように、私が彼女の人生の生き甲斐の一つくらいにはなってみせたい
あなたの人生は、これからだよと・・・奥義に至った彼女に伝え、手を引くために。私は武蔵ちゃんの前に立ち塞がろう
いつか至る武蔵ちゃんの『空』と、自分が母上から授かった『雷』。いつか、武蔵ちゃんと交える日を待ちながら、武蔵ちゃんの旅路を見続けよう
「その時に、どっちが強いか決めようよ!・・・なんてね」
武蔵ちゃんの生き甲斐になれるなら、母上を殺め手にした奥義にも、きっと意味があるのだと信じたい
そうすることで・・・きっと。私の業と奥義は、誰かを活かすものへとなれると思うから
「──えぇ。臨むところです」
武蔵ちゃんの目がぎらりと光り、不適に笑いリッカと肩を並べる
「あなたの雷位に、空位にいたればようやく勝ちの目が生まれる筈。今は100回やっても叶いませんが。ただ一度の勝機が生まれたならば、私は全力でそれをつかみとりましょう。・・・その瞬間こそ、私達が本当に通じあえる時間だと信じて。私は極みを目指しましょう」
その言葉と共に、武蔵は拳をリッカに突き出す。誓いの言葉と、想いを重ね合わせる為に
「それまで、共に頑張りましょう!天下泰平御機嫌王の名の下、互いにマスター、護り刀として!」
「──うん!」
その拳に、拳を重ね合い。二人は笑い合う
共に、頂にて剣を合わせ、その先にある絆と極みを掴みとる。その誓いこそ、自分達の絆であると
生きていく為の・・・互いの不文律なる誓いであると。二人は青空の下、誓い合うのだった──
「よーし気合い入ってきたー!早速果たしあ・・・いえ、それはまた今度!」
「うんうん、私も槍の修行があるしね!」
「必ず勝ちの目を作りますから!首を洗って待っているんですよリッカさん!余裕は続きませんからね!」
「えぇー?本当にござるかぁ~?」
「本当ですー!狸小次郎の真似は止めてくださーい!」
快晴なる青空の下。武蔵の城にて、龍と華が笑い合う──
・・・そして、あくる日
「リッカさん!リッカさん大変!すぐ私のお城に来て!」
「ふぁ!?」
その道への一歩が今、拓かれる--
「来たか、マスター。見よ、この孔を。此処ならざる世界に繋がる場所、剪定の旅路に繋がる何処へ導く歪みに他ならん」
武蔵城の天守閣にて、英雄王とロマンが冷静に分析する
「どうやら、何処かの離れ島に繋がってるみたいだね。僕とギルの千里眼で見てみたよ。どうする?行ってみるかい?」
「あ、行っていいんだ!?」
「当然よ。こやつの眼もあり、いざとなれば我の単独顕現で貴様らを連れ戻す。不安など微塵もない。好きに出向くがいい。磐石の支援とはそういうものだ」
--他ならぬ此処に孔が顕れたということは・・・武蔵さんとリッカちゃんに関係があることと見ています。ワタシ達に支援は任せ、思うままに進めと王は仰っています
(マシュとマリーは訓練中だしね、丁度いいや。行っておいで)
「--観音様の御加護、無下にするも罰当たりとは思いますから願ったりですが・・・リッカさん、大丈夫?私に付き合う形となりますが・・・」
「勿論いいよ!武蔵の武者修行、始めだね!」
「ノリがいいんだからもう!分かりました!御機嫌王、私とリッカ、観音様の導きに従います!」
「よし、では向かうがいい。少しはそのうだつの上がらぬ剣技、マシに磨き上げて来ることだな」
「辛辣ゥ~・・・!いいのです!鍛えますから!ではいきますよ、リッカ!」
「オッケー!槍の修行しよー!」
そうして旅立つ、二人の女子
その先にあるものは、果たして・・・
「あっさり向かわせたね・・・いいのかい?」
「構わぬ。砥石は多ければ多いほど良いからな」