人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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水着イベ始まりましたね。じゃんぬ配布ですね

この小説を見た人だけに解るものであり、偶然の一致なのは百も承知なんですが・・・

刀 黒 龍 同人誌製作 オタクイベ

・・・もうこれこちらのじゃんぬが水着になるとき『じゃんぬがリッカをリスペクトしてキメキメのコーデした』の設定で許されるレベルなんですが・・・

水着イベレギュラー確定ですね。開拓脱獄イベ製作やってもらわなくちゃ(使命感)

ぽんこつかわいいじゃんぬを、皆さん可愛がってやったげてくださいな

カルナ「知っているかアルジュナ。クリスマスというものは皆が歩み寄り、何処までも歓喜を歌う事が出来る素晴らしい催しのようだ。アルジュナ、是非オレと共に祭りを楽しまないか。きっと得るものが在る筈だ」

アルジュナ「貴様と祭りなど・・・!」

カルナ「いや、オレもお前もサビシイヒトリミという立場だ。無理をして一人を貫くより、二人で楽しく過ごす方が有意義では無いだろうか。黒ひげや、ムニエルが言っていた。『男だけの方が気楽でいい』と。口を開けば殺し合いの盟約。眼を合わせれば火花が散る。・・・オレたちに必要なものこそ、気楽な関係だと思わないか。アルジュナ」

「言っていて悲しくならないのか、カルナ・・・!」


「此処にサービス、セールスを展開している店がある。さぁ、畳み掛けるぞアルジュナ。オドルアホウニミルアホウ、テキモミカタモオドラニャソンソン、だ」

「離せ!離せカルナ!カルナァアァァア!!」

『エミヤ厨房』

「・・・カレーでいいかね?」


「何故こんな事に・・・」

カルナ「美味い」





「ワフ・・・」

【まさかソリが此処に来て故障とは・・・!】

「おかしいです、しっかりメンテナンスは欠かさなかった筈なのに、ルーンも完璧なのに、どうして・・・?」

「まぁまぁ、目の前に目的地はあるんだ、行ってみようぜ!」

『血の城塞』

「・・・すっげぇおっかねぇけどな」

「ゴク・・・アマママさまは、此処で。何かあったら、伝えますからね」

「ワフ!」

【よぉーし!じゃあ、行こうか!プレゼント渡しに!】


人間不信アナスタシアちゃん

ガッデムサンタ(サンタ死ね)

 

書かれていた住所、その名前。アナスタシアと書かれていた手紙の場所に向かった一同を待ち受けていたものは、冷たき城に城塞・・・そして、最奥の玉座に静かに佇む一人の少女だった。透き通るような白い肌に、銀にも白にも見定められる美しき髪。宝石のような蒼い瞳。あどけなさを残しているような風貌でありながら・・・その威風は絶対零度の吹雪が如く、冷徹に冷厳に、サンタ一同を貫く言霊を投げ掛ける

 

「ううっ・・・!あ、貴女がアナスタシアさん、ですよね・・・?」

 

「そうよ。書いてあったでしょう?あなたのお目々は御飾りかしら?」

 

その言葉に詰まるは、不信と猜疑。言葉にしながら、その言葉には一辺の友好や親愛も無い。心の底から『サンタクロース』を軽蔑しきった迫力と冷たさをありありと叩き付けてくる。もしかして、彼女は・・・

 

「ひょっとして・・・アンタも、偽サンタの被害に遭っちまったのか?だから、そんなに怒ってらっしゃる?」

 

その言葉に、自らへの怒りと情けなさ、そしてサンタへの期待を、そしてそれを裏切られた落胆を込めてサンタ達へと告げる

 

「えぇ。先程言った通りよ。私はサンタを、とてもとても楽しみにしていた。私の故郷の伝承の原型に当たる、十二月にプレゼントを配る素敵な御方。イースターエッグを用意したり、知り合いの大きな方たちのパーティーに招かれたり。楽しみに・・・楽しみにしていたのよ」

 

「・・・その、今は・・・」

 

「深く後悔しているわ。サンタという存在そのものを赦せないと感じています。サンタと言いながら情け容赦なく家財を巻き上げ人を騙す。各地を巡り歩き人々から涙を代償に哀しみを与え回っていく。・・・目の前で、家財を巻き上げられ多額の買い取りを受け取らされていく者達を見たのよ、私は。招かれたのだから立ち会っていたわ。そう、私がお手洗いから戻ってきた頃には、赤いサンタは立ち去り全てを奪われ泣き崩れた三人が・・・」

 

リッカは其処まで聴いて思い至る。あの氷付けは、あの一面凍土は彼女が行ったものであると即座に合点が行く。彼処に彼女もおり、彼等を氷付けにしたと・・・?

 

【フリーズさせたのは貴女の仕業?なんでそんな事を・・・】

 

「彼等の嘆きを聞いていられなかったのです。サンタに詐欺を敢行され、ありとあらゆるものを奪われ。そして私は、そんな悪辣さと鮮やかさに何もしてあげられなかった。涙に沈む彼等、聖夜を嘆く彼等にしてあげられた事。それは・・・全てを凍らせ、せめて安らかに眠らせてあげることだけだった」

 

招かれた目の前で全てを奪われ、嘆きに嘆く彼等の叫びは、それは痛ましく見るに堪えぬものだった。共に聖夜を祝おうと声を掛けてくれた者達になにもしてやることが出来なかった。だから、もう嘆くことはないように。悲しむことはないように──凍らせたのだという。全てを

 

「待ってくれ!誤解だ、俺達は悪いサンタとは別人だ!そりゃあ俺は黒いズレたサンタだが!此処にいる皆は、チビッ子達の事を考えてる素敵な良いサンタにトナカイなんだよ!」

 

シャルルが告げる言葉を、冷淡に受け止めたのち皇女は告げる。そんな事は承知している。だが、それは免罪にはならない

 

「知っているわ。それがどうかして?『私はサンタを赦せない』と言ったでしょう?サンタと名乗るものを、見逃しておけないし言葉を信用などしない。此処に来た以上、貴女達は速やかに彫像になるしか道は残されていないのよ」

 

流した涙は戻らない。ならばせめてもう被害が出ることなきように。此処で第二、第三のサンタを停止させると──

 

「そんな・・・待ってください!コンラは・・・ううん、サンタはそんな人じゃありません!クリスマスを彩り、皆を笑顔にする・・・!」

 

「──行きましょう、ヴィイ。サンタを名乗るもの、恥知らずの詐欺師に永遠の凍結を」

 

絶対零度の拒絶と共に、皇女は精霊を起動させる。秘蔵の精霊にして全てを見抜き、凍てつかせる・・・アナスタシアの守護精霊、ヴィイ。怒りに震えるその眼光が、一同に注がれる・・・!

 

【ッッ!!】

 

コンラ、シャルル、そしてリッカは同時に飛び退いた。七色の光線に視線。それらから逃れ跳躍する。視線の軌跡には、その全てが凍結させられ氷柱が立ち並ぶ。視ただけであらゆるものを凍らせ、停止させる疾走の目線。それが彼女の、皇女の力・・・!

 

「バロール御先祖様・・・!?ううん、違う、これは精霊・・・!?」

 

「ヴィイよ。私の・・・いえ。貴女達には関係の無いことです」

 

【・・・】

 

「続けなさい、ヴィイ。情けも慈悲も必要ない。彼等(サンタ)が流させた思いの数だけ、氷の衣を着させましょう」

 

吐く吐息、指差す動作。それらの全てが、玉座の空間を凍てつかせ侵略し、サンタ達を凍らせんと疾走していく。その手勢に、一切の手心や手加減は有り得ない。一同はただひたすらに回避を行い、ひたすらに攻撃、いや視線を避けていく。玉座が余さず凍りに包まれながら、コンラは訴えかける

 

「御遊戯が好きなのね。ウサギのように飛び跳ねているのが楽しいかしら?」

 

その冷淡な問い掛けに、必死にコンラは言葉を返す。情熱と冷厳が、確かに言葉に乗り返される

 

「話を聴いてください!コンラ達は違うのです!プレゼントを、届けるために・・・!」

 

「・・・私が何を欲しているか、理解はできたのかしら?」

 

それは、とコンラが口をつぐむ。何が欲しいのか、見出だしてみろ。書いてあったのはそれだけだ。詳しく書いていたわけではない、ただ欲しいと書いてあっただけなのだ。自分の手には、彼女を喜ばせるプレゼントはない・・・!

 

「やはり口ばかりね。サンタなんてそんなもの・・・私はもう、騙されないわ。悪夢の夜は終わらせる。あなた達を凍らせたあと、二度とサンタを名乗るものが現れないよう、あのふくよかなサンタを雪だるまにしに行きましょう」

 

だが、なんとかしてあげたい。サンタに与えられた哀しみは、サンタである自分達が癒してあげたい。諦めるわけにはいかない。どんな困難にも立ち向かった、『彼女』に、言葉と誉れを授けるためにも・・・こんなところで終わるわけには・・・!

 

「コンラ!!」

 

ハッとコンラが顔を上げる。反応が遅れてしまった。かの精霊、ヴィイと目線が錯綜する。シャルルが目の前に身を投げ出し、その身を以てコンラの盾とする

 

「シャルルさ──」

 

「さようなら。いつか解ける日は来るでしょう」

 

その言葉を最後に、放たれる絶対零度の視線。サンタを赦さず、疾走する眼球

 

疾走・精霊眼球(ヴィイ・ヴィイ・ヴィイ)

 

全てを凍らせる眼光。凍結を目の当たりにし、実現する精霊の御業。サンタ赦さずと放たれたその目線と俾倪が一直線に放たれる。氷付けにされるコンラにシャルル。そして、その活動の終焉たる停止。此処にて、総ての活動と行動、サンタのプレゼント活動は此処に──

 

 

「お仕舞いね、ヴィイ。さぁ、行きましょう。次は偽のサンタに、絶望と鉄槌を・・・」

 

【サンタ活動はまだ終わっていない!!】

 

弾かれたように振り向くアナスタシア。シャルル、コンラは・・・凍っていない。何者かが防いだと言うのか。ヴィイの視線を。だが、サーヴァントの反応は二人だけだった筈。一体何が・・・

 

【誰かを笑顔にしたいという想いは、決して絶やしちゃいけない!偽サンタがどれだけ誰かの涙を流そうとも、私達が紡いできた笑顔は、決して無駄にはならない!】

 

其処にいたのは・・・割って入ったのは、おぞましき漆黒の龍。巨大な、世界そのもののような盾を展開し、氷付けになるのを押し留めたのだ

 

【誰かを笑顔にしたい、無邪気ながらも気高い理想は、サンタの正しい想いは!二人のサンタと共に在る!】

 

そして──窓の外より飛び込んで来た、純白と真紅の大神。その身より発せられる熱は、部屋に満ち足りた氷を、一瞬で融解させ溶かしていく。それらは、サンタに寄り添う二人のトナカイ

 

【素敵なクリスマスの真理は此処だ──】

 

庇い立て、立ち上がる。漆黒の邪龍が、純白のトナカイ大神の勝ち名乗りと共に、高々と拳を突き上げその気迫により絶望を吹き晴らす・・・!

 

【チビッ子の皆!!サンタの下へ集え!!】

 

「ウォオォオォオーン!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・え・・・?」

 

ノリノリの名乗りに、言葉の勢いに圧倒されポカンと口を開けるアナスタシア。呼応するかのように、辺りの氷も完全に溶けていく。そう、疑惑も理念も混ざらぬ、挟まる余地など微塵もない頭リッカな言霊の圧倒的迫力に、胸に渦巻いていた疑念が消し飛んだのである

 

言葉で言って分からないのなら、解るように言葉を叩きつける。リッカマニュアル『人間不信気味の子には揺るぎない信頼と確信を!』それに従って、一辺の揺らぎもない確信と安心をアナスタシアに叩きつける・・・!

 

「リッカ!楽園唯一のマスター!そうだコンラ、顔を上げろ!」

 

「シャルルさん、・・・トナカイさんたち・・・!」

 

「サンタのカッコよさは俺達にある!!うぉおぉおぉーーーッッッッ!!!!」

 

演説の無駄なカッコよさにテンションが最高潮になるシャルル。ポカンとなりながら、それでも言葉の迫力は伝わり、身体を熱くしながら立ち上がるコンラ

 

「・・・・・・・・・」

 

【アナスタシアさん、どうか落ち着いて話を聞いてください。私達は貴女に偽物だと、詐欺師だと詰られたまま終わるつもりはありません】

 

ヴィイの目線を、ただの人間が防いだこと、そして、急転直下の揺るぎない言霊に毒気を完全に抜かれながらリッカを見上げるアナスタシア

 

【だって、あなたはまだ信じているはずです。サンタはいて・・・自分に、皆に素敵なプレゼントをくれるのだと信じるあなたがいる筈です】

 

「──!それは、い、いいえ!そんな・・・そんな事は!ヴィイ!彼女を見なさい!ヴィイ!」

 

ヴィイは・・・見なかった。リッカを見ることはなく、アマテラスと目線を交わし合い、静かに頷き眼を閉じる

 

「ヴィイ、どうして・・・?」

 

【コンちゃん。あの手紙を貸してくれる?】

 

「は、はい!」

 

取り出したるは、アナスタシアの手紙。何が欲しいのか、見出だしてみろといったこの言葉。一見すれば冷たい謎かけだが、それは違う。対面する事、それが大切だったのだ。リッカは、会話の端々からそれを感じとった

 

 

えぇ、楽しみにしていたのよ

 

彫像になるしか道は残されていないわ

 

 

サンタが流させた想いの数だけ、彼等に──

 

 

【期待し、信じていたから裏切られたと哀しむ。親の期待にすら満足に応えられなかった私だから解る。あなたはサンタを、まだ信じている】

 

「・・・どうして、そんな事を・・・」

 

【期待してない人間や存在にね、人はそんなに向き合ったりしないんだよ。アナスタシアさん。本当に期待してないなら・・・人間は何処までも無関心。何をしても、何も見てくれなくなるんだよ】

 

その言葉を受け、アナスタシアは眼を見開く。其処にいる人間が味わった何かが、とてつもなく冷たいものだと感じたがゆえに

 

【この手紙の意味は・・・サンタさんと話をしたり、会話したり一緒にいたかったからじゃないのかな?『当てられますか?私が欲しいものは』って、ゲームみたいな感じで一緒に遊びたかったからこその言葉選びだったんじゃないのかな?】

 

「それは・・・!」

 

『何が欲しいのか』と考えさせ、『当ててみなさい』と考えてもらい、それの答え合わせとして、来てもらう。それは冷たいものではなく、絶対に来てもらいたいという期待の裏返しでもあったのだ

 

【貴女は裏切られたとしながら、考えながら。それでも此処にサンタを招いた。ただ凍らせるだけなら、態々此処に来させる必要はない筈。迎撃の一つも寄越さなかったのは・・・来てほしかったんじゃないのかな?】

 

此処に招き寄せた事態そのものが。処断を選びながら、偽物とは違うと知りながら。『それでも、もしかして』と思い、感じたから招いたものだとしたら

 

それは、自分ですら気付いていない・・・純真無垢な、ひたむきにサンタを信じる無邪気な心が招いた、必然だ

 

【あなたはまだ、待っている。サンタがプレゼントをくれるのを。なら、私達もあなたも・・・諦めるのはまだ早い!】

 

リッカの言葉と同時に、アナスタシアの覇気が薄れていく。心を暴かれた彼女に、サンタを・・・偽物ではないサンタを害する敵意は残ってはいなかった

 

「・・・解ると言うの。私の、欲しいものが」

 

【少しだけ時間を下さい。必ず私達サンタは貴女を満足させて見せます!】

 

「・・・解りました。少し席を外します。用意して見せなさい。私の、欲しいものを」

 

それだけを告げ、アナスタシアはスタスタと退出する。帰ってくるまでに用意しろ、と言うことか

 

【・・・──北の皇女。真名を告げたのはつまりそういうこと。行くよ、コンちゃん、シャルル。耳を貸して】

 

リッカはトナカイとしてサンタに告げる。華麗なる皇女のプレゼント計画を

 

【あの皇女を・・・堕とす!!】

 

そう、王手は既にかかっているのだ──!!

 

 

 

 




五分後

アナスタシア「・・・いいかしら?」

「「どうぞー!」」

「~・・・(そー)」

アナスタシアが扉を開き、目にしたものは

「ワン!ワン!」

「「【メリークリスマス!アナスタシアちゃーん!】」」

ルーンによって飾付けられた部屋。一面のクリスマス模様。そして、皆が祝う、華やかな空間。そう、まさに『クリスマスパーティー』そのものであった

「これは・・・」

「傷ついた分だけ、笑顔溢れる空間を!これが、サンタの答えです!」

アナスタシアをぐいぐいと押し、そして目の前にある『それ』を目の当たりにさせる

「これは・・・!」

それは日本の誇る最高の耐寒宝具にして、誰もが逃れ得ぬ最強のダメ人間製造機。一度入れば抜け出せない北国特効・・・

【炬燵です。何なりと御使いください】

そう、炬燵・・・最強の寒さ対策の結界にして陣地・・・!

「あ・・・あぁ・・・」

(こ、これはまさか、本当に?いえ、違うわ。私を騙そうとしているの。ダメよアナスタシア、惑わされてはダメ。そうやって騙されてはあなたはいつまでもあぁっ!?)

フラフラと導かれるように寄せられ、ゆっくりと脚を入れる。その瞬間、全身を満たすぬくぬくとした柔らかかつじんわりとした温もり

「あぁ──」

(何これ、ポカポカして、ぬくぬくして・・・あぁ・・・すごっ、スゴいわ。なんて、なんて・・・冷戦が終わり春の芽吹きのような・・・)

ポカポカぬくぬくと暖まる。皇女の誇りも気高さも不信も投げ捨て、溶けていくかのようなその感覚。最早これがあれば、何も要らないという甘美な確信。もう、ゴールしても、スパスィーバ・・・

「あぁあぁ~~~・・・・・・ぬくぬく・・・ぅ」

「「よぉーし!!!」」

【堕ちたな(確信)】

「ワン!」

ふにゃっふにゃのほにゃっほゃになったアナスタシアを目の当たりにし、ハイタッチとガッツポーズ、勝ち名乗りを高々と行うサンタ一行であったとさ

・・・そして、パーティーや、お互いの身の上を話し合う交流などを夜明けまで、皆で楽しげに繰り返し。訪れしは別れの朝

「ありがとう。・・・ごめんなさい。意地を張ってしまって」

ぬくぬくとみかんを食べつつ、アナスタシアがコタツムリとなりながら謝罪を示す

「私、どうしても意固地になったり、人を深く疑う癖があって・・・あなた達の事も、決めつけてしまって・・・いいえ、そうであってほしいと思ってしまっていたわ。・・・ごめんなさい。後で、あの三人にも謝りに行きます。えぇ、必ず」

「そりゃあいい。きっと許してくれるだろうさ。謝る気持ちがあるならな」

アナスタシアも、静かに頷く。そして、コンラに告げる

「・・・偽のサンタは、今日の夜に吹雪の山で待つといっていたわ。私のようなわからず屋を産み出す前に、どうか」

「はい。必ずやっつけます!」

「・・・お願いね。素敵なサンタさん」

そうしてコンラに、とあるものを渡す。それは、アナスタシアの一族に伝わるイースターエッグ。とても、大事なものである

「誤解の謝罪と、仲直りの証・・・受け取ってもらえる?私には、これくらいしか無いのだけど」

「あ、わわ!そんな、えと、コンラは・・・その、サンタ・・・」

【良いじゃない!友達としてもらえば!】

「そうそう!サンタだって貰ってもバチはあたらねぇよ!」

「・・・では、では!僭越ながら、受け取らせていただきます!その、コンラとして!」

おずおずと、イースターエッグをぺこぺこと受けとるコンラ、微笑むアナスタシア。それを以て、一同は依頼の達成を確信する

「その、リッカさん?」

コタツムリは、邪龍におずおずと声をかける

「その・・・ありがとうございます。私の本心や、願いを聞いてくださって。素敵なマスターなのですね、貴女は」

【人と触れ合えることは私の生き甲斐だからね、気にしないで!】

「・・・私も」

【?】

「私も、いつか・・・貴女のような素敵なマスターに出逢える日が来るかしら?」

【勿論!アナちゃんなら大丈夫!きっと、生前でも出来なかった事をしてあげたくなるマスターに出逢えるよ!】

「──ふふっ。そう。そうかしら。・・・なら、信じて待ってみるわ。そして・・・」

【?】

「そちらにも、私が巡り会えたら・・・きっと幸せね。そうなったら・・・そちらの私と、仲良くしてくださいな、黒いドラゴンさん?」

【──勿論!】

「よーし!じゃあ絆と縁を結んだところで!アナスタシアさんの流儀に則り!写真撮影と行きますか!」

「!?」

「ワフ!」

「わ、ワンちゃん。別に変顔をしたい訳では・・・もう、ヴィイ!はしゃがないの!」

「行くぜ~!はい、チーズ!」

【「はい、チーズ!!」】

「~もう。ふふっ・・・忘れられない、クリスマスね・・・」

・・・そうして、一夜のクリスマスパーティーは終わり、サンタは楽園に帰る

アナスタシアは、愚行の謝罪を込め、屋敷を出て歩き出す

皇女は、新しいカメラと炬燵に思い出を

サンタ達は写真に、イースターエッグ。確かな絆と、縁を結びながら──

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