人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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祝!500話!

いやぁ・・・一年も経たずにこんなに長い物語を紡ぐことが出来て感無量・・・というか、正直実感がありません。毎日頭に浮かぶ事を書き続けていたら、いつの間にかこんな話数になっていたというのが正直な所です

fateという作品を愛し、そんな作品に自分なりに恩返しをしたいと考え、夢中で執筆していたら・・・こんなに皆様に愛される作品になっていました。本当に、本当に嬉しいです。毎日感想をくださる皆様、読んでくださる皆様。いつも、本当にありがとうございます

二次創作をするなかで、思い至る事は総て皆様に叶えてもらえました。ハーメルンで感想数一位から始まり、年間、日間などのランキングで一位を獲得し、イラスト、歌、漫画、毎日の感想。この小説から産み出されたもの。そしてそれぞれが、等しく総て自分の財産に他なりません

毎日更新をしているのは、単純に皆様に読んで貰いたいからです。『次はどんな感想をくださるのかな』『どんな事を感じてくれるかな』『楽しんでくれるかな』と、楽しんで執筆をさせてもらえる皆様の存在に、自分なりに報いたいと感じているからこそ、何より自分が一番楽しませてもらえているからこそ。こうして毎日、物語を紡ぐことが出来るのです

改めて、深く、深く感謝を。型破りで、素人筆の自己満足を、かけがえのない至高の物語にしてくださったのは読んでくださった一人一人の読者の皆様です

誰がなんと言おうと、この作品を通じて手に入れることが出来た一番の宝物は、この作品を愛してくださる一人一人の善き読者様です

愉悦部員という、ともすれば寂しい一人芝居にしかなり得ない集いと想いに、確かな生命を吹き込んで下さって本当にありがとうございました。何度告げても足りない感謝と想いを、この500回の区切りに改めて告げさせてください

これからも精進し、また慢心することなく。ゴージャス英雄王とエア、その財達が織り成す物語を紡いでいくことを、此処に報告させていただきます

いつかこの物語も終わりが来て、記憶の片隅に追いやられる日が来るのでしょう。でもそんな時、『あぁ、いい作品だったな』と思ってもらえたり、『ますます原作が好きになった』と言ってもらえたり、『早く続きが読みたいな』などと思ってもらえたら、自分にとっての最高の幸福です

どだい二次創作、単体では成立しない概念です。偉大な原作、そして読んでくださる皆様がいてくれて初めて形となるもの。どうかこれからも、紡ぐ雑種たる自分、そして偉大なる英雄王を支えて貰えたのなら、これ以上の喜びはありません

fateという作品、英雄王ギルガメッシュという偉大なる英雄王、そして・・・皆様が産み出してくださった英雄姫エア。スケベ悪友フォウ。まだまだヘラクレスな藤丸リッカを初めとした財達を、これからもどうか、よろしくお願いいたします

──この作品を読んでくださった皆様と、それを取りまく総てのものに、祝福と幸福が訪れますように。いつまでも、善き人生の旅路を歩めることを、心から御祈りさせていただきます

ワタシは、皆様が大好きです。どうかその総てが、愉悦に満ち溢れた輝かしいものでありますように──


エピローグACT─1【帰還】

狂い果てた聖杯を、星の聖剣が穿つ。迸る光の奔流が、邪悪に堕ち果てた杯を、空に開いた穴ごと叩き伏せる。洞窟内に輝きが充ち溢れ、闇と泥の一切を叩き払い、切り払い、黄金の煌めきが、柱となって立ち上る。セイバーの全身全霊が、冬木の土地を・・・其処に生きる人々の営みと生命を救ったのである。最早呪いの兆しはない。完全に・・・何百年も、何十年も、何年も眠り続けた悲願は砕け散り、無へと帰したのだ。異世界からの介入者、そして始まりの一角であるアインツベルンの手によって

 

「終わった、みたいだね!皆、お疲れ様!」

 

リッカの朗らかな声音が、全ての作戦の終了を告げる。聖杯戦争の中核は吹き飛び、解体・・・あるいは破壊の使命は無事に果たされた。カルデアの面子は、最早帰還を待つのみである。数奇な運命を辿りし、第四の戦争は、さしたる被害なく解体、抹消と相成ったのだ

 

「聖剣、民草の理想を束ね光と為す。過ぎた理想なればこそ、その輝きは侵されぬ、か。確かに見届けたぞ、セイバー」

 

何時のまにやら席を外していた英雄王が、愉快げに、どこか万感の想いを込めたかのような労いと礼讚を贈る。本来のアーチャーであるならば、戯れ事、戯言と一刀に伏せた会話であるが・・・

 

「人類最古の英雄王に称賛を受けるとは、得難い体験です。その言葉、忘れることはないでしょう」

 

素直に、セイバーはそれを受けとる。かの英雄姫の魂を擁する彼がいたからこそ、この場における本懐を、人々の救済を成し遂げた。その威光と、悲劇を無用と断ずる痛快さ。己の望む結末のため、磐石の為に自らの尽力を厭わない在り方。そして・・・徹頭徹尾に己を楽しませ、己の最善と納得の為に君臨し、己を貫く。──自らとは全く違う、『己』を遵守し絶対とする愉快な王道を目の当たりにしたセイバーは、退去の始まる中で言葉を送る

 

「御機嫌王・・・でしたか。貴方の有する財宝は、素晴らしくかけがえのないものですね。乱雑に扱い、壊すことの無いように」

 

「フッ、我を誰と心得るか。唯一無二のこの我が、財を投げ捨て粗末にするなど有り得ぬわ。──此処まで親身になり、骨身を削り築き上げた財宝よ。最早何処にも代えなど有り得まい」

 

「はい、その通りだと思います。──あなたの事は忘れません。君臨を是とし、世界の総てを背負いし王よ。・・・プリンセスに、よろしくお願いいたします」

 

「ハッ、面映ゆい事を口にするものよな。よい、在るべき場所へと戻るがよい。──ではな。エアと共に、いつか楽園にて見える日を心待ちにしておいてやろう」

 

──アルトリアさん。どうかその路が、輝けるもので在ることを。貴女だけの運命に、いつか辿り着けますように

 

それだけを告げ、アイリスフィールと静かに頷き合う。最早言葉は無用。絆は、確かに紡がれた

 

「それでは、皆さん。誰もが欠けぬ結末に手を貸すことが出来て良かった」

 

騎士の王は、最後に清廉な笑みを浮かべ、消え去る。大聖杯の導きにて喚ばれた英霊は、大無くしては存在し得ない。それ故の退去である

 

『チッ、カムランに帰りましたか。またあの憂鬱夕日ウォッチに帰るのは憐れですね。──まぁ、今の私には関係の無い話ですが』

 

「貴様は茶化すのが日課となっているのか?アレか、野次王としても名乗りを上げるのか?」

 

『フン!我慢に我慢した私を誉めなさい!私が本気を出せば、セイバー含めた全員なんて楽勝なんですから!』

 

「大きく出たな、アーチャーも楽勝と申すか?」

 

『当たり前じゃないですか!ゴージャスじゃないギルガメスになど遅れを取る理由がありません、ストーカーなどエックスカリバーです!』

 

(・・・なんというか・・・)

 

──ツンデレじゃなくてデレデレだよね、アルトリアさんって。フォウ

 

(それそれ。全く素直なんだか素直じゃないんだか)

 

やいのやいのと笑い合うギルとアルトリア、続いてランサーも退去が始まる

 

「さらば、未来の勇者達。誉れを懐いた戦い、素晴らしきものだった」

 

その麗しの美貌を湛えた騎士も、役目を終える。そのまま颯爽と去り行く間際に──

 

『おう、おっかれさん。槍捌き、見事だったぜ。麗しの若武者さんよ』

 

「ひ、光の御子・・・!?」

 

聖杯にて完全体となりし、時代の覇者、アルスターのクー・フーリンが、彼方の後輩へと労いを贈る。まさかまさかの偉大なる先輩の声音に、深々と頭を下げるディルムッド。──間際の災難は、これだけではなかった

 

『いやぁ良かった良かった。もし何かの間違いで嬢ちゃんが魅了されでもしたら顔の皮ごと黒子を抉ってやろうと思ってたが杞憂で助かったわハハハハ』

 

「兄貴!?なんか目が笑ってなくない!?」

 

『そりゃあおめぇ、マジだもんよ。オレは略奪愛は好きじゃなくてな。ナンパはいいがこれと決めた女となりゃ話は別だ。てなわけで・・・笑顔で別れる幸運を喜ぼうや、なぁ?』

 

「は、はい・・・身に余る光栄です」

 

『おーい、マックールの小僧!気の利いた事を言ってやれよオメェもよぉ!』

 

「なっ──そ、それでは失礼!また、次なる戦場にて!」

 

絶対に立つ鳥を濁す羽目になる・・・!そう考えたディルムッドはそそくさと主への謁見を後回しとして退去を果たした。タッチの差で現れたフィン、残念そうに親指を噛む姿をからからと笑い飛ばすクー・フーリン。数多の英霊を有することを、隠す事も無用となった事で思い思いのサーヴァント達が姿を見せる

 

「⬛⬛⬛⬛・・・」

 

バーサーカーもまた、退去を始める。セイバーに執着を見せた狂乱の英霊は、今はその荒々しさを潜め・・・ただ、マシュを見つめていた

 

『暴れないように最低限の魔力だけを渡していたけど・・・大丈夫?大丈夫だよね?』

 

「はい。・・・バーサーカー、ランスロットさん。お疲れ様でした」

 

「・・・⬛⬛⬛、⬛⬛⬛・・・」

 

唸りなのか、それは何かの言葉だったのか。唸り声を一つだけ上げ、狂い果てた・・・いや、狂いたかった騎士は消え去り、遥かなる座へと戻っていく。僅かにカタカタと揺れた鎧の音は・・・あるい、漏れだした笑み、笑いなのかもしれない。それは、如何なる形であれ裏切りの騎士たる自らが、王と・・・そして、息子と肩を並べたことへの想いか

 

『また一人で満足げに消えていきましたかあの人妻好きは。悩みに悩むくせに無駄に気取る癖はなんなんでしょうか。いっそ暴走すれば良かったものを。粛清の大義名分が・・・ブツブツ・・・』

 

「よし、後で何かを奢ってやろう。些か口を閉じておかねばユニヴァース時空に汚染されてしまう故な、静粛にせよ」

 

『マジですか!スタリオンプリンを所望します!』

 

『私にも、高級あんもちを所望します』

 

「薮蛇であったか・・・」

 

「良かったね、マシュ。嬉しそうだったよ、ランスロット」

 

「はい。・・・ランスロットさんは、素敵な方だと知っていますから」

 

『⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛────!!!!!』

 

『うるさいよカリバーーーーッッ!!!!!』

『素粒子に還れ』

 

無慈悲に粛清されしカルデアランスロット。マシュの言葉に嬉しくなってしまったがゆえの咆哮と粛清であった。スピーカーがややハウリングしている中、ハサン・・・少女もまた、退去を為す

 

「・・・あの」

 

「?なぁに、どったの?」

 

「・・・ありがとう。皆さん。初代さまに、御伝えください。ぶざまをさらしてごめんなさい、と」

 

それと、もう一つ。言わなくてはならない事を、皆に告げ、アサシンは消え去る。影に消え、何も残さぬが常の自分が、こうして別れを告げられる事実に──微笑みながら

 

「とても・・・たのしかった」

 

それが、最後。アサシン、ハサンは退去を果たす。拷問用の人格が、最後まで残りし皮肉。だがそれも・・・数奇な戦いに相応しい、また好ましい皮肉であった

 

【百貌の。話がある】

 

『はっ、い──』

 

全くのとばっちりを受けたハサンもまた、試練が訪れることは別の話。粗方、呼び出された英霊は退去した。エルメロイは王に告げる

 

「・・・あのマスターはどうなった?英雄王」

 

「フッ、覇気にて火照りし頭と身体を冷やすと告げ、一人で帰還していったわ。覇道の兆しを懐いた男だ、問題はあるまい。貴様の力も返還し我が受け取っている。案ずるな、忠臣」

 

そうか、と葉巻を吸い、空を見上げる。未熟で愚かなばかりの者ではあったが・・・時間はまだある。鍛え、進んでいけばそれなりになるだろう。──かの王の背中を追う人生を、彼は走るだろうから

 

「さて、私はこれからどうしようかしら。聖杯戦争が無くなった今、聖杯にならなかった私は宙ぶらりんになっちゃったし、大聖杯・・・壊しちゃったし」

 

彼女が消えることなく在った事。それは聖杯、小さなものだがそれを手にしたに等しい事業である。そして──それが王の狙いであった

 

「行く宛てが無くば楽園に来るがよい。聖杯、マスター、スタッフ。全てに為りうる稀少な人材だ。アインツベルンの最高傑作、捨て置くには惜しいのでな」

 

楽園の致命的なマスター不足、そしてスタッフにも為りうる貴重な人材を逃す手はない。生半可なマスターでは補欠にもなり得ぬ王の厳しい裁定にも叶うほどの逸材・・・壮大な人材スカウト、この特異点の報奨を獲得する

 

『異論は勿論ありません。誉れも高きアインツベルンのマスター・・・歓迎いたします』

 

「本当かしら!やったわリッカちゃん、マスターとして、スタッフとして再就職よ!」

 

「カルデア第二のマスターキター!!やったね!よろしくね、アイリさん!」

 

「まずはカルデアでスタッフ業務を覚えるがよい。戦闘力、行動力ではなく器用さ、万能性で差別化を図り、楽園に尽力せよ」

 

「えぇ、勿論!私にマスターの座を渡さないよう、気を付けて戦って・・・そして、これからも無事に帰ってきてね、リッカちゃん」

 

「うん!やったねムニエル!美人スタッフだよ!」

 

『我が世の春が来たあぁぁあぁぁ!!!!』

 

ワンチャンあるかもしれない!そんな歓喜の絶叫を上げるムニエル。絶世の美女の参入に、彼以外のスタッフも沸き立っているのだ。ロマンとシバにゃんは、そんな様子を微笑ましく見守っている。仲間が増えることへの喜びは、等しく同じであるがゆえに

 

 

 

「・・・元気にやるといい。僕の役目も此処までだ」

 

 

騒がしく賑やかな喧騒に背を向け、抑止力のアサシンも退去を始める。完膚なきまでに聖杯は破壊された。惨劇は防がれた。世界に呼び戻される瞬間が、迫っている

 

「・・・」

 

「・・・不思議だな。こうして君と共に在る事実、そのものが」

 

「えぇ。不思議。どうしてそれが不思議なのかは分からないけれど・・・きっと、それは宿命なのでしょう」

 

「・・・何?」

 

「リッカちゃんが言っていたわ。貴方と私は宿命にて結ばれた者同士であると!固い運命で、きっと私達は巡り会ったのだと!・・・決闘を申し込みたいけれど、そんな時間はないみたい」

 

「・・・不運なような、幸運なような。・・・自分の身を大事にするといい。そこの愉快な王様の保護なら、食いっぱぐれる事は無いだろう」

 

消えていく、抑止力の守護者。──最後に、簡潔に。言葉を贈る

 

「さようなら。・・・ありがとう」

 

「えぇ、貴方に出会えて良かったわ。見知らぬ英霊の人」

 

その言葉を最後に、退去を完遂するアサシン。初めての、守護と遵守。切り捨てることなく戦えた事実を、胸に懐きながら

 

「さて、貴様ら先に楽園に帰参せよ。我とマスターにはやることが在る。少し帰還はタイミングがずれるのでな」

 

『?何かあるのかい?』

 

「あー、ちょっとね!マシュ、アイリさんをお願い!」

 

「先輩?」

 

「大丈夫大丈夫!すぐ戻るから!」

 

 

──こちらの用事は分かりますが、リッカちゃんにも何かがあるのですか?ギル

 

(隠されたラスボスとかじゃないだろうなまさか。大暴れとか無しだよ!)

 

《案ずるな。欠片のゴミ掃除に過ぎぬ。さぁ我等も行くぞ。最後の面倒を見てやろうではないか。アフターサービスというヤツよ》

 

退去するマシュにアイリ、ヴィマーナに乗り、颯爽とワープするギル達。立ち尽くすリッカ。そして──

 

 




リッカ「・・・出てきたら?もう私以外、誰もいないよ」

リッカが虚空に声をあげる。誰もがいなくなったその空間──だが、有り得ざる返答が帰ってくる

【あーあ、当たり前っちゃ当たり前か。なんせ、アンタの回路(カラダ)を借りてアレを喚んだわけだしなぁ。ヤリ逃げってわけにはいかねぇか】

ゆらりと、リッカの影が動く。漆黒の黒が、形を成してリッカの眼前へと立ちはだかる。それは、リッカが誰よりも知っているもの。誰よりも身近に在るもの・・・

【まさかオレの後輩がこんなにカワイコちゃんとは驚いた。告白に一対一とはわかってんね。桜の木の下でとはいかないのが・・・】

「残念でもないよ。私にそんなロマン、似合わないし」

【ヒヒッ、いい感じに卑屈じゃねぇの。──ま、中身はこうしてあるわけだが、入念にぶっ壊されちまって後は消えるだけだ。──そんな訳で、ピロートークと行こうや、人類悪の嬢ちゃんよ】

アンリマユであり、アンリマユではない。別世界の、しかし同じ存在。名も無き青年、名を得た少女人造の必要悪と人類悪が睨み合う

【しかし、頑固なオンナもいたもんだ。楽になる場面はいくらでもあっただろうにさ。大義名分、理由や理屈・・・『私を認めない世界なんて滅ぼしてやる』とでも言っておけばあっという間に立派な獣の誕生だってのによくもまぁ・・・『今を護る』なんて選べたもんだぜ】

「・・・」

【今はなんとかなってるよな?結構。人類がアンタを求めんのはこっからさ。──いつか、人類が生きるために、他の総てを切り捨てなきゃいけない日がきっとくる。善人じゃダメだ、潰れちまう。悪人じゃダメだ、逃げちまう。どうしたって必要なんだよ。・・・『世界を救うために』【世界を滅ぼす】選択をする生け贄がさぁ?見たところ・・・アンタはそれにピッタリだと踏んでるね、オレぁ】

その言葉は、悪魔の祝福。立ち止まらず、進めばお前はきっと必要とされる。──世界を滅ぼす、人類悪としての本懐を果たせるのだと

【平和になってんだろ?代わりも出来た、今がチャンスだぜ?平穏掴んで隠居するならさ。切り捨てて、殺して、止まれずに進むこっから先にゃ・・・悪にまみれたしんどい戦いしか待ってないんだわ。アンタにはさ】

「いいよ、別に。逃げるつもりなんてないから。むしろ──それは私が望むところだよ」

悪魔の囁きを、はね除ける。どんな未来が待っていようと、どんな結末が待っていようと。自分の生き方は決めている

「私は、私が今生きている世界を・・・グドーシが生きたかった世界を。皆がいる世界を護るって決めている。生きるために、世界の未来を手にするために、どんな相手でも倒してみせる。その悪を・・・私が全部背負ってみせる」

【────】

「私は、私であることから逃げない。生け贄上等、人類悪望むところ。産みの親も、愛してくれたお母さんも殺した私に──もう乗り越えられないものなんて無いんだから」

鎧を纏う。皆の世界(編纂事象)を守護する龍が、残された呪いに、ゆっくりと刃を向ける

【──そうかい。とっくに覚悟ガンギマリって訳か。なら、消える前になんぼか確かめさせてもらうとするかぁ】

黒き影が、少年の姿となる。最後の敵として、都合のいい元凶として。リッカの前に立ち塞がる

【名乗りなよ。オマエが誰なのか、何処まで行けるのか──覚えといてやるからさ。オマエは人かい?獣かい?】

【──どっちでもない。私はリッカ。藤丸龍華。素敵で、可愛い女の子を目指して日々を生きる──】

刀を二振構え、睨み合い──最後の、誰も見えぬ戦いが始まる。結果は、分かりきっている。それでも、悪である以上・・・滅ぼさなくてはならない

【人類悪・ビーストIF!藤丸龍華だ!私がいる限り──グドーシの生きたかった世界を、滅ぼさせなんかしない!】

【──楽しみだぜぇ、後輩ちゃん。そのキラキラ光る龍鱗と瞳、何処まで曇らず輝けるかねぇ──!!】

──交錯は一度きり。分かりきった結末を語ることはない

それは、ほんの細やかな気紛れと置き土産。悪魔とされた彼の、進み続ける龍への、彼なりの──


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