人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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ヒロインX「また爆死しましたか・・・」

ベディヴィエール「王は沢山いるのですね、本当に・・・沢山・・・ははは・・・」

ヒロインX「全く、セイバーセイバー爆死爆死と嘆かわしい・・・他のオリジナルや派生品がなんだと言うのですか。全く本当に・・・ブツブツ・・・」

アーサー「まぁまぁ、譲れない一線があるんだろう。王としての矜持なのかもしれないね」

ヒロインX「ふんだ!嘆かわしい以外の感想が出てきません!そんな訳で!ちょっと行ってきます!」

「王よ、何処に・・・!?」

「野暮用です!あの御機嫌王に、しっかりと教えなくてはならないことが出来たので──!!」


新年初改築王!

「大丈夫かい?ギル。割と深刻な大ダメージを被っているような感じだけれど」

 

たおやかな声が、王の部屋に響く。召喚にて大惨事を被り、福袋と言う名の絶望を味わった王をおもんばかる唯一無二の友、エルキドゥが意気消沈気味のギルガメッシュに声を掛けたのだ。王は腕で眼を隠し、マリー・アントワネットの膝枕を受けながら無言でベッドに身を投げ出している。

 

「案ずるな、我は挫けぬ。未来に生きると常日頃言っているであろう。ただちょっと期待からの落差が激しかったに過ぎぬのだ。つらい」

 

「ばっちり挫けているじゃないか。渾身のポエムも空振りだし無理もないけどね」

 

(福袋からのアルトリアからのサーヴァントユニヴァースからの刺客。流石の千里眼持ちでもこれは読めなかったか・・・)

 

一様に思い思いの言葉と所感を告げる王達の会合。エルキドゥはフォウのお腹をさすり、マリーはなにも言わずギルの頬を撫でている。そんな王の痛ましい姿に、エアは悲嘆の想いが絶えず胸に去来していたのだ。王の哀しみと爆死の嘆きは、どんな悲劇よりも痛烈に胸に迫る

 

──・・・せめて、今日一日は御休みになってください。ギルの沈痛な面持ちは、楽園の笑顔や輝きに深く蔭を落としましょう。今日は臨時休暇として鋭気を養い、また明日から・・・

 

王の心身を想い、提案を告げるエアの言葉に──その配慮と憂慮の意味を受け取りながらも。ギルは身体を起こしシャツを着る。『改築王』と銘打たれたTシャツを。それの意味することは、一つであった

 

《案ずるな、エア。星に手は届かなくとも、我が身は既に至宝を擁している。憂いなどにかかずらい、悲嘆に我が身を浸らせておくものか。行くぞ、我等が使命を果たすときだ》

 

──よ、良いのですか!?

 

《フッ──覚えておくが良い、エア。例え身を裂く悲劇が襲おうとも、治めた地が崩壊の一途を辿ろうとも。王が逃げ、投げ出すことは赦されぬ。悲嘆も苦痛も飲み干し、背負い立つ。具合が悪いからやらない、などとは王の有り様に有らずだ。そう悲痛な顔をするな。なんであれ──王は必ず笑顔を浮かべるものだ!》

 

心配するな、御機嫌王たる我を信じよ。言葉に含む真意をエアは即座に感じとり・・・目尻に浮かんだ涙を強く拭い払い、笑顔を浮かべ力強く頷く

 

──はい!それでは、参りましょう!新たな仲間達の衣食住を、磐石なものへと!

 

「うむ、凹めど即座に立ち直る不屈王たるこの我のつらいタイムは終了とする!マリア、大儀であった。介添、まこと良きものであったぞ」

 

「えぇ!エアにも負けないくらい、私はゴージャスさまのファンですもの!御元気になってくださって、私も幸せですわ」

 

──ありがとうね、マリー!やっぱり王の夜枷相手はマリーじゃなきゃ!

 

「うふふっ、私が出来るのはここまで。しっかり支えて差し上げてね、エア?」

 

頷き合う、王を支える姫と王妃。彼女たちは互いに王に寄り添うもの。其処にあるのは友情と強い敬愛のみ。王の本調子を望む者同士、友宜の意志を確かめ合う

 

 

「よかった、やっと本調子みたいだね。蛇に不老不死を掠められた訳でもなし、凹みすぎだと若干面白がっていた甲斐があったよ」

 

「なんの甲斐だ!相も変わらずどうかと思う性格をしおってからに!見ておくがいい、我は立ち直りと克己に置いても他の追随を許さぬのだ!」

 

(まぁ別に心配はしてないよ。エア、気を付けてね。コイツとは一蓮托生だから、コイツのサポートはキミの身を護る事にもなるからね!)

 

──うん!マリー、フォウ、エル!行ってきます!

 

「二人とも、お気をつけて!ヴィヴ・ラ・フランス!ヴィヴ・ラ・ウルク!」

 

「ふははははは!!最早凹みなどせぬ、さぁ行くぞ!愉快な改築、ここに再開と相成るのだからな!」

 

唯一無二の価値を持つ財達により、気を取り直した王の笑顔溢れる改築が再び幕を開ける。──楽園の、更なる充実と発展を手掛けんが為に──

 

 

浅上藤乃 何でも屋『ふじのん』

 

「ロマンさんが痛覚を取り戻してくれました。身体も丈夫になっていいことづくめで・・・そんな喜びと感謝を私なりに表したいと思います。具体的には、何でもやることにしました」

 

「部屋に受付を設けるとは本格派よな。労働の許可はくれてやろう。実益を兼ね、数多の事業に挑戦してみるがよい」

 

「はい、ありがとうございます。私、楽園の充実の為に頑張りますね。あ・・・」

 

「ん?」

 

「・・・」

 

「式さん・・・」

 

「ん」

 

──ペットボトルウォーターと、ストロベリーアイス・・・

 

「赴任祝いだ。くれてやるよ。夜出歩くなよ、許可がない奴は殺していいって言われてるからな」

 

「えっ、怖いですね。分かりました。バレないようにするかちゃんと許可を取ります」

 

「許可を取らぬか許可を。・・・フッ、仲良くやるがいい」

 

「私達、マブダチですよね」

 

「誰がだ馴れ馴れしい!」

 

──うん、大丈夫そうです!

 

 

メフィストフェレス 時計屋『メッフィー』

 

「感謝感激恐悦至極!私のような悪魔にもお部屋を用意して貰えようとは!メッフィー感激ィ!!」

 

「商売の許可も下ろしてある。令呪の取り決めに従った商いをするがいい。叛意を現すのは構わんが──それなりの覚悟は決めておけよ?」

 

「ヒヒッ、勿論ですとも!面白おかしくあれる楽園!決して断じて自ら壊しはいたしません本当ですともヒヒヒヒッ!」

 

──わぁ、ハトや蜘蛛の時計もあるんですね!可愛らしくオシャレです!

 

《迂闊に触れるな、エア。こやつは平然と爆発物を混ぜるくらいは行うだろうよ》

 

──えっ!?

 

「あぁ、それ気になりますぅ?可愛らしいですよぉこうして触れるとォ──ッパァン!!」

 

『クルッポー』

 

──ハトが飛び立ちました!凄いです!?

 

「手品も出来ますよぉ?パーティグッズにいかがですぅ?」

 

「・・・貴様は悪魔でもあり、道化でもあったな」

 

「今後とも御贔屓にぃ!ィヒヒヒヒッ!ヒーッハハハハハ!!アヒャッ!アヒャッ!アヒヒヒッグェヘェ!ウェホッ!むせましたウェッヘェ!」

 

──だ、大丈夫ですか!?

 

「騒がしく忙しない輩よな。──シンジめがおれば、更に愉快であったろうよ」

 

 

 

ディルムッド 専用鍛練場

 

「感謝する、英雄王。俺は本来マスターに仕える身のサーヴァント。そんな俺にこのような厚遇をあてがってもらえるとは。一層の尽力と奮闘を、この二剣に誓おう」

 

──ケルトの方はストイックであり、ダイナミックであり、誠実な方々ばかりです。真っ先に鍛練場が欲しいとは・・・自らを律する素晴らしい方ですね、ディルムッドさん!

 

《素晴らしい人格が、素晴らしい末路を迎えられるとは限らぬが人生のままならぬ機微よな。こやつの最期は見応えに満ちたものであったと聞く。ククッ、立ち会って見たかったものよ》

 

──そうなのですか。さぞやサーヴァントの戦いに置いても颯爽と爽やかに戦い抜いたのでしょうか・・・?いつか、彼の軌跡を見てみたいものですね!

 

《・・・そう言えば、あの世界線にもセイバーはいたな。・・・軍師めを選抜し、焚き付けるも一興か?》

 

「くっ──何故だろうか、無垢なる期待が胸を貫いているような気がする・・・!!」

 

 

フィン・マックール マックールの館+草原

 

「いやはや畏れ入った!これ程のプライベートルームを保証して貰えようとは!まさに楽園、その名に全く偽りは無いな!」

 

──フィオナ騎士団は冬は屋敷にて過ごし、夏は狩りをして訓練を行うと聞きました。それを参考にした改築です。エネミーは常にランダムで出現するようになっていますので、退屈はしないかと思われます

 

「誉めるな誉めるな、当然の事を行ったまでに過ぎぬ。王は目につく総てを背負い万全を尽くす者。その責務を全うしたに過ぎぬ。他ならぬ己の為にな」

 

──英雄王は凄いのです!最古の人類史から最新の今まで威光が轟いているのですから!

 

「感服いたした、英雄王。これは私も老醜を晒すわけにはいかないな。マスターたる彼女を、いい感じに導く事が目下の役目かな?実に、フィオナ騎士団の資格ありと思うのだが」

 

「・・・貴様らの騎士団の試験はそれなりに難題と聞く。委細は覚えているか?」

 

「勿論だとも。なぁに、あのマスターならやりとげるだろうさ!具体的には──」

 

 

『1 下半身を地面に埋めてハシバミの枝と盾を持ち、四方八方から攻撃を仕掛ける九人の騎士達を相手に身を守らなければならない。

騎士達の槍が少しでも皮膚を掠めれば不合格

 

2 全裸で髪を二十本の三つ編みに編まれ、森の中を武装した騎士達に一本分の木の長さの距離から駆り立てられる。

怪我をするか捕縛された場合、三つ編みが一束でもほつれた場合、走っている最中に小枝を踏み折って音を立てた場合、

試験が終わって槍を握る手が震えた場合は不合格となる

 

3 自分の背と同じ高さの枝を飛び越え、膝と同じ高さの枝を潜り抜け(または膝と同じ高さに身を屈めて坂を駆け抜ける)、

足裏に刺さった茨の棘を走る速度を落とさず抜かなければならない

 

4 詩篇十二冊とエリンに伝わる古来の物語を二十以上暗記しなければならない

 

 

試験を合格した者には、次の様な誓いを立てさせる。

妻を得るときは持参金を受け取らないこと

不正に対する報復以外では、他人の牛を略奪しないこと。

助けを乞われたら、誰であろうと拒まないこと

どれだけ劣勢になっても、仲間が九人居る内は退却しないこと。

エリンの上王と騎士団長に忠誠を誓うこと』

 

 

「どうかな?実に遣り甲斐のある試験だろう。さぁ!君も今日から栄光のフィオナ騎士団の一員だ!をキャッチコピーにしたいと思うがね?」

 

「うむ、微塵も合格させる気概が見えんな」

 

──ケルトの基準とは物凄いのですね・・・改めてそう思いました・・・

 

 

謎のヒロインXオルタ スイートルーム(SweetSじゃんぬの真横)

 

「防音も完備し、ワープ機能、エアコン床暖房をくれてやった。部屋を出るのも億劫げな貴様だ、これほどしてやらねば満足すまい。歩いて数秒で店舗だ、文句はなかろう」

 

「好きです」

 

──好き!?

 

「至れり尽くせりとはまさにこの事。オルトリウムも昂っています。招かれざる客たる私にまでこんな極上のもてなしを・・・コスモギルガメスは喧しくて五月蝿いですが、あなたはいいギルガメスと確信しました、好きです」

 

──なんと、ヒロインXさんに続く王に好意を寄せるアルトリアさんが・・・!?

 

「あなたがブルジョワで有る限り私は懸命に頑張れます。これからも私が好きでいられるごきげんおーでいてください。甘やかしてもらうの、大好きです」

 

「ふはは、何故こう亜種ばかり我に懐くのだ?我はニアピン王でもあったのか?」

 

──ラブではなくライク勢でしたか・・・これが、カリスマA+の王の力・・・!!

 

《ちなみに問うがエア、お前はどちらだ?》

 

──ラブもライクもどちらも等しく貴方が大好きです!

 

《──ふははははは!!そうか!即答にして断言か!ふははそうか!よし!SweetSじゃんぬで奢ってやろう!好きなものを食らうがいい!》

 

──やったぁ!

 

「すまない、こちらに新しいアーサー王が訪ねたという事なので楽園のパンフレットを渡しにきたのだが」

 

「・・・マスター・アグラヴェイン・・・!?」

 

「・・・?何処かでお逢いしましたか、学生めいた王よ」

 

「・・・いえ、気のせいですね。マスターはもっと苦労皺が酷かったですから」

 

「???」

 

 




──じゃんぬさん、たまたま作っていたプラチナケーキを王にサービスしてくれましたね!流石は店長です!

《うむ、ゴージャスな出来映えであった。我等の口に運ぶに相応しき甘味よ。腕前の研磨は未だ頭打ちを迎えておらぬようだな》

──お土産を皆さんの分も買い揃えたので、皆で一緒に・・・ん?


ヒロインX「・・・~」

「む、アルトリアではないか。何だ、部屋の前で態々待ち構えおって。セイバーの首でも献上しにきたか?」

──王、ワタシは一足先に御部屋に!また後でお会いしましょう!

《む?──フッ、気を遣いおって》

「・・・・・・」

「どうした、何を沈黙しているか。物静かな貴様など違和感しか──」

「ていっ!」

「む──」

『アルトリア人形』

「・・・これは貴様の手作りか?」

「悪いですか!手作りですとも!大体なんですか、セイバー来ないセイバー来ないなど英雄王が情けない!わ──」

「わ?」

「わ、私という最高最速最強のセイバーがいるのですから!アルトリアシリーズで一喜一憂する事など無いんです!つまり、えぇと、要するに・・・」

「~要するに?聞かせて貰おうではないか」

「げ、元気を出しなさいバーカ!と言うことです!あぁもう、何を言っているのか私は!セイバー増えすぎ問題で予想以上に参っているようです!気晴らしにダメ息子をシバき倒してきますから!それでは!」

「フッ──」

「あ、ギル!」

「?」

「ギルギルスタリオンはいつでも出られますからね!気晴らししたいとき、ハンドルは握ってもらいます!ギルガシャナちゃんにも伝えておいてください!それでは!あまり気に病むことが無いように!」

「・・・・・・フン、格式通りにも程があろう。全く愉快な性格のアルトリアがいたものだ」

『ヒロインX人形』


マイルーム

エルキドゥ「おや、どうしたんだいそれは?」

ギル「なに、何かの間違いの気の迷いの産物だ。非売品の貴重品ゆえ、飾ってやるも悪くは無かろうさ」

──ふふっ。アルトリアさん、ありがとうございます!
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