人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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?「いいのかい?」

?「構わぬ。かの大英雄ならば拘束手段は多彩であればあるほどよい。僅かな手違いにて何者かが諸ともに毒に堕ちたなど話にもならん。力添えをしてやるがいい」

「ふふ、解った。僕も暇を持て余していたところだからね。いつも異常に、縛ってあげるとも」

フォウ(気を付けてね、エルキドゥ)

「分かってるさ、ちゃんとしっかりやるよ。きっちりしっかり、ね?」

(そうじゃなくて) 

「?」

(やりすぎて、皆をドン引きさせないようにね!)

「あはははは。そうだね。大丈夫大丈夫。・・・大丈夫だよ、多分」

──多分!?

「良いな、振りではないぞ?芸人めいた応答は要らぬぞ、よいな!くれぐれも作戦の根幹を覆すなよ!よいな!」

「大丈夫だよー。信用ないなぁ」

「たわけ!信用しているから念を押しているのだ!!」

──はい、エルを誰よりも信じているからこそ自重をお願いいたします!お願いいたしますね!

「あはははは、気にかけてもらえて嬉しいなぁ!よーし、やる気出しちゃおうかな!」

「だから止めよ!協調性を持てと言うのだ貴様は──!」




礼儀は弁えている。礼節は理解している。だが、それでも、どうしても・・・


『──美しい』

あの言葉を、あの一言を止めることは出来なかった。だが・・・

それを無かった事にするよりは。一目みた自分を無かった事にするよりは

恨まれ抜こうとも。・・・かの姿を見た記憶は──無かった事にする気が出来ないほどに・・


我が生命は、流星の如く

絶え間なく空間が振動する。絶え間なく大地が砕け、天が叫び、辺りの全てが沸き立ち煮え立ち、凄まじい咆哮と怒号、そして轟音が間断なく地底を揺るがしていく。エルドラド──黄金郷の最先端、人の存在せぬ密林の土地・・・いや『密林であった土地』に、二つの嵐、そして一つの流星が降り立ち見るもの総てを戦慄させる驚天動地の戦いを、激突を、ぶつかり合いを演出していた。それらは一般なる存在、平凡なる存在は目の当たりにすることや介在することすら許されない至高にして混沌の三つ巴。エルドラドの国そのものを揺るがす程の決戦が執り行われていたのだ

 

リッカらが手にしたヒュドラの毒。それらを使い手であるものに託し任せ、メガロスのみを的確に葬り去る空間を作り上げ其処にメガロスを叩き込み勝敗を決し、同時にペンテシレイアを援護する。倒すためにはエルドラドの黄金郷にメガロスを招かなくてはならないが、準備が完了するまでは黄金郷に近付けてはならず、時間稼ぎと誘導をメガロス相手にこなせる勇者が必要となっていた。その役割を果たそうとしたリッカらを静止し、理性を喪いし女王、そして巨英雄の激突。それらを掻い潜りこの任を果たすはもはや無謀の域を越える。──その絶対の死地に飛び込んだのが・・・楽園でもトップクラスの実力を持ち、そしてペンテシレイアと因縁浅からぬ英雄、アキレウスであったのだ

 

【⬛⬛⬛⬛⬛!!!!】

 

暴虐の英雄、メガロスは分け隔てなく敵対者を、総てを破壊せんと狂い猛る。振るいし大斧の一閃は大地を粉々に砕き、踏み締めた大地は最早粉微塵に砕け散る。その巨体からは想像すら出来ない速度や身体捌きは、無双の英雄の本領と本懐を存分に見せ付ける。イアソンに曰く『数多の英雄が挑み続け誰も敵わなかった頂点』の評価と他評は、一切の過ちでは無いことをアキレウスは改めて痛感する。この三つ巴に、全く揺らぐ様子すら見せずにアキレウスとペンテシレイアを相手取っているのだから

 

「殺す殺す!!いくら増えようといくら駆けようといくら逃げようと必ず殺してやる!貴様だけは、貴様だけは──アキレウスゥウゥウ!!!!」

 

そのメガロスにすら追い縋るペンテシレイアはまさに女王そのものであった。斧の一撃を鉄球で叩き返し、腰の短剣でアキレウスの槍を受け止め蹴り飛ばす。憎き敵、アキレウス。そして認識は出来ていないものの確かな敵として認めしメガロスを敵に回し、咆哮と気迫にて、その小さな身体で互角に立ち回り三つ巴の戦線を完全に維持していたのだ。肉体の総てを強さへと変換し実践する対アキレウス絶対殺害戦術。真名、『我が瞋恚にて果てよ英雄(アウトレイジ・アマゾーン)』の本領を、常に発揮しアキレウスを殺すことのみを念頭に戦っているのだ。狂い果て、目の前の存在全てがアキレウスに見えていながら、その総てを抹殺するために

 

「口は災いの元とは良く言ったもんだぜ・・・こう死ぬほど恨まれてる事を突き付けられちゃ、頭が下がる想いでたまらねぇな・・・!」

 

メガロス、ペンテシレイアの攻撃を捌き、回避し、そして的確にメガロスだけに槍を食らわせる神業を見せるアキレウスが、狂乱するペンテシレイア、そしてメガロスに相対し苦々しく呟く。メガロスはまだいい。狂い果てたクラスで呼ばれる事も確かに在るだろう。問題と感心は、その女王に向けられていた

 

ペンテシレイア──自分のつまらぬ好奇心にて、一生の屈辱を与えてしまった相手。愚かなる自分の一生のツケと負債。かの女王と命を懸けた防衛を行い、言葉が通じる余地は何処にも介在せぬとも、アキレウスはその胸に去来する想いを、否定するわけにはいかないのだ。そして──こうも思う。例え一生の悔恨であったとしても。愚かで永遠に消えない汚点だとしても。それでも──

 

戦いは熾烈と混乱を、そして意外にも拮抗を見せた。アキレウスが自分を全力で殺しに来るペンテシレイア、そして振るわれるメガロスの剛力を槍と駿足にて捌き、かわし、打ち払い、直撃を避けきりながら戦い、メガロスを刺し貫いていき、一定の平定を執り行っているからであり、また単純に実力がハイレベルで均衡を保っていたのも大きい。だが・・・気を抜いた者から即座に肉塊に成り果てるギリシャに名高い三英雄の戦いは、それほどまでに大規模かつ死闘と相成っているのだ。その永遠に続くとすら思われる激闘にして激突。斧が、槍が、鉄球が、咆哮が入り交じり暴風や嵐が如くに巻き起こり立ち上る。天地が泣き叫び、辺りの空間は最早見る影もなく更地と化し、血の匂いに飛沫、地面が余さず血に染まる程の壮絶な戦いとなっていたのだ

 

「おぉおぉおッ!!」

 

瞬間の空白、思考の刹那。マスターらの準備が完了する瞬間と報せを待ち続ける。本領たる戦車を温存しているのもその為であり、いつもは着込まぬ母が頼み込み作らせし黄金の鎧を着込んだのもその為だ。自分の勝利は、メガロスを討ち果たしペンテシレイアを殺す事ではない。マスターに、仲間達に勝利の道を切り開く事であるのだ。翡翠の軌跡が縦横無尽に戦場を描き、描いた刹那にペンテシレイアとメガロスを吹き飛ばし切り刻む

 

(防戦に回りさえすりゃあ凌ぎきれる。メガロスを倒すのはヒュドラの毒に任せるとするか。後は・・・)

 

ペンテシレイア。彼女をなんとか落ち着かせマスター達の下へと返してやらなくてはならない。味方であると決めたならば一切の犠牲は容認しない。楽園の方針に従い、なんとしてもペンテシレイアを生還させる。その為にこそ、自らは此処にいるのだ、なんとしても──

 

『聴こえるか、韋駄天。心して聴くがいい』

 

凄烈に威厳を知らしめる楽園の女帝、セミラミスの声が通信を通じて耳へと届く。その響きに反した吉報であることを確信したアキレウスは、メガロスを渾身の蹴りにて吹き飛ばしペンテシレイアを投げ飛ばす

 

「出来たか!」

 

『あぁ。問題はあるまい。神代の毒風呂の完成だ。下着だけではなく全身に染み渡る毒の入浴・・・むくつけき筋肉に拵えてやったぞ。指定の場所、その座標を送る。その場にかのメガロスとやらを叩き込め』

 

モニターに展開されるエルドラドの一室の部屋。そこに十一の遮断結界を敷いた毒風呂が出来たとされる。その場所に叩き込みさえすれば・・・勝利が確定するとの達しが出たのだ。アキレウスの身体に闘志がみなぎる

 

「良し!なら後は任せとけ!じゃんぬパイセンの店で鍛えた出前の腕を──、ッ!」

 

・・・その三つ巴の戦いは、呆気なく崩れ去ることとなった。アキレウスの渾身の投げを受け、そして吹き飛ばされたペンテシレイアは、膝を付き立ち上がる事が叶わなかったのだ

 

「ッハァ、ハァッ・・・!アキレウス、アキレウスゥウ・・・!」

 

憤怒と激憤にて、これまでずっとメガロスと凌を削り続けてきたペンテシレイア。一対一であるのならば拮抗できたが、其処にイリアス最強の英雄を挟んだ戦況では、闘志より先に肉体、霊基そのモノに限界が来たのだ。魔力の枯渇による行動制限が、最悪の形で降りかかる事となる

 

【⬛⬛⬛⬛⬛!!!】

 

「がはぁっ──!!」

 

渾身の殴打が、ペンテシレイアを殴り付けた。地面を三回、四回転して転がり吹き飛び、気を失い沈黙は確実となる有り様を見たアキレウスは、矢も盾もたまらずにペンテシレイアをその駿足で受け止めた。これ以上追撃を受けては、完全に消滅してしまう。その事実を覆すために、アキレウスは先回りし受け止めたのである

 

「ペンテシレイア!大丈夫か!?しっかりしろ、おい!」

 

死ぬほどに恨まれ、憎まれていようと。その想いに偽りと陰りはない。たとえ自分が次の瞬間殺されていようと、見捨てる理由など何処にもない。ぐったりと弛緩するペンテシレイアを助け起こし、血塗れとなった彼女に呼び掛ける

 

「・・・言わせぬぞ・・・」

 

「!」

 

「・・・美しいとは・・・言わせぬぞ・・・!アキレウス・・・アキレウス・・・アキレウス・・・!我が戦いを、凡百の結末として忘却する事、だけは・・・絶対に、赦さぬ・・・認めぬぞ・・・」

 

その吐露に、その心情にアキレウスは強く痛感する。一度たりとも忘れた事はない。一度たりとも、凡百の結末として片付けた事はない。戦い、呪い、そして──垣間見たあの感情に至るまで、何一つ

 

「・・・あぁ、分かってる。分かってるよ。いや、今分かった。アンタは俺を殺したい、殺したい・・・が、それだけじゃないんだな」

 

それだけじゃない。詫びのために命を差し出したとしてもペンテシレイアは納得すまい。その吐露を聞き及び理解する。彼女の願いとは、『再びの尋常な勝負。戦士の誇りを懸けた再戦』であるのだろうと、アキレウスは合点が行く。殺すのは──あくまで、その果てのついでに過ぎないのだと

 

「戦士としての自分を見ろ、か・・・ペンテシレイアの矜持と誇りは、結局其処に終始している。俺はそれを、解っちゃいなかった訳だ」

 

自らはどうも、何度も大切な事を取り零してしまうらしい。こうして再び命を懸けねば、ペンテシレイアが望むべき事象に気付かぬまま、新たなる屈辱を与えてしまう所であった

 

【⬛⬛⬛⬛⬛⬛!!!!】

 

止めを刺さんとメガロスが迫る。巨大な斧の一閃が、最上段にてアキレウスとペンテシレイアに振るわれ振り下ろされる。その一撃を受ければ、粉微塵にされるほどの一撃だろう。それを目の当たりしたアキレウスは──何よりも迅速に動いた

 

「なら──再戦を果たすまで死ぬことも殺されるわけにもいかねぇな!!」

 

素早く回避し空中へと逃れ、高らかに口笛を吹き鳴らす。晴天の霹靂たる雷と共に、神馬と名馬にて構成されし戦車を疾風が如く召喚し騎乗する。彗星が如き速度にて空中へと飛び立ち、大幅に一旦距離を取り──

 

「この場の勝利は譲ってもらうぜメガロス!我が身は敗北を赦されぬ身、そして尋常なる決闘を申し込まれし身だ!──クサントス!バリオス!ペーダソスッ!往くぞッ!!」

 

直線の軌道から、複雑怪奇なる縦横無尽の疾走へ。高まる速度と魔力。総てを担い、高め、そして全身全霊を練りに練り上げ展開する

 

「生命懸けで突っ走れッ!我が生命は流星の如くッ!!」

 

かつて、オケアノスにてヘラクレスに回避されし全身全霊の突撃。だが今回はバックアップも霊基の質も段違いに上がっている。全力にて全開なる本気の速度。かの巨大なるメガロスに向けて叩き込む最強最速の疾走による真名開放──

 

【⬛⬛⬛⬛⬛──】

 

メガロスはその危険性に気付き、ガードをあげ迎え撃とうと試みたのではあろうが──人類最速の脚をも越える戦車の突撃に、それは余りにも遅く、愚鈍に失した

 

「もう遅いッ!!『疾風怒濤の(トロイアス)不死戦車(トラゴーイディア)』ッ!!」

 

その渾身にて最速の突進突撃。ヘラクレスのカタチを取らなくては即座に四散したであろう必殺の突撃に。

真正面より受け止め激突したメガロスの身体は、その巨体が『宙に浮く』という程の衝撃を受ける。そしてそのまま──

 

「おぉおぉおぉおっ!!」

 

【──!!】

 

先頭にメガロスを釘付けにし、巨大なるメガロスを抱える形にて天空を疾走し飛翔する。準備が完了せしエルドラドに向けて、メガロスを今度こそ征伐、討伐せしめるためにだ

 

猛烈な速度でありながら、更に加速していく戦車。真正面に括り付け上空の流星となり、エルドラドへ一直線と翡翠の軌跡が描かれていく

 

【⬛⬛⬛⬛⬛!!!!!】

 

「ちぃっ──!」

 

メガロスもなすがままでは無かった。その豪腕と剛力で戦車から逃れんとばかりに猛烈な抵抗を見せる。不死の神馬を殴り付け、戦車の外観を破壊していく。車輪と、不死ではないペーダソスを防御し必死に抵抗するアキレウスではあるが──

 

「がはぁっ──!!」

 

巨大なる拳が鳩尾に叩き込まれる。肋骨にヒビが入り、霊核が軋む渾身の殴打がアキレウスの身に直撃し、一瞬なれど意識が飛びかける。母の鎧がなければ、親からの肉体が無ければ死んでいただろう。だが──アキレウスは生きている

 

「甘いぜ、メガロス・・・!俺を殺りたきゃ踵と心臓を射抜きやがれ・・・!!」

 

血を吐き出し、それでもアキレウスは速度と手綱を緩めない。勝利へ向けて、一切の淀みと揺らぎなく猛進、邁進し。最後の一手へと導いていくのだ。そして──猛然と迫り来る、黄金なるエルドラド。その場にて教えられしポイントを視認する

 

「さぁ、運命がお前に追い付いたぜメガロス・・・!とびきりの歓迎だ、たっぷり味わいやがれ!!」

 

その場に、唸りを上げて突撃していくアキレウスと戦車、そしてメガロス。本能的に危機を感じ取ったメガロスが更なる抵抗を示さんとした瞬間・・・それらを待ち受けていた仲間たちが、それらを阻む

 

 

「心配しないでほしい。今度は千切らせないよ。今度は、ね」

 

「この鎖は、未来へと掛ける鎖だからね!!」

 

コロンブスの白銀の鎖、そして暇潰しに自主的に現れたエルキドゥの黄金の鎖が、メガロスを縛り付け戦車から引き剥がす。同時に戦車を消滅させ、ペンテシレイアを抱えて離脱をアキレウスが行う。それをヒポグリフが受け止め、回収する

 

「砲撃!!開始ッ!!」

 

「ディアナ!セレーネノヴァアァアァッ!!!」

 

「ルーン総動員!発射!」

 

巨大なる白き光線、多種多様な色彩の光線、ルーンの射撃が辺りを満たしメガロスに殺到し、ソレから感心と警戒を反らす。そして砕かれる黄金郷の壁、飲み込みし結界。──其処に在りしは・・・

 

「妾のお気に入りの壺じゃ、たんと毒を味わうがよい。これこそ、我が拷問の極致である!」

 

「フフ・・・悶え苦しむ暇があればよいな?」

 

──其処に在りしは、ヒュドラの毒が並々と注がれしおぞましき毒風呂。一度身体に入れば、不死すら殺す必殺の毒

 

【⬛⬛⬛⬛⬛・・・!!】

 

最早メガロスの運命は定まってしまった。その毒に触れた瞬間、加速度的に霊基が、生命のストックが消え去っていき、霊基の侵食と崩壊が始まっていく。想像を絶する苦痛と共に

 

 

【⬛⬛⬛⬛⬛──!!!!!!】

 

その断末魔とも取れるおぞましき咆哮は、消え去る直前にまで響き渡り轟いた。大英雄ですら即座に死に至る毒を、最後の最期まで味わい抜き、そして──

 

『・・・メガロス、反応消失!やったよ皆!再び、大英雄越えを君達は果たしたんだ!』

 

歓喜と歓声が巻き起こるエルドラド。国を防衛し、掴みとりし勝利に一同が感涙を浮かべた感情に包まれる

 

「皆様、本当にお疲れ様でした・・・これで、国を統治せし総ての支配者を、乗り越えた事になります」

 

シェヘラザードが、リッカに告げる。今が、その時であると

 

「ひとまずは桃源郷へ。証したるものは総て私が持っております。今こそ開かれましょう・・・『天の宮殿』への道が」

 

「いよいよ・・・だね!」

 

最大の障害を下せしリッカら一行を、この様々な在り方を認める地底の最後の到達点へと、語り手は誘う──




ペンテシレイア「む、ぅ・・・っ」

リッカ「あ、目が覚めた?女王」

ペンテシレイア「ヒュポリュテ・・・ここは・・・アキレウスは、アキレウスはどうなった・・・!」

「・・・」

「・・・、そうか。・・・私はまた、届かなかったのか。・・・生命すらも奪わぬとは。ヤツは私を何処まで・・・」



リッカ。ここのペンテシレイアが戦っていたのはメガロスだ。メガロスを、俺と勘違いしてな。だから・・・ここのペンテシレイアの戦いは、終わったことにしといてやってくれ

楽園に招かれた時、俺は必ず役目を果たす。向こうも、アンタがいるなら来るだろう。・・・頼むぜ



「・・・ペンテシレイア」

「・・・慰めは不要だ。私は・・・」

「ううん。──あなたは、もっと強くなるしかないよ」

「!」

「誰かを頼ったり、誰かを信じたり、負けても立ち上がる強さを身に付けよう。もっともっと強くなって。願いを叶えよう。今の限界を、越えよう」

「ヒュポリュテ・・・」

「だから──最後まで、力を貸して。そうすれば、すべてが終わった後もあなたの戦いは続く筈だから!」

「・・・──成る程。そういった強さは・・・確かに、身に付けてはいなかった」

「・・・」

「・・・──お前たちがかのアキレウスを倒した事は解った。それはつまり、我等の誰よりも強いということ」

「!」

「従おう、ヒュポリュテ。お前達に、助力を誓う。アマゾネスの誇りに懸けて」

「うん!ありがとう!ペンテシレイア!」




イアソン「丸く収まった、か。まぁ問題の先伸ばしとも言うがな!どうだ、地雷女に引っ掛かった感想は!辛いだろう!」

アキレウス「自業自得だっての・・・御互いにな。今は、きっとこれでいいんだ。全部は・・・楽園に招かれてから受け止めるさ・・・」


そして、旅路は佳境を迎えます

水上都市、不夜城、黄金郷。竜宮城。それらを踏破せし者に現れる天の宮殿。それはすぐそこに

そして・・・

コロンブス「・・・」

かの少年の目指す夢、そして私の希望も、きっとすぐ其処に──

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