人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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前日にて

アイリーン『あら、私?お声かけいただき光栄だけど・・・私は弱いわよ?とてもとても、英霊なんて。霊基が足りない、幻霊がせいぜいじゃないかしら』

オルガマリー『いいえ、あなたが必要なのです。モリアーティの・・・いえ、⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛の勝利の為には』

『あら・・・どうしても、勝たせたい人がいるの?』

『はい。私の全能力を、貴女に譲渡します。全てを貴女に託し、私は私の為に動きます』

『・・・一つ聞かせてくれる?』

『?』

『それは・・・立場の為に?』

『――いえ。私自身の気持ちの為に』

『ふふふっ。そっか。・・・気に入っちゃったわ。あなたの真面目さ。オルガマリー、オペラは好き?』

『い、いえ。聞いたことが・・・』

『残念。じゃあ・・・『今度』聞かせてあげる。じゃあ、一緒に頑張りましょうか?』

『・・・一緒に、ですか?』

『そう。ビジネスライクじゃなく、友達として頑張りましょう?今から私は、貴女に肩入れしちゃうわ。オルガマリー。あなたと私で・・・スタイリッシュ・レディ『アイリーン・アドラー』の誕生ね?ふふっ』

『アイリーン、さん・・・』


モリアーティ「・・・大丈夫かね?」

アイリーン「えぇ、勿論。今の私は『悪』のオルガマリーであり・・・アイリーン・アドラーよ」

「――そうか。オルガマリー君は・・・」

「さぁ、始めましょうか。私達の、完全犯罪を」



カルデア

英雄王「ふはははははははは!!なんだあの脱獄犯めいた風貌は!腐り果ておってからに!鉄は折れぬが腐りやすいなど喧しいわ!恥を知れぇい!ふふはははははははははは!!」

フォウ(笑い転げすぎだろこいつ・・・どうなるんだろうね、エア)

エア――どんなことになろうとも、大丈夫。ワタシは信じてる。カルデアの皆を、リッカちゃんを。そして・・・モリアーティ教授を

(教授を?モリアーティを、かい?)

――うん。きっと、もう解ってる。モリアーティ教授の心は、それを大切に持っているから。だから・・・絶対に、カルデアの皆が勝つよ

《言いきったな?では・・・お前の審美眼に我はエア以外の全財産を懸けてやろう!もしモリアーティめが勝利した場合!このカルデアは全てモリアーティに譲渡するものとする!》

――!!?

《何を驚く?これくらいは当然であろう。お前の真理は、我が全霊を懸けるに値するものなのだからな。この茶番、結末が楽しみよな?ともすればエアよ、お前は悪の秘密結社の創始者になるやもしれんぞ?》

(楽園が悪に染まるぅ!!!)

――大丈夫です!ぜぜ、絶対大丈夫!信じていますから!絶対に勝ちます!勝つといったら勝つのです!

《ふはははははははは!!さぁ目の当たりにするぞ!愉快な歌劇の、終幕の時だ!》

――皆!どうか――御無事で・・・!!

(バッドエンドなんて嫌だからね!アラフィフ反対!!)



名探偵クリティカルワード

「・・・この世界には、大小様々な物語が渦巻いている。リア王、マクベスは言うに及ばず。中国の無頼漢、ある作家が記した狼王、首を奪われた亡霊騎士・・・私とシャーロック・ホームズの物語もその一つだ。だが、いずれも重要ではない。この局面、全ての解を導き出すべきこの局面にはね」

 

悪辣なる犯罪界のナポレオン、ジェームズ・モリアーティ。教え子を喪ったとしてもその余裕と風格は崩れない。アルトリアを、じゃんぬを抑え込み、リッカと相対して尚、その計算は崩れない

 

飛来せしはベンヌ、最後の弾丸。それらは突如現れた。シバの目を逃れ、空間転移のように。最早あと数分で・・・地表に、バレルタワーに叩き込まれるほどの上空へと。最早一刻の猶予もない。早急にかの隕石を対処しなければ、この世界ごと・・・いや、【リッカごと世界が破壊される】事象の解が成されてしまう・・・!

 

「今、重要なのはある物語に曰く、『魔弾の射手』は七発中、六発は自身が望んだ場所に直撃する。ただし、七発目は悪魔が操作し、射手の大切な者を殺害し、絶望に陥れる。――物語の中で、七発目は重大な魔力、死神に等しい引力を持つ。そして『放たない』という事は許されない。六発を、放ったならば必ずや撃ち放たなくてはならないのだ。七発目を。解るか、必ずだ」

 

そう。それは確定事項。必ず弾丸は放たれ、持ち主を絶望に陥れる。――必ず。持ち主たるものの、大切なものに

 

それは、モリアーティの死を以て確定した。アイリーン・アドラーの宝具は完全偽装にして世界を騙す変装『変装した』のなら、それが世界の事実となる。オルガマリーのレイシフト適正すら在ると認識させ、悪であるモリアーティの死を、世界に確定させたものとする

 

故に――魔弾はやって来た。モリアーティの大切な者を奪いに。七発目を、悪魔が放った。その弾丸の名前は『ベンヌ』。直径500メートルの小惑星・・・!

 

【・・・成る程ね。だから、私達をずっと助けて、時間を過ごしていたんだね】

 

「敵に回して初めて理解できる。君は恐ろしいまでに他者の真意、心理を読み取るのに長けているな。しかも、それが悪意の発露である事に限定するならば・・・君の推察はホームズにすら匹敵するやも知れん。これが、対話の龍か」

 

リッカは更に、寂しげに郷愁の表情、センチメンタルを浮かべる。顔は、把握できないが・・・仮面の下は、涙無く泣いているのだ。それを、兜で隠しているだけで。モリアーティの真意に、哀しんでいる

 

「ご、ごめんなさいリッカ。学が足りなくて、いまいち真意が読み取れないわ。その、説明してくれたら嬉しいわ」

 

じゃんぬの言葉に、リッカは頷く。最後のピース、『此処に来たことで、敗北が確定する』という、モリアーティ最後の罠

 

「そう、ホームズは聖杯を使用して弾丸を強化した、と推理を誤った。私には、『この新宿の地に大切なものなど、何一つ存在しない』。・・・これはもう賭けに等しかった。極めて分の悪い賭けだ。あれほどの実力を持つオルガマリー君の存在を排除し、アイリーンに全てを話し、記憶を失ってもらわなくてはならない。アイリーンが私を『善なるモリアーティ』として、本気で始末に掛からなければならなかったからだ。――アイリーンはそれを覚悟で、私の計画に賛同した。『彼の悪癖を諫める』には、それしかないと」

 

そう。そうしなければならなかった。善を産み出し、リッカに全力で、モリアーティは仲間として共に戦わなければならなかった。それこそが――死神への供物なのだから

 

【モリアーティはね、記憶を失ってゼロになって、私達と一緒に戦ってくれた。そこだけは、絶対に間違いはない。私の魂に懸けて】

 

「・・・リッカ君」

 

【でも、逆に考えるとね。――命を懸けて護りたい存在を、モリアーティは手にいれた事になる】

 

そう。だからこそ死神は狙いを外さない。必ずバレルタワーに、隕石は、弾丸は落ちる。最後の存在、マスターを、藤丸リッカを抹殺するために。大切な、マスター・・・相棒を射殺するために

 

「・・・バレルタワーに来ることも、此処に来ることも・・・計算のうち、だったのか」

 

アルトリアの言葉に、モリアーティは邪悪な笑みで答える。それが、答えだった

 

「彼女は困難には決して屈しない。この世界で彼女程気高く前進する存在は、雄々しき魂は有り得ないだろう。鷹でも足りぬ、獅子でも足りぬ、鯨でも足りぬ。――それはまさに『龍』と呼ぶに相応しき魂だ。『君を倒すためには、ホームズを倒すためにはそう認めること』が始まりなのだ」

 

【・・・】

 

「人類悪は、元を返せば人類愛。だからこそ、君は【悪に強く善に弱い】。毒には毒を、悪を討つために悪になる。逆もまた然り。薬を以て薬を制す。――私が狙いをつけたのは、その混沌の中に輝く君の心!君という『人類愛』を討ち果たすために、純粋な善となった!君の純真さを踏みにじり、君の快活さを悪用し――君の絆を、利用した!」

 

「外道・・・!!」

 

騎士王が吐き捨てた。最早蛮族にすら劣る、その悪鬼の悪辣さを弾劾した

 

「このっ――ピエール男・・・!!!」

 

自分がけして忘れない、最低最悪のクソ野郎の忌名を叩きつけ、力の限りに睨み付けた

 

『あなたは、あなたは・・・酷すぎる・・・!!』

 

涙を浮かべ、人類の悪性、悪意という名を叩きつけられ、マシュはそう慟哭するしか出来なかった

 

いかにも!!

 

だが、そんな事は。そんな事は百も承知だった。――彼は、そうなのだ。善だろうと、変わらない。それが我が姿、我が真名、我が誇り

 

「悪鬼、外道!ピエール・コーション、犯罪界のナポレオン!それが私、それがジェームズ・モリアーティだ!悪辣の弾丸、邪悪なる龍の逆鱗に撃ち放とう!喉を貫き、君とカルデアに敗北を与えるために!!」

 

カルデアに在りし蜘蛛――ジェームズ・モリアーティ。此処に、完全犯罪は成立した・・・!!

 

【アルトリア、隕石の前に行って。此処は、私が何とかする】

 

だが、リッカは・・・龍はまだ死んでいない。両手に握る銃が、変わらず輝いている

 

「・・・信じていいのだな、リッカ」

 

【私は、絶対に裏切らない。期待も、未来も、夢も、自分も】

 

「そうか。――御機嫌王も、大したマスターを見付けたモノだな」

 

それだけを告げ、アルトリアは走る。――その前に

 

【わ!?】

 

「この一時。・・・あなたに剣を捧げたこと。――誇りに思う」

 

リッカを抱き寄せ、耳にそれを呟き。・・・アルトリアは走り出す。もう、振り返らなかった

 

【・・・私もだよ、アルトリア】

 

「――さて、オレも行くとするか」

 

黒きエミヤ・オルタの発言に、モリアーティは頷いた

 

「君は悪のモリアーティ・・・『アイリーン』に雇われたのだからね。・・・無為だぞ、それは」

 

「名誉の問題だ。報酬分の働きはするさ」

 

【・・・報酬って?】

 

「休暇届だよ、藤丸リッカ」

 

それだけを告げ、エミヤ・オルタもまた駆け抜ける。――その意味を、リッカは理解した。きっと、またいつか会えるのだろう。きっと

 

 

「・・・・・・・・・」

 

話すべき事は話した、伝えるべきことは伝えた。後は、沈黙を残すのみ。モリアーティは、口を閉じる

 

「・・・途端に静かになったわね。モリアーティ」

 

「話すべき事は話したよ、ジャンヌ君。マスターが帰ってきた君と同じだ。・・・満ち足りているのだよ。其処もまた、君と同じだ」

 

「・・・ごめんなさい、リッカ。思い上がっていました。・・・こんなことに、なってしまって・・・」

 

【大丈夫。・・・皆がいたから、此処に来れた。じゃんぬが傍にいたから、頑張れた】

 

そう、後悔なんて有り得ない。皆が力を貸してくれた事を、否定などしない。だからこそ

 

『・・・愛弟子の銃。それを手掛けたのは私だ。こんな事になったが、私は彼女を弟子にした事、微塵も後悔していない。今も、彼女は私の愛弟子だ』

 

『私もです!所長は、オルガマリー所長は・・・私の大事な、大事な親友です!先輩と、同じくらい大切です!』

 

誰も諦めない。誰もが諦めない。止まらない。その先に、道があるならば。道が其処にあるならば。リッカ達が止まらない限り、道は・・・完全無欠のハッピーエンドへの道は、続く

 

【・・・ねぇ、モリアーティ】

 

三分、二分半の刹那。リッカは口を開く。あらゆる犠牲を払ったモリアーティに、遂に勝利したモリアーティに、それを告げる

 

【『希望の華』は、何処に咲くと思う?】

 

「・・・希望の、華?」

 

【日本の、私たちみたいなオタクには『希望の華』は『フリージア』って意味を持つ。この新宿で・・・希望の華があるとしたら。それは何処に咲くと思う?】

 

右手の純白の銃、フリージアを握りしめ、リッカはモリアーティに問う。その言葉の意味を、モリアーティは理解できなかった

 

「・・・末期の問い掛けかな?・・・いや、解らないな。教えてくれるかな、リッカ君」

 

【それはね、『私達が止まらない』先に咲いてるんだよ。私達が止まらない限り道は続いて、その先に――希望の華は咲いている!】

 

そして、右手を掲げる。フリージア、純白の銃を高らかに掲げ、ガンアクションにて振り回す

 

【こんな場所じゃ止まれない、こんな場所じゃ・・・こんな処じゃ、終われない!!

 

そして、高らかに。貯蔵されていた術式・・・貯蔵されていた魔力を高らかに。最後の希望を、今此処に

 

【――でしょ!オルガァ!!

 

逆転の狼煙がごとく、解き放つ!――そして、それは確かに届く。それは天に、在るべき場所に――たどり着くべき場所へと!

 

『えぇ!その通りよ、だから――』

 

「!?」

 

『――止まるんじゃないわよ、皆!!』

 

その、所長命令と共に――モリアーティに叩き付けられる。黒き、漆黒なる火焔が叩きつけられる・・・!

 

「クハハハハハハハハハハ!!!そうだ、それでこそだリッカ!あの地獄、あの苦難を乗り越え!完膚なきまでに脱出しただけの事はある!」

 

高らかに笑う、そのけたたましい笑い声。遥か彼方より、恩讐の彼方よりやってくる、リッカの影の、もう一人のマイサーヴァント・・・

 

「それでこそ!我が共犯者だ!!我が名、巌窟王!!悪性の彼方より――希望を届けに来たぞ!!藤丸リッカ!!」

 

雌伏の牢獄から脱し、現れしはアヴェンジャー。紛れもない、カルデアのサーヴァントがやって来た。ある、大切なものを・・・護り。届けるために

 

【アヴェンジャー!!】

 

「ちょ、なんで此処にいるのよクハハマン!え、いつの間に!?」

 

「相も変わらず心地のいい暖炉がごとき情熱、大変に奇特だなジャンヌ・オルタ!だが気にするな、依頼にして当然の事象だ!マスターの危機に、駆け付けぬサーヴァントなどあるものかよ!」

 

「ぐ、ぐうの音も出ない正論・・・!と、というか、さっきの!声!声!」

 

「それは今から教授してやろう!・・・犯罪界のナポレオン!貴様は確かに王手をかけたのだろう、極限まで悪辣な罠を用意したのだろう!だが――貴様の悪は鮮やかにすぎる!それでリッカを絶望させようなぞ片腹痛い!」

 

速攻にて、モリアーティを糾弾するアヴェンジャー。そう、彼はアヴェンジャーからしてみれば、あまりにも華麗で鮮やかな悪事だ。其処に薄汚い私利私欲は挟まらない芸術的ですらある悪。故にこそ――

 

「・・・何をする気だ?」

 

「逆転だとも!!さぁ見るがいい――これが、貴様の教え子が、我が共犯者が!確かに貴様に敗北を突き付ける歌劇の終わり(アクタ・エスト・ファーブラ)だ!」

 

リッカが呼応し、銃を投げ・・・いや、託す。エドモンが所持するそれに、返還を。確かに行う

 

『あ・・・!!』

 

『それは!まさか・・・!』

 

【――(ニヤリ)】

 

そう。彼女は『聖杯』として新生している。オルガマリー・アニムスフィアはその残留意識を汲み上げられ、聖杯と一つとなっている。・・・だからこそ。これが可能だった。人間の形を保つ要素は、肉体であり端末。だからこそ、彼女の本体は『聖杯』なのである

 

故にこそ――聖杯が有る限り、彼女は滅びない。例えば・・・『自らの存在を幻霊』に託し、意志を聖杯にセーブさせることすら可能となる。そして・・・自らの情報を記録した『礼装』。そして、『魔力』を揃えることが可能となるならば・・・!

 

「――『聖杯』・・・。特異点ではなく、彼女を形成したもの・・・!まさか、特異点に隠し持っていたとは・・・!」

 

其処に現れしは、オルガマリー・アニムスフィア。ただし、肉体は『戦闘形態』に補整し、20代半ばのしなやかなもの。黒いジーンズ、オレンジのインナー、白銀のコート。デビルハンターの衣装をマイカラーにアレンジした礼装に身を包みしこの特異点のキーパーソン

 

「気付けないのは無理はないでしょう。あなたがリッカの傍にいた時、私は・・・アイリーンはモリアーティとして振る舞っており、私は聖杯として意志しかなかった。そしてあなたがモリアーティに戻ったならば、私には絶対に気付けない」

 

「・・・――アイリーン・アドラー・・・。ホームズを吸収したことにより、君の変装や隠蔽はけして見抜けなくなった、ということか・・・!」

 

そう、彼女は全てを見て、どちらの陣営の勝利にも貢献していたのだ。全てを終結するために。歌劇に貢献し、その質を高めるために

 

【オルガマリー・・・!ううん、フリージア!】

 

「あら、分かっていたのね。流石リッカ・・・なんて、言わないわよ?それくらいはやるでしょう」

 

『愛弟子!愛弟子なんだね!え、どういう事だい!?私今回、ビックリ役なんだけど!』

 

『所長!オルガマリー所長なんですね!』

 

『『『『『所長――――!!!!!』』』』』

 

「職務放棄しないの。今説明するわ。・・・彼が善と悪に別れたように、私も善と悪に別れたのよ。悪の私を形成し、アイリーンさんに託して、削り取られた私のパーソナリティーと善の心を、聖杯の内に保管した」

 

その真相を話していく。分かりやすく簡潔に。モリアーティのカウンターとして振る舞ってきた、自分の在り方を

 

「悪の私、アイリーンさんに意志以外の全てを提供し、モリアーティの計画に荷担してもらった一方で、私は残った聖杯の意志として『フリージア』と名乗り、リッカ達に助言を贈ってきた。困難を越えてもらうために、縁を結ぶために。そして、モリアーティの目の前に・・・逃げ場のない場所に、彼を追い詰めるために。モリアーティはホームズを越える為に。そして私は・・・カルデアを勝利させるために行動を繰り返していたのよ。・・・体がないから、手助け出来ないのはもどかしかったけど・・・」

 

そう、その最中でアイリーンとオルガマリーは結託し同意した。『二人でモリアーティを倒し、ホームズすらも越えましょう』と言う、アイリーンの申し出は・・・二人の合意となって、新たなる疑似サーヴァントすら誕生させたのだ。『モリアーティにホームズを越えさせる』事の盟約、義理は果たした。ホームズにアイリーンはまた勝った。ならば次はと・・・アイリーンは義理を果たしてくれたのだ

 

「『カルデアを勝たせるため』に、アイリーンは力を貸してくれている。数多の誘惑、ドロップアウトに目もくれず、魔人たちすらも退けたリッカ達は、此処に辿り着いた。――あなたがリッカを此処に招く事は、私の願い、望みでもあったのよ。モリアーティ」

 

【オルガマリーは・・・裏切ってなんていなかった・・・!】

 

その事実に、沸き立つカルデア。裏切りしモリアーティに対し、フリージア・・・オルガマリーが裏切ったのは『予想』のただ一点のみだったのだ・・・!

 

『ヒュウ!!私の愛弟子は最高なんだ!!』

 

「誉められた手法じゃないわ。帰還のち、御叱りは存分に。・・・アイリーンさんが『フリージア』『アニムスフィア』をあなたに託し、この場に『聖杯』があり、そして『リッカ』がいる。――条件は揃ったわ」

 

「・・・オルガマリー、アニムスフィア・・・想像以上だ。君が此処まで優秀であったとはな・・・!」

 

「教えの賜物です、教授。・・・さぁ、反撃開始と行きましょう!カルデアの逆転、景気よく前を向こうじゃない!」

 

【おう!!!】

 

「・・・――」

 

「・・・すみません。じゃんぬ。・・・ですが」

 

首を振るじゃんぬ。謝るのはいい、許してあげるから、リッカを助けてあげてと。急転直下にある状況にパクパクと口を開く

 

「ちなみに俺はオルガマリーに護衛を頼まれ聖杯を守護していた。そして、此処に輸送する役目も果たしたと言うわけだ」

 

「ありがとうございました、アヴェンジャー。・・・――そして、此処に来たのは私や彼だけではないわ」

 

パチン、と指を鳴らす。そして現れしは、散々こちらを苦しめたエネミー生産作家・・・

 

「やー!久し振りですな!こうして救出され、ウィリアム・シェイクスピア!完全復活です!」

 

【ん?援軍?賑やかしじゃないの?】

 

「死ぬほど頼りないんですけど」

 

「わーい、辛辣ー!」

 

オルガマリー、アヴェンジャーに救出され、ようやく表舞台に現れた劇作家シェイクスピア。戦闘力は皆無に等しい輩に続いてそして更に、アヴェンジャーのマントの裏から出てくるは・・・

 

「頼りない援軍二号だ。・・・オルガマリーお前許さんぞ。歌舞伎町で釣ったと思えば!あんなマネキン広場に身動きできず閉じ込めさせるとは!おかげで創作に缶詰だったのだから!」

 

ハンス・クリスチャン・アンデルセン。カルデアに召喚され、オルガマリーに招待状を出され監禁されていた童話作家。この土壇場にて、物書き二人が援軍として並び立つ光景に、一同は等しく呆気に取られる

 

「・・・なんとまぁ。オルガマリー君、これが君の秘策かね?ペンで隕石は破壊できると?」

 

モリアーティの呆けた問いに、オルガマリー・・・『フリージア』は問い返す。そう、これがベストと確かに告げる

 

「アイリーンが出し抜いた男性、シャーロック・ホームズはもういない。貴方が吸収したから。そうね、教授」

 

「如何にも」

 

「ホームズがいるからあなたは勝てないのに、あなたは今、ホームズと共に在る。つまり・・・あなたに敗北は有り得ないと言うこと。確かに、理には叶っているでしょう。主役が勝つ物語ならば、主役になるのが一番だから」

 

オルガマリーは冷静に推察する。だが、その声音は、微塵も絶望、動揺はしていない。それは楽観、希望にすがる類いのものではない。『確かな勝算のある振る舞い』だ

 

「――君は、何を企んでいる?」

 

「ホームズはアイリーンに一瞬の隙を衝かれ、モリアーティの糧に成り果てた。・・・だけど、忘れてはいないかしら、悪役(ヴィラン)。名探偵として彼が切り開いた道は、彼の背中には、数多無数の後続が続いている」

 

それは確かに在るもの。後続に続く作品、ジャンルとして確立された者達の、確かなる存在

 

「あぁ全く!お陰で二次創作なんぞに手を出す羽目になった!キャラの設定をしなくていいのは楽だが、制限があるのがなんとも面倒くさい!――よくぞこんな縛りで、彼処まで完成度の高い造形になったものだなあの姫は!」

 

シェイクスピアの本、アンデルセンの本、そして・・・オルガマリーの聖杯が、目映く輝き出す。それらは、最後まで抗い続けた正しき心に報いる、希望の光

 

「本来なら召喚など望むべくも無いもの!原作には勝るべくはありませんが、しかしこの場においては――彼等は!本物よりも眩く輝き出す!」

 

「此より、三文文章における逆転劇だ!『貴方のための物語(メルヒェン・マイネス・レーベンス)』――さぁ、刻むがいい!何処かで見ている悪趣味な王にも伝わるようにな!」

 

 

「この宝具をこうして使うのは久し振りですな!『開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を(ファースト・フォリオ)』!!」

 

 

「アイリーンさん。――最後まで、本当にありがとうございました。最後の決着を、此処に!」

 

 

バレルタワーの天辺、登頂にて満たされる光。無数に行われる、大量にして虚ろなりし者達。それらは――幻霊。有り得ざるものでありながら、確かに存在する者達。オルガマリーの、最後の打開策・・・!

 

『これは・・・シャドウサーヴァント・・・!?いえ、数があまりにも多い・・・!?』

 

それらは、シェイクスピアとアンデルセンが書き上げた二次創作を触媒に、オルガマリーの聖杯が大量無差別に召喚を果たした最後の切り札

 

『これ!?これが君の打開策なのかい愛弟子!?私、今回ビックリしてばかりなんだけど!?』

 

【何これ!?何これ!?どういうことなの!?】

 

100、いや200を越える無数の存在。それらが、リッカを、皆を取り巻く。召喚に応え、現れた者として

 

『我々は、幻霊ですよ、愛らしく誇り高き龍の少女。こうして亡霊のように佇んでいる他にも、他の皆は、影体も取れず、ただ漂うのみですが』

 

それは、丸顔の神父。鋭く、直感的な推理を得意とする――ブラウン神父

 

『私としては、少しばかりモリアーティの弁護をしたいがね。だが・・・星の破壊となれば話は別だ』

 

禿げ上がる頭、紐を弄りは解く、安楽椅子探偵の先駆け――隅の老人

 

『まぁ、あんたはそういう類いの存在だからな。最後のあれは痛烈な裏切り、裏切りだよ』

 

論理的思考を至上とし、それさえあれば凡人が覇者すらも下せると信ずる思考機械――ヴァン・ドゥーゼン教授

 

『それより、あのベルギー人はどうした?』

 

「彼は私に伝言を。『自分はライバルではなく、上回るもの。なので、しゃしゃり出ることは控えよう』と」

 

『あぁ――では、この影の中のどれかなのでしょう。きっと、必ず』

 

ヴァン・ドゥーゼンが苦々しく呟く。それは論理的な言葉を紡ぐ

 

『相変わらずプライドの高い探偵だ。灰色の脳細胞?それは死んでいるのだ。脳細胞は、桃色だよ。それより――我々は何をすればいいのかね?ほぼ、モリアーティの勝利が確定しているではないか。二プラス二は、いずれでも四なのだ』

 

『いえいえ、まだまだ此処からです』

 

生真面目な紳士にして博士。名探偵の中でも真っ当にして、奇癖や奇行とは無縁の者、――ソーン・ダイク

 

『ミスター・ホームズは一つ大切なものを遺している。ほら、我々がしょっちゅう忘れている、あれですよ。まぁ私の作風ではないのですが』

 

その、探偵の不文律を聞き隅の老人が顔をしかめる。それは好みでは、作風の一致ではないと告げる

 

『第一、ホームズとてそもそも『アレ』をやった試しがあるか?』

 

ブラウン神父がそれを宥め、告げる。それをやるのは紛れもなく・・・

 

『何、それをやるのはリッカ様、マスターです。オルガマリー女氏が導いた彼女。人類愛の少女。そうでなくてはモリアーティに勝てない』

 

【わ、私!?】

 

「そう。善を信じ悪を憎まない。誰からも逃げず、ひたむきに信じ、フリージアなどという架空の協力者すらも信じてくれたあなた。あなたがいるから、あなたがやるから・・・モリアーティの止めとなるのよ」

 

あわてふためくリッカを静かに諭し、オルガマリーは告げる。なすべきことを

 

『焦らなくてもよろしい!我等が差し出し、あなたが受け取り、そして止めを刺す!これは実に、科学的だ』

 

ソーン・ダイクに続く、ブラウン神父。リッカに、それを静かに告げる

 

『それはあなたの本質でもある。対話にして、言葉で縁を紡ぎ、誰かと繋がってきたあなただからこそ。私達は力を託せる。・・・貴女のように逞しくはないのです。何しろ、謎解きだけが取り柄でして』

 

隅の老人が、それに自嘲し、笑う

 

『左様。揃いも揃ってくたびれ忘れ去られた老い耄れに攻撃など出来るものか。――だから、我々にしかできぬ攻撃をするのさ』

 

ヴァン・ドゥーゼン教授がそれを説く。成すべき論理的思考を告げる

 

『では、リッカ君。我等が力を貸そう。否、我々だけではない』

 

ソーン・ダイクが、隅の老人が、ブラウン神父が――

 

『文豪シェイクスピアと、偉大なる童話作家アンデルセン、そして――アイリーン・アドラーに認められし女傑、オルガマリー・アニムスフィアによりたった今、この場に紡がれた無限無数の名探偵たち――此処に形を伴ったもの、形すらないが確かに在るもの』

 

『イギリスに限らず、あらゆる国のあらゆる探偵』

 

『そして、真っ直ぐに、けして負けず、挫けず、誰かを信じ生きざまを貫く貴女と言う物語に魅了された貴女のファン、切り離された世界すら救うとしたあなたの為ならばと重い腰を上げてくださった皆様が・・・』

 

『『『『力を御貸ししよう!』』』』

 

リッカの周囲に集う探偵の魂たち。それらは全てを、全ての概念をリッカに集中させる。かの犯罪界のナポレオンを、ただ一度砕くために

 

「・・・ははははは!この私を倒すために!有象無象の探偵(フィクション)どもが参画したか!・・・これが君の活路かね?オルガマリー」

 

「正しく。あなたは今――『姿を晒している』。そして、『告げるもの』が、此処に、確かに存在している」

 

「――――!!!」

 

思い至る。そのオルガマリーの言葉に。弟子の悪辣な、教え子の・・・『この状況を満たした』事の意味。モリアーティがホームズに勝ち、同時にカルデアに敗北を与える為にバレルタワーに『リッカ』を呼んだ、それをフリージアが助けた意味

 

「オルガマリー・アニムスフィア・・・!!何と・・・『何と君は悪辣なのか』ッ・・・!!」

 

今彼は・・・『証拠』と『犯行』を示し、確かに姿を晒している・・・!これこそがオルガマリーの『完全勝利』の計画・・・!

 

「全霊で私に協力し!ホームズを倒し、私すらも!この、全世界を魅了する物語の――『全て』に!勝利を納めようとは・・・!」

 

「『あなたを滅ぼすためならば、私は喜んでカルデアの利益の為に悪を選ぶ』。・・・少し違ったかしら」

 

素早くモリアーティが聖杯を解放する動作に入るが、全てが遅い。アニムスフィア、フリージア、そして――

 

「聖杯を使いますか?それは結構。『これ』で、全てを覆し計画は水泡に帰しますが・・・」

 

『ブラックバレル』を魔方陣より展開し照準を合わせる。それはアトラス最強の兵器。世界を終わらせるエーテル殺し。特異点生成の聖杯を、サーヴァントを、あらゆるエーテル構成要素を問答無用で抹殺するオルガマリーの・・・切り札!撃たれるわけにはいかない、此処まで来て、此処まで来て全てを無かった事になど・・・!

 

「くっ――!!」

 

「さようなら、モリアーティ。あなたはチェスや将棋で言う――『詰み』に嵌まったのよ」

 

『愛弟子・・・愛弟子!!君は今、輝いているよ!!』

 

『所長!最高です!!』

 

『『『『『所長~~~!!』』』』』

 

絶望は希望に。未来は確定する。確かな場所へ、正しき場所へ運命を運ぶ

 

【ウリィイィイィイィイィイ――ッ!!!皆!行くよ!!】

 

『今ですな』

 

『あぁ、今だな』

 

『リッカ君。指し示す言葉は、もう分かっている筈だ』

 

『その言葉こそ、我等にとっての宝具(クリティカルワード)

 

四人の、いや、総ての探偵が、リッカに力を贈る

 

邪龍の鎧が灰色に輝き出し、金色の眼がモリアーティを見据える。身動きの取れぬモリアーティに、リッカの・・・人類悪の力『ネガ・コミュニケーション』が発動する

 

『『『『いざ、人類最悪のマスターよ!!あの言葉を解き放て!』』』』

 

幻霊の総て、力の全てがリッカに集い高まる。そしてリッカは――その言葉を理解し、把握し、高らかに突き付ける

 

【――ジェームズ・モリアーティ!!】

 

「・・・!」

 

それらは闇を吹き晴らし、蹴散らし、真実を招き寄せる、名探偵の総ての宝具――!!

 

【貴方が、犯人だ!!!!】

 

「――――そう。それを。私は、貴女に口にさせるために」

 

オルガマリーが勝利を確信し、笑う。長い、長い雌伏の時を、報われたと笑う

 

「――は、はは。ははははははははははは!!それか!嗚呼、それだ!オルガマリー君!確かにそうだ!この事件、この騒動の黒幕は――私が犯人だ!!

 

確かに突き付けられる――探偵(カルデア)の勝利。沸き立つカルデア職員。ガッツポーズを行うじゃんぬ。指を突き付けるリッカ。そして――

 

「ぐうぅうぅ!力が抜ける!逃げ出していく。私が犯人であることが!証明されてしまっただけでか!」

 

見る影もなく弱体化し続けていくモリアーティ。じゃんぬ、アルトリアが片手で蹴散らし、シェイクスピアやアンデルセンと互角に戦えるまでに、弱り果てていく

 

「そうか、なるほど・・・!犯罪界のナポレオン、証拠を残さず君臨し続けたが故に!私は!一度たりとも名指しで犯人とされたことは無かった!犯人と指差された瞬間・・・!探偵に敗北した瞬間・・・!我々(はんにん)は・・・!これ程までに弱体化するのか・・・――ッ・・・!!」

 

最早、モリアーティにこの場から逃げ出す力すら残っていない。完全に敗北し、そして、力を奪われた

 

「私の敗因の一つは・・・君を読めなかった事だ、オルガマリー・・・君の勝利を、君の目的を、私と同じと誤認した・・・」

 

「それは仕方ありません。あなたはホームズに全霊を尽くしていた。だから、私の目論みに気づく余地が無かった。それに――」

 

「・・・それに・・・なんだね?」

 

「――・・・本当なら、ホームズを倒した時点で消えるはずだったあの人が・・・アイリーン・アドラーが最後まで力を貸してくれたから・・・そして」

 

今はいない、アイリーンを。そして・・・隣にいるリッカと、顔を見合わせる

 

「彼女が、私を信じてくれたから。敗因の一つは、それだけです」

 

「・・・そう、か・・・」

 

モリアーティは確信、同時に誇らしく感じ、心から敗北を認めた

 

たった一人、生涯一人の美少女の教え子。オルガマリー・アニムスフィア

 

 

彼女こそが・・・ホームズを出し抜きし、ただ一人の女性を宿す者に相応しいと

 

・・・彼女こそが、私を越えるに相応しいと・・・静かに。納得を示すのだった――

 

 




屋上

ベンヌ。最早眼前を覆い尽くす距離までやってきた小惑星。迫力と絶望に、二人の反転英霊が向かい合い――察知する

アルトリア・オルタ「これは・・・!」


エミヤ・オルタ「どうやら、向こうで魔弾の力に何かあったらしいな!ならば、これはただの隕石に過ぎん。・・・依頼を果たすとしよう。オレが砕く。あんたが一掃しろ。堕ちた騎士王だろうが星屑くらいは蹴散らせるだろう」

「・・・砕くとはほざいたな。出来るのか、貴様の魔術擬きで」

「できるさ。それだけは得意でね。クライアントに、それを見越してカウンター召喚されたのさ。――固有結界。本来は世界を引っくり返すものを、相手の体内に潜り込ませる。たとえ世界を滅ぼす隕石であろうとも。――砕くだけならなんとかなる」

「しくじるなよ?」

「護衛・・・いや。こちらが本題でね。必ず果たすさ。傭兵はそういうものだ」

銃を突き付ける。破滅の威風に、真っ直ぐに立つ

I am the bone my sword(体は剣で出来ている)

カルデア

ムニエル「所長!所長!!大丈夫ですよね!?リッカは、所長はじゃんぬや皆は大丈夫なんですよねぇ!?」

『あなたさっきのカッコいい啖呵はどうしたのよ・・・』

「先輩、マリー所長・・・!」

『安心なさい。大丈夫よ』

「・・・愛弟子」

『?』

「――・・・君に騙された者は、誰一人としていなかった。ホームズ、モリアーティすらも君は敗北させた」

『・・・』

「――大したものだよ。君はもう、カルデアスを担うに相応しい所長だ」

『――光栄です。師匠』

「頼むぞ、サーヴァント!君達しか、世界を救えない・・・!」




「『無限の剣製(アンリミテッド・ロスト・ワークス)』!」

放たれる、固有結界の弾丸。真っ直ぐに、剣のような軌跡を描き、ベンヌの肉体足る組成要素に潜り込み――

『やった!?やったか!?やったよね!?』

砕き散らされる、ベンヌ。だが、それらは破片だけでも新宿を更地にできる必殺の弾丸。だが――

「――リッカ。悪辣の都市だと、影響は無い世界だと。よく逃げ出さなかった。・・・あの、原初の特異点の未熟な頃より、本当にお前は強くなった」

・・・宇宙から放たれた魔弾を打ち砕くは、あらゆる聖剣の頂点に位置する神造兵装 

「・・・穢れ、反転した輝きだが。この極光が、貴様のこれからの道筋を照らす助けとなることを祈ろう」

例え、剣を振るう者が闇に呑まれていようとも――

「――卑王、鉄槌。極光は反転する」

マスターがいる限り――その輝きは。その漆黒にして絢爛なる星の光は、高貴なる幻想は決して――!

「光を呑め!!そして――龍の未来を切り拓け!!【約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)】――!!!!!」

・・・それは、総ての星を飲み食らう竜の息吹

それは、反転していようと消えぬ輝きの極致

それは――新宿の。星の滅亡を阻む究極の宝具

塵となった星を、完全に破壊し、打ち砕き

「・・・――」

此処に――常勝の王は言葉なく。されど鮮烈に。手にした勝利の確信を謳う――

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