人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「今日からお前の教育下に入る者達だ。技術を叩き込め。手抜きは許さぬぞ」


「マリー・アントワネットよ!ヴィヴ・ラ・フランス・・・じゃないわ、オイデヤス!」

「ネフェルタリ、と申します。誠心誠意頑張りますね」

『式よ。式ちゃんと呼んでほしいわ』

「アルトリア・ペンドラゴン。管理と、マナー違反を取り締まります」

[アルクェイド・ブリュンスタッド・・・別に、夜を支配しても構わぬだろう?]

「はぁあぁあぁ!?日本人が一人しかいねーじゃねーですかー!?」

「席をはずすぞ。信長、アルクェイドの個室を忘れておったわ。相部屋は見落としていたわ、うむ・・・」

--皆、どうか頑張って!ワタシもまた必ず来るから!

[好きに動け。暇潰しに精を出しておく]

『くれぐれも、妖怪に気を付けてね、エア』

--うん!皆、また後で!一緒に踊ったりしようね!

(なんだ此処は・・・天国か!?)

《見目麗しくなくば出店など出せまい。我プロデュース!ゴージャス御殿は此より始まるのだ!ふははははははは--!!》


序ノ口

宝蔵院胤舜・・・日本において誉れも高き宝蔵院槍術。突くのみであった素槍に改良を加えた、画期的な発明品『十文字槍』を開発した偉大なる開祖、宝蔵院胤栄に続く、槍術流派の系譜、二代目なる坊主にして槍使いである

 

『突けば槍、払えば薙刀引けば鎌』。とにもかくにも外れあらまし・・・槍此万能なりし武器に改良した古今無双を欲しいままにする日本の歴史に残りし流派であったのだが・・・初代における胤栄は、仏門に至りて画期的にて凄まじき槍を手放した

 

『仏門に至るならば、殺生の土壌となる槍は握るべきではない。仏門に槍は不要なものだ』

 

入寂に至るまで槍を握る事なくした初代胤栄であったが、二代目・・・胤舜はけして槍を諦めなかった

 

『そのような弱気では仏にも憐れまれると言うもの!槍、仏門!共に修め、真に極めてこその宝蔵院!刮目すべし神仏よ!説法、貫通、共に極めを届けようぞ!』

 

その言葉、その宣告通りに胤舜は槍に生き、仏門に生き、ひたすらに槍を修め、ひたすらに槍を磨き、自らを律し、精進に至った。

 

酒は不要、突きが濁る。肉は不要、薙ぎが鈍る。あらゆる煩悩を否とし、その身ひたすら槍に捧げ神仏に捧げしものが宝蔵院。彼は初代が遺された宝蔵院流槍術を自らの代で完成させる程に槍を極めた

 

初代の編み出した式に連なる、生涯無敗を設立させた十一の式・・・それを編纂し、人理の歴史に名を刻んだかの人こそが・・・その槍に神仏を穿つと名を轟かせし。宝蔵院胤舜なのである──

 

「ワフ!ワフ!ワンワン!」

 

「こらこら!しらぬいよ、坊主の頭を舐めるな!」

 

が、こちらの坊主様の名前である。しらぬいに飛びかかられ、頭をペロペロと舐め磨かれ困惑している気のいい青年。颯爽にて精悍、体幹体格ともに槍に振るうことのみに貫かれたあまりにも整ったその肉体に二人は圧倒される

 

「僧衣を脱ぐ日・・・」

 

「リッカさん、良かったわね!日本の槍使いで彼と並ぶのは本多忠勝さんくらいしかいないくらいの大物よ!」

 

二人は共に違う所感を懐き、胤舜を見ている。しらぬいは構わずに胤舜の頭をペロペロ舐めている。

 

「そら、しらぬい。好物の桜餅だ。ぬいや田助と食べるがよかろう!」

 

「ワフ!ワンワン!」

 

「うわぁい!ありがとういんしゅん!田助もよかったね!」

 

「あうー!きゃいきゃい!」

 

しらぬいの坊主磨きにより段々太陽の輝きが反射され眩しさを帯びてきた頭から離れ、桜餅をぬいと食べるしらぬいを他所に、その槍と頭が輝きながら胤舜は出逢いし二人に告げる

 

「知っているのなら話は早い。我が名は正しく宝蔵院胤舜だ。他の法名で呼ばれたためしもなし。この時代に招かれた『サーヴァント』としての影法師であるのだろうよ」

 

あっけらかんと言う胤舜。最早自分の立場に混乱は見せておらぬ様子だ。人に名乗るはまず自分から。胤舜は自らの召喚されてからの経緯を語る

 

「此処に招かれたのは二ヶ月前だ。とある神宮の端にて気が付いたら立っていてな。だれが招いたのか、誰がマスターなのかとんと知れず身寄りもなし。どうしたものかと途方に暮れていた矢先にアレ、しらぬいに出逢ってなぁ」

 

神宮の境内にて現れた、顔がおとぼけた白き狼。それが袖を咥え、『こちらに来い』と言うものであることをまず胤舜は怪しんだ。白き狼、神の遣いかもののけか。是非とも確かめんと槍を持ち手合わせを挑んでみた訳だが・・・

 

「いやはやそれがそれが。右へ左へ空へ地上へ股下へ!自在な風か木の葉がごとく我が槍をかわすかわすの大立回り!思わず感服した程だ。天晴れ!獣畜生にはあまりに惜しい!是非とも我が門を叩かぬかと勧誘するほどにな」

 

武蔵は目を見開いて桜餅をぬいや田助と食べるしらぬいを見る。あのとぼけた狼が、神仏に達する槍をかわしにかわしたと・・・?

 

「ダメだよしらぬい!喉につまらせちゃうよ!ゆっくり食べて、ゆっくり!」

 

「わふ、むぐむぐ」

 

にわかには信じかたいが・・・先程の妖怪におけるあの立ち回り、あの勾玉の使い方・・・たしかにあの狼には『何か』がある。それが何かなのは未だ掴めぬが、必ずや自分達の知らない秘密や使命を持っている。リッカも武蔵も、そうなんとなく思うのであった

 

「・・・(カチン、カチン)」

 

「ワフ?」

 

見れば武蔵ちゃん、鯉口を鳴らしながらしらぬいをじっと見つめている。その刀を鳴らす仕草は御誘いだ。『オラぁおめぇとたたけぇてぇ!』とされる仕合の意味なのである。リッカは知っている。鳴らされては仕合をしたのだから。槍だけど。剣だと逃げられてばっかりだったけど。

 

「こらこら、ぬいや田助の連れを誘うな」

 

「あ、ごめんね!つい!気にしないで!」

 

「ワフ」

 

(・・・私の誘いをさらりとかわす。何処までも読めないわんこ様ね。闘志はあれど武威は無い。徹底した奉仕主義なのかしら。・・・優しい子なのね)

 

武蔵渾身の誘いをおとぼけと御誘いでかわされ、武蔵は苦笑する。この狼、お調子者なのか大物なのか・・・今は置いておき、胤舜の話に注目する

 

「そして観念し、しらぬいについていったところ、同じサーヴァントたる刀鍛冶の場所に免れてな。薪割りと精進料理の馳走を条件に身を寄せてもらうことになったと言うわけだ。聞けばしらぬいは既に世話になっていた先輩のようなものでな。ぬいや田助の面倒を見、共に行動をしている・・・まぁ、戦友のようなものだ」

 

その評判を聞いたリッカは喜色満面の笑みとなり、しらぬいにすがりつきすりすりモフモフとなる

 

「スゴいじゃんしらぬいー!ぽわぽわしてるけどスゴいやつなんだねー!しらぬいー!」

 

「ワフ?(ぺたり)」

 

「アフゥ」

 

「あははは!りゅうじんさま、たこみたい!」

「きゃっきゃっ!あぅー!」

 

そんな評価をものともせず首を傾げ、耳をピコピコさせながらしらぬいはアジダハーカを討伐する。モフモフと肉球にて彼女を完封しているのだ。そんな骨抜きな様子を見て、ぬいに田助は大笑いしている。微笑ましい団欒の様子に武蔵はほっこりしながらも油断なく告げる

 

「それはそれは。とても頼もしいわんこと仲間が加わって幸先良いことこの上無いです!・・・では私の名前を。私は宮本武蔵。新免武蔵守藤原玄信・・・と言えば分かっていただけますでしょうか?」

 

「む、あの新免武蔵か。女性だったとはな。そしてあちらがカルデアのマスター。相分かった。宜しく頼むぞ」

 

あっさりだった。二人の生い立ち、二人の立場に身分、そして二人の正体。それら総てをあっさりと受け入れし胤舜。えもすれば無頓着とも言えるその反応に武蔵はすっとんきょうな声を上げる

 

「え、驚かれないの?武蔵は女だったー!とか、女二人で何をしているのかー!とか何処から来たのかー!とか!」

 

「我が槍を捌く狼がいる。それより驚くものなどそう在りはせんよ。それとも御主、畜生と奇想天外さを競うのか?」

 

「・・・ぐうの音も出ません・・・私達も驚いたんですもん・・・」

 

勾玉の力を借り、凄まじい勢いで怪異を倒したあのわんこ。あれの謎さに比べたならば、こちらの奇怪さなど微々たるものであった。それを察し、会話の尻を引っ込める

 

「ワフ?」

 

会話は終わった?と言わんばかりに桜餅をむぐむぐ食べるしらぬい。

 

「もー!すっとぼけちゃってー!いいわ、そのうち絶対正体掴んでやるんだからね!」

 

どこまでも戦や戦いには無頓着に振る舞う辺り、彼女は強さには興味が無いのだと思う。何処までも掴み所のないその立ち振舞いに、やっぱり笑うしかない武蔵であり、観念してもふりはじめる

 

「ワンワン!」

 

「分かった分かった、そう急かすな。村正殿も心配していた。今日は庵で穏やかに過ごすとしよう。よいな?皆」

 

「「「はーい!」」」

「だぅー!」

 

「良し!それでは元気良く歩くとするか!日々これ修行!足腰は槍を振るうに大切な部位であるからな!はははは!」

 

そうして歩き始めた一同であった。そんな中、胤舜はリッカの槍に興味を持つ

 

「時にそちらの禍々しき少女。先に振るっていたのは槍かな?徹底的に仕込まれた基本の槍、さぞかし槍を修めんとしているが、いかに?」

 

「は、はい!剣と弓はその、頑張ったんで。槍もサブウェポンとして修めてみようかな、と」

 

「サブウェポン・・・副武器ということか?ははぁ、あのどう進むべきか悩んでいた槍運びはそう言う事かぁ。そうか、そうか。──藤丸リッカ!槍はいいぞぅ!!」

 

がしり、と肩を掴み精悍に笑う胤舜。先に見ていたリッカの真摯な槍に影響されたのか楽しげに槍の素晴らしさを説く坊主が其処にいた

 

「『突けば槍、払えば薙刀引けば鎌。とにもかくにも外れあらまし』とも伝わるこの十文字槍!槍は全てに勝る武器!剣より遠く、弓より速くまた近い!そして身体が一つの槍となり駆け抜けるあの感覚は病み付きだ!それを解ってもらいたいのだ、御主には!」

 

「教えてくれるんですか!?」

 

「あぁ、実は我が身は中々教鞭を取る事はなくてな。生徒や門下はさほどいなかったのだが・・・お前の身体はいい、実にいい。武を修め、戦うものとしての黄金比といっていい!女性にしておくにはまこと惜しいほどだ!そして槍から感じる禍々しさ、そしてそれに惑わされぬ性根の真っ直ぐさ・・・後進と見て、お前程引く手あまたな者はおるまいよ!」

 

そう、リッカに教えを告げるものが多いのはそう言うものだ。土台、基礎をギリシャ組に叩き込まれ、発展や応用に辿り着くまでの孵化段階、ゲームで言うなら大量のスキルポイントが溜まりに貯まっていながら振り分けられていないようなキャラクターを目の当たりにしたようはものである。だからこそ、皆彼女に教えたがたるのである。本人が素直なため、真摯に覚えてくれるのもプラスである

 

「聞いたところ、暫く滞在するのだろう?良ければ宝蔵院流槍術を手ほどこう。お前の剣や弓の腕前は分からぬが、必ずや追従できると思うのだが」

 

その願ってもおらぬ申し出に二人は顔を見合わせ歓喜する。出逢いの縁は此処に紡がれ、武蔵ちゃんだけではなくリッカの研鑽もまた成されることとなる。槍の本懐と鋭さが、また1段階上の高みとなるのだ

 

「やったじゃないリッカさん!師匠様が増えるわよ!雷位、アルテミス様に連なる宝蔵院!勝ったわねこれ!」

 

「うん!」

 

「ははは、では庵にて・・・待て、雷位?雷位と言ったのか?もしやそれは、極みに達していると?お前がか!?」

 

「・・・、・・・色々、ありまして」

 

「む、そうか・・・込み入った事情なのだな。まぁそれはともかく!ではこの胤舜が教える槍の冴え、とくと楽しみにしていておけ!槍は、いいぞ?」

 

バシバシと背中を叩く胤舜。地味に武人としての太鼓判も押されてしまったが・・・ケイローンにより身体中の筋肉が作り替えられているので気にしないことにする

 

「さて、では・・・──いや、一足早く目の当たりにさせてやれるようだ」

 

胤舜がニヤリと笑い、しらぬいが高らかに叫び出す。その不穏な気配を感じとる。それらは間違いない。先にも現れた・・・

 

「ワォオォーーンッ!!!」

 

曇天、暗雲、淀んだ空気。空が失われ、魔が溢れ出す空気にて、前方に武者たちがたむろする

 

「また出た・・・!しらぬい、大丈夫?」

 

「ワフ!!」

 

「ぬぉっ!?」

 

ゴィン、と頭突きにて胤舜を前に押し出すしらぬい。恐らく先程の会話の意図を組んだのだろう。耳をピコピコさせながら一声上げる

 

「ははぁ、口先だけでは伝わるものも伝わらぬと?いかにもその通り。武人が腕を口で吹聴してなんとする。言葉の百より突きの一つ!リッカ、しらぬい。ぬいと田助を守り下がっていろ」

 

「ワフ」

 

グイグイとリッカを引っ張り距離を置く。胤舜自慢の十文字槍を構え、静かに握り、型へと入る

 

「助力するか?武蔵」

 

「──いいえ、折角ですもの。古今無双の槍の冴え、存分に堪能させていただきますわ」

 

あえて挑発する武蔵。鯉口が疼くのを抑えながら、胤舜の槍を垣間見るために高みの見物を決め込む

 

「よろしい、では──我が術技を御見せしよう!」

 

【【【【──!!!!】】】】

 

唸りを上げて襲い来る鎧武者が四体。それらがすべて、殺到し、静かに目を閉じる胤舜に襲い掛かる。だが──

 

「──ぬぅうぅんっ!!!!」

 

──それは、一閃であった。握り、構え、呼吸を整え纏めて一薙ぎに振るっただけの一撃であった。だがそれは・・・紛れもない『必殺であった』

 

武者どもは断末魔も残さず消え去る。槍の精緻の前に、過たず消滅させられたためだ

 

駆け回り、武器を振るい、攻め込んでいた筈の武者が根本から薙ぎ払われる。根本から必滅する、渾身にて乾坤一擲の一撃。それが霊の存在を抜根から抜き穿ったのだ

 

「「────」」

「ワフ」

 

目を見開く二人。ぽあっと見るしらぬい。・・・其処には、涙が知らず流れ出るような『流麗さ』、そして一撃一撃が必殺の『清烈』さが槍に備わっていた

 

地位、名誉、富、肉、酒、女。およそ武を鈍らせる総てを捨ててひたすらに武を磨いた求道の果ての境地。呼吸する、体を動かす、ただ歩く。そういった当たり前の領域にまで昇華させた『型』。あらゆる欲を宿らせぬ美しき槍の極致に、二人は息をのみ圧倒される

 

「フッ──湧き出る化生ではこんなものか」

 

所感なさげに槍を回す。いささか物足りはせぬが、消えて失せたならば仕方無し。二人にニカリと笑顔を贈る

 

「我が槍術。少しは興味を懐いてくれたかな?槍を極めれば武が極まる。お前の槍も、磨きが深まるはずだがいかがかな?」

 

「宜しくお願い致します!!」

 

即座に頭を下げるリッカ。ちょっと涙ぐんでしまってるのは内緒である。自分では及びもつかない槍の頂点。書文先生に通じる極みを目の当たりにし、涙を流したのだ

 

「すごいねぇ。いんしゅんがやりをふったら、こわいのがひゅーんといなくなるんだよ!ね、すごいよね、しらぬい!」

 

「ワッフ(ドヤッ)」

 

「自分は捌ききった、とでも言いたげな顔だなしらぬい。では第二試合と行くか?」

 

「弟子に・・・」

 

「む?」

 

「弟子にしてください!!」

 

「はははっ!最初からそのつもりだとも!だが、その前にお前の槍の腕前も見せてもらわねばな!これは楽しみになってきたな!さぁ、庵に戻るとしよう!」

 

「ワフ!」

 

一同が団欒するなか、武蔵ちゃんは一人昂りを必死に静めていた

 

(越えるべき壁が、また増えた──本当ならすぐに手合わせしたいんだけど・・・)

 

「おさむらいさまー!置いてくよー!」

 

「きゃーい!」

 

「ワフ!」

 

(・・・こっちの縁が先だもんね。私のこだわりは、また次に)

 

仲間を相手に、斬りかかるわけにはいかない。修羅になるは、また次に。気を取り直し、武蔵は走り出す

 

「はーい!置いてかないでよ、もー!」

 

出逢えた仲間、増えた仲間たち。・・・しかし

 

「武蔵ちゃんはや────っづっ!!?」

 

リッカの左腕に、焼けつくような、ガラスの破片が筋肉にて擦れ合うような痛みが走る

 

「ワフ!?」

 

目を丸くするしらぬい。頭に、声が響く

 

【──気を付けなさい、リッカ】

 

響き渡る、母上の・・・丑御前の声

 

【──剣豪どもが、現れます】

 

その意味を、一同は理解することになる──




【時は来た--】


【・・・ンンン、まさに、まさしく。この日ノ本にて集いし--英霊剣豪、七騎!】

【エンピレオ・インフェルノ・パライソ・叫喚・衆合・そして今、かの邪龍より受けた傷を癒し復活を遂げた・・・リンボ、そして・・・】

【一騎は足りませぬが・・・まぁ、最早些末な事でしょう。我等は既に散りばめられし【怨霊】への回収を始めておりますれば。一人に割り当てられた怨念など、このまつろわぬ集合体の前には些末些末些末・・・えぇ、たかが英霊の一騎、藤丸リッカにくれてやってよいでしょうね】

【・・・リンボ、貴様・・・】

【的外れでもないぞ、妖術師。残さず殺しはするが--増えぬならば増えぬで構わぬ。我等がより、皆殺しにすればよいこと】

【・・・愉しみを見出だしたか、エンピレオ】

【『皇』そして『おんりえど』が在る。そして最大の障壁なる平将門が消え去った今、カルデアに成す術などあるまい。先の見えた戦い、愉悦の一つも見出ださねば立ち往かぬわ】

【剣鬼め。--まぁよい、始めよ、リンボ。夜の帳を下ろせ。まずは--】

【承知。--太陽よ、太陽よ、太陽よ。光を以て温もりをもたらす大いなるものよ、静め】

【・・・槍の極み。さて、あの小娘は何処まで至れるのやら・・・】

【沈め、沈め、沈め、瞼を閉じ、眠ってしまえ。夜でなき刻に微睡むがいい。太陽よ、消え失せよ--】

【将門は失せ、遺した遺物は畜生が一匹。・・・カルデアなどに邪魔はさせぬ】

【太陽よ、消え失せよ。此よりは--『常闇ノ時』来る時なれば】

(ウフフ、再会を心待ちにしております。藤丸リッカ・・・)

【--暗黒よ、来たれ。生きとし生けるものを呪え--】

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