人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ビースト空間(即席)

マナカ「あ、先輩!やほやほー!エアちゃんとデート?きぐー!私もデートなの!ほら、此処に王子様がいるでしょ?未来の!」

フォウ「何言ってるんだオマエ・・・(戦慄)ボクらはそろそろ帰るから、見かけたから声をかけただけだ!仮にもラスボスが何してるんだお前ら!」

キアラ「えぇほら、ビーストの座にいるばかりでは身体がうずいてしまうでしょう?たまには発散の機会を自主的に見出ださなくては身体が寂しくて。あぁご心配なく。エア様に昇華していただいた此方の私はもうすぐカルデアへとたどり着きますゆえに」

「ほっ・・・エアの頑張りを無にするつもりだったら此処で決着を着けていた・・・」

マナカ「私達だって空気は読みますー。それに私達は私達で交流を深めるつもりで来たんだもん」

「交流・・・?」

キアラ「ほら、来ましたようです♥」

トム・クノレーズ「すまない。些か仕事が長引いてしまってね。急行便を飛ばして今漸く到着した。淑女と少女を待たせた非礼、深くお詫びしよう」

フォウ「──グラズヘイム・ライオン・・・!!」

「そう、私の出身地にはジャパリパークなる場所も含まれている。本当の愛は彼処にあるのだ。今度行ってみたまえ」

先割れスプーン「いやはやまた会えましたな同志。女神・・・こほん。ブラジル開催のゴッデスシンガーの24時間ライブに参加して今合流していた処なのです。いやはや、着替えを使い果たしてしまい今は裸にマントなのですが」

フォウ「あぁ・・・ビースト交流は続いていたのか・・・」

先割れ「これより我等は映画を観に行きます。我が息子が映画監督を嗜んでいましてな。私の後を追ってメガホンを取ったのかは定かではありませんが、悩みに悩んだ末に新作映画が上映されると言うので、チケットを確保していたのですよ」

フォウ「さらっとおぞましいこというなオメー!映画って・・・」

トム「勇気と活力に満ちた快活な少女が、内気でコミュ障、浜辺でヤドカリの首を切るのが趣味な金髪巨乳少女と世界修復にに挑むという単発映画との触れ込みのファンタジーとの触れ込みだそうだ。デビュー策からインスピレーションが沸かず血涙を流し肌は過労で真っ黒になってしまったが、完成したそうなので拝見にな」

「それって・・・」

先割れ「メッセージを預かっています。『ありがとな。お前の頑張り、俺なりにカタチにさせてもらうぜ』と」

「・・・あぁ、苦労人の方かぁ・・・」

──起きて、フォウー。もう着くよ、フォウー

フォウ「エア・・・」

マナカ「エアちゃんが呼んでるよ。ほらほら行った行った!想い人を待たせちゃダメ!」

キアラ「いつか異なる世界で、私の羽化に立ち会ってくださる事を御祈りしております♥それでは、またの集会にて♥」

トム「卿のみが手に入れた道、その求道・・・けして外れぬ事だ。この二人は私が見張っておこう」

先割れ「いつか語り合いましょう。那由多の果てまで互いの運命と愛すべき女性を」

フォウ「──そのうちな!」



(う、うぅん・・・)

──あ、起きた!大丈夫?急にこてっと眠っちゃったから心配したよ?疲れちゃった?まだ眠る?

(ううん、いいんだエア。ありがとう。ちょっと・・・)

──?

(・・・規格外なバカ達と話してただけだから、さ)


源流闘争

「さて、と。賢く逃げおおせたとでも思ってるのかは知らねぇが、怪物(てめぇ)の本分・・・そしててめぇの悪行の清算の時がやって来たようだぜ。なぁ」

 

マッピングにて判明した古城。隠されし場所である地下に広がりし広大な大洞窟。最後の決着とシメを飾るために、グレンデルを仕留めんが為に三人の討伐隊一行は不定形の怪物の前へと立ちはだかる。ベオウルフの持つ魔剣が鈍く唸りを上げるその先に、血だまりになるほどに出血し真紅に染まり抜くグレンデルが、忌々しげにこちらを睨み付けてくる

 

「・・・・・・・・・!」

 

「悪行をやらかした怪物ってのは例外無く退治されるってのが相場だ。ここでてめぇを殺ればもう二度と召喚されるこたぁねぇだろう。んで──怪物をたたっ殺すのは、英雄だって事実も人間達の常識であり世界の認識だ。──本音をいやぁ、お前になんぞ会いたくもなかったんだがよ」

 

邪悪なるもの、無差別に無際限に喰らうもの。比類なき悪である存在。何れ程時が経とうとその性根や性質が変わることはなく、ついぞ怪物のままであった存在。不定形はそのまま、空虚であり自身の希薄さに繋がる、怪物としか自らを定義できなかった哀れな存在。誰かが教え、導きさえすれば彼は他者を助ける千変万化の化身として名を遺したやもしれぬが──叙事詩にて語られたグレンデルとベオウルフの関係は、単純にして不変のものでしかない

 

「変わることなく邪悪でテメェを計るなら話は単純だ。──殴って殴って、テメェをぶちのめす」

 

そう。それこそが、それだけが互いの因縁にして宿命。顔を合わせ、そして振るうべきものは一つなのだ

 

「英雄としての責務を果たしに来たぜ、グレンデル。このベオウルフ、容赦はしねェっ!!」

 

立ち上がれ、ベオウルフ。巨大な邪悪に挑み、そして民を守護せし英雄の背中をその言葉が常に押し支える。腕が、脚が、身体が躍動するそのままに、英雄としての本分を此処に全うせんと意気軒昂に名乗りを上げる──!

 

「おの、れ・・・図に乗るな。私は、私は・・・」

 

グレンデルもまた、その姿勢に応えるように姿を変える。彼には正体がない。何処までも他者に依存、寄生しなくては己を定義できない。なればこそ記憶を読み取り、その記憶を拝借し邪悪を為せと伝えた母の受け売りのままに行動する。確固たる自己のベオウルフと対照的な不定なる巨人が、ベオウルフとの対決の為に姿を更に変える

 

【あっ──また・・・!】

 

それはリッカの記憶から読み取った姿。考えうる限りの、近接と格闘にて最強を誇りし姿をまた模倣し写しとり、不定形から姿を変える

 

「──グォオォオォオッ!!!」

 

それは、筋骨隆々なりし大英雄。リッカの師匠にしてギリシャ最強の存在。押しも押されぬ無双の存在なるもの。ベオウルフを抹殺すべく象った姿・・・

 

「よりにもよってヘラクレスとはよ。余程殴りに自信がねぇと見えるな。遥かな時が経ってるってのに、情けねぇ事だぜ」

 

ヘラクレス。ギリシャの英傑の頂点に立つものたる存在に変化したグレンデルに相対せしベオウルフは、微塵も気圧されることなく立ちはだかる。その顔には笑みすら浮かんでいた。カルデアにおいては紳士にして人格者。無用な組手や争いを好まぬ穏和なヘラクレス。その及びもつかぬ劣化品であることは否めなくとも──ギリシャの頂点の一端と最高の一時を過ごすことができるという事実そのものに

 

「──リッカ、こいつを持っといてくれ。壊すなよ?」

 

リッカに、手にしていた二振りの魔剣を投げ渡し完全なる丸腰となったままに、その存在に真っ正面から相対する。手元に武器があれば、その真なる武器が振るう事叶わぬために。マスターたる彼女に、相棒であるフルンディング、ネイリングを託し、預けたのだ。拳と首から派手な音を鳴らし、大地を強く強く踏み締める

 

【任せといて!ベオニキ、思いきりやっていいからね!】

 

「任せとけ。すぐに終わるからよ。ステーキハウスで乾杯と行こうや」

 

意思疏通が叶う二人に対し、マシュはキョトンと二人を交互に見つめ首を傾げている。これから起こる事柄は、XX染色体の生物には理解しがたき事柄であり、従ってマシュには馴染みの浅い事象に他ならない。故にこそ──その戦いは、目の当たりにするに相応しきものである

 

「──しゃぁ!!行くぞグレンデル!!今度こそくたばりやがれ!!」

 

「グォオォオォオッ!!ガアァアァア!!」

 

一直線に走り込み、互いの胸板へ渾身の一撃を叩き込み合う。それこそが合図。戦いの根源、即ち・・・

 

「オラオラオラオラオラァ!!!」

 

「グォオォオァアァアァ!!!!」

 

殴り、蹴り、最後まで立ち続けたものこそが勝者。五体という原初の武器を極限まで振るい抜き、相手の防御を貫かんと、骨を砕かんと、肉を引きちぎらんと徹底的に打ちのめし叩きのめし振るい抜く。脚を、拳を、五体のすべてを

 

「どうしたどうしたァ!!!」

 

ベオウルフの微塵も洗練されておらぬ巌のごとき拳が、ヘラクレスに扮したグレンデルの五体を撃ち貫いて行く。吹き出る血潮や、紅白に明滅する視界。骨が砕ける手応えに拳がめり込む感触。それらすべてが最高の高揚とスパイスとなって、一つ一つの攻撃のキレを際限なく高めていく

 

ジャブなどはなく、その総てが渾身の相手を打倒せんとする大振りかつ全身全霊。回避は愚か防御すらも微塵も考慮などされていないそのスタンスは一の攻撃に十の拳にて叩き返し、百の連打で倍に返す。グレンデルの拳にて吹き飛び撒き散らされる血潮や汗、砕ける骨や肉すらも心地好い。何も思考を巡らせぬ原初にしつ単純明快な殴り合いに、否応なくベオウルフの本領は発揮されキレに獰猛さが高まり続けていく

 

「おのれぇ・・・!」

 

対するグレンデルには、借り物の力と受け売りの理念しかない。誇れるものは己の邪悪さのみであり、それを知らぬものからすれば畏怖を集めるものであったのかもしれない。だが相手は誉れも高く、また永遠の宿敵であるベオウルフに他ならない。そんな相手に畏怖や萎縮などを集める看板が効力を発揮する筈もなく、魂の籠らぬ打撃が次々と跳ね返され、拳が自らの身体を撃ち貫き骨肉を砕き散らしていく。体格さと剛力を差し引いてすらも、ベオウルフを一歩も退かせる事が叶わなかった

 

そして更なる不運に、リッカの記憶を読み取ってしまったこともマイナスに働いた。輝かしい思い出はほんの一年ほどしかなく、十数年は拒絶と迫害の日々。愛を受けるべき両親からすら排斥され、あらゆる悪行の受け皿として艱難辛苦の捌け口とされた壮絶な苦痛と苦難は、彼女以外の何者にも受け止められるものではなかったのだ。母に、父に不要と断じられた事はグレンデルですらない。いや、生物として体験する種族そのものが希少であろう。味わった事のない煩悶や絶望、絶え間無い苦痛がグレンデルの動きを鈍らせ精神を発狂寸前までに追い詰めている。他者の記憶を読み取る厄介さが、此処にきて自らの首を締め上げた

 

最早気勢、そして武運すらも掴んだ側は明確であった。段々とベオウルフの打撃音のみが響き渡るようになっていき、その破壊音は双方から一方的なものへと。身体が破壊されていく凄惨な音を奏でるものと奏でられる音への区分は完全に成されていた

 

【行ける!やれー!ベオニキー!!】

 

「す、すごい迫力です・・・」

 

声援を受け、いよいよもって勝敗と決着を決めんとベオウルフが血の混じった唾を吐き捨てる。渾身の一撃を叩き込む為、己の五体に宿る力の全てを、両腕と拳に凝縮させ、高まる気迫と気概をその一撃に懸ける

 

「グゥウ、ォオォオォオ!!!」

 

明確に自らの窮地を悟ったグレンデルもまた、起死回生と必殺に懸け、応えるほかの選択肢はあり得なかった。殺らなければこちらが葬り去られる。悪逆の結末を、その終焉を決定付けられる。まだ自分は何も成し遂げてはいない。悲鳴と恐怖を、残虐と残忍を積み重ねなくては、己が己たる理由が、存在が証明できないと奮い起つ

 

心技体が合一せぬなか放った一撃。顔面を砕かんとした右拳のストレート。それが即ち──グレンデルの死期となった

 

「グゥウ!?グガァアァアァ!!?」

 

ベオウルフはその軌道を完全に見切り、その右拳を『肘』で受け止め防御を行った。固く尖った肘に拳を捻り込ませたグレンデルの右手は砕け、鈍い音ともに滅ぼされ砕け散る。使い物にならなくなった拳を、絶叫と共に抑え込むグレンデルの隙を見逃さなかった

 

「さぁお仕舞いだ。覚悟しやがれよ!!」

 

ベオウルフの渾身の蹴りがグレンデルの両ひざを破壊し、強制的にダウンを奪う。そのまま馬乗りとなり、凄惨な破壊音を響かせながら顔面に壮絶なラッシュを徹底的に叩き込んでいく

 

顔面の変化が維持できず、醜悪な巨人へと変化が戻る。骨が砕ける音と手応えがベオウルフの拳に宿り、その拳を純血に染めていく

 

そのまま頭を掴んで強制的に引きずり立たせ起こし、両腕を腕でカンヌキの要領で抱え込み、密着した状態からのヘッドバットの乱打を猛烈な勢いで見舞い抜く。受けたグレンデルの鼻が砕け、凄惨な被害が更なる深刻なものへと変わる

 

「グゥ、ァオォオ・・・!」

 

最早力を振るう余裕も無くなったのか、拙い抵抗も消えていく。猛烈にして激烈な闘争は、完全なる決着を見る

 

「ぉおらぁっ!!」

 

渾身の頭突きが、グレンデルの顔面に深々とめり込む。ぐったりと弛緩し、反抗の手段が皆無と成り果てしかの巨人を軽く押し立たせ、ベオウルフはグレンデルから背中が見えるほどに振りかぶり──

 

「じゃあな。成り済まし屋。てめぇはもっと、自分って奴を信じれば良かったんだ」

 

「、・・・、・・・!」

 

「全く、二度と会いたくねぇと思っていた奴に会うとはよ。──もう二度と、お前が現れる事はねぇだろう」

 

軽く、一言や二言の言葉を手向け。その因縁の清算を確かに果たす為の決着の一撃を放つために拳を強く強く握り込み──

 

「地獄のボケナスによろしく言っとけ!!」

 

今までにて最高の必殺たる拳を振るい上げ、無造作かつ核心的に振るい抜く。それは全身全霊にて終幕の拳。かわすすべも技量も、気概も消え失せたグレンデルはそれをまともに直撃し。内蔵と肋骨を完全に破壊されながら、洞窟の遥か彼方へと吹き飛んでいき、数多の岩壁を貫きながら・・・やがて大の字に岩盤にめり込み、血へどを吐き出した

 

「・・・・・・・・・」

 

沼地の巨人は完全に沈黙し、此処に勝者が定まる。今度こそ、悪辣なる巨人は討ち果たされたのだ。二度の、ベオウルフの拳によって

 

「よっし。一丁上がりだ。凱歌を歌って帰るとしようや!」

 

爽快な殴り合いに終始し、横槍が入ることなく殴り通したベオウルフの表情は、極めて晴れやかなものであった。血にまみれた笑顔は、まさしく最古の文学の英雄に相応しき輝きであったと、その場の誰もが確信したのである──

 

 




マシュ「これが、根源的な闘争・・・太古から振るわれし、手足による戦い・・・」

リッカ【ステゴロという!詳しくはマルタネキに聞くといいよ!ベオニキ、お疲れ様ー!】

ベオウルフ「おうよ。本物のヘラクレスとは似ても似つかなかったろうさ。それに・・・あいつはやけにびくついてやがったな」

【びくついてた?】

「見た記憶に、みちゃなんねぇもんが紛れていたか・・・随分と及び腰だったぜ」

ロマン『あー。それはそうかもしれないね。リッカ君の記憶は閲覧禁止処分が出されて然るべきものだし・・・』

オルガマリー(母親に育てられたと言っていたわね。・・・あぁ、親に思い入れがあれば確かに・・・)

リッカ【乙女のプライバシーを覗いたらいけないってことだね!】

「乙女のプライバシーに覗いた側の発狂が起こるような思い出があってはならないと思います!」

【甘酸っぱい思い出とはあんまり縁がないからスイーツ思考の方や血の繋がった親子との暖かい縁を御求めの方にはお勧めされておりません!】

ベオウルフ「それを見抜けなかった間抜けってこったな。さて、・・・ん?」

瞬間、背後より膨れ上がる気配を察知し即座に転身し身構える一同。その視線の先にはいるものなど一人しかいない

「グォオォオォオォオァアァアァ!!!」

最後の力を振り絞ったグレンデルが、末期にベオウルフの記憶を読み取り変身したのだ。巨大な身体、翼に恐ろしい風貌。──老齢のベオウルフと相討ちとなった、名も無き緋色の火竜へと変わったのである

「チッ。うざってぇがそれでこそだ。怪物ってのはそうでなくちゃな、・・・──」

リッカ【よーし、じゃあ次は私の番だー!!】

「おう、リッカ。ちょっと耳を貸せ」

ベオウルフがリッカを招き耳打ちを行う。その耳打ちの内容と全容を把握したリッカは、ニヤリと微笑み・・・

【解った!すぐ終わるから待っててね!】

「せ、先輩?何を・・・」

【ちょっとしたPRかな?まぁ見てて!】

グレンデルの前へ立ち塞がり、その身の鎧、呪いと祝福たる泥を完全解放する鍵を呼び覚ます

【行くよ、アンリマユ!】

呼び出せしはこの世全ての呪いの具現。リッカに押し込まれていたものの具象化であり力の根源

アンリマユ【あー、何をする気かは知りませんけど程ほどに、ホント程ほどにしろよリッカ?私を引っ張るとなるとマジで──】

【大丈夫!後始末だから!】

その了承と共に、リッカの姿が変化する。いつもの人間体から、呪詛の全てと束ねられた祝福を還元し真なる龍の姿を顕現させる

「──、・・・!!?」

数十メートルの火竜を遥かに上回る50メートルの大いなる巨体。両腕の龍手甲を含めた三つの頭。三対九枚の翼に巨大なる尻尾。二足にて立ち、肩にベオウルフとマシュを乗せグレンデルを上回る巨体と化する人類悪たるものの本懐にして真体──

【人類悪ッ!見参ッ!!】

ビーストIFの姿をかいまみせしリッカがグレンデルを見下ろし、呆然とする彼に必殺を為す

女子力(ノット)──!】

口の部分に凝縮される呪詛魔力。喉と肺を擬似的に異界と呪詛の魔界と化し、何倍にも凝縮したその必殺の放射をチャージし溜め込み抜く

「!!!」

危機を感じ、飛び付いてきたグレンデルの喉を右腕で掴み上げ、持ち上げ自由を奪う

無下限(プリティー)──!!】

臨海寸前までに溜め込まれた凝縮魔力。メルトダウン間近程に装填されし漆黒と純白の覇気と力。それらを、自らの大切なものを弄んだ者への制裁と応報と成し──

一息に、撃ち放つ・・・!!

殲滅砲(ブラスター)ーッッッ!!!!】

爆音、閃光、竜巻に衝撃。対城を越え、対国にまで匹敵するであろう魔力をブレスとして叩き込む必殺咆哮。あらゆる存在を真正面から打ち砕く対話(物理)の奥義。乾坤一擲の技を受けたグレンデルの身は当然のように消滅し、地下の天井が融解した側から泥に侵食され呑み込まれていく。歴史修正の為の侵食。やがてそれは古城の総て、グレンデルの再召喚に通ずる因果と可能性をも飲み干し抜き──

【⬛⬛⬛⬛⬛⬛!!!】

──後に残ったのは、凄まじき咆哮を上げながら、月夜の夜空へと飛び立つ巨大なる漆黒の邪龍の姿のみであった

龍は役目を終え、守護を司る楽園へと帰還する。三対の翼を振るい、夜闇を切り裂き咆哮を凱歌として

そして──

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