リクエストを下さった皆様、本当にありがとうございます!全てにしっかりを目を通しております!締め切りなどは特にないので、新鮮なアイディアなどをガンガン提供しちゃってください!
そしてこれは個人的に面白かった所なのですが・・・いくつか、バトルイベントを行う案をいただいたのですが
『ゴージャスは司会、あるいは解説で』
という条件が一様に添えられていたのが個人的に嬉しかったですwあぁ、彼等はしっかり別格と認識してもらえているのだなぁ、とw
重ね重ね、これからもどうかよろしくお願いいたします!
「うーん。・・・これはやっぱり実力行使しか無いのかしら・・・」
召喚と改築も終わり、日常へと移りゆくカルデア。正月も過ぎ去り、平穏にして緩やかな日々が再び巡り来ることとなりし楽園。スタッフも悠々自適に過ごし、楽園でエアロビ、カーリング、温泉巡り、カジノ、ゲームセンター、フィットネス、スパなど思い思いの休暇をエンジョイしているのだ。一年間の休暇を課せられたスタッフは、半年の激闘・・・一年の疲れを癒すべく。王の号令に備えつつ休みを堪能しているのだが・・・所長たるオルガマリーはこうして一人奮闘している。上に立つ者としての責任と責務をこなさなくては満足に休むことが出来ないが故の取り組みなのだが・・・
『アイリスフィール専用に組み込まれたマスター訓練プログラム。その展開と起動が上手くいってないみたいね、オルガマリー』
幻霊にして、オルガマリー個人と親交が深いアイリーン・アドラーがオルガマリーの作業を覗き込み、何処か悪戯っぽい笑みを浮かべる。かの名探偵と犯罪界のナポレオン両名に勝利を収めたコンビの絆と縁は、今もこうして絶えずに結ばれているのだ。そしてアイリーンが言うように・・・アイリスフィールへ作られたマスター訓練プログラム。戦闘の為の構築カリキュラムとも言うべきソレに、些か問題が発生しているのである
「そう。師匠が言うには難易度調整が出来ないとか、ランダム性が再現出来ないとか、エネミーのドロップするアイテム処理が上手くいかないとかいう問題箇所が頻出しているみたい。師匠達が作ったプログラムに限って、そんな初歩的な処理を失敗する筈が無いと思うんだけど・・・」
ノートパソコンを片手で猛烈な速さにてタイピングを行いながらコーヒーを飲み干し、自室の所長椅子にて考えを巡らせるオルガマリー。外的なワクチンや手段は粗方打ったのだが、改善する余地は見られない。ワクチンを打とうと届かず、パスワードやアジャストをはね除けているような頑なさを感じるような返答や反応が返ってくるのである。このままカルデアにインストールしてしまえば、楽園の電子戦線に支障を来してしまうやもしれぬ問題が産み出されてしまう。ティアマト、シドゥリ、マルドゥークと謎の女神A、アルターエゴにBBに余計な波乱を任せてしまう事になる。それは避けたいし、なんとかして問題を改善したいのだが・・・
「ここまで外的な手段を拒否される以上、もうこうなったらデータ化でもしてソフトそのものに侵入するしか無いのだけど・・・」
ギル辺りに頼めば即座に財や手段を用意してくれるだろうが、彼は働きづめかつ、彼自身の時間も確実に必要となる。なんでも出来るといって無意識に頼ってしまっていては、彼の身に万が一が起こり得る可能性も生まれてしまう可能性も出てくる。彼らが消えた日が楽園の終焉だ。解決出来るものは自らで解決せねばならない
リッカもまた、忙しい身でありやるべきことが数多ある身である。女子力上げの修行に習い事、手先の向上とマスター訓練。マシュとの特訓などを毎日行うハードスケジュール。それを鑑みた以上、あまり彼女にも余計なやっかいごとを知らせる訳にはいかない。何故知らせる訳にはいかないのかというと、彼女は絶対に断らず本気で取り組むからだ。休みにならないのは明白である。お節介ではあるが、一年戦いに邁進したのだから、少しは楽しい事ばかりを経験してほしいのだ
「となると・・・私だけでやるしかないか」
カルデアにて常設化されるプログラム。それのデバッグ作業と思えば話は簡単である。師匠手製のプログラムに不調や不具合が存在するということはつまり、『愛弟子なら必ず攻略できると信じているとも!頑張ってくれたまえ!』と言う期待と言う名の丸投げなのだろう。ウイルスバスター、と言うやつである。理論はシミュレーションと同じ、ウイルス相手の戦闘のようなものだ。身体を鈍らせないよう、精神を腐らせないようにするミッションにしては丁度いい
『あら、戦うのね?なら私の力をお力添えにどうぞ。必ず役に立つと思うわ』
アイリーンの申し出の通り、彼女を聖杯に接続、宿すことにより・・・オルガマリーは疑似サーヴァント『アイリーン・アドラー』として活動が可能となる。彼女は幻霊な為霊基数値が足りず特異点に召喚されることはなく、カルデアからも送り込めない。同時にオルガマリーもマスター適性が無いためレイシフトが出来ないのだが・・・彼女の宝具『
「では早速電脳世界に精神をデータ化させて侵入させるプログラムを組みましょう。ちょっと特殊だから・・・30分かければ作れるわね」
コーヒーに砂糖を追加投入しながら、片手タイピングでプログラムをオルガマリーは構築していく。肉体のデータ化はまた話が違う難易度ではあるものの、精神、魂のデータ化は月の新王からのノウハウ提供により理論上は可能になっている。即興のプログラムなので普及は出来ないが、ウイルスバスターには問題ないだろう。いつかカルデアの中に入りメンテナンスをしたいと考えていたのだ。丁度いい機会である
『まぁ。また新宿の時みたいに戦えるの?それは素敵な事。私、あんな風に立ち回るのなんて演劇でもやった事がないのよ。いつかまたやってみたいと思っていたのよ』
上品かつ無邪気に喜びを露にするアイリーン。世界で最も聡明と言ってもよい女性の意外な一面を微笑ましく見詰めながら、訪れる荒事に備えパキパキと脚を鳴らし笑みを以てオルガマリーも応える
「いい実習訓練、といった所ね。デスクワークだけではないと言うこともきっちりアピールしておかなくちゃ。私より優秀な事務方やキリシュタリアが所長に立候補した時も食いっぱぐれなくて済むもの」
それは単なる謙遜、そして自虐のようなものであり。ギルの財を守護する所長の椅子を誰にも渡すつもりなどは無いのだが・・・その言葉に敏感かつ素早く反応する存在がノータイムで声を上げる
「はははははは!!何を言うのかナこのマイガールオルガマリーは!我が助手にして生徒たる君以上に優秀な存在など皆無だろう!そしてこれからも現れない!何故か?皆不幸な事故に逢ってもらうからネ!!」
高らかに助手のアピールをして女子の御部屋に無断で入ってくる無駄に陽気なアラフィフサーヴァント、その名はモリアーティ。不穏にも程があるその物言いに感謝を告げながら、ビリー直伝の速撃ちにてモリアーティのモノクルの飾りを撃ち抜く
「ノックしないで入室は止めてくださいと言った筈ですが教授」
「チュインッ!チュインッっていった危ない危ないよオルガマリー君!?あと数ミリずれたら眼が!私の眼が!」
「大丈夫ですよ。よい偽眼を師匠に作ってもらいます」
「眼が潰れるの前提なんだネ怖いナー!マイガールが辛辣過ぎて怖いナー!もう素直じゃないんだから~。そんな所も、チャーミングだゾ♪」
お茶目さとフランクさを押し出したアラフィフウィンクを受けたオルガマリーはそっとフリージアに手をかけそれを見定めたモリアーティは滑らかに土下座にて謝罪の意を示す。──愉快な行いに裏打ちされた真意を読み取り、溜め息混じりに声をかける
「・・・引率してくださる、と言うことで良いのですね。モリアーティ」
「ザッツライッ!態々私の最高傑作を危険地帯に放り込ませはしないとも!そう、今の私はダンディ・ティーチャー!教え子の身を第一に考える優しきモリアーティと覚えていただこう!」
『素敵ね。自分で口にしたことで全てが台無しだけれど』
そんなー、と肩を落とす愉快なアラフィフ。だが彼の助力はありがたい。その知恵と、魔弾の射手による射撃技術は心強い助勢に他ならない。きっと問題解決の心強い味方となってくれるだろう
「一応聞いておきますけど、この問題貴方じゃないですよね。もしそうならダメージコンテストアンコールですが」
「いやいやいやいやいやいや!全くノータッチ、無実無根だとも!私は義憤と正義感と師弟愛から協力を申し出ているのだよいやホント!」
「『・・・・・・・・・』」
「視線が痛いッ!おのれワトソン!描写最小限に添削してくれたせいでポッと出黒幕おじさんなどと言われマシュ君に絶妙に避けられているこの哀しみをどうしてくれる!ヴィラン辛い!いいもーん。身体を張って信頼は勝ち取るもーん!」
「単純な計算式は出来ますか?0には何をかけても0なのですよ。取り戻すとは、取り戻せるものが存在するから成立する概念です」
「ごげはぁっ!!辛辣ゥウ!!」
血へどを吐くように崩れ落ちるモリアーティ。呆れ混じりだが、とても楽しそうに話すオルガマリーの二人を見詰めながら、アイリーンは笑いコーヒーを再び淹れ、その調和を彩る香りを部屋に満たす
「少しかかるので、大人しくしていてくださいね。一緒に行ってもらいますから」
「はーい。リッカ君へのリベンジの為にも、私も一肌脱いじゃおうかナ」
「枯れた老人の脱衣はニッチすぎてちょっと」
「額面的に受け取らないでほしい!ギルガメ君!並に裸体に自信がないとヌードはキツいのだからネ!」
『・・・・・・ふふっ』
「?アイリーン?」
『何でもないわ。素敵な場所よね、ここは』
そんな、ロンドンや真っ当な物語では紡がれぬ日常に・・・アイリーンと賛辞を贈るのであった
「楽しみだナー!形はどうあれまた共に戦う!いやー、アラフィフ勝ち組過ぎて困っちゃうナー!」
オルガマリーのプログラムを構築し終え、一同は管制室へと向かう──
ホームズ「やぁ。私も同行させてもらうよ。王からのお達しでね。『オルガマリーをサポートせよ。ヤツの身への万が一など断じて認めぬ』という言葉も預かっている。名誉挽回のチャンス、無駄には出来ないからね」
オルガマリー「ギル・・・えぇ、心強いです!」
モリアーティ「神は死んだ!!」
『あら、貴方が神に祈るなんて初耳よ?モリアーティ』
「酷い仕打ちだ・・・!間男付きの師弟旅行とかレベルが高すぎる!というか絶対横槍目的も入っているだろうギルガメ君!あぁ、すっごい悔しいとも!なんで私はアラフィフなんだ!!」
ホームズ「其処のキマっている老人と私を、存分に使ってくれ。アイリーン、君もいいね?」
『お好きにどうぞ、ホームズ。私とオルガマリーだけで充分かもだけど』
「女性は荒事を積極的には挑まないものさ。リッカ君のような例を除いてね」
「よーし!後でチクってやるぞー!」
オルガマリー「はいはい、では行きますよ皆様。異状の元を正す、ウイルスバスターのスタートです」
「ソフトであるからデバッグとも言える。ふむ、実に興味深い。さて、何が待っているのか──」
モリアーティ「当たり前のように仕切るナ君は!だがいいとも、戦闘ではせいぜい後ろにいればいいさ!」
アイリーン『・・・さて、それはどうかしら』
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