人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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『OREORE』

ティアマト「あ、マルドゥーク・・・?車にぶつかって治療費500万・・・?解った、直ぐに振り込むから待っていて・・・」

エレシュキガル「ストーップ!振り込まなくていいのだわ御母様!詐欺、詐欺だから!御兄様は車なんかで怪我をしないのだわ!」

「で、でも・・・万が一、子供たちが困っている姿を考えたら・・・お金で解決できるならそれに越した事は・・・」

「御母様!あまりにも愛が深くて嬉しいけれどここは我慢する場所!御母様が泣いてしまったら皆悲しいのだわ!」

「わ、分かりました・・・もう一回、お願いします」

『OREORE』

「え・・・保険金1000万・・・?解った、振り込むから口座を・・・」

「御母様!ダメなのだわーー!!」


調伏完了までの道筋

「手加減は不要だネ。一気に仕留めるとしよう。オルガマリー君!一斉掃射だ!」

 

ライヘンバッハが唸りを上げる。モリアーティが所持する過重武装棺桶の全ての兵装がアクティブとなり、疾走を行いながらBB目掛けて無数の弾幕を、大瀑布のように叩き付けていく。ミサイル、実弾、レーザービーム。多種多様の弾丸はただの一つも狂い無く、『魔弾の射手』の効果により過たずBBへと殺到する

 

「了解。アイリーン、銃は任せます」

 

『任せて。さぁ、素敵な演目にしましょうか』

 

身体稼働をアイリーンに任せ、オルガマリーは魔力操作と魔術行使を担当しながらガンドと神代魔術を間断なく無数にBBへと放ち、呑み込む。一般魔術師が一生涯、数代かけて行う大魔術、大儀式を立て続け、絶え間なく行使し天空と大地を埋め尽くす光を無際限に放っていく。フリージア、アニムスフィアから放たれる秒速20発のガンドも一層回避の困難さに拍車をかける超速連射として実現し、目の前が光に埋め尽くされるほどの超多重攻撃となり、今回の騒動の黒幕へと殺到していく。生半可な相手ならば文字通り塵も残らぬ圧倒的な連続攻撃。回避も防御もままならない最高峰の魔術攻撃ではあった──だが

 

「はーい、無かった事にしますね♪」

 

相手にしている存在は、かつてムーンセルすら掌握した管理AIにして数多の女神を取り込みし規格外の存在。万能、優秀、天才の区分に在りし者達の研鑽と成果を踏みにじる事に、抜群の相性と適性を示していたのである

 

回避も防御もしない。ただ、軽くお茶目に教鞭を振るっただけ。単純なその動作のみで・・・オルガマリー、そしてモリアーティが放った全ての攻撃は『無かったこと』となってしまった。存在、事象そのものを、行われなかったという事実へ改竄した規格外の権能行使。本来のスペックの発揮とは行かずとも、防衛手段としての使用ならば造作無く反則(チート)を振るえるのだ。努力の無駄を知らしめながら、意地悪く、悪辣にBBは教鞭を弄び楽しげに言葉を浴びせかける

 

「虎穴に入らずんば虎児を得ず。いい言葉だと思いませんか?勇気と無謀を間違えちゃったおバカさんが、成すすべなく虎のおやつになる諺です♪」

 

「それ大分自己解釈入ってるナー。伝えた人絶対そんな風に伝えてないと思うな私は!」

 

会話の最中も絶え間なく放たれる師弟の弾幕。並のサーヴァントなら容易く消し炭になっているほどの怒濤の攻撃も空しく──化粧用具をいじるBBに傷一つ付けられない

 

「今の貴方たちにピッタリな御言葉ですね。自分を勘違いし、象に喧嘩を売るアリさん。かわいらしーい!可愛すぎて、プチっと踏み潰したいくらいです♪」

 

(特級のスキル行使・・・!楽園で好きに振る舞おうとする程の自信、伊達ではないようね・・・)

 

弾幕や魔術が効かない。ならば残されている最適解は一つしかない。戦法を変えるまで。無力化できない方法、リッカが好むレンジでの戦闘──近接格闘に望みを懸けるオルガマリー。銃を放り投げ、身体を沈み込ませ魔力を全身に巡らせる。数百倍に上昇する運動性、師匠たるアキレウスの速度を憑依経験を元に再現する超速移動、一気に接近し意識を刈り取らんと構える彼女──その行動すら、BBは許さなかった

 

「はい、スタンです♪BBストーップ!」

 

何処までもおどけた、かつ砕けた物言いのまま・・・しかして絶対命令たるスタンをオルガマリーへと課すBB。その強制力は余りにもすさまじく、空気や大気が質量を持ったかのような重圧に、オルガマリーは膝を折ってしまう

 

「くっ・・・!?」

 

身体機能の強制停止。跪く屈辱的な姿。露悪的かついたぶり辱しめる事を主軸とした絶対命令。抗うことなく停止している姿を、BBは愉快げに眺めている

 

「はい、動けないならパンクラチオンどころじゃありませんよね?私、そういう対策は大好きなんですよ?得意分野で全く動けず、実力を振るえず歯軋りしちゃう様、とても胸を打ちますよね♪」

 

「・・・・・・」

 

「秘密はこれ、黄金の杯!清貧と倹約を是とした時代に作られた、金と宝石の杯。欲望と堕落の象徴たるこの杯は、所持者の欲望を身勝手に叶える。まぁランクはCにしていますけど、戦闘行動での指示くらいならだいたいなんでも出来るのです♪」

 

黄金の杯、原初の女神の権能。単なる保健室の管理AIがたどり着いた違法建築と違法改造の極み。そしてそれは──電脳空間というホームグラウンドで正しく猛威を振るっているのだ

 

「私の生徒を弄ぶのは止めてもらおう!お尻ペンペンでは済まなくなってしまうからネ!」

 

そんなオルガマリーをフォローせんと真っ先に庇い、弾切れを度外視したフルバーストをBB目掛けて叩き込む。が・・・

 

「ムダムダな足掻きです。はーい、桜びーむ♪」

 

そのフルバーストすら飲み込むほどの超巨大ビーム。人間など容易く飲み込むほどの絶大な魔力が反撃に転じたBBより放たれる。即座に防衛不可能と定義したモリアーティが棺桶を背負いオルガマリーを抱えて間一髪にて逃れ転げ回る

 

「教授・・・!」

 

「あいたたたた、飛んだり跳ねたりは腰に響くな全く!だが問題ない、弟子の損失は身体を張って防がなくてはだからネ!」

 

もんどりうった後のモリアーティはオルガマリーの状態を観察する。永続スタンがかけられており、まともな戦闘行動は行えない状態となっている事実を受け止めるしか無かった。この電脳空間にて、地の理は完全に掌握されているのだ。証拠に、彼女は思うままに攻撃とスキルを使い倒しているのだから

 

BBスロットが回転し、オルガマリーらの攻撃力、防御力をデバフにてダウンさせ、自らの能力を上昇させ、リジェネを展開し回復させる。敵は徹底的に不利に、自らは徹底的に有利に。あまりにも理不尽で一方的なバトルメイキングが、BBの一存にて振る舞われ行われているのである。自信の源はこれである。彼女は電脳空間であるならば、絶対に遅れは取らないと自負、いや・・・確信している

 

「素敵な師弟愛ですね、モリアーティさん。正直、援交を持ち掛けたおじさんと女子学生にしか見えない危険な絵面ですけれど」

 

「何故誰も私の心に生まれた尊い感情を理解してくれないのだろうか!?」

 

「余程の眼や本質を理解する心がない限り、ドブに埋もれた真珠に気付く人なんていません。生きたいと叫ぶ石ころに誰も耳を傾けないのと一緒です。──しかし、無様ですね~。鍛えた技も、研ぎ澄まされた知恵も発揮できずに成すすべなく蹂躙され涙目になってしまう?そんな報われなさやどうしようもなさに押し潰されそうですか~?鳴り物入りでやってきてこの様で恥ずかしくないんですか~?もしかして、主人公みたいになんとか出来ると勘違いしちゃいましたか~?」

 

クスクスと笑い、嘲りを存分に振り撒くBB。その瞬間にもスロットは回り続け、強化と弱体化が絶えず行われ、磐石の戦闘態勢は整えられていく。加速度的に弱体化していくオルガマリー達、凄まじいまでに強化されていくBB。その優位性から、人間という種を見下ろしスロットマシンの天辺にて腰を下ろす

 

「残念でした~♪BBちゃんはラスボス後輩、サブキャラなんかに倒されませーん♪私に挑むにはちょっとキャラの格が足りないというか、私の本気は役不足というかぁ。なんというか、どうしようもない存在でごめんなさーい♪めでたくあえなく、皆様は此処でリタイアです♪」

 

「・・・勝利を確信している口振りね。余程上機嫌みたい」

 

「えぇ、もちろん。これから遠慮なく堂々と存分に、所長さんのお墨付きで色々出来るのですから♪許可証と免罪符、確かにいただきますね♪」

 

本気で此処からの逆転は無いと、勝利を確かに確信しきった様子で上機嫌に微笑んでみせるBB。確かにモリアーティはオルガマリーを庇いろくに動けず、オルガマリーは永続的なスタンを受けている。決め手を奪い去られた一行に対し、磐石と万全の防御力アップに無敵を張り、磐石の体勢を整えた自分は敗北など有り得ないと確信しているが故の態度であった。・・・その判断は間違っておらず、本来ならば勝敗は語るまでも無いほどに決着しているのだが──

 

「それでは終わりです。まずは体感100年分の犬空間に──」

 

「いや、これから始めるのさ。質の悪い愉快犯が巻き起こした、幼稚な不祥事の解決をね」

 

その冷静なる声音は──BBの意図しておらぬ方向から響いた。全くマークしていなかった謎解き屋。その探偵がいる場所から・・・青白き光線が放たれ、BBスロットを貫通破壊したのである

 

「!──シャーロック・ホームズでしたか。長い間黙りだから、存在を忘れていました・・・!」

 

「それは失敬。長らく待たせて申し訳無いが──この事件は、直ぐに終わる」

 

その終幕宣言に伴い、ホームズが腰掛けていた奇妙な機械が展開し、無数のルーペが光を放ち、暗闇を照らすスポットライトのようにBBを照らし抜く。闇を切り裂き真実を見つけ出すホームズの推理が昇華した宝具、此処に理不尽なる反則の解決──道筋を見つけ出す

 

「『初歩的な事だ、友よ(エレメンタリー・マイ・ディア)』」

 

それは究極の推理にして、道筋の打開。難題や不可能を、可能であると定義するもの。鍵がなき宝箱ならば鍵が世界の何処かに生まれ、無敵を誇る存在ならば突破できる論理と理屈が生まれる。解き明かすものとしての存在、シャーロック・ホームズの宝具が、今此処に展開される・・・!

 

「BB。君は電脳空間にて圧倒的優位を誇り、自らの陣地ならばその実力を最大限に行使できる。そうだね?」

 

「・・・御覧の通りです。ですが、今さらそれがなんなのですか?そんな事を知ったって、今更・・・」

 

「人は己の本能と無意識を未だ制御できない。君が真っ先にオルガマリーを無力化した理由は其処にある。陣地ならば無敵。その論理を覆す可能性のある彼女を、まずは真っ先に永続スタンという理由で拘束したのはその証左だ」

 

表情を変えるBB。そして、『殺害』ではなく『阻害』を選択した理由もまた、ホームズは解き明かす

 

「君はまだ一線を越えようとしていない。遊びと悪ふざけの分別は出来ている。もしここでオルガマリーを殺してしまえば、まず確実に君は英雄王に抹殺され、追放されるだろう。・・・その一線を越えなければ、致命的な処分は受けないとの計算を行っている。そうだね?」

 

まだ許されるギリギリを攻める。戯れと本気を、ギルガメッシュを怒らせず、もしもの際に笑って済ませられるギリギリのラインの保身を考案していた事を突き付けられ、口を尖らせる

 

「・・・・・・ですからなんだって言うんですかぁ?殺さなくて人形、洗脳の方が効率がいいというだけなんですけど・・・」

 

その言葉とは裏腹に・・・目が泳ぎ始めるBB。その真意は、ホームズが言葉にした通りであることを如実に示している

 

「それでは始めよう。──君の磐石を崩する論理は、既に構築されているのだから」

 

その言葉と同時に──世界が塗り替えられる。桜の夜空から、寒空吹きすさぶ曇天の雪景色へ。BBが構築していた筈の磐石の世界から、全く違う世界へと引きずり込まれたのである

 

「なっ、これはまさか・・・!」

 

「『人理に寄り添う、希望の華(カルデアス・アニムスフィア)』」

 

スタンから逃れ──いや、アイリーンにより『スタン状態を欺いた』オルガマリーが展開せし固有結界。世界そのものを塗り潰す奥の手を開帳し、BBの電脳世界の法則を真っ正面から書き換える

 

「どど、どういうことですかぁ!?永続スタンが、こんな簡単に外れる筈が・・・!?」

 

『残念、得意なのよ。受けたものを受けてないようにすること、有り得たものを有り得ないようにすること、ね』

 

アイリーンの助力と布石は、既に打たれている。ホームズに気をとられた瞬間『自分は健康である』と自身の宝具による偽装隠蔽を行い、固有結界を発動するタイミングを作り上げたのだ。示し合わせたオルガマリーが固有結界をすかさず発動。BBの世界を打ち崩したのである

 

「これで君の無敵と反則は破棄された。尋常なる実力勝負しか無くなった訳だが・・・」

 

「っ・・・で、ですがまだです!こんな、対界宝具が無ければ産廃でしかない固有結界なんて・・・!」

 

「言ったはずだ。『君の無敵と反則は破棄された』と。──君の権能と力で隠蔽したプログラムの異常、最早外界に隠し通せる程の効力はあるまい」

 

「──あっ・・・!!」

 

今度こそ──自らの窮地を把握するBB。今までは自らの存在と企みを自らの権能とスキルで製作した空間にて隠していたのだ。それを剥奪されたということ、それはつまり隠蔽工作が叶わなくなるということに他ならない。カルデア内で異常が起こったならば、それを素早く察知するものがある。詐欺紛いの方法で母を騙した者を裁く怒りが──アシストとして降り注ぐのだ

 

『TEMEEEEEEEE!!!』

 

怒れるマルドゥークが、固有結界を叩き壊す巨大な拳を振るいBBスロットへと叩き付ける。ティアマトという世界の土台を切り裂いた逸話から、マルドゥークの全力攻撃は世界全てへの特効とダメージ倍増の効果を所持している。其処がどんな場所であり、相手が何であろうと自らを唯一絶対に押し通す英雄神怒りの一撃が、天空より来たりBBスロットを粉微塵に叩き潰す

 

「あぁあぁ!?私のBBスロットが!?なんて事をし──きゃあああぁ!?」

 

BBを槍の檻が収監し封じ込める。異常を察して現れしエレシュキガルの権能行使。電脳世界と言う名の冥界に有る限り、彼女もまた無敵の力を行使することが出来るのだ。それを危惧したBBは場を移したのだが・・・敢えなく此処に、発覚と相成ってしまったのである

 

『今なのだわ!オルガマリー!変なおじさま!』

 

「この声・・・!」

 

その言葉を紡ぐ前に──モリアーティは走る。千載一遇の機会に、弾薬の総てを装填する

 

「散々虚仮にしてくれてアラフィフおこ。ちょっとだけちょい悪おじさんになっちゃうとしよう!『終局的犯罪(カタストロフ・クライム)』!!」

 

動けないBBに無慈悲の一斉掃射。慈悲なく無惨に放たれる最大出力の弾幕が、無防備なるBBに徹底的に撃ち込まれダメージを何重にも積み重ねられていく

 

「いたたた!あいたたたたたた!!もー!なんてことするんですかぁ!?ま、まさかこれ以上なんて事は・・・!」

 

「『我が生命は流星の如く(トロメウス・コメーテース)』──」

 

魔力を全身全霊で練り上げ、利き脚に集中凝縮させながら、真っ直ぐBBを見詰め、始動の構えを取る。それはアキレウス直伝による神速の脚であり、必殺の一撃。クリーンヒット、直撃が決まればリッカの意識すら特訓の最中、刈り取った切り札。小細工を要さず、単純明快な速さと質量にて繰り出される、神速粉砕、流星の如き飛び膝蹴り──

 

「まさか、本気なんですかぁ!?待ってくださ、お仕置きはこれからなのに半死半生にされたら──」

 

「──弁解は英雄王と新王の前にて行ってください。これは、所長としての制裁処置です」

 

駆け抜けるオルガマリー。オレンジと黒の軌跡を残し、目にも止まらぬ必殺の疾走をBB目掛けて行い、最大の衝撃を、打点を──腹に目掛けて叩き込む

 

「ちょっ──」

 

何を言うか、それすらも考えられなかった。必殺の一撃が直撃する。聖杯としての肉体を以てしなければ、反動で全身の筋肉が断裂するほどの負荷と、反動。──そして、かの女ヘラクレスを打ち倒すためにアキレウスと打合せした、最大最強の脚技の秘奥を、実践にて解き放つ

 

その蹴り、迅雷に比肩する暴風の如く。その名を──

 

天文夜空の流星脚(カルデアス・レグメティア)』──!!

 

放たれし蹴り。風圧と、音速を越える程の速度により辺りを破壊し尽くす風の刃。蹂躙し尽くされ、地形を変えるほどに練り込まれた加速と速度の飛び膝蹴りが、BBに叩き込まれ──

 

「げふぅ────っ・・・!!」

 

その呻き声を最後に、霊基に甚大なダメージを受けたBBは、成すすべなく倒れ伏し意識を手放す。リッカすら直撃すれば半日悶絶し、半日は食事が取れなくなる必殺の奥の手。地獄の九所封じと対極を為す、全身全霊の一撃。腹に穴が空き、霊核は無事なれど瀕死のダメージを負ったBBを見て、安心したように崩れ落ちる所長。治癒を施しながら、相棒に声を掛けるアイリーン

 

『凄いわ、オルガマリー。ホントのホントに、奥の手なのね』

 

「受け止められた事は、まだないわ。・・・制裁、完了。後は、王にお任せしましょう・・・」

 

反動もまた、尋常なるものではない大技。膝をつき肩で息をするオルガマリーを、アイリーンは優しく労るのであった──




ギルガメッシュ「フッ、肩が付いたか。準備はよいな、新王」


ザビ『お任せください。無様に敗北した後輩の死体に鞭を打つために──』

──ために?ま、まさか・・・?

『そっち行きます。これこそBBを容認した一つ。お仕置きの名目でそっちに行くため。よーし準備だー』

──予想以上にBBちゃんが掌の上でした!?

《他人事ではないぞ、エア。楽園の長として然るべき罰を考えねばな》

──はい。・・・ですが、王

《ん?》

──罰も、処断もあって然るべきものです。ですが・・・BBちゃんの暴走は善意に基づき、そして私利私欲ではないものである事は事実です。どうかそれらを鑑み、処罰は次の克己に繋がるものであってほしいと嘆願させていただきたく存じます。苛烈な罰であろうとも、どうか・・・楽園の一員たる彼女を追放や、抹殺などの極刑は、どうか・・・

《フッ──寧ろ、お前がそう告げねば極刑に課すところであったわ。有能かつ有用な人材、財を捨て去るほど我は愚かではない。案ずるな。殺しもせず、在籍も赦すとも》

──!良かった!ありがとうございます!王!

《ただし──世には死んだ方がましという言葉がある。その意味を──かの月の虫めは余すことなく理解することになるであろうよ──》

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