人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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水の都、別動隊


ドレイク「なんだい、歯応えが無いねぇ。海賊名乗ってそのザマかい?情けないったらありゃしない」

「ぐぅ・・・うっ」

「強い・・・なんだ、こいつら・・・」

黒ひげ「ヤバイ吐きそう・・・頑張れくろひー!リッカたんをサポートにござる!頑張れくろひー!」

アン「まぁ、このペンダントは素敵ですわ。戴いておきましょうか」

メアリー「もったいないもったいない。なんでも捨てるなんて良くないよね」




アイリ「こちら別動隊。イースの子供達を保護したわ。皆無事よ、大丈夫!」

ホムラ「手当てと料理はお任せください。バッチリやってみせます!」

ヒカリ『料理でも作る?特別に私が作りましょうか?』

ホムラ「止めようね、ヒカリちゃん」


トキ「たちどころに治してみせよう。大丈夫、大丈夫だ」

「衛生面の保護を徹底的に!えぇ、徹底的にです!!必ず救います。全てを!!」



おぼろ丸「・・・」

鋼牙「・・・」

「・・・では、こちらにて保護を」

「解った、頼む」

【お前ら・・・ホウレンソウって知ってるか?】

おぼろ丸「野菜だな」

鋼牙「お前は食えないだろう」

【いや・・・あと一人は会話が達者なやつがいてほしかったぜ・・・】


水の都を奪い取れ!!

都市を懸けた戦い、支配者の一角たるダユーとの決戦。刹那と退廃の享楽にて沈み行く水の都を、尋常なる闘いで打ち破り国と未来を手に入れる為の戦いを仕掛けたリッカ達楽園の一行。その首魁たるダユーを倒すべく、いよいよ以て謁見と撃破を兼ねた戦闘が、今ここに開幕する事となる。この地底、アガルタにて成さねばならない最初の出来事。この生産性と未来の無い国を何としてでも解放し、囚われた人間達を正気に戻さなければならないといった決意を示したリッカ、そしたらサーヴァント達は剣を取る。数は一見勝っており、実力もダユーとは比べ物にならない程の精鋭達ではあるのだが、ダユーはそれをただひたすらなる『数』にて補い、そして迎え撃つ手段を取った

 

「沢山の相手は骨が折れるわね。では私も数を揃えようかしら」

 

ダユーは手元にあった鈴を軽やかに鳴らす。ただそれだけの動作にて、イースに流れ着いた全ての民達に容易く招集をかけ海賊として身をやつした外来の人間らを招き寄せ、リッカらに差し向ける。戦闘力は大した脅威ではなくとも、れっきとした生身の人間を躊躇いなくぶつけてくるその悪辣さに、一同は忸怩たる想いを懐く

 

「皆!大変だけど峰打ちで!私達が倒すのはダユーであって外の世界の人達じゃないから!」

 

リッカは即座に指示を下す。彼女らはあくまで傀儡であり、イースの理想と思想に賛同した者達。敵対はすれど彼女らを殺すことは無用な犠牲を容認することになる。彼女等も救出対象なのだ、下手な真似は決してできない。殺すは容易なれどその手段はけして王道ではないことを理解し、即座に意思疏通を行う

 

「ならば私とマシュに任せてもらおうか。敵を無力化するならば盾でも存分に可能だからね」

 

「了解です先輩!なら全員全身打撲の刑に処しましょう!」

 

戦いを率先して行うマシュにデオン。戦いにて守勢を行う者は無力化を是とし此を由とする。乱雑に振るわれる海賊らの無軌道極まりない剣や銃を着実に防ぎ、殺到する者達を押し返し、隙を見て盾の一撃を連続にて叩き込み身体の芯に衝撃を伝わらせ戦闘不能へと追い込んでいく

 

「なんで邪魔しやがる!こんないい場所をなんで奪おうとしやがるんだ!」

 

「お前らには分からないのかよ!奪って捨てて、何にも考えなくていい事が赦される事の素晴らしさが!もう会社勤めや家庭なんぞうんざりなんだよ!帰りたくなんて無いんだ!」

 

口々に罵倒を浴びせながら襲い掛かってくる海賊・・・否、地上の人間達。彼女らは地上にて、何かを背負いすぎ身動きか取れなくなった者達であった。地位、体面、家庭、見栄。それらを背負いすぎ、重荷と感じながら・・・それでも捨てられなかった者達。口々に唱える。もう背負いたくないと。帰りたくないと。重荷はもう捨てたのだと

 

「笑わせるんじゃねぇ!こんな場所でそんな格好して好きに奪っては捨てて、あんたらはそんなんで満たされると本気で思ってるのか!今まで積み重ねてきた人生をそんな簡単に捨てられると思ってるのかよ!」

 

シャルルはその生き方を真っ向から跳ね返す。無かった事にはできない。どんな苦難も在り方も、無かった事にするのは・・・無にすることは絶対に出来ないし、カッコ悪いと断言する。剣を振り上げながら、幻想の王は高らかに過ちを糾弾する

 

「お前らは生きてるんだろうが!何かできて、何かを作れて、何かを背負っていける自分を持っているんだろ!そんなカッコよさを真っ先に捨ててるんじゃねぇ!苦難や苦しみがあるからって、人間である事を捨てるな!尊厳やプライドを無かった事にするんじゃねぇ!そいつは最悪にカッコ悪い生き方だろうが!」

 

「!」

 

「・・・それは・・・」

 

「ぶん殴ってでも目を醒まさせてやらぁ!あんたらの背負った生き方、思い出させてやるよ!!」

 

幻想に生きた王ではない、幻ではない人間が、退廃の享楽に逃げるな。自分を無かった事にするなとシャルルは告げる。峰打ちにて海賊達を気絶させ、ダユーの手駒を徹底的に減らしていく

 

「シャルル、何時になくヤル気じゃん!思うところアリアリ?」

 

「茶化すなアストルフォ!逃げた先に理想や答えなんかある筈がねぇって当たり前の話をしてるだけだ!」

 

その言葉は紛れもなく王のものであり、海賊に落ち果てた彼女らに響いたものがあるのか攻撃の勢いが弱まっていく。彼女らが捨てていたものは、本当に捨てて然るべき物だったか。大切なものを、自分達は捨て去っていたのではないか。僅かでも、そう懐かせるだけの言葉の力強さで、シャルルは彼女らを蹴散らしたのだ

 

「ふむ・・・情熱的なのね。私に賛同した者達の心すら奪ってしまうなんて。やはり、手にした真理も人間は手放してしまうものなのね」

 

それならこうしましょう、とダユーは魔力を練り上げ指を鳴らす。それらは民達の使役ではない、自らの力の行使。生前にて作り上げ、そして手に入れた自ら自身の力。──かつて水上の都市を作り上げた、その力の真髄を解放する

 

「来なさい、『コリガン』。奪いなさい。かつてのように、彼等の輝きを、彼女らの魅力を全て私に」

 

かつて、キリスト教徒に迫害されていた巫女達。イースの近くに住んでいた者達が使役していた妖精『コリガン』。一般的なドワーフと呼ばれる外見のそれらが召喚され、海賊を撃退していたリッカらを抑える一員として呼び寄せられる。海賊達とは比較にならない存在と力強さにて、戦線を押し返し拮抗させ混線へ雪崩れ込む事となり、数の暴力により僅かに戦線が押し込まれる

 

「こいつら、そこそこに強い!ボクみたいな弱い英雄じゃ手間取る程度には!」

 

下級、中級なれど妖精は妖精。それらが力を振るえば脅威は人間の比ではない。怪力と物量を頼みにした単純な勢いの怒濤に、サーヴァント達は手を焼く事となる

 

「ふふっ、御相手は選り取りみどり。──では、それじゃあね」

 

「!?」

 

ダユーはなんと、踵を返し玉座の裏にある水路、隠し扉を解放しこの場からの離脱を図った。この期に及んで、自らを差し出す事を・・・尋常なる戦いを躊躇いなく捨て去ったのである。その行為はまさに、あらゆるものを投げ捨てる海賊公女。矜持も気迫も信念も、簡単に投げ捨て自らを良しとする。民も力も捨て去り、彼女は去ろうと言うのだ

 

「私は流転の女。私以外のものはなんだって捨て去れるわ。そう、あなた達の信念も、受けた熱も私は捨てましょう。それじゃあね。イースにカルデアの皆様?」

 

【この状況で逃亡とか!!くっ──!】

 

強制的なものか心からの心酔か。ダユーの選択を支援し行く手を全力で民とコリガンが阻んでくる。パンクラチオンは実害が酷すぎるので童子切の峰打ちにて捌いていたリッカが後追いを為そうとするまに、ダユーは水路へ飛び込んでしまった。急いで追わねば第二、第三のイースが生まれ、背徳が尽きることが無くなってしまう。何としてでも討ち果たし、堕落と退廃を止めなくては。──その決意を、強烈に支援する者が勇ましく躍り出る

 

「皆さん!此処はこのコンラにお任せください!コンラに任せて先に行け!というヤツです!」

 

スリングショットとルーンを駆使し、一人で多数の海賊とコリガンを相手取っていたコンラがリッカに告げる。此処の戦場は自分が引き受けた。ダユーを追ってくれと。口にしている瞬間をも、スリングショットが海賊を昏倒させルーンの火や雷がコリガンを打ち破っていく

 

【コンちゃん!?この街全員の海賊とコリガンだよ!?大丈夫なの!?】

 

「へいきへっちゃら、無問題です!ババ様につけてもらった特訓の方が何倍も怖かったし辛かったですよ!だから、大丈夫です!あの人をやっつけて、止めてください!」

 

「コンラちゃん・・・!な、なら私もコンラちゃんのフォローに・・・!」

 

「『なんばーわんサーヴァント』は、マスターの傍にいるものですよ!マシュさん!リッカさんを、コンラのマスターをよろしくお願いいたします!」

 

その意思を、その決意を示し、コンラはルーンにて一同を館の外に転移させる。ダユーの討伐を、迎撃を託し、仲間達を送り出す

 

【──必ずぶっ飛ばしてくるからね!頑張って、コンラちゃん!!】

 

「コンラ!死ぬなよな!!」

 

消え去る刹那、激励を告げるシャルルとリッカ、マシュも頷き、転移を完遂されるのを見届け、コンラは大量の敵に一人で相対する

 

「ケルトの勇士として、この場は引き受けました!ゲッシュにより誉れある名乗りはありませんが、あなた達の相手はこのアーチャーが勤めます!」

 

海賊が全集結し数十は下らぬ数となる。コリガンもまた、数を揃えコンラの前に立ち塞がる──否、立ち塞がったコンラの前に犇めき蠢く

 

「カルデアの名誉の為に──!殿は、確かに引き受けました!」

 

その戦場に、希望を送り出した小さき未来における最強の勇士が力を振るう。そして──全ての元凶を仕留めるために、送り出されたリッカらは淫蕩なる海賊公女を追う──

 

 

「さて、新しいものは何を求めようかしら。欲しようかしら。イースより快楽的で、幸福な都市をどうやって手にしようかしら。考えることは幸福ね。そう、私には全てが赦されているのだから」

 

ダユーは隠し持っていた自らの船にて、イースの水路を行く。全ての民を館に、屋敷に結集させ、閑散とした街の、塵や財が捨てられた・・・裕福と享楽に満ちた都市を見つめながら、それすらも捨て去り、自らの存在のみを良しとして

 

そう、惰性での保持は悪。自らでは無く都市を欲するのなら自らは躊躇いなく手放すのみだ。それがどんなものでも、どんなものであっても。欲するのなら、捨ててしまえばいい。──そう考えながらイースすら捨て去らんと考えたダユーの考えは、即座に覆される

 

【──いいや!あなたがやることは二つ!この惨状の後始末とクリーニング以外にない!!】

 

弾かれたように顔を上げるダユー。それは天空にて響いた龍の咆哮にして、この悪辣の都市を滅ぼす楽園が遣わした最悪の邪龍と、それらを守護する者達

 

「──まさか、そんな。あの包囲を潜り抜けたと言うの?」

 

ダユーは驚愕を露とする。空中に浮かぶはヒポグリフ、そして翼を生やした漆黒の鎧を纏いしリッカに手を引かれるマシュ。コンラ以外の全員が、ダユーと決着を付けるために現れたのだ。ルーンを使い、転移を行って

 

【無責任な真似は赦さないよ!此処で絶対に、あなたを倒す!!】

 

即座にダユーは迎撃を行い、船に備えていた大砲を撃ち放つ。それらは魔力を帯びたダユーの力ではあったが、今さらこの期に及んで、そのような悪足掻きに阻まれるようなカルデアの面々ではない

 

「行くよヒポグリフ!突撃だぁ!!」

 

「キョェエェエ!!!!」

 

全力の突進と、全てをすり抜ける幻獣の効果が重なりあい全ての攻撃を無力と化し、ダユーが魔力で動かす船目掛け、鋭角の軌道を空に描き上げ一直線に突撃を果たし、決定的な一撃を叩き込む

 

「くっ──!!」

 

中規模の海賊船程度の大きさのダユーの船、そのマストをヒポグリフの渾身の突撃がへし折った。同時に船体に大穴を開け、あと一歩でイースを出ることが叶ったダユーの目論見を、完全に御破算とする

 

「なんという事を・・・!でも、まだよ・・・!まだ・・・!」

 

追い込まれたダユーは奥の手を解放する。それは彼女の海賊行為を助け、推進した伝承における存在。辺りの水を巻き上げ、集結させ、形と為して水の芸術がごとき存在を作り上げる。それらは翼と牙を持ち、巨大な体躯にて吼え猛る脅威にして最強の存在の具現──

 

『ガァアァアァア!!!』

 

ドラゴン──最強の幻想種。ダユーが何度も行った略奪の概念にして最後の切り札。イースの水を媒介にして形作った宝具を、この場にて解放したのである

 

「うぉおっ!?」

 

ドラゴンが暴れ狂い、水の洪水や瀑布がごとき勢い暴虐の限りを尽くす。爪が迸り、都市を砕き翼の羽ばたきで分け隔てなく破壊し、吹き飛ばし、巻き込み、粉砕と破壊の限りを、悪足掻きが如くに振る舞っていく。ダユーの略奪を助けた、原初の海賊の守護竜の顕現である

 

 

「最後の手段まで使わなくてはならないなんて・・・何処まで私から奪いたいのかしら・・・!私をそんなにも欲するというの?何のために・・・!」

 

水の水圧が凝縮されたブレスを、一直線に放ち叩き込むドラゴン。リッカは上昇し、反転し、回転し──そのブレスの守護を、頼れる人物へと一任する

 

【任せた!マシュ!!】

 

「はい、先輩!!」

 

盾を構えたマシュを、ブレスに向けて投げつける。大幅に勢いをつけ、渾身の加速に加え、シールドユニット『スパルタ』に、ブースター『アキレウス』を展開し推進と加速を極限まで高め、莫大な水圧のブレスを真っ正面から食い止める

 

「はぁあぁあぁぁ!!!」

 

「そんな・・・!形とは言え竜種の咆哮を防ぐ盾が存在するなんて・・・!」

 

ダユーの驚愕は、それだけに留まらない。一瞬、僅か一瞬の隙を作り上げられた時点で・・・ダユーの運命は決まったのだ

 

【──『雷位』、開帳。──龍吼一閃・・・】

 

左手に埋まりし至高の妖刀。龍吼村正をおぞましき断末魔がごとき音と共に抜き放つ。マシュの背にて刀を構え、全身に童子切の雷の付加を限界まで掛け、あらゆる距離と概念、物質を駆け抜けて踏破せしめる迅雷がごとき一閃を開帳する

 

「決めてください!先輩!!」

 

マシュの言葉、離脱するダユーを阻むアストルフォ、デオン、シャルルマーニュ。水のドラゴンのブレスをマシュが阻み、そして最後の一撃を叩き込むリッカ。コンラのアシストを受け追い詰めたこの瞬間を──最大の一撃にて形と成し遂げる。そう、その決着と必殺の一閃。その銘は彼女が至りし極みの名。その名、神の雷を冠する無二の速度たる一撃──

 

【雲曜──!!神雷ッ!!!】

 

巨大な水の竜が、中心線より真っ二つに寸断される。その太刀筋が閃いたのは一瞬であり、瞬きの刹那すら認識できない程の一撃。ダユーの目の前にて着地し、刀を振り払い納刀を行う。カチリ、と快音が響き渡ると同時に、夢の終わりのように雷に打たれ、弾け飛ぶ水竜。無形の水に還る中、──ダユーの全てが、ここに潰える

 

「・・・こんな事が、起こり得る、のね・・・」

 

呆然と、しかし愉快なモノを見上げるかのように。届かぬ星を見上げるように。ダユーは膝をつき、リッカ達を──退廃の都を沈める者達を見ている

 

【貴女の全てを、戴いていくよ。もちろん貴女も。これから貴女達は、このイースの建て直しをしてもらう。この特異点が、終わるまで。自戒も込めて。──特異点攻略の水上都市として、力を尽くしてもらうから】

 

リッカは、ダユーを仕留めはせずにその矜持と理念を奪った。これからは、真っ当な観念にて国を治め、そして都市を復興させるのだと告げた。殺さずに、しかして奪う。理念を遵守した決断に・・・ダユーは敗北を完全に認める

 

「・・・終わらないミサ、という事ね。解ったわ。奪われた幸福を噛み締め、尽力する事にする。だってそれが・・・私の告げた二つのルールだものね」

 

イースは壊滅し、そして新たなる理念の都市が産まれる。リッカらカルデアは、水上の楽園の雛形をダユーより簒奪したのだった──






コンラ「おーい!皆さーん!」

マシュ「コンラちゃん!無事でしたか!?妖精や海賊は・・・」

「大丈夫です!全部やっつけました!そちらこそ、ダユーをやっつけたのですね!流石です!」

シャルル「最後は随分物分かりが良かったよなぁ。それもやっぱ、プライドやポリシーなのかね?」

アストルフォ「さぁねー。でもいいじゃん!誰も死ななかったし、都をまるごとゲットだし!」

デオン「ダユーらは率先して都を清掃する事に同意したよ。これが契約書だ。・・・奪われる幸福という概念も、彼女は遵守すると言うらしい」

マシュ「律儀、というのでしょうか・・・?案外、先輩が徹底的に追いかけた姿勢がお気に召したのかもしれませんね」

リッカ「奪われるのは初めてだった、とか?・・・まぁ、万事収まるならそれでよし!だよね!」

シェヘラザード「大変お疲れ様でした、皆様・・・」

リッカ「あ、シェヘラザード!大丈夫だった?どこ行ってたの?」

コロンブス「ごめんごめん、僕らは御宝を探してたのさ。はい、これ!」

『イース水門の鍵』

「これ・・・!」

コロンブス「いくら従うと言っても、それを掠め取られたらお仕舞いだからね。先んじてぶんどってきたよ!ダユーが保管してた鍵を、ちょいっとね!場所は・・・」

シェヘラザード「イースにおける突発的な死因・・・『水門の崩壊や簒奪による解放の水死』。当然巻き込まれては死んでしまうので、死に物狂いで探し出しました。えぇ、死なないために、死に物狂いで」

シャルル「火事場のなんたらだな!」

コロンブス「肝心なときにいなくて、ごめんね。これは持つものをイースの支配者にするアイテムだ。だからこれを──マスターに渡すよ」

「コロンブスくん・・・」

「僕は金や名声、地位にはあんまり興味が無いからさ。僕は、今の僕の信念に従ってマスターを助けたつもり。──この都は、マスターのものさ!」

「──いいの?」

「もちろん!だって僕は、マスターのサーヴァント!クリストファー・コロンブスだからね!さぁ皆!桃源郷に帰ろう!凱旋の宴を始めようじゃないか!酒はありったけ、くすねてきたよ!」

「「「「「おーっ!!!」」」」」

ダ・ヴィンチ『うーん!そこはぶれないんだなぁ!』



・・・そうして、カルデアの面々は水の都、イースをその手に納めました。退廃の都は、海上の交易、通路として幅広く活用される事でしょう

海に沈む事なく、輝きを放ち始める水の都。これもまた──完全無欠の物語の光を受けた故の結果なのやもしれません

少年「お姉ちゃん!お帰りなさい!」

少女「大丈夫だった?おけが、しなかった?」

リッカ「大丈夫!問題ないよ!もう少しだけ待っていて。お母さんは必ず、帰ってくるから!」

「「──うん!」」

・・・次なる国は、如何なる場なのか。──それはまた、別のおはなし・・・

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