人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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アガルタ内部、中継ポイント

リッカ【行くよ──シェヘラザード。ダ・ヴィンチちゃん、避難はよろしくね】

『任せてくれたまえ。なるべく穏便に暴れたまえよ?』

【大丈夫。咆哮と威嚇、驚かすための破壊しかやらないから!】

シェヘラザード「はい。道案内はお任せを──」





コロンブス「目立った動きは無し。今まさにリッカちゃん達が戦ってるってところかな。狼煙もないしね」

少女「リッカ・・・コンラ、勝てるかなぁ・・・」

「勝てるさ。だから僕たちが此処にいる。勝利を信じて突入するために・・・」

レジスタンス「た、大変ですコロンブスさん!不夜城の西側から、そして内部から・・・!」

「・・・援軍のつもりか、漁夫の理か・・・どっちかは解らないけど、どのみち面倒臭い事になってきたかも!とりあえず僕達も・・・」

少女「・・・?あれ?この声・・・」



────⬛⬛⬛──

コロンブス「──この期に及んでこれも!?そうか、だからアマゾネスの連中は!今になって抑えられなくなったって事!?しょうがない、合図を待ってちゃダメだ!リッカちゃんらの確保、そして同時に民達の保護を別動隊に指示!離脱の為に動くんだ、急いで!」

レジスタンス「は、はい!」

「こんなに間が悪いなんて・・・!山在り谷在りってことかな!おかしいな、僕の専門は船乗りなんだけど・・・!」

(仲間を失うわけにはいかない!僕の夢には皆が必要なんだ・・・!死なないで、皆──!)


女帝の理想、民の真意

「にはははは!・・・ではない。くーっふっふっふー!よく来たのぅ。光輝と正義の国たる不夜城を汚す不届きもの。酔狂にして愚かなる英霊戦隊カルデアンよ!そのあまりにもあまりな無礼と厚顔無恥っぷりには妾もびっくりかつ大笑いじゃ!やはり道化は必要じゃのう!むかつく程に愉快じゃ!誉めて遣わす!」

 

貴人の間。豪華絢爛なる間取りと広大な空間、そして玉座にて構成された最も尊き間にてカルデアンのサーヴァント達は元凶に相対する。密告制度を敷き、あらゆる存在を、あらゆる悪を抹殺し正義と秩序を敷いたその女帝。──女帝と呼ばれる言葉のイメージからはかけ離れた童女たる存在が玉座にて尊大にシャルル達を出迎える。その威容はけして侮れるものではない。飾りや偶像ではない、本当の王たる覇気を有しているのだ

 

「イースを陥落させ奪取したのも貴様らであろう?かの国は我慢もせずに快楽を貪っていた。そうなれば貴様らのような鼠に攻め落とされるのも道理。未来の無き国が滅ぶのは当然の理。奴等は快楽に耽るばかりで未来を見ていなかった。まさに!自業自得じゃな!」

 

「陥落っていうかボクたちがいただいたんだけどね、丸ごと」

 

「その話を切り出した以上問わねばなるまい。どうじゃ、妾の不夜城は。イースなどとは比べ物になるまい?」

 

自信も露に不夜城の女帝は告げる。背徳と享楽に沈んだ都とは格が違う。正義を奨励し秩序が満ちるこの国を素晴らしいものだと高らかに謳う。カルデアンの一同はその問いに顔を見合わせ、思いや感性において最も純粋なシアンに代表を任せる

 

「こほん、ではシアンが失礼して・・・正直な所を申し上げます!ぜーったいこんな街には住みたくないです!」

 

「うむ、うむ。答えは聞くまでもな──は、はぁあぁあぁあぁ!?

 

女帝、玉座からずり落ちる。想定、考案すらしていなかった回答に文字通り度肝を抜かれたのだ。揺るぎない正義を、秩序を受け入れられない。彼女からしてみれば愚昧極まりない回答に、体面を取り繕いながら玉座に戻り声をあげる

 

「ば、バカな・・・妾を謀っているのか?いやきっとそうに違いない!妾に拝謁までしておきながら、この国の素晴らしさが解らぬ暗愚じゃと!?信じられん!街を眺めながら、此処に来ながら、この輝きを拒絶するじゃと!?あまりに、あまりに不遜すぎてびっくりするー!!」

 

「信じられねぇのはこっちだ!密告なんてダセェ条例を推進しといてその自信はどっから来るってんだよ!」

 

シャルルの怒声に、女帝は告げる。この街は輝き、正義と秩序を推進され、影など有り得ぬ町であると

 

「我が街には正義しかあらぬ。闇などなく、光輝が正義を輝かせる。その在り方こそが我が不夜城。一辺の揺らぎもなき至高の都に他ならぬ!」

 

「ふざけるな!密告が満ち、疑心暗鬼を推進し、自由など在ってない!そんな国が・・・」

 

「当然じゃ。妾は密告を奨励しておる。其処の白い男が言ったようにな。むしろせねばならん。悪を隠してはならん。罪を覆ってはならん。その気配を感じただけでも告げるのだ。あとは忠実なる酷吏が真実を語らせ、その罪を必ず暴き出す」

 

その理論はあまりにも危険なものだ。冤罪、勘違い、濡れ衣、悪用。数多様々な過ちが起こりうる危険性を孕むものだ。だが、女帝はそれを、『悪用』という概念こそを否定した。それはあくまで、三流の国家の場合であると

 

「真に正しき国、正しく在ろうとする国ならば。間違いも冤罪も起こり得ぬ。無論、告密の制度を悪用する不届き者もな。そのような者が生まれよう筈もない」

 

「それは理想論ではないですか!現にこの街は、そのような街になっていません。疑心暗鬼に出し抜きが横行しています。あなたの理論は机上の空論でしょう!」

 

マシュは見た、皆は見た。隙を見せた者を売り飛ばす瞬間を、その光景を。他者が他者を蹴落とす様を。それを女帝は嘆く。歴史が浅いがゆえの不手際であると

 

「産みの苦しみというやつよ。妾の告密の教えが染み渡るに従い、此処はどんどんと理想郷に近付いていくであろう。しかし──この国はイース、アマゾネスの国とは比べ物にならぬほど平和であり、秩序があり、輝かしく富んでいる。これ即ち、妾の治世が正しき方向を向いている証左。悪は滅び、強きは栄え、責任を負い、弱きものはその礎となる。間違いなど有り得ぬ、子供すら理解する真理であろう?」

 

その在り方は統治者、国の理念としての方針と在り方としては紛れもなく正しい。正論であり真理とすら言えるほどの者やもしれない。だが──

 

「正しく在るならば、民が正しいならば告密は真理である。悪の存在は許されず、相互監視により悪の誕生は許されず。そして悪という概念は消え去る。正しくなければ死あるのみならば、皆は正しくあり正しくあろうと人を正す。まさに理想の在り方、正義に他ならぬ!」

 

自信満々に告げる女帝に、シャルルは言葉を返す。其処には足りないものがあり、致命的に異なっている、履き違えるものがあると告げる

 

「人には心があるだろ。何かをしたい、やりたいって心がある。そいつは理屈や正論じゃどうしようもねぇ機微なんだ。欲望や悪があるから人は人らしく、ダサくてもかっこよくなるもんだと俺は思う。あんたの治世は、悪と一緒に心も欲も、笑顔も捨てさせちまうひでぇもんだと思うぜ」

 

「欲望や心、悪は我慢し律するものであろう!あらゆる人間は我慢が足らぬ!耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び苦労を惜しまず勤勉であり続け!己を鍛えていけば悪など生じんのじゃ!密告の必要など自然となくなる!何処の馬の骨かは知らぬが、妾の前で妾の国家計画へ駄目だしとは──!」

 

指を鳴らす。即座に命令に答え大量に酷吏が召喚されあっという間に四人を取り囲み、やがて女帝自らも鞭を手に取る。彼等に潜んだ『不夜城への賛辞』という真実を引き出すために。思っていると確信した事実を引き出すために

 

「妾の手により賛辞を引き出したとして、罪は軽くはならん。国の主が定めた法を曲げてはならんからの。残念じゃが仕方ない。それでは刑罰を授けよう。涙して叫ぶがよい。『すみません本当は不夜城サイコーです』とな!くーっふっふっふー!」

 

  

戦闘は不可避。ただし撤退も推奨はされない。この場にてたどり着いた国の首魁。討ち取り或いは捕縛しなくては、天の宮殿へとはたどり着けないのだ

 

「んな思ってもいねぇおべっか、口が裂けても言わねぇよ!行くぞお前ら!マスターが来るまで持ちこたえるんだ!」

 

シャルルマーニュ、世界に名を遺す偉大なる王の奇跡の姿を取る騎士が指示を飛ばす。カルデアンの面々が素早く円陣を組み、互いの背中を護り合い防戦を担当しながら時間を稼いでいく

 

「うわぁ!でっかい鋸!押し付けないでセーラー服が傷付くじゃん!」

 

「鉈に金棒、身の丈に合わない武器は良くないです!きっちりと自分が使いやすい武器を使うべきではないでしょうかとシアンは思います!」

 

「単純に数が多い・・・!何よりこの死臭、フランスとは別の意味で堪えがたいおぞましさだ・・・!」

 

抑え込まれれば、封じ込まれれば終焉となる。必死に吹き飛ばし弾き飛ばし時間を死に物狂いにて稼ぎ押し返していき、懸命に対抗する。拷問の凄惨さに抵抗するある種の意地らしさや懸命さに、女帝は愉快げに微笑む

 

「中々やりおるな。骨太の鼠はよい。骨の寸断のしがいがある。それ故に解せぬ。どうして理解せぬ?人は正しくなれる。正しく在ろうとすれば正しくなれるのだ。努力は必要じゃがな。絶対の令を守らんとする努力、我慢じゃ」

 

「修行僧じゃあるまいし、娯楽も自意識も封殺なんて出来るものかよ!」

 

それらは人の機微、人の本能。それらが在ることは女帝も理解している。だからこそ、だからこそと彼女は告げるのだ

 

「欲があるのは人であるゆえ理解しよう。好きに寝たい、食いたい、怠けたい。悪を為したい──しかし、それらを誰もが我慢してこそ正しき人の住まう正しき国は成り立つ。──今、この不夜城に我慢できぬ者らの怨嗟が紛れていようとも、いずれ淘汰されるは確実。確固たる意思、たゆまぬ努力。正道、真理に至るにはそれらが不可欠であるという事が何故解らぬか!」

 

「それってさ、淘汰されるのは悪じゃなくて・・・──わわっと!」

 

アストルフォの言葉を酷吏が阻む。女帝は告げる。望み、努力し、手にしたもの。それを為し遂げ実践したのは──他ならぬ自分であると

 

「現に妾はそうしたからこそ手にいれた。必ず手にいれると誓い努力し、望んだものを手にいれた。出来ないとはな、虚言であり戯れ言である。──この姿なのは、『手にいれると決意した瞬間』こそが、宝を手にいれた瞬間であるのかもしれぬ。だからこそ妾はこの姿なのかもしれぬな」

 

だからこそ、誰もが出来る筈だと告げる。自らがそれを証明している。誰もが皆、努力すべきなのだと。その宝とは──その疑問を問い返す者が、城の天井を叩き壊し飛び込んでくる

 

【その宝を当ててあげるよ!それは国、自らの国──自分が為し遂げ掴んだ国という概念そのものでしょ!『聖神皇帝』!】

 

翼を拡げ、抱えたシェヘラザードをそっと下ろし、不夜城の光を照り返す漆黒の鎧が現れる

 

「ま──マスターブラック!!来てくれたんだな!」

 

【おうっ!ごめんごめん、細工してたんだ。とりあえず、この場で決着を付けに来たよ!】

 

真名を示し、それに連なる情報を照らし合わせ、そして告げる。密告政治、人々を痛め付け、望まぬ真実を引き出す拷問官、酷吏。そして、不夜城の中枢たる城堡、瑤光殿。シェヘラザード、ダ・ヴィンチ、シバが真名の情報を示し合わせた結果、導きだした名こそが──

 

【中国唯一の女帝。唐の太宗の後宮として!その死後は彼の息子の后として!対立者を暗殺して実権を握り、自分の国『周』を興すに至った女帝。聖神皇帝と呼ばせた者──その名、武則天!それが貴女の真名でしょ!!】

 

「──くふっふふふ!正解じゃ、正解じゃ!泥龍!誉めてやろうぞ!ちなみに泥龍とは泥みたいな黒さに龍っぽい意匠を感じる故の渾名じゃ!」

 

あらゆる存在を暗殺し、恐怖政治を敷き、国を統治した中国三大悪女の女帝、──武則天。女帝と呼ぶにはかけ離れた見た目ゆえ特定は遅れたが、それは女帝も認めたが故に。正しき名前と一同が認識する

 

「そこまで辿り着いた賢明さにより、チャンスを与えよう。光輝く正義の都。努力する限り、誰もが正しく在り続けられる。我が臣民になると誓えば、妾の気が変わって獄に繋がらずに済むかもしれぬぞ?」

 

その勧誘を、リッカが首を横に振る。この国は輝かしいかもしれない。秩序に満ちているかもしれない。正義が敷かれているかもしれない。だが──この国という大樹の根は、けして正しいものではない

 

【この国は土台からして脆いよ。平時では平和で輝かしくても、その認識と在り方は嵐や困難の前には必ず瓦解する。どうしようもないくらいに儚くて脆い。蜃気楼や砂上の楼閣、違法建築と何も変わらない。──だからこそ、私はそれを告げに此処に来た。不夜城は、今日此処で潰える】

 

「──随分と大きな口を叩くのじゃな、汚濁と闇を形にした泥龍風情が。何を以て妾の治世を終わらせる?何を以て妾の国を終わらせるのじゃ?」

 

決まっている、とリッカは不夜城のモニターを展開する。其処に映りし映像を、武則天へと突き付ける

 

【決まってる。『秩序や正義じゃどうしようもない』手段でだよ】

 

その指差した光景に──武則天は目を見張る事となる。その国を襲う惨状を、目の当たりにした瞬間に鞭を取り落とすほどの衝撃が女帝を襲ったのだ

 

「先輩!?これは──!」

 

・・・輝ける不夜城に、巨大な竜達が咆哮し闊歩している。巧妙に人を狙わず避けてはいると知己ならば理解できる振る舞いにて、街を暴虐に蹂躙しているのだ。ケツァル・コアトル、ニーズヘグ、ファヴニール、エキドナ、ヤマタノオロチ・・・。随伴にて作り上げた泥を形にした存在達が、光輝の都市を片端から破壊し咆哮を上げている

 

「な、なんじゃあの竜達は!我が不夜城にこのような者達を・・・!」

 

【そんな国の一大事に、貴女は民から立ち向かう力を奪い取った。その結果をしっかり見てみるといいよ】

 

民達は我先にと国を、居住を捨て逃げ出していく。明確な死の恐怖と脅威の具現に、抑えに抑えていた不満と恐怖が噴出した故に一目散に、我先にと国から離脱していく。立ち向かおう、国を守護するために立ち向かおうと・・・国に殉じようとする者は酷吏を除いて誰もいない。自らの生存のために、躊躇いなく国を捨てているのだ

 

「な、何をしておる!止まれ、止まらぬか!国を、秩序を捨てて何故逃げる!このような事態にこそ国が一丸となり立ち向かわなければならぬというに!」

 

酷吏が無慈悲に龍らに食い殺されていく。民達は一目散に逃げ出していく。国と呼べるものは急速に瓦解していく。統治の果て、理想の国は自ら滅びていくのだ。都市ではなく、建造物を壊していく恐怖の象徴。それだけで──最早国は国の体を成していない。砂塵の如く、国は消え去っていくのだ

 

「何故じゃ、何故じゃ、何故じゃ!何故妾の国を誰も護ろうとしない!秩序で、法で、貴様らを護っていた国を何故そうも容易く捨てられる!何故じゃ、何故じゃー!」

 

その薄情さは武則天の国がもたらしたものだ。民達は疲れ果てていた。恐怖に、密告に、束縛に。だからこそ心で思っていたのだ。心に闇を抱えていたのだ

 

・・・──【こんな国、無くなってしまえ】と。逃げ出した民達は、歓喜すら浮かべていた。それは正しく、不夜城が覆い隠していた民の真意、そのものだった。酷吏の恐怖すらも意味を成さない。それを上回る恐怖が目の前にある以上──何も

 

【──この国は脆い。私の国の言葉に『人は城、人は石垣、人は堀』っていう言葉があってね。あなたは国として人を護ったんじゃなくて、人に国を護らせた】

 

そして最後には──不夜城には人の全てが逃げ出し、空虚な箱・・・廃墟となり果てた不夜城のみが残る。誰も照らすもののない、空しき空間のみが映し出される

 

【私達は本当に強い国を知っている。確約された滅びに立ち向かった国を知っている】

 

「──ウルク・・・メソポタミアの地・・・」

 

【貴女の描いた国は、正義と秩序。それが理想なのは解る。でもね──そこに住む人達が願う大半の理想はね・・・きっと、平穏と笑顔なんだよ。武則天】

 

「・・・何故じゃ・・・妾は・・・妾は・・・また・・・」

 

【終わりだよ。武則天。もう戦う理由は何処にもない。──不夜城という都市は、国は。たった今滅びたんだから】

 

リッカが突き付けた、不夜城の脆さ。武力ではないその決着と真実を前に、最早治める国なき女帝となった武則天は膝を付く

 

【さぁ、私達と来てもらうよ。あなたには敗残の皇帝として・・・然るべき、罰と報いを受けてもらう】

 

一同が武器をしまい、酷吏が武器を落とす。国を抹消された武則天の敗北を以て、不夜城は崩壊を確約され、戦いの終焉を告げる──

 

暴虐の竜は去り、残されしは、何も存在せぬ空虚を光輝が空しく照らす光景のみであった──

 




武側天「・・・・・・・・・・・・」


シャルル「流石に国が滅んじゃ、どうしようもねぇか・・・えげつないけど、これが一番だったのかも知れねぇな・・・」

マシュ「先輩、遅れていたのはそういう事なんですか?」

「そゆこと。誰も死なない為には、国の全てを否定しなくちゃいけなくちゃと思って。やっぱり・・・人が笑わない国は、間違っていると思うから」

デオン「・・・為政者を止めるためには、こうするのが最適なのかどうかは分からない。だが、明確な驚異に対抗できる意思は、この国には──」


「⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛!!!!!!!」

瞬間、天よりその存在が現れる。──暴虐と暴走の化身。偉大なりし、そしておぞましき無軌道の王とされし天災そのもの──

リッカ【・・・ヘラクレス・・・!?嘘──!?】

コンラ「な、何事ですか!?大きいです!大き過ぎます!?」

ダ・ヴィンチ『勿論カルデアのヘラクレスとは無関係だ!シェヘラザード、これは!?』

「暴虐と暴走の英霊・・・破壊の天災・・・このアガルタに以前より現れし、治世の在り方を脅かす嵐──私は彼を知りませんが、こう呼んでおります。『シャフリヤール』・・・と」

リッカ【シャフリヤール・・・】

『細かい話は後だ!とにかく撤退しよう!女帝様もいるんだろう!早急な判断をしなくては全滅だ、相手はあの──!』

シャルル「その通りだ!大英雄なんざ勝ち抜き戦でやっていい相手じゃねぇ!無駄死には最高にカッコ悪いからな!尻を捲って逃げようぜ!」

マシュ「殿はお任せください!皆さん、撤退を!」

リッカ【──解った!!】

不夜城 中華街


コロンブス「無事だったね!良かった!合図を待っている場合じゃないからやってきたよ!皆いるよね!」

リッカ【コロンブス!良かった、臣民の保護は!?】

コロンブス「出来うる限りこっちで!さぁ、早く撤退を──」

?「そうだ、ヒッポリュテ。直ちに去れ。我等が戦いの盟約を果たすまで死ぬな。そして──」

リッカ【!?】

「ようやく出逢えたな・・・!──アキレウスゥウゥウゥウ!!!!!

リッカ【ペンテシレイア・・・!?アマゾネスの皆も!?】

アマゾネス「この場は我々が!お早く!」

「女王は止まりませぬ。まずはあの大英雄を倒さねば!どうかこの後の為にも生き延びてください!」

デオン「あ、ありがとう!さぁ、皆!」

シェヘラザード「死なないように・・・お早く」

リッカ【よし──撤退だぁ!!】


・・・そうして、勝利の余韻に浸る間もなく、女帝を連れて私達は一目散に撤退を行いました

その背後には──巨大な大英雄とたった一人で立ち向かう、若き女王の姿。そしてアマゾネス達の奮闘があり

「⬛⬛⬛⬛⬛!!!!」

「アキレウスゥウゥウゥウ!!!!!」

さながら、嵐のように、暴風雨のように──不夜城の残骸を蹴散らし尽くしました

──天の宮殿に至るには、必ず乗り越えなくてはならぬ高き高き壁。その困難と試練に、我が王とその仲間たちは挑まなくてはならないのです

そして、それは。我が王と運命を共にする私も同じく──

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