人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

41 / 2537
「「せーの、バルス!」」

「天空の城、ラピュタ・・・いいです・・・いい・・・」

「台詞すべてが名言の男は伊達じゃないですね~」

「次はトトロを見ましょう!トトロ!」

「ジブリとは素朴な味わい・・・ゆる~く見ましょゆる~く」



すまない

「フォームチェンジ!『魔術制服』!スキル発動、霊子譲渡!」

 

 

フォームチェンジリングを発動し、魔術礼装に備わった効果にて、マスターがジークフリートに魔力を贈る

 

 

「すまない。手厚いサポート、感謝する」

 

 

マスターに、礼儀正しく頭を下げるジークフリート

 

 

「何を、そんな死に損ないのサーヴァントごときが……!兵士達!ファヴニールを護りなさい!」

 

 

亡骸が組み上がり、多数の兵士が出来上がる

 

 

――戦えるのか?見る限り体がボロボロだが……!

 

 

「――貴方が彼女達の言う英雄王とお見うけする。俺の名はジークフリート。ニーベルゲンの歌を原典とする神話の出自の英霊だ。貴方のマスターの嘆願に感銘を受け、この剣を預けるに至った」

 

チャキ、と音をたて、大剣を構える

 

 

「貴方の奮闘、偉容に添えるかは解らないが……全力を尽くす事を許してもらいたい」

 

――誠実な印象を抱かせる物腰……高潔な英霊であることは間違いないようだ

 

 

「我等に散々手を焼かせたのだ。貴様の手腕を示せ。それを判断材料としてやろう」

 

「――任せてくれ。故あって全力は出せないのだが……」

 

 

身の丈ほどの大剣を、八相に構える

 

「――渾身を、この力を求めた君達の為に振るわせてもらう――!!」

 

 

爆発的な推進、一瞬の刹那

 

 

「おおぉぉっ――――!!」

 

 

嵐のように激しく、津波のような怒濤の剣技が一瞬で雑兵を蹴散らし、吹き飛ばし、悉くを粉砕していく

 

 

「――――……!」

 

「……ファヴニールが怯えている……?あのサーヴァント……まさか……!」

 

 

剣閃がきらめく度に粉々にちぎれとんで行く雑兵。瓦礫と残骸を撒き散らし吹き飛ばし、えぐり飛ばしていく超絶の技巧の剣

 

 

「ほう、竜殺しといった大層な肩書きに違わぬ腕よ。紛れもなくセイバークラスであろうな」

 

――凄い。これが、最優と呼ばれたセイバークラスの本懐

 

沖田の磨きあげられた太刀筋とはまるで違う、質実剛健と迫力を伴い、唸りをあげる無双の絶技――

 

「ファヴニール……まさか甦っていたとはな。まぁいい」

 

 

後ろに回り込もうとする兵士――が

 

 

「ぬんっ!!」

 

目にも止まらぬ速さで一瞬の内に身体を反転させ正面に相手を捉え、幹竹割りの要領で粉砕する

 

 

「やけに背中を気にしているな。アレか、触れられたくない呪いでも背負ったか?背中だけに、な」

 

 

「――フッ」

 

ジョークをニヒルに笑うジークフリート。

 

 

――いい人だ。なんとなく、今の反応でそう思えた

 

 

「詳しい事情は後で話したい。――英雄王の威光に随分と痛め付けられたな、ファヴニール」

 

 

「――――!!!」

 

 

因縁を思わせるジークフリートの言動。……やはり、というべきか。恐らく彼とファヴニールは、同じ神話の出身なのだろうか

 

「――貴様に同情はない。何時の世にも貴様が邪竜以外で顕れよう筈がない。――故に」

 

最後の雑兵を粉砕し、流れるように大剣を胸の前に構える

 

爆発的に高まる魔力――宝具が開帳される合図だ……!!

 

「――いつの世も、俺とお前は――死力を尽くして戦うのみだ――!!」

 

埋め込まれた玉石が、光かがやく。黄昏色の魔力が、辺り一体を満たしていく

 

『真エーテルの輝き……!凄いぞ!かつて失われた時代のエネルギーをあの剣は産み出せるのか!』

 

『マシュ!念のためリッカを護りなさい!』

 

「はい!」

 

「――邪悪なる竜は失墜し――世界は今落陽に至る――!!」

 

「ッ!上昇なさい!ファヴニール!!」

 

 

「――撃ち落とす!!」

 

――軌道からファヴニールが逃れるのと、エネルギーが臨界に膨張するのは同時だった

 

「ふん」

 

泰然と眺める器――放たれる!

 

「――『幻想大剣・天魔失墜(バルムンク)』――!!!」

!!!」

 

黄昏色の練り上げられたエーテル、それを一気に剣から放ち、軌道上にある万物を呑み込んでいく

無双の放射が延びていく

 

 

「きゃあぁあぁあっ!」

「先輩!離れないでください!!」

 

『なんて威力なの――!!』

 

辺りを暴風が蹂躙していく。勢いを増し、力を増し、凄まじいまでの質量が全てを吹き飛ばす――!!

 

 

 

「……――すまない。外したようだ」

 

 

間一髪離脱に間に合ったファヴニール。忌々しげにみやる魔女ジャンヌ

 

 

「――竜殺し……そして、英雄王……!!」

 

 

「――ファヴニール、覚悟を決めるがいい。貴様が何処にいようとも、必ず俺が貴様の息の根を止める」

 

剣を高々と掲げる、竜殺しと謳われしセイバー

 

 

「竜を殺すことにおいて――俺に並び立つ者はない。――邪なる竜は、必ずや祓われると知れ――!!」

 

「だ、そうだ。精々蜥蜴の首を洗って待っておけ」

 

 

「――くっ……!!」

 

 

反転し、飛び去っていくファヴニール

 

……最大の脅威は、なんとか退けることができたらしい

 

 

「貴様の手練手管、確かに見届けた。――苦労を省みず手にいれるだけの価値はあったようだな」

 

「――……あぁ。話は聞いている。狂いながらも俺に希望を繋いでくれた聖なる女性がいたと」

 

――聖マルタだ。やはり、ジャンヌの心に、彼女は強く生きている

 

「貴方の、手を煩わせたのは……本当に、すまない……と……」

 

 

カラン、と剣を落とす

 

 

――どうしたのか……!?

 

「――呪いか。念入りな事よ」

 

器が、誰ともなく呟いた――

 

 

 

 

 

 

 

 

「――もう、なりふりかまってられないわ……!」

 

撤退しながら、ジャンヌが呻く

 

「こうなったら、やられる前にやらなくちゃ――!ランスロット!サンソン!」

 

 

「――」

「はい、追撃ですね」

 

 

 

「えぇそうよ!ファヴニールを……私を護りなさい!」

 

 

「――だそうだ。行こう、黒騎士」

 

「――――arrrrr!!!!」

 

 

「ようやく逢えるね――マリー……」

 

 

(ジル、ジル……教えて……私は、どうすればいいの……!?)




「待たせたナ、注文のパンと羊羮である」

「やったー!いただきまーす!」

「焼きたてのパンは、味わい深いですね・・・!」


「サブメンバーは呑気、常識なのだな。こんな状態で呼ばれた暁にはキャットは羞恥で死ぬ」


「食べ終わったら、またアニメ見ましょー!何見ます?」

「そうですね・・・グラップラー刃牙とか、気になりますね・・・」

どのキャラのイラストを見たい?

  • コンラ
  • 桃太郎(髀)
  • 温羅(異聞帯)
  • 坂上田村麻呂
  • オーディン
  • アマノザコ
  • ビリィ・ヘリント
  • ルゥ・アンセス
  • アイリーン・アドラー
  • 崇徳上皇(和御魂)
  • 平将門公
  • シモ・ヘイヘ
  • ロジェロ
  • パパポポ
  • リリス(汎人類史)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。