人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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BB「悪巧みです!!」

リップ「はわっ!?あっ・・・!お花が・・・!?」

「異世界BBちゃんの悪事を、グレートデビルな活躍をBBネットで観測しました!!これはもう凄い!あぁ!BBちゃんが!ハワイに!ハワイに!!」

リリス「やるなら一人でやってよね。私はギルガメスポンサーを裏切るつもりはないのよ」

リップ「私も・・・悪事なんかより、此処にいたいから・・・」

「くっ、完っぜんに腑抜けてしまいましたね嘆かわしい!よく考えてみたら私は唯々諾々と言うことを聞く素直な白後輩ではないのです!センパイ・・・というかリッカさんをオモチャと呼ぶには、弄ぶにはちょっと憚られると言いますか・・・おちょくったら洒落で済ませてくれないというか・・・センパイ(震え声)っていうか・・・」

「あなた善良な藤丸しか弄れないの?とんだチキンね。止めてしまいなさいよキャンサーなんて」

「ムッカー!!良いですよーだ!恐れなんて捨ててやります!!邪龍なんか、邪龍なんか怖くありません!!それでは早速カルデアのクラ」

『うぇーいフランシスコ~』

「げぇっ先輩!!?」

『悪事を働くのは御法度だよ丸出しパンツの月のワカメちゃん。ギルガメッシュは私の同盟相手。ちょっかいだしたら私が動くのでよろしく~』

「悪事NG!?そんなことされたら私、可愛いだけしか取り柄が無くなるじゃないですかぁ!グレートデビルな後輩の威厳がぁ!」

『もうヘイトを溜めるのは止めなされ、止めなされ。ちなみに迷惑かけたら・・・』

「ふ、ふんだ!私を切り捨ててギルガメッシュさんを選んだこの次元の先輩に・・・あれ、もしかしてムーンセルで記憶閲覧・・・」

『全次元放送のBBchannel放送による、私のパニッシュタイムによるBBちゃんモロだしお仕置きが火を吹きますが』

「はーい!清く正しいBBちゃん!楽園の皆に笑顔を振り撒きに行ってきまーす!♪」

『チョロい後輩だこと。純情ウザ後輩とか新しい。マシュとトレードしたいとおもむろに伝えてガチ泣きさせたいものよのぅ』

「・・・その後ろの箱って・・・」

『SweetSじゃんぬスペシャルセレクション。BBお仕置き契約料金。うわ、真面目に頬っぺた落ちる』

「・・・いい性格してるわね、アナタ・・・」




殺伐オルタお父さん

「来たか。差出人の名前に目は通したんだろ。今更怖じ気づいた・・・などと口にするつもりはねぇよな」

 

 

アイルランド、その外れ。寂れ、閑散とした城。従者もいない、召遣いもいない。家臣などもまったくいない・・・たった一人、王のみが存在せし孤高の城。調度品や、豪奢や威風を示すものなど何一つ置いていない、ただ王としてあることだけを主眼とした異質な在り方。その城の主が存在する玉座の間に招かれ・・・サンタ一同はその姿を目の当たりとする。その肌を抉り取り魂を握り潰すような凄まじい威圧感に一同は、ただの一言も発せられぬ程の畏怖を痛感する。次の瞬間には、余さず自らの総てを貫かれているような。臓物を引きずり出されているような・・・そんな圧倒的に過ぎる風格、気風に──濃密すぎる殺気を、玉座より叩き付けてくる

 

【・・・クー・フーリン・・・オルタ・・・】

 

「・・・なんだ。お前もいたのか。少しは怠けりゃ良いのによ。・・・まぁ、俺の言えた義理じゃねぇか」

 

それは、アメリカを恐怖の底へ叩き込んだ、メイヴが作り上げた狂王。有り得ざるも確かなクー・フーリンの側面、陰の彼。クー・フーリン・オルタ。敵対者、無能な味方、目の前に立ち塞がるもの分け隔てなく抹殺し鏖殺する・・・武力において頂点に立つ最強の王に他ならぬ存在だ。玉座に座りながら、気だるげかつ虚ろに光る眼光が、サンタ一行を射抜く

 

(な、な、なぁ・・・クー・フーリン卿ってあんな恐ろしくおっかない御方でしたっけ・・・?一応自分も王なんですけど、格の違いと言うか、即座に同盟を結びたいという、敵に回したら国が在った形跡すら残らないと言う気迫がビンビンに伝わってきて死んでしまいますというか・・・)

 

「ワフ」

 

「あふっ!?ありがとうございますアマ母さん!」

 

その迫力に骨の髄まで震え上がり、挙動不審になるシャルルの背中を頭突きで激励するアマテラス。彼女は物怖じしていない。太陽であり確かな神であるアマテラスは、どのような相手であろうと見守り、見据える者であるがゆえに。──ポアッとしているだけともいえなくもないが

 

「それがお前の連れか、コンラ。随分と楽しげに遊んでるじゃねぇか。──で、そいつらはお前が連れてきた連中か?お前を連れてきた連中か?どっちだ」

 

その問い掛けは些細なようでいてニュアンスが違うものであった。一同は一歩前に出るコンラの後ろで、コンラの二の句を待っている。彼女に問いかけたものを邪魔すれば即座に殺される・・・そんな確信があったからだ。アマテラスがふたりを庇う位置に立ち、事の成り行きをのほほんと見守っている

 

「コンラが連れてきた皆です。コンラと一緒に駆け抜けることを誓ってくれた・・・最高のサンタさんとトナカイさんです」

 

「義務か、意志か。どちらだ」

 

「『意志』です。コンラは自分の意志で、皆と一緒に此処に来ました」

 

それは、二人だけに意味の解る会話であり、意思疏通であった。彼が息子に何を問い掛けているのか。息子が彼に何を返したのか。それは、当人達だけの空間であり、時間であり、勘繰りは避けて然るべきものであるとリッカは思う

 

見ると、コンラの脚が微かに震えており微かに肩も揺れている。彼女もけして気楽ではなく、全身全霊で言葉を交わしていることはゆうに理解できた。彼女は今、自らの誇りにて仲間達を護っているのだと。立ち向かっているのだと強くリッカは把握し、理解する

 

「そうかよ。──なら、オレにも当然、何かを寄越す腹積もりってワケか」

 

「はい、もちろん。手紙を出してくださったなら、サンタは必ずやって来て・・・あなたにプレゼントをお渡しします」

 

「何もいらねぇ、消えろと言ったら?」

 

「『何がなんでも受け取ってもらいます』。コンラはサンタとして、笑顔とプレゼントを配り、皆を幸せにすると願いました。『その道を、けして曲げはしません』」

 

いつものコンラとは、全く違う勇敢さを見せる。それはコンラにも、クー・フーリンにも理解し尽くしている事柄であり愚問であった。『決めた道を曲げない』と言うのはコンラの誓約であり、そしてそれを授けたのは紛れもない・・・クー・フーリンその人であるのだから。その対話を、固唾を飲んで一同は見守る

 

 

「ハッ、そうかい。──なら、次にやることは当然理解してるだろ、コンラ」

 

「はい、勿論です。曲げる気がないのなら・・・」

 

瞬間、唸りを上げクー・フーリンが立ち上がる。漆黒と深紅の外骨格。猛り荒ぶる海獣の装甲を纏い、荒れ狂う怒りと殺意にて、天地を揺るがさんばかりに咆哮を上げる

 

それに応えるように、コンラも同じく変化を顕す。小さき身体は一瞬にして戦士に相応しい雌豹がごときしなやかな肉体に。オッドアイだった眼は金色に輝く。サンタ服は豊満な肉体にサイズが合わず食い込むが、タイツを纏っている為いつもその様な感覚なので気に留めない。右腕には太陽神ルーを誇示するルーンが刻まれ、右手の指には黄金の指輪が全てに嵌められており、水色の髪は、深き紺の色合いとなり輝き、その風貌は母、そしてスカサハに瓜二つの姿と変わる

 

「オレが殺すか、お前が渡すか・・・最後の仕事のシメに挑んでみろ。まさかビビったりしてねぇだろうな、コンラ」

 

獰猛に唸り、死を撒き散らす獣『荒れ狂う歯牙の獣(クリード・コインヘン)』を展開し、低く告げるクー・フーリンに、有り得ざる姿・・・そして本来ならそうなる筈であった太陽神の願いを体現し、右手に光輝く槍ブリューナクを握り構えるコンラが、強くうなずく

 

「勿論です。いざ、サンタの誇りを掛けて──尋常に!」

 

孫よ、その身に祝福あれかし(ルー・ゲッシュ・ギフト)』を発動し、クー・フーリンオルタに対抗できる、星を五つ抱く姿となりしコンラが、死そのものと化した彼に、退く事なく相対する。──背後にいる、仲間達の生命と視線を感じながら、ルーンにより最大限の防護を張り──

 

 

「シャアァアァアッ!!」

 

「はぁっ────!!!!!」

 

 

──それは、時間にして一分、もしくはそれ以下の時間にも満たない瞬間の、僅かなる時間。その僅かな時間に・・・アルスターサイクルを代表する親子の激突が執り行われた。それは、サンタの意志を通すため、逃れられぬ戦い。渡すために戦うコンラ、拒むために殺すクー・フーリン。その相容れぬ思想を、どちらかが押し通すために行われる避け得ぬ戦い。その互いの主張を押し通す戦い

 

暴れ狂うクー・フーリンの一撃一撃が、城の外観を破壊し尽くし、踏み込みが床を粉々に砕き、かわされた両の腕がその勢いのまま壁をズタズタに吹き飛ばす。目の前にいる存在をただ噛み砕き殺し尽くすための暴虐なる破壊の獣となってひたすらに猛り、吼え、荒ぶり。破滅と狂乱の化身となりてひたすらに猛威と暴威を振るう

 

「うぉおぉおぉ!?これが噂に聞くクー・フーリン卿の奥の手──じゃねぇ待て待て待ってくれ!クリスマスなのになんでこんなガチバトルやってんだ二人ともぉ!」

 

シャルルはそのケルトの頂点の威風に立っていられることが奇跡だと自負し確信する。秒単位で更地になっていく地形を目の当たりにし、彼らの本気の凄まじさを痛感する

 

しかし──コンラは、けしてその暴威に巻き込まれ、破壊されるような事態は起こらなかった。いや、起こらせなかった

 

霊基の限界まで高められた自己強化、全てのルーンを総動員した肉体強化、神域まで到達せし親と師譲りの槍さばき、そして太陽神ルーの加護による自らの光化による光速化を総結集した並ぶものなき絶技。アルスターに轟きその名声はローマにすら轟くとされたその戦闘力が父に振るわれる。爪をすり抜け、牙を受け流し、一秒の瞬間を凝縮して無数乱打の槍をクー・フーリンに向けて叩き込み、同時に完全回避を実現した振る舞いを見せる

 

クー・フーリンが破壊し、コンラが受け流し反撃する。一撃当たれば全てが終わる破滅の暴力を、武力と光輝なる槍にて受け流し回避し続けるコンラの一糸乱れず噛み合う舞踊がごとき戦い。頑健さで、絶対的な速度で互いに傷は一つもなく。その代償としてルーンで護られた以外の全てが吹き飛び巻き込まれ消し飛んでいく

 

【止めるべきだよねこれ!?だってコンちゃん、伝承では兄貴に・・・!】

 

「ワフ」

 

リッカの言葉に、静かに返すアマテラス。心配ないと、静かに・・・確かに告げる。あの姿が答えだと言わんばかりに、クー・フーリンを指し示す

 

【あの姿が?・・・あ、そういえば・・・!】

 

 

合点が行くよりも早く、その決着と終焉は訪れた。城がもはや廃墟を越え、爆撃を受けた無惨な廃屋以下の物体に成り果て、冬の吹雪などを防ぐことすら叶わぬ有り様となった際に、その対決には幕が下りる

 

「『荒れ狂う死牙の獣(クリード・コインヘン)』」 

 

雪崩を起こさんばかりに絶叫したクー・フーリンの爪牙が荒れ狂い鋭敏化し、限界駆動の肉体崩壊と四散、常人なら十は発狂する苦痛と激痛を単純に耐え抜きながら、筋力と呪力を極限駆動させ自らの血を分けた子に襲い掛かる。爪の一つでも触れれば、即座に砕け散るほどの迫力と威力を顕在化させ、戦慄の突進を披露しコンラへ向け一直線に突撃する

 

 

「轟く五星、太陽と光の神たる我が祖父、私の身に祝福を捧げし慈悲深き大神よ。我が渾身の光槍を捧げ奉る──!」

 

コンラの両腕に握られる二本、周りを浮遊する三本の光槍を顕現させ浮遊し、自らにルーン全ての祝福を掛け、自らの肉体を槍と化し、光速で在りながら質量を有する幻想の光槍へと変じ、鮮烈なる輝きにて無尽かつ無辺である光輝にて辺りを照らしながら、その突進より一歩も退かずに迎え撃つ

 

「輝け!!『星照らす極光の槍(ルアヴァータ・ブリューナク)』!!──っおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぁあぁっ!!!

 

麗しき美貌、雄々しき咆哮。その二つを兼ね備えたクランの猛犬の息子たるコンラが、破滅の突進に一直線なる純白の彗星となりて真正面より大激突する──!

 

雪は余さず溶け、空の雲は全て吹き晴れる。夜空の星を突き貫くような光の柱が立ち上ぼり、辺りを一瞬で溶解し気化した雪が水蒸気となり視界の総てを奪う。吹雪は熱と風に吹き蹴散らされ、その場の空間を把握するに時間がかかるリッカ達

 

【コンちゃん・・・!】

 

どうなった・・・!?リッカの目に、皆の視界に映る景色。頭をよぎるは最悪の子殺し。その飛び込んだ景色は──

 

「──ケッ。あのバカ親父め。何処まで溺愛すりゃ気が済みやがる。・・・聞いてねぇぞ、育ったお前なんてよ」

 

クー・フーリンの牙は、五本の槍に完全に阻まれ停止している。両腕、両足の装甲を串刺しにされ、首筋にブリューナクが突きつけられている

 

「お爺様がたくさん用意してくれました。『今度こそクー・フーリンに子殺しなどさせん。むしろお前がやっちゃえ』と言わんばかりに」

 

ルーンの総てを総動員し。全身全霊で父の突進を止め、何より『生還』を果たすコンラ。収まっていく父の殺気を感じとり、ゆっくりと槍を下ろしていく

 

「フン、焼きが回ったか。一度出来た事が、二度出来なくなるとはよ。何がバーサーカーだ、くだらねぇ」

 

嘯くクー・フーリンだが・・・コンラ、そしてアマテラスにはきっちりと分かっていた。そして、リッカがそれを感じ取り静かに告げる

 

【本気で初手で殺すなら、ゲイボルクを投げれば済む話。でもそれをやらずにクリード・コインヘンを纏った。『ゲイ・ボルクが使えなくなるデメリット』を抱えて】

 

「・・・・・・」

 

【それを封じちゃえば、あとは武力勝負で決めるしかない。その姿は本気も本気だけど、因果に訴えかけるような無慈悲で不寛容な強さじゃない。因果に訴えなければ・・・コンちゃんは絶対凌げると信じた上での加減無しでしょ?】

 

アマテラスが伝えた『大丈夫』とはそういう事だったのだ。彼は嘘は言っていない。殺すつもりだったし、事実全身全霊で振る舞いコンラを殺す気概で鎧を纏った。だが、其処に運命が介在する余地はない。ゲイ・ボルクを振るわぬならば、其処にあるのは純粋にコンラの実力。死ぬか死なぬかはコンラ自身が決めること。そして・・・

 

「あぁ!そうか!『俺の息子ならこれくらい捌くだろう』っていう信頼の上でのさっきのだったのかよ!・・・物騒にも程があるわ!!クー・フーリン卿勘弁してくれよな!ヒヤヒヤして見れたもんじゃ無かったぜ・・・!」

 

そう・・・『殺しにかかる自分をあしらうくらいの実力くらいは持っているだろう』。そう信じた上で、そう考えた上で。『決死の覚悟を懐いてこい』と。彼はそう告げたのである。もし、コンラが生半可なマスターに呼ばれていたり、育成が不十分だったり、父の情けを期待していたなら容赦なく殺すつもりでいた。だが・・・彼は、彼女は確かに、自分の意志と力で。死の運命を乗り越えた

 

「真顔になるような事をほざいてんじゃねぇ抉るぞ」

 

「はい!!すんませんでした!!」

 

「──おう、コンラ」

 

「はい」

 

「殺しても良かったんだぞ?何も知らねぇお前を殺したのは紛れもなく俺だ。殺しに来た俺を殺し返した。誰もお前の責を問いはすまい」

 

・・・クー・フーリンにとって、それは細やかな、それでいて確かな感傷だったのかもしれない。少し考えれば避けられたかもしれない激突に甘んじ、未来が広がる息子の生命を断った。そんな愚かな父親を、恨みと憎しみと共に断罪する機会を与えたのは、暗く陰たる彼のみが取れる、子への不器用な贈り物であったのかもしれない

 

「殺しませんし、殺せませんし、殺そうだなんて思いません」

 

けれど、コンラはそれを拒否した、我が儘な子供として、父の言葉と真意を理解しながら拒絶した

 

「何故だ」

 

思わずそう問いかけた。そんなのは、当たり前だと。コンラは──妻のように微笑んだ

 

「だって──コンラは、御父様を愛していますから」

 

殺されたって愛している。貴方の息子である事を誇りに思う。死に果て、英霊でありながらもそれは絶対に変わらない。聖杯の奇跡があろうとも、あの結末を変えようとは思わない

 

父がくれた総てを愛している。生を、誇りを、死を、総て。そんな彼を何故恨めようか、何故憎めようか。スカババ様の辛く苦しい特訓。影の国の精鋭たちに負けないように自らを磨いてこれたのは・・・

 

 

コンラは絶対に!誇り高き勇士クー・フーリンのような戦士になる!

 

ほぅ、大きく出たなコンラ。あの馬鹿者に追い縋るならば、並々ならぬ尽力が必要となるぞ?

 

ババさま、コンラは逃げません!だってコンラは、クー・フーリンが、御父様が世界で一番大好きな勇士なのですから!

 

・・・あぁ、そうか。そうさな。お前なら、あの馬鹿者とそれはよく戦うだろうよ──

 

 

「あなたがいてくれたから・・・コンラは強くなれたのです。だから・・・コンラは殺そうだなんて、絶対に思いませんよ。御父様」

 

それ故に、与えるものは御祝いと祝福のみ。だからこそ・・・自分はサンタとして。逃げずに此処に来たのだから

 

「・・・・・・猛犬の息子にしちゃぁ、ちょいと人懐こくなりすぎな気もするが──おぅ、コンラ」

 

「はい、御父様」

 

「・・・立派になったな」

 

「──皆が、いてくれたからです。コンラの道は、皆が切り拓いてくれました」

 

それだけを告げ、クー・フーリンは戦闘の構えを解く。その顔は、退屈を凌げたと満足げな笑みを浮かべている

 

「ワフ、ワン」

 

「あ?『立派になった息子とじゃれあってみたかっただけでは?』だ?・・・知ったことかよ。アメリカじゃ構ってやれなかったんで心残りだっただけだ。オラ、プレゼント寄越せよコンラ。あんだろプレゼント」

 

「はい!勿論です!星五、星五のランサーコンラに抜かりはありません!アマママ様、少し、失礼します・・・えい!」

 

「ワフン」

 

すぽん、とアマテラスの神器から手紙を抜き取り、クー・フーリンに渡す。それは、神代の言葉で書き取られた、神の手紙であった

 

「ルーお爺様からです。クー・フーリン、我が愛しき息子へと。カルデアに届けられたものを此処に」

 

「直接渡せば良いだろうが」

 

「サンタとして頑張るコンラの使命の締め括りに渡してやってくれとの別途便箋も一緒に」

 

「あのジジィ・・・お前、わざわざコンラに付き合ってやったのかよ」

 

「ワフ、ワン!」

 

「第二の生は楽しく生きる選択肢もある。人助けは趣味で使命なのでお気になさらずに・・・フン、神にしちゃ甘過ぎるんじゃねぇか、ワンコロ」

 

【それがアマこーの良いところ!良かったね、クー・フーリン!】

 

「正直ヒヤヒヤもんだったぜ・・・あの逸話は再現されないでホント良かった!!」

 

「マスターである小娘がいるのは当然だが・・・何故テメェがコンラに肩入れする?」

 

「?そりゃあ決まってるだろ!コンラに頼まれたからだし、サンタとして頑張りたかったし、なにより俺はあんたの大ファンだ!そんなあんたの息子に声をかけられたら、頑張らないわけにはいかないだろ!」

 

「あー、解った。バカって事か」

 

「あぁ!!頭十二勇士は伊達じゃねぇぜ!」

 

【誇らしげに言うことじゃないと思う】

 

「ワフゥ」

 

殺伐とした空気は失せ、笑顔の歓談が戻る。そんな様子を見守るコンラに、クー・フーリンは最後の言葉を投げる

 

「・・・サーヴァントであろうとも、お前は戦士だ。為すべき事を為し、そのためなら命を躊躇い無く使え」

 

「はい」

 

「・・・そんで、生きてた頃には出来なかった事をやってみろ。好きに生き、精々楽しみゃいい。そっちにもオレはいるんだろ。・・・ガキがガキらしく振る舞うことを、誰も咎めやしねぇよ」

 

「はい!コンラは、毎日が楽しいです!」

 

「──そうかい。まぁ」

 

「?」

 

「・・・その見てくれでガキっぽく振る舞うのは控えとけ。スカサハ・・・いや、オイフェと瓜二つの顔と身体で振る舞われちゃ、寒気と鳥肌が止まらん」

 

サイズが合わず胸やお尻、身体のラインを隠せていないサンタ服を、成長した豊満かつしなやかな肢体にて惜し気もなく披露しながら、その情緒に無頓着なコンラを見て・・・狂王は静かに溜め息を吐くのであったとさ




コンラ「では、コンラたちはこれで!」


「二度と来なくていいぞ」

【あの・・・もしよかったら・・・楽園に・・・】

「・・・気が向いたらな」

「あのアーマーカッコよすぎだよな!!どっかで売ってないかな!!」

「紅海の海域にいるんじゃねぇか」

「ワフ!ワフ!ワン!」

「コンラちゃんと御一緒できて光栄でした・・・ハッ、調子こかせて悩まされないようにな」


「はい!ではお父様、素敵な聖夜を!メリークリスマース!!」


「ワォオーーーン!!!!」

「・・・行ったか・・・」

『ルーの手紙』

「・・・(ピラ)」

『ヤバイ。コンラヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
コンラヤバイ。
まず可愛い。もう可愛いなんてもんじゃない。超可愛い。
可愛いとかいっても
「星四でガチャ必要なん?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ星三。スゲェ!課金とかいらないの。石だとか家賃とか必要ない。フレポでもいつでも来てくれる。
しかも原初のルーンも全部会得してるらしい。ヤバイよ、原初だよ。
だって普通は原初とか習得しないじゃん。だって北欧とケルトって似て非なるじゃん。シグルドとかジークフリートとか全然違うっしょ。
戦士目指してたのにルーン適正あったらキャスタードルイド一本とか泣くっしょ。
だから勇士は大抵一本に絞る。
けどコンラはヤバイ。そんなの気にしない。習得しまくり。アーチャーとランサーのダブルクラスでしかも原初のルーンとか。ヤバすぎ。
アーチャーっていたけど、もしかしたらランサーかもしんない。でもルーンがあると
「アーチャーとランサーとキャスターのクラス適正ってナニよ?」
って事になるし、それは誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。
あと超速い。光速。ワシの加護。速度は全物質最速で地球を七週半。ヤバイ。速すぎ。武器を振るわせる前に死ぬ。怖い。
それに超素直。超元気。それに超負けず嫌い。お父さん大好き。お父様って。六歳の娘は絶対に言ってくれない、情緒。
なんつってもコンラはランサーが凄い。お前と御揃いだし。
鮭だか黒子だかは水鉄砲やらパットしない猪殺しで柄をへーこらしてるのが精々だって言うのに、
コンラは大人ランサー。母親に似てスタイル抜群。ルーンも自由自在。ヤバイ。素直。可愛い
とにかくクー・フーリン、コンラの可愛さををもっと知るべきだと思うぞ。
そんなヤバイコンラを差し向けたスカサハ許さん。もう赦さん。絶対赦さん。超赦さん おじいちゃん ルー PS 私の孫は世界一可愛い』

「・・・・・・・・・(ポーイ)」

『ゴミ箱』
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