人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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【つまらんなぁ。穴熊や亀を決め込むばかりが二天一流か?これが天下に名高き新免武蔵とは嗤わせる。無論、嘲笑だぞ?】

「っ、好き放題言ってくれちゃって・・・可愛いからって気に入らないわね!」

【それはそうだろう。この世は勝った者こそ官軍なのだ。如何な理、如何な道理、如何なる思想であろうとも。敗北すれば賊軍となり、どんな理屈を掲げていようとも踏み潰される。そう、どのような理由を抱えていてもだ。解るか?新免武蔵】

「・・・そういえば、あなたは日本には悲運の武将として伝わっていますものね。判官贔屓の語源はあなたでしたよね?」

【ふん、どのように伝わっているかなど知ったことか。いいか新免武蔵。歴史とはな、数少ない偉業を無能や雑多どもが好きなように食い散らかし編纂した事象こそを言う。一人が他者を省みず為し遂げたものを、なんの力もない幅を効かせる蛆虫どもが食い荒らしたその紋様がたまさか今を生きる貴様らの世に続いたというだけにすぎん。一から、十まで。なんの価値のない下らぬ書物だ。終わらせることになんの躊躇いがある?私からしてみれば貴様らこそ理解できん】

「・・・」

【死ね。ただ死ね。万全なる統治、平等なる権利、貴様ら一人一人への慈愛など過ぎたものに過ぎん。貴様ら無能の凡愚に自由や権利、慈しみを与えたところで浅はかにも増長し、思い上がり、立役者の排斥に走る!暖かい光に群がる虫けらが這い回り、真に価値あるものを汚し、やがて全てを台無しにするという結末に全ては帰結する。いくら赦そうと、いくら歩み寄ろうと凡愚にして凡俗なる者共が幅を効かし、やがては真なる偉業を汚しつくす!従わぬなら死ね、崇めぬなら滅べ!故に要らぬ、故に不要!貴様らの存在など、貴様らの生や歴史など!全て、全て、無価値!無意味であったのだ!!】

「--聞くに堪えない呪詛の叫び。博愛の否定は思うところがありますが・・・時間稼ぎは上々、弁論の在処は今は置いて、感動の再会と参りましょう!」

【--何?】

「--遅いですよ!リッカさん!!」

【待たせたね!!!】

翼を生やし、槍を構えおぞましい龍の鎧を纏った人類最悪のマスター、リッカが叫喚地獄を打ち払う!

【ちっ、しぶといものだ。生きていたか・・・】

容易く払い、バック転にてゆっくりと距離を取る

【お待たせ!とりあえず、しらぬいがなんとかするまで時間稼ごっか!】

武蔵の隣にたつリッカ。その変わらぬ姿に武蔵は笑みを浮かべ、剣を構える

「リッカさん!」

【うん!!】

「なんか左腕、酒臭くないですか!?」

【色々あってね!!もう大丈夫!飲酒はしてないからね一応!!】

【雑魚の刃をいくら束ねた処で、この叫喚地獄を越えることはできぬわ--!!】

三人の女が今、山頂にてしのぎを削る--!


一筆奏上--ふんぐるい天照奮闘絵巻

大百足との決戦、対峙、対決の日取り。天地に響き渡るこの戦いに決定的な変化が起こる。それは互いに千日手、互いに決着を望めぬ膠着状態に陥った際に舞い降りた外的要因であった。まず──

 

 

【⬛⬛⬛!?!?】

 

百足を滅多撃つ、黄金の財宝の数々。一つ一つが豪華絢爛なる英雄の宝具達。英雄達の手で輝くべき刀剣宝槍の数々。それらの原典。その煌めくばかりの財達が至高の弾幕として射出され、百足の身体を撃ち貫いていくのだ。それらは暗黒に沈んだ夜空がごとき世界の流星群のごとくに、金色の軌跡を都から描き一直線に放たれ、殺到していくのだ。とにもかくにも派手で、着弾する度に輝き、爆発していくものもある。遠目から見ていても炸裂が理解できるかのような、誰の目からも分かるように、『神の技』のような演出をしているのである。百足自体に止めを刺さない程度の弾幕からも、それが読み取れる

 

「ワフッ・・・ワン!」

 

しらぬいはそれがなんのものなのか、誰のもの、なんのものかを即座に理解した。ゴージャス御殿にあるあの王は、静観を決め込んでいるものとばかり思っていたが・・・彼がこのような盛り立てを自ら行うとはどんな風の吹き回しであるのか?

 

──

 

「気分だ!!」

 

(どうしたいきなりオマエ)

 

「ふっ、我が行動が二転三転する理由などこの一言で事足りる!さぁ信仰のお膳立てをしてやろう大神よ、害虫駆除に使う宝具など本来なら使い捨ててやるのだが──此度はあらゆる意味で特殊、特別な我に感嘆し感謝するがいい!」

 

(やっぱりな!小賢しい理由無しで清々しいレベルで前言撤回するオマエ本当にやりたい放題にも程がある!)

 

「ふはははははは誉め言葉だ!!だが我はなにもしておらぬ。至高なる我が姫に総てを一任し我は蔵を開いているだけなのだからな!取り決めに何も反しておらぬわ!」

 

──320の宝具着弾、被弾時に大百足が行う対応1856、パターン1682。選択行動判定完了。・・・追加選定、爆発混乱系列財宝を更に選別完了、射出口20門拡張展開。一秒毎に装填照準。ダメージリアクションを誘発する箇所に更に射出強化。次なる行動予測開始。──とにかく百足さんには大いに効いているようなリアクションを取ってもらいましょう

 

「さぁ大神よ。お前の奮闘を我に見せてみよ!!よろず屋あまてらすの晴れ姿、景気付けがてら民草どもに魅せ付けてやるがいい!!」

 

──ワタシ達も全力でサポート致します、しらぬい様。どうか心折れず、敗北に屈する事が無いように──!

 

──

 

「ワフッ!!」

 

その祈りを告げられ、届いたしらぬいが決意する。勝機あり、しかけるなら今だと雄々しく吼える。相手方にも、けして容易くない不調が巻き起こっているのだ

 

【⬛⬛⬛──⬛⬛】

 

酒気・・・鬼すら酔い潰し、百足すらふらつくような、鼻に入っただけでよろめくような激烈すぎる濃縮にして濃厚な酒の霧が、百足を覆い包んでいるのだ。何処から──それは、彼が巻き付いている山そのものから立ち上っているのだ

 

【利敵行為、いうんやろか?人聞き悪い事言うものやあらへんよ。戦い疲れたお仲間はんに酒振る舞うんは当たり前の事やもんねぇ。うちはちゃーんと、きっちり英霊剣豪のお役目を果たしてるんよ?せやせやたーんと飲んで、たーんと頑張ろ?そぉれ、ぐいっとぐいっと】

 

小柄の鬼が煽り、囃し立て、徳利から濃厚な酒気を立ち上らせ続けている。なんのつもりなのかは誰にも分からない。鬼の思考回路、鬼の行動原理など単純にして複雑、素直にして怪奇。覗き込むものではないのだ。首から上を、覗き込んだ瞬間に貪られるだけなのだから

 

「おーやおや豪気だねぇ。俺も美女に酌されながら桃源郷、というのをつつぃーと書いてみたいもんさ。そうすりゃ・・・何?はしゃいでないでさっさとしらぬい様を助けろ?かーっ!真面目に正義感に燃えやがって!はいはい、解ったよ。異星蛸サマ、燃えに燃えた一筆を奏で上げるとしましょうかい!!」

 

着物から、なんとも冒涜的な魔法少女めいた姿に変身し、ますますもって江戸っ子べらんめぇさに磨きがかかるお栄・・・な体の何者か。それが誰なのかはこの際追求しない。味方であるのならそれでいいのだ

 

「おえいさまがかわって、かたなとまがたまがぴかーとひかってる!どういうこと?すごい!」

 

「あぃー!」

 

ぬいが持つ宝剣、田助の首にかかる勾玉が強く強く光輝く。それらが先刻まであった武器とは比べ物にならない神気と神威を放つ、凄まじいまでの霊験を備えるものと化しているのがはっきりと見て取れる。その二つの神器には、確かに生きた『信仰』が宿っているのだ。これは間違いない。──誰かが、将門公に祈りを捧げているのだ。生者の祈りありて、初めて神は万全なる力を振るう。だからこそ──この輝きを導いたのは・・・

 

「ほぉらほら、しらぬいサマよ。ポアッとしてる暇ぁ許してくれねぇ見てえだ。見なよ、随分と夢心地だぁ」

 

百足を指差すお栄・・・いや、異星蛸が告げる。指差す百足は今、理路整然とした動きとはまるで違う動きを行っている。ふらふらよろよろとまるで白痴のように揺らめき、やがて--都へとゆるゆると進撃を開始する

 

酔っ払ったのだ。あまりに激烈、あまりに強烈な酒の酒気をたらふくと吸収し、そして余すことなく取り込んだゆえに。使命も、矜持も忘れてもっと美味なる甘露や肴が欲しいと動き出し、自らを滅多撃つ宝具が放たれる元を探し始めたのである。このままでは進路、そして都に甚大な被害が出る・・・!悩む暇はもう、何処にも無かった。しらぬいは速攻を信条とし必殺の誓いを胸に抱き駆け抜ける

 

「大一番だなぁ、しらぬい殿。どうだい、この決戦、この身元知れねぇ蛸に預けてはくれないかい?」

 

「ワフッ!!」

 

「最初からそのつもりだってェ?あっはははは言うじゃねぇか毛むくじゃらぁ!そりゃあいい乗ったッ!ばっちりしっかり捧げ奉るからァ、目ん玉見開いて──絶景をご覧じろってなもんだ!!」

 

よろよろふらふらと進軍を続ける百足に、異星蛸が書き上げた華道を凄まじい勢いで並走疾走するしらぬい。図体のハンデを除けばしらぬいは百足より何倍も早い。ならばこそ、あっという間に頭部部分付近へと追い付き必殺の間合いへと相手を捉える。それを見定めた異星蛸、ぺっと筆に唾を吐き、気合い一番発破をかけ、渾身なる一筆を振るわんと──

 

「じゃあ、行ってくらァ!」

 

百足の頭部付近へと飛び降りていく──!その常軌を逸した行動に、しらぬい含めたよろず屋組は度肝を抜かれ目を見開く・・・!

 

「ワフッ──!?」

「えいさま──!?」

「だーぃ」

 

だが勿論これは自殺でも自滅でもない。自棄っぱちになったわけでも勿論ない。これは渾身の一策、百足の野郎に魅せ付け垣間見させる生涯渾身の【技】であるのだ

 

「確かに山に巻き付くおめぇさんの図体は大したもんだぁ。だがな、世の中にはあの山なんぞよりでかくて大きい山なんてもんがある。こんなちいせぇ島国が、世界に誇れるくらいのでっけぇ山だぁ。そのちいせぇちいせぇ目玉でも、存分に見れるように俺が今からァ!拵えてやっからよぉく見とけよ!心配すんなィ、御代はお前さんの肖像権で充分サ!書いて描いて書き上げてやるから覚悟しなァ!!」

 

それこそは、百足を害ししらぬいに勝機を与える渾身の一筆。かの召喚されしサーヴァント、あらゆる混沌と狂気を受けながら生還し揺らがなかった未だ目の当たりにされたことのなき謎多きクラスに添えられた彼と彼女の人生の具現・・・

 

「ちっとぬいと田助の教育に悪いが、何事も経験!いざいざ!──ふんぐるい、ふんぐるい・・・オン・ソチュリシタ・ソワカ!うがふなぐるふたぐん!!」

 

真っ当に生きているのならばけっして口にすることはない混沌と深淵の言葉を告げながら、彼は自在に指に、腕に備わった筆を自在に走らせる

 

「万象を見通す玄帝!星海の館にて微睡む天帝よ!今こそこの一筆を──捧げ奉る!!」

 

それは森羅万象、あらゆる自然の機微や変化を見通し観察し、神憑り的な境地で繰り出される筆峰。その筆が閃く毎に、『波』が沸き立ち、彼方より一筆毎に、人の精神人格をも突き動かす程に極まったグレートウェーブ

 

「いざいざ!ご賢覧あれ──!!」

 

一筆、一筆毎に辺り一帯を巻き込み波立つ迫真の筆遣い。そのあらゆる機微を捉える神を下ろす筆しらべが、百足を含めたあらゆる万物を自らの作品に落とし込み此処のみの、此処にのみ顕れし唯一無二の業として奏で奉っていく

 

そして、【此処ならざる何処】にて深淵の狂気を垣間見た事により覚醒した彼の筆は、唯一無二の境地へと覚醒した。此処まで伝えれば語るも愚か、その名、書き上げるものなど周知の事実。表富士三十六景、裏富士十景。そしてその先に踏み込んだ風景。それらを内包せし連作浮世絵二十一作目、『神奈川沖浪裏』・・・それを手掛けた歴史に名を残す日本の絵描!

 

「『神奈川!【異界】!!裏──荒び』!!」

 

『葛飾北斎』その人が遺した──深淵の邪神と混然としたことで記されし非ユークリッド幾何学的画風グレートウェーブである──!そしてそれらは、直ちに突破口にして勝機の具現となる!

 

【⬛⬛⬛⬛!!?】

 

百足の眼前に突如【赤富士】が屹立し、酔いに湯だった頭を吹き飛ばし弾き飛ばす。森羅万象の揺れ動きを再現した筆さばきにより一瞬の、陽炎がごとき他しかな富士山がその行く手を阻み、百足の頭を護る頭部の頭蓋骨を粉々に砕いたのである。予想だにもしなかったその驚異的な筆さばきに翻弄され大きくよろけ、隙を大いに晒すふらふら状態となる

 

「──今だ!!時代の、日ノ本の波に乗りなぁしらぬいサマよぉ!!」

 

大いに振るい上げる一筆。その軌跡はしらぬいが乗り上げる波となり、百足を同時に渋き上げ取り囲み直立させる大いなる水柱となったのだ。直ぐ様一鳴きにて躊躇うことなく飛び立ち、導かれるままに北斎の導きに従い流れ百足の決着へと臨む!

 

「しらぬい!これつかって!」

 

背中のぬいが、将門宝剣をしらぬいの前に放り投げる。同時にしらぬいが神憑り的な速業でキャッチと同時に唾を『将門宝剣』の刀身に噛みつき宿らせる。本来なら罰当たりだが、百足には──唾液を厭い、嫌うと言う伝承があるが故に──

 

天空高くの雲を突き破らんとする場所に、いよいよもって波が最大級に高まり渋き上げる。ざばぁんと高らかにしらぬいを弾きだし、眼前に百足の間抜け面を覗き込む高所にて、勾玉を放ち百足を縛り上げ固定し額に差し込む一刀の準備を万端とさせる──!

 

「ガゥウァァアァアッ!!!」

 

将門宝剣、しらぬいの気迫と気合いと共に、全長数キロメートルともなる巨大な光の刃を身体の一回転にて口に加えた将門宝剣を振るい込み、暗雲と大陸もろともにせんとの一刀を──神威溢れ沸き立ち魔を祓う強大にして長大なる必殺の一刀を百足に叩き込む──!

 

酔い潰れ、顔面を打ち付け波に浚われ勾玉に縛られた百足には抵抗すら叶わなかった。自らを遥かに上回る黄金の一刀を額に差し込まれ、身体の正中線より真っ二つに引き裂かれ、頭の天辺より尻の先まで切り捨てられる。黄金の粒子と光を撒き散らし昇華、浄化の柱となりながら散滅を果たしていく。それらは波、富士、暗雲を照らす柱として立ち上る──一度目の当たりにした者はけして忘れられぬ神秘的な風景となり──此処に、召喚されし大百足は討ち果たされるのであった──

 

「やったぁー!やった!やったよしらぬい!すごいすごい!よろず屋あまてらすのだいしょうり!すごいすごい!すごーい!」

 

「だーう!きゃいきゃい!」

 

無邪気にはしゃぐ、ぬいと田助。その小さな生命を護り抜いた事に安堵しながら、将門勾玉を加え

 

「ワフッ!」

 

遥か彼方の山頂にありしリッカに目掛け放り投げる。百足は討ち果たした。後は元凶となる英霊剣豪を討ち果たすのみであるのだ。此処から先は、彼女達の問題である

 

「ガゥッ!!ワォオォオォオォオーーーーーン!!!!」

 

それを告げるように、待ち受ける運命に力強く立ち向かえるようにと想いを込めた勝ち名乗りの遠吠えを、高らかに。日ノ本に響き渡るように告げるのだった──

 

 

【──あららぁ。たおされてしもうた。ざんねん、ざんねん。うっふふっ。これは相手さんが一枚上手やったんやねぇ】

 

徳利の酒を飲みながら軽快に告げ、身体を起こす衆合地獄。・・・その酒の味を、静かに堪能し終えた事を確認し、歩き出す

 

【ほな、死ににいこか。好きにやって良いことしてちゃっかり生き残るなんてみっともない真似はせんよって。ぼちぼち、この場所に未練や楽しい事もなさそうやさかい。切り替えて次にいこか。・・・うぅん】

 

くすくす、と小さく笑い、牙を光らせ楽しげに手をならしながらはんなりと、彼女は山頂へ向かう

 

【喚ばれたいなぁ、かるであ。美味しいお酒、ぎょーさん飲んで。あのますたぁはんを酔わせて一緒に桜を見たり・・・うんうん。風流やねぇ、雅やねぇ。ほんなら縁結び、馬鹿にできんよって。はぁ・・・あの子、ちょうっと優しすぎるから心配やわぁ・・・きちんとこの首、落としてくれるやろか?】

 

その身を、躯たる身を終わらせる為に──

 

 

そして、同時に・・・

 

「勝ち名乗り!気持ちいいねぇそうでなくちゃ!さ、こっちもウカウカしてられねぇ!大一番の為にもきっちり働かなくちゃあなぁ!よろず屋あまてらすの大仕事だぃ!」

 

かの絵師も・・・行動を興す──

 




「ワォオォオォオォオーーーーーン!!」

響き渡る勝ち名乗り。その声は山頂にすら響き渡る。同時に戦っていたリッカの左手に、ぱしりとおさまるものが一つ

【--将門公の勾玉!やってくれたんだ、皆!】

勝利を確信するなか、僅かに眉を上げるは叫喚地獄。侮りきっていた者達の反抗に顔をしかめる

【・・・大百足が倒されただと・・・?あのような犬畜生が打倒せしめたというのか・・・?】

【--そゆことやねぇ。こないなったら、仲良く敵を倒すために気張らんと、怒られてしまうわぁ】

からからと笑いながら現れるは衆合地獄。当たり前のように首に切りかかる叫喚地獄の一撃をいなし、すたすたと並び立つ

【負けそうでもかまへん、劣勢を楽しめばええんよ。どうせ好きに生きとるんやし死に際くらいも笑顔を忘れんと。ねぇ?源義経に【酒呑童子】
・・・追い詰められるんは得意やろ?】

【--!】

酒呑童子・・・かの躯を表す名前を口走る衆合地獄。その言葉の意味するところを--リッカは勾玉を見比べ・・・

【ふん。ならば良かろう。真っ当に、言い訳のつかない程に首を狩ってやろう!】

「--リッカさん!!」

【せやせや、ほな、始めよか?『リッカはん』?】

一同の気迫と・・・その決意を得て。今こそ、御前試合の舞台を発現させる・・・!

【いざ!平将門の名の下に!!--出でよ、神気立ち上る彼の守護者の極致。旭照らす日ノ本を見守りし神田明神の仕合舞台!!】 

高々と掲げし勾玉より、輝きが溢れ出し一帯を覆いつくし、叫喚地獄に武蔵、衆合地獄とリッカを呑み込む。其処より現れしは神田明神の境内。神おわす神社、曙光射し込み、無窮の蒼天広がりし日ノ本が守護神の御前也

此度は見届ける者なりしリッカも剣を執る。鬼たる彼女の意思を汲み取り、刀なる研鑽ならぬ生存の競り合いを主とし相対しあう。剣なる研鑽の叫喚地獄と武蔵とは異なる、互いの生命のしのぎ合い也

なんの介入もなんの横槍も入らぬ究極の空間、神が在りしその場にて、剣鬼と化した剣豪たち、二天一流の武蔵たちが向かい合う!


【我が刃の忌名、叫喚地獄!我が骸の真名、源義経!!】

【うちの刃の忌名、衆合地獄。うちの躯の真名、酒呑童子】

「我が刃の名、明神切村正!我が魂の真名、宮本武蔵!!」


【我が刃の名、怨獣斬村正に童子切安綱にアンリマユ!我が魂の真名、藤丸龍華!!】

互いに神たる守護神に名乗りを告げ、いよいよ以て刃が振るわれ、合戦の火蓋が切られる!

【いざ、いざ、いざ、いざ覚悟召されよ新免武蔵!】

【ほな、じんじょうに】

「勝負--!!」

『----開始め』

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